CPR News Letter Vol 16

1997年10月5日


死刑執行に抗議する!!

       

死刑執行抗議・新法相に死刑廃止・執行停止を要請

8月1日、死刑が執行されました。松浦法相(当時)の命令に基づき、東京拘置所で2名、札幌拘置支所で2名、計4名の生命が奪われました。CPRは執行に抗議し、新法務大臣に対して、執行停止、死刑廃止、死刑確定者処遇の改善を要請しました(2ページ)。

リーガル・エイド・ソサイエティの監獄訴訟

弁護士費用を出すことができない人に法律サービスを提供することを目的とする団体、法律扶助協会。アメリカでは監獄訴訟に大きな役割を果たしている例も。事務局の阿部圭太さんが報告します(3ページ)。

革手錠の検証を勝ち取る

千葉刑務所・拘置区で看守から暴行を受けた上、革手錠を装着され、保護房に収容された被拘禁者の国家賠償請求訴訟(News Letter第10号参照)で、東京高裁は5月9日、千葉刑務所内で、実際に裁判所書記官が革手錠を装着して検証を行いました。代理人の上本忠雄さんに報告していただきました(4ページ〜)。

問われる監獄の医療

大阪刑務所受刑者死亡事件で遺族が提訴

A氏には肝硬変、狭心症、慢性膵炎の持病があり、公判中も勾留執行停止を受けていました。92年1月、大阪刑務所に移監後も、94年7月11日に嘔吐して腹部の痛みを訴えるまで、一般的な健康診断のみで治療らしい治療は行われませんでした。その後、CT検査等により肝細胞癌が判明。8月8日から大阪医療刑務支所で治療が開始されましたが、22日に意識を消失して外部の病院に移送され、翌日死亡されました。遺族は国家賠償を求めて大阪地裁堺支部に提訴。代理人の竹下育男さんに報告していただきました(6ページ)。

広島拘置所被拘禁者の移送を求め人身保護を請求

前刑の名古屋刑務所で94年4月に食道静脈瘤の手術を受けた男性は、その後、広島拘置所に勾留中に悪化。治療のため外部の病院への移送を求めたが、拘置所は「軽度で、医療機関での検査・治療は必要ない」としたため、今年6月6日、広島地裁に人身保護請求を行いました。代理人の足立修一さんに報告をお願いしました(7ページ)。

徳島刑在監のKさんの病院移送を求め人身保護請求

5月2日、徳島刑務所在監のKさんの外部病院への移送を求め、Kさん弁護団は徳島地裁に人身保護請求を申し立てました。請求人の金子武嗣さんから報告していただきました(8ページ)。

東京拘置所在監の女性が適切な処置なく流産

オーバーステイで上野警察署・東京拘置所に勾留中、中国人女性・Sさんが適切な医療を求めたが、応じてもらえず、流産してしまいました。6月20日、損害賠償を求め東京地裁に提訴した代理人の小川英郎さんに報告していただきました(9ページ)。

岩国刑務所収監処分異議申立事件について

懲役2年の実刑判決を受けた甲野さん(仮名)は、刑確定後も脳梗塞後遺症の治療のため刑の執行停止を受けていました。その後、95年9月22日、「病状が固定し刑の執行に差し支えない状態に至った」として、検察の収監状に基づき岩国刑務所に収監されました。これに対し、刑訴法第502条に基づき、「刑訴法第482条の執行停止事由にあたる」として行なった異議申立が、95年11月22日山口地裁岩国支部により棄却されました(『判例タイムズ』907に掲載)。代理人の久笠信雄さんの報告とともに、佐々木光明さん(刑事法)に解説していただきました(10ページ〜)。

CPR大阪、総会を開催

6月6日、CPR大阪の総会が行われ、龍谷大学・福島至教授の記念講演が行われました。CPR大阪の金井塚康弘さんから報告していただきました(12ページ)。

日本政府、国際人権規約に基づく報告書を提出

政府は国際人権(自由権)規約に基づく第4回報告書を公表。CPRはカウンターレポート作成予定。第10条関連の報告「矯正施設における処遇状況」について、事務局の永井迅さんからコメントします(13ページ)。

監獄をめぐる三つの事件

あいついで発生した監獄をめぐる「事件」。前号に引き続き、刑務幹部会の坂本敏夫さんから報告していただきました(14ページ〜)。

oNEWS in BRIEF