ワオ・コーポレーション分会の活動報告
ワオ・コーポレーションは、能開センター、個別指導AXIS、スタッド教室・・・・等、幼児教育から中・高・大学受験まで、全国47都道府県に教育サービス提供を行っている学習塾です。少子化に伴い市場規模が縮小する中で、戦術レベルの会社運営で社会的評判だけでなく、経営的にも利益率の低下を招いています。
学習塾業界にとって、特に大きな問題はバブル崩壊後、この20年あまりの間に学習塾で働く労働者の給与水準が大きく低下したことです。また現場で働く労働者の長期連続勤務やサービス残業。それらを原因とする精神疾患や過労死の問題も発生しています。
学習塾業界で働く人にとって、未来への展望や自身のキャリア・アップが望めず、そのため将来に不安を抱いている人も少なくありません。
私たちワオ・コーポレーション分会は、ワオ・コーポレーションで働く人が、安心して働き続けられるようにするため、職場での組合活動を通して、職場環境や労働条件の改善を進めてきました。まだまだ道半ばですが、これからも頑張っていこうと思います。
2020年2月、組合員の一人が定年を迎え再雇用となりました。再雇用となった社員のほとんどが賞与と一部手当を除いた年額の5掛~6掛けとなっていますが、組合員は全員7掛けを勝ちとりました。これは組合員の再雇用後の労働条件をめぐり10回以上にわたる団体交渉を積み重ねてきた成果といえます。
団体交渉では、定年を迎え再雇用となった社員への賞与の支払い要求と、再雇用になると年間93万円前後あった「職務給標準」「職務給・グローバル」「役割給標準」手当が「業務給」に一元化され、全員一律年間12万円になる理由を会社に説明させました。
この理由として会社は「時間外見合い」と回答しました。これに対し、組合は会社の回答は合理性を欠いており、正社員時と再雇用後の仕事内容はほぼ同一であるにもかかわらず、「転勤がない、責任の範囲が狭くなる」などの理由で支給総額が大幅減額されていることも不合理だと指摘しました。
2019年4月1日から「働き方改革関連法」が順次施行され、同じ企業で働く正規雇用労働者と非正規雇用労働者(契約社員)との間で、基本給や賞与・手当などあらゆる待遇について、不合理な差を設けることが禁止されています。
厚生労働省の「同一労働同一賃金ガイドライン」でも、賞与など会社の業績等への労働者の貢献に応じて支給するものについては、同一の貢献には同一の、違いがあれば違いに応じた支給を行わなければならないとされています。
つまり、勤務時間や職務内容などが同じであれば、雇用形態に関係なく、同じ待遇が企業には求められているにもかかわらず、改善がなされておりません。
定年再雇用時の労働条件については同一価値労働・同一賃金の問題として、日本全国で問題となっており、ワオ・コーポレーション分会としても、今後これを労働運動の中心に位置づけ、社会へのアピールも辞さない、強い決意で対応していきます。