仰天!武蔵野市『民主主義』周遊記(その16)

借金火達磨・巨大政治犯罪都市

塩漬け用地“隠れた公的資金投入”説の報道例

1999.4.16

 下記の記事が『生活と自治』1999.4月号に載った。『生活と自治』は略称「生活クラブ生協」こと「生活クラブ事業連合生活協同組合」の連合会の機関紙で、この生協の運動を基盤にした「生活者ネットワーク」が、いくつかの地方自治体で議員を出している。武蔵野市にも、今度で2期目に挑戦する古林(こばやし)わか子の媛がいる。

 ただし、記事そのものが「生活者ネットワーク」の政策になるわけではない。古林わか子の媛自身は、ミーハー型マドンナ候補であり、まるで理解していない。市民の党の山本ひとみの媛とは、議員数の関係で議会内の同じ会派を結成しているが、山本ひとみの媛が土地開発公社問題を追及する時に私の説を取り入れていることを、「仲が良い」としか位置付けできないのである。まあ、小学校のクラス会の理解なのだろう。その程度が、一頃は「新左翼」の一派として注目を浴びた「生活者ネットワーク」の政治水準である。

『生活と自治』は、すでに3年前の1996年6月号でも、土地開発公社問題を取り上げていた。記事の末尾に記されている署名の「本紙編集室・内野祐」は、私の日本テレビ相手の争議中に読売新聞グループの取材を担当した元『週刊現代』記者である。その時期の「住専」予算問題に関する集会で私が配布した土地開発公社問題特集の『フリージャーナル』を見て、会いにきたのだった。その時よりも、今回の方が、“隠れた公的資金投入”という全国的な視点を強調していることが、この際、特に重要である。

 以下、記事全文。

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“隠れた公的資金投入”か!?
土地開発公社の“塩漬け土地”問題

 銀行の不良債権処理をめぐる公的資金投入に世間の目が向いているが、その一方で、膨大な金額にのぼる“隠れた公的資金投入”と指摘されている問題は見過ごされてきた。地方自治体の外部段体である土地開発公社が未利用のまま抱える用地=塩漬け土地問題で、自治体財政圧迫の一つともいわれている。

 自治体による土地取得問題を追及しているジャーナリストの木村愛二さんはこういう。

「全国の土地開発公社が保有している土地はバブル崩壊後も年々膨らみ、1996年度末で総額9兆円余。これ以外に、すでに地方自治体が取得している塩潰け土地を合わせると10数兆円になります。会社による土地取得資金は銀行の融資。これはいずれ自治体が税金で返済しなければならず、隠れた会的資金投入ともいえるものです」

「地方自治体はわりを食った」

 9兆円はいわば借入金総額になる。それはともかく、木村さんが「さらなる問題」として指摘するのは、土地開発会社が土地を取得した時期とその金額。図を見ていただければ一目瞭然だが、バブル崩壊で地価が暴落した1991年は急増、それ以降も2-3兆円規模で推移している。

「1988年のブラックマンデー後の地価低落を恐れた政財界が、地方公共団体の土地開発公社を利用して、先行取得の名目による地価買い支えを行ったことは一目瞭然。地方自治体はわりを食った」というのである。

 1990年頃から、土地開発公社による土地取得が容易になるような施策が打ち出されるようになった。自治省は1991、建設計画のない段階でも土地取得を認めるなどの緩和策を打ち出した。さらに1992年以降政府は、経済対策の一環として土地の先行取得を自治体に奨励し、土地開発会社が取得できる土地の規制も緩和してきたのである。

 土地開発会社は自治体がl00%出資する特別法人で、地方自治体の土地開発機関。自治体は議会の議決を経ずに土地開発公社に土地取得を依頼、公社は銀行から融資を受けて土地を取得するが、その土地は、金利分を含めて自治体が土地開発公社から買い戻さなければならない。

[本Web週刊誌編集部注]:この雑誌記事には、全国土地開発公社の土地購入状況のグラフが、わが『フリージャーナル』より転載として掲載されているが、すでに以下のわがホームページに入っているので、まだの方は、下記をクリックして参照されたい。先方にも、このページに戻るリンクを貼って置く。

➡ 塩漬け用地取得状況グラフ

約66万平米が放置されていた川崎市

 ところがこのご時世。先行取得したものの事業化のめどが立たず、土地開発会社は塩漬け状態の用地を抱え込む羽目に陥っている。この問題でよく引き合いに出されるのが神奈用県川崎市。2年前、佐藤洋子市議(神奈川ネット)がこの問題を議会で質問した。この時、市当局は土地開発公社などが土地の先行取得をしておきながら、事業が予算化されていないため放置されている土地は約66方平米あり、市が買い戻すための資金は約2399億円になると答弁した。

 川崎市土地開発会社の現況と、自治体財政の関係について同市ではこういう。

「土地間発会社で保有している土地は昨年未現在で45.5万平米、1423億円にのぼっています。そのうち、具体的な利用計画があるものは37.1万平米、1l09億円です。土地の取得が財政難の原因というよりは、税収減などの財政難の結果、公共事業の進捗に遅れが生じたことが、土地の保有期間の長期化を招いているとも考えられます」(同市公有地調整課)

 しかし、佐藤市議は先行取得について、事業目的そのものが定かでない土地もある。今、買っておけばいずれ役に立つだろうという、バブル的な発想で目的未定の土地取得のために予算が組まれた。こうした土地政策が財政難の一つの原因」と手厳しい。

 埼玉県川口市では、市公社が土地取得に費やした金融機関からの借入金残高はl064億円(1996年度末)で、市の一般会計の総額に匹敵するという。各地で同様の事態が起きていることは想像に難くない。そのツケは結局、住民が支払わされることになるのである。

本紙編集室・内野祐
[『生活と自治』1999.4月号]

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以上で(その16)終り。(その17)に続く。


(その17)いよいよ選挙公示:25日に市長と市議が決定だが
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