武蔵野版『不祥事隠し』独自捜査シリーズ(その13)

拡声器で市&警察「街宣」効果絶大で井野光章は弁護士雇う

2000.8.4

 前回の予告通り、8.16.(水)14:00~14:30.武蔵野市役所前広場、8.17.(木)13:15~13:45.武蔵野警察署前の歩道で、「手持乾電池式拡声器」による演説を行った。

2万円の「手持乾電池式拡声器」で市役所を震撼

 8.16.(水)14:00~14:30.……武蔵野市役所前では、演説開始予定の15分前から、わざと市役所の敷地の広場の中に入って、悠々と自転車から降り、数年前に新宿西口のヨドバシカメラの特売品売り場で5,000円で求めた超軽量のヴィデオ撮影用三脚を組み立て、その上に2万円の「手持乾電池式拡声器」を縛り付けた。市庁舎の窓から丸見えは読みの内である。説明書通りに音量を上げて、「ピー」と鳴ると、少し下げる。「あ、あ」と「テスト中、テスト中」。

 おもむろに演説を始めたところ、直ちに、秘書室長6Fと管財課長が、部下を従え、正面の出入り口から、トットと出てきた。広場からは奥の昇降機は見えないが、秘書室長は市長と同じく6Fの住人である。それぞれ、わが行動準備中の情報を得て、ドドッと降り、ロビーで待機していたに違いない。ほかにも入り口周辺に、ドヤドヤ現われた。玄関のガラス越しに、市長の土屋正忠の彦までが並んで、キョロキョロ、ウロウロ、こちらを見ては何か叫んでいる。動揺の色は明らか。効果絶大である。

 秘書室長と管財課長が、こもごもに、敷地内から出て行けと言うから、大声で抗議しつつ、5分間ほど揉み合いながら演説を続ける。各階の窓には職員が群がって見降ろしている。やがて、「サラリーマン」たる秘書室長と管財課長の必死の懇請を受け入れ、彼等が、わが愛用のボロ自転車と、拡声器を紐で結び付けた状態の軽量の三脚とを、広場の外へ運び出そうとするのを、そのまま許し、以後25分間ほどは歩道の端で、悠々と演説を継続した。気分爽快。

 ただし、その直後に市営プールで普段と同様に泳いだ後、激しい渇きを覚えた。そこで、つぎの行動では時間を繰り上げ、演説後に帰宅し、水分と塩分を補給することにした。

数名の逞しい刑事と揉み合い道交法に優先する言論の勝利

 8.17.(木)13:15~13:45.……武蔵野警察署前でも、演説開始予定の15分前の13:00から悠々と舞台装置作りを開始し、冒頭に「武蔵野警察署の捜査活動への激励」を述べ、事件の告発に進んだ。やはり、演説を始めた途端、血相を変えた数名の逞しい刑事が、すっとんできた。

 先頭の日焼けした痩身の大男が、「ここで演説はできない」と高飛車に怒鳴り、もう一人の肥満型の大男とともに、左右から、わが「手持乾電池式拡声器」に手を掛ける。武蔵野市役所の秘書室長や管財課長などとは、まるで競べものにならない程度の乱暴さ、素早さである。左側の一人が、音量調整つまみを回して0にする。右側の一人が、わが秘蔵の太目ビニール紐で縛ってオンに固定しておいたスイッチ・ボタンを、紐の位置をずらせてオフにする。さすが刑事だけのことはある。手際も良い。しかも、「暴力」とは言い難い程度の、かすかな触れ合い実力行使である。

 その元気の良さに、まだまだ日本も捨てたものではないと、少しは安心もしたが、負けずに「さわるな!」と大音声で叱り付ける。丁度、湯沸かしの蒸気で軽く火傷をしたばかりだったので、少し赤くなっていた親指の付け根の部位を指差して、「ほら、掠り傷だぞ!」「訴えるぞ!」と脅し、ひるむすきにスイッチ・ボタンを握ってオンにし、演説を続ける。

 相手の武器は「道路交通法」しかないのは、先刻承知の上である。40年前から都心で何度も激突しながら、ビラ撒き、演説を続け、軽い逮捕経験もある私は、道路交通法と言論の自由との均衡関係の勝利の判例、実例が、いくつもあるのを熟知している。逆に、「言論妨害で訴えるぞ!」「暴力団の街頭宣伝車は黙って見ていたという情報も得ている。市民が2万円のスピーカを使うと妨害するとは何ごとか!」などと、厳しく反撃を加える。だんだんと、最も戦闘的だった2人の刑事の手の動きが鈍くなる。黙って聞いているだけの刑事が増えた。そこを、さらに追撃する。

「警察の腐敗の基本的原因はキャリア組の差別支配、独裁体制にある。キャリア組の武蔵野警察署長は、武蔵野市の土屋市長の接待を受けて、吉祥寺の高級中華料理店、ヘイチンロウで、老酒の追加注文をしている。情報公開の領収書もある」

 などなど、本シリ-ズ既報の情報を、つぎつぎに放つ内に、小太りで制服着用の若くて「お坊ちゃん風」の警官が出てきた。目が吊り上がって死んでいる。白眼を剥いている感じだ。完全に無表情、というよりも顔の筋肉が全部硬直している。歩き方もギクシャク。手と足が逆方向ではなくて一緒に同じ方向に揺れているような不自然な感じである。一目で、キャリア組の主任とか、であろうと睨んだのだが、どうやら、その通りだったようである。彼は、まったく手を出さず、何やら小声で刑事たちに囁いていた。私の方は、大声で演説を続けていたから、彼の声は全く聞こえなかった。だが、直後に、一同、一斉に署内に、すっ込んだ。「撤退方針」の伝達だったのであろう

 時計を見ると、演説開始から20分経過。最後の10分間、存分に演説した。演説の「サワリ」の具体的内容については、次回に詳しく整理する。

武士の情けで井野光章に電話すると「弁護士」「自首勧告」

 8.18.(金)13:15~13:45.……続けて、滞納額が3千数百万円に達していたはずで、細川行廣受刑者から「空領収書」を入手していた可能性の高い井野光章を「落とす」ために、井野興業所有の「日新ハイツ」前で演説する予定だったが、武士の情けを掛けることにした。ただし、私の本音の半分は、個人名を挙げて演説するのが嫌味な感じだからだが、半分は、連日の炎天下の演説で少し疲れたからでもあった。事実、この日は、「からだに聞いて」日課の水泳を休んだ。

 午前中に電話をすると、女性が出た。「何度か電話した木村愛二ですが、井野光章さんは在宅ですか」と言うと、「お待ち下さい」と言って、しばらくすると、「木村さんから電話があったら平谷弁護士に電話するように伝えろと言われています。電話番号を申し上げます。0426-45-1533です」と言う。東京地裁と検察庁の支部がある八王子の電話番号である。

 だが、電話すると、電話番の女性の声だけで、「午前中は法廷ではなくて別のところを回ってくる予定です。携帯につないでいますが連絡が取れません」といった状態。小さな個人弁護士事務所の感じである。午後になっても同じ状態。それでも、一応の反応があったわけなので、「日新ハイツ」前での演説は猶予することにした。

 翌日、8.19.(土)、再び電話すると、今度は男性の声だが、平谷弁護士ではない。事情を要約して伝え、「当方は忙しいから時間の無駄は御免」「わがホームページを見ろ」「自首を勧めろ」と勧告した。

三鷹駅北口でも8.21.(月)30分間の演説予定を追加

 上記のごとく、8.18.(金)の演説予定を猶予した背景には、実は、もう一つの事情があった。前日の郵便の中に、解決交渉が大詰めを迎える日立争議の支援ビラ撒き参加要請があった。8.21.(月)17:30~18:30.三鷹駅北口である。終了後には駅前の酒場で「ちょいと1杯の積もり」が「いっぱい飲んで」、「いつの間にやら梯子酒」の地元有志懇親会となるのが決まりである。

 そこで急遽、そのビラ撒きの前に個人ビラ撒きを予定した。つまり、8.21.(月)17:00~17:30.三鷹駅北口である。今度は、小型の折り畳み映写幕の廃物利用による「携帯看板」まで用意する。さあ、やるぞ!

以上で(その13)終わり。(その14)に続く。


(その14)拡声器「街宣」発展、細川受刑者の代理人が市に抗議文送付
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