武蔵野版『不祥事隠し』独自捜査シリーズ(その16)

「公金横領金弁済請求書」「回答及び抗議」他の
情報公開で当然の勝利!

2000.9.9

 すでに本シリーズ(その14)で報告した「細川受刑者の代理人」の「抗議文」その他のコピーを、情報公開請求で獲得した。当然の勝利である。なお、情報公開の請求以前に、文書課に電話し、「公金横領」関係は納税課、「退職手当」関係は職員課の文書となっていることが判明したので、2通の情報公開請求書を情報公開コーナーに提出した。以下、原文の作成、発送とは順序が逆となるが、まず最初に「公金横領」関係についての「回答及び抗議」を、全文紹介する。読みやすくするために漢数字をアラビア数字に直し、一部、明白な校正ミスの句読点を訂正したが、その他は原文のままである。

「貴殿」「請求」「金額は」「まったく根拠のないもの」


 題名:回答及び抗議

 本文:

 前略。貴殿から府中刑務所内にいる通知人に対し、平成12年6月15日付内容証明郵便にて金4,273万3,100円也の横領金返済請求書がきましたが、東京地方裁判所八王子支部において本年5月25日に言渡され、確定いたしました判決では、通知人の横領額は合計金1,110万3,700円とされています。

 右判決の金額は、すべて貴殿から出された告訴状にもとづいて出された金額を根拠とするものであり、また右告訴にかかる金額のほぼ全額となっております。

 したがって、貴殿からの今般の右請求書の前記記載は、貴殿の行った告訴の金額とも異なっており、まったく根拠のないものであります。

 市長としての貴殿からのこのような過大請求は、不当に回答人及びその家族を苦しめるものであります。

 よってここに、貴殿の右請求に対し強く抗議いたします。

 また、前記判決の金額につきましても、通知人は現在服役中であり支払能力はありません。その旨御承知おきいただきたいと存じております。

 右回答及び抗議をいたします。早々。

 平成12年9月4日
 東京都新宿区西新宿7-20-16
  ダイカンプラザシティII-304
          原口法律事務所
  通知人細川行廣代理人
          弁護士・原口絋一

 東京都武蔵野市緑町2-2-28
  武蔵野市代表
  武蔵野市長・土屋正忠 殿


 以上の内、「貴殿からの今般の右請求書の前記記載は、貴殿の行った告訴の金額とも異なっており、まったく根拠のないもの」とか、「過大請求」とある部分は、もっと分かりやすくすると、すでに紹介した細川受刑者の発言、「そんなに多くない。空領収書を渡した」に該当する。

古風こけ威し漢字不揃い使用の公文書は有効か?

 つぎは、武蔵野市が内容証明付き郵便で、府中刑務所で服役中の細川行廣受刑者に送り付けた「請求書」である。こちらの数字は、弍、千、百、拾、参、壱、などの古風こけ威し漢字を含みながらも、伍とせずに五、拾弐とせずに壱弐、拾伍とせずに十五、弐拾八とせずに弐八、拾とせずに壱0とアラビア数字を混ぜたりするなど、実に不揃い、実に滑稽至極、実に付け焼き刃、実に無教養丸出しの「市長・土屋正忠」名の文書となっているので、この実に唖然たる事実を広く世界にネットするため、特に、原文のままとする。
2000.10.2.追記:別途、疑惑の井野光章に関する登記簿謄本を見ると、武蔵野市の差押が「平成壱〇年」にもあったなどの記載あり、五を伍としていないなど、共通点がある。その種業界では漢字の数字記載を簡略化し、拾または壱拾を壱〇と記載したりするようである。しかし、そこでも武蔵野市の下記文書のごとく壱0などと、アラビア数字を混ぜはしない。)


題名:公金横領金弁済請求書

本文:

 あなたは、当市と市民の信頼を裏切り、地方税その他の徴収金である公金を横領し、自らの私費に費やしました。刑に服しているとはいえ、当市に損害の発生している未収金(横領金)を不法行為による損害賠償として請求せざるを得ません。

 つきましては、未収金(横領金)の合計額四千弍百七拾参万参千壱百円也の弁済を請求するとともに、これに対する年五パ-セントの割合による利息を不法行為の時から完済される日までの分を併せて支払うよう請求します。

   平成壱弐年六月十五日
 東京都武蔵野市緑町弐丁目弐番地弐八号
   武蔵野市・代表武蔵野市長・土屋正忠
 東京都府中市晴見町四丁目壱0番地
   府中刑務所・細川行廣 殿


融資の返済により「現実の支給」がなかった退職手当

「金15,515,535円」の「退職手当返納命令書」とそれに対する「回答書」については、無意味な事務的文章の紹介を省き、このやりとりによって判明した「怪しい事情」を暗示する部分のみの紹介に止める。「回答書」の中には、つぎのように書かれている。


お申し越しの退職金は本人に支給されるまえに、御庁内部の諸融資制度により本人が融資を受けていたものの返済としてすべて支払われており、現実の支給はありませんでしたから、返納すべき金員は存しておりません。


 市側の「返納命令」を出せる根拠は有罪の確定である。しかし、その退職手当が融資返済に当てられていたのならば、その「差っ引き」手続きをした市当局の方が、まずは、その融資の側、たとえば公務員共済制度などから取り戻すべきである。その後、改めて、そちらの方が、細川受刑者に返済を求めるのが筋であろう。

 なお、「怪しい事情」と記したのは、他でもない。細川受刑者の退職以前、約半年以前に犯行が発覚していたのに、誰かが介在して通常の退職手続きとし、「内部の諸融資制度」に穴が開かない細工をした可能性が非常に高いからである。すでに前回紹介済みの「埼玉県北本市」の場合には、市当局が横領の事実を知りながら、通常の退職手当を支給していた。

 このような「介在」の可能性が最も高い部署は、職員課である。武蔵野市では、上記のような「本当の発覚」から「退職」に至る当時の職員課長は、非常に顔色の悪い典型的な属僚風の男であるが、細川受刑者の退職後、生涯学習部長に昇格している。

以上で(その16)終わり。(その17)に続く。


(その17)住民監査請求:税金横領事件に関し詐欺部分の欠損処理を防止せよ
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