┃憎まれ愚痴入口木村書店戻る 編集長の毒針:緊急課題! 項目別案内

杉花粉被害放置政策に猛然反撃の独立反乱!
“杉林焼き払い放火作戦”開始宣言!

杉花粉症は"行政=産業"公害だ!
◆2000年春の悲惨
2001年春再開
2002年春新たなる「悲惨」
2005年春
(1)「多摩地区は50で、非
(2)ML話題沸騰で杉林の実
(3)有病率倍増の未曾有の
(4)間伐・枝打ち「保育」
(5)恐怖:雄花が端に穂状
(6)桁違い東京都花粉予報
(7)激増「産業公害」花粉
(8)“あの”科学技術庁発
(9)82%(61)から19.6%
(10)主犯“杉花粉”激増
(11)“あの”都知事「デ
(12)「21世紀ニッポン杉
(13)「木を見て森を見ざ
(14)杉花粉症を公害とし
(15)花粉症“俗説”メッ
(16)「排ガス規制」補助
(17)「杉花粉・公害」検
(18)「杉花粉・公害」検
(19)「杉花粉・公害」検
(20)学閥が牛耳る無間地
(21) 主犯を匿った学閥
(番外) 2001年「恐怖
(22)来年のことを言うと
(23)またもや杉花粉が飛
(24)杉花粉で消費低迷

タバコ問題
「反捕鯨」の大嘘
原子力汚染vs超々クリーン・マグマ発電
「原発に死を!」

編集長の辛口時評

(その21)主犯を匿った学閥が花粉飛散予測の首魁という皮肉

 2000.5.11.大型連休を越えて、なお、東京都の花粉情報、「いいはな」は、このところ、まったく同じ文句の「花粉は終息に近付いています。10個以下で少ないでしょう」を繰り返している。しかし、なかなかゼロにはならない。杉林に近い青梅では、5.2.から5.8.の合計が56.8とか、一日平均で8個である。
 なお、本シリ−ズは、花粉飛散の「悲惨」期間の終了まで続けると予告したのであるが、別途、単行本にまとめよとの要望もあるし、やはり季節外れの話題の感を免れないので、いつまでもダラダラ続けるのは避けたい。そこで今回は、前回に紹介した奇妙な本、『文明とアレルギ−/杉花粉症と日本人』と、その著者、井上栄について、若干の追跡調査の結果を報告し、基本的な杉花粉対策の概要を提案し、以て、本シリーズの一応の中締めとする。

数量データなしの「杉の博物学」80頁で専門家?

 井上の本の研究データは、「筆者ら」と記されている「国立公衆衛生院」の職員の「公費」による仕事の結果である。杉花粉蛋白だけと血清の反応だけからではあるが、東京都で「30〜40パーセント」の「抗体保有率」(p.19)の結果を得ている。10年前の保存血清と比較し、10年間に4倍に上昇」(p.23)の「目安が得られた」という。大筋は結構である。ただし私は、この調査方法自体についても、私は、「アレルギー行進曲」を無視した「血清疫学調査」への疑問を抱くが、それは複雑になるので、別途、単行本で論じたい。
 続く「なぜ患者が増えたのか?」の自問自答では、井上も、当然のことながら「1花粉生産量の増加」を挙げざるを得ない。「2都市における花粉の再浮遊」を指摘するのも、また当然である。ところが、「3大気汚染微粒子」「4蓄膿症の消滅」「5寄生虫の撲滅」「6食生活の変化」などなど、自分でも「その各々の寄与の程度は、まだわかっていない」(p.49)問題を並べ立てている。この種の問題の複雑化、「主犯逃がし」の手口については、すでに本シリーズで何度も指摘したので、同じ批判は繰り返さない。
 その上で、驚いたことに、われらが憎っくき主敵、杉花粉症の主犯に関して、何と、「日本の文明に貢献してきた杉の木の有用さについて語ってみよう」と転じ、この憎っくき「主犯」の情状酌量を試み、江戸時代からの「杉の博物学」を、本文が全部で190頁の本の内の堂々80頁にわたって展開しているのである。江戸時代のことだから、当然、杉並木や、ごく一部の植林に関する数量のデータは皆無である。一番肝心の「枝打ち」などの手入れも、江戸時代の方が、きっとマメだったろうに、その指摘もない。現存する杉並木は古木で、当然、花粉生産量は少ない。それなのに、井上は、箱根の「売店に入って聞いてみたが、花粉症の人はいなかった」(p.143)などと記し、題名の「文明とアレルギー」の理解、いや、誤解へと読者を誘導するのである。これが、もしかすると、お得意の「血清疫学調査」の魔術の極意なのであろうか。
 ところが、これで「杉花粉の専門家」と認定されたのだろうか、実は、この井上某は、つい最近、すでに本シリーズで紹介済みの厚生省の「理論家」のトップに立っていたのである。科学技術庁が予算を握る「スギ花粉症克服に向けた総合研究」の「代表者」が、「国立感染症研究所・感染情報センター長」こと、「井上栄」だったのである。
 この「総合研究」に関しては、現場の研究者の不満も記したが、道理で、一番肝心の「主犯」の杉の状態調査はせずに、「花粉飛散の予測」だけに研究の範囲を限っていたわけである。この「花粉飛散」情報をいち早くキャッチして、儲けたのは、「抗ヒスタミン」を増産して患者が「悲惨」状況に陥るのを待ち構えていた製薬業界、ズズッと下がって、マスク屋、防塵眼鏡屋、などなどである。「主犯」は完全に逃げおおせている。

試算すらせず「枝打ち」に「莫大な費用」と断定

 ただし、井上は、“あの”都知事の提灯持ち、100%東京都職員の黒田「研究員」のような粗忽者ではなかったようである。
 さすがは「国立公衆衛生院」の「学部長」様、様らしく、「公衆」の「患者さん」にも同情して見せる。「花粉暴露量を減らす方策の一つは、花粉源対策である」(p.187)と記す。「花粉が飛びにくい杉の木を植え」る方法の「効果が現れるのは、今から数十年先」で、「てっとり早いのは杉の木の枝打ちであろうか」とくる。ここまでは結構である。もっとも、当然のことでもある。
 ところが、ここでも、井上は、相撲の「引き落とし」よろしく、その直後に、「日本中の全部の杉の木の枝打ちは不可能」「莫大な費用がかかる」「効用とのバランスを考えなくてはならない」と畳み掛け、読者、いやさ、患者を脅して、諦めさせるのである。しかし、「筆者ら」が、「枝打ち」の試算をした形跡は、まったくない。

全国でも国家予算1,428億円、東京都なら僅か132億円

 私は、すでに、この点も調べ、概算をしていた。「莫大」どころか、銀行への公的資金投入こと、「泥棒に追い銭」に比べれば、まるで「雀の涙」の予算しか必要ではない。しかも、それが、失業救済、中小企業の振興策になる。万々歳である。
 すでに本シリーズの冒頭で報告したように、「3兆円を超える莫大な赤字で肩身が狭い」林野庁が、「花粉症対策」と称して組んだ5カ年の予算、僅かの476億円は、民間への補助金が中心のようだが、「枝打ち」だけではなくて総合的な予算である。この予算で、全国の450万ヘクタールの杉の人工林の3分の1、150万ヘクタールの手入れと「花粉が付かない苗」植えができるはずである。つまり、逆にいうと、476億円の3倍の1,428億円があれば、1年で全部の手入れができるはずである。
 ただし、東京都の場合をすでに記したように、国家予算から1年に2千2百万円、東京都でも補助金を出して、全部で2億2千万円の予算であって、それでも全部の手入れに30年掛かる計算だった。1年でやる計算でも、132億円にしかならない。
 国家予算と地方自治体予算の関係は、個別の調査が必要である。しかし、ひと桁違っても、全部で1兆円そこそこ、林野庁の赤字の3分の1、1,000兆円規模の国家予算の1%にしかならない。さらには、まだまだ財源がある。地方予算の総額の方が、国家予算よりも多いのである。防衛予算が云々など、調べる気にもならないが、1兆円そこそこが桁違いの小額であることは、誰の目にも明らかだ。しかも、これが「数十年のつけ」の請求額でしかないのである。
「枝打ち」作業には、江戸時代とは違って、「機械」がある。どこでも使えるガソリン・エンジンで動く「自動枝打ち機」には、2種類あって、下から上に登りながら枝を切るのが約50万円。長い枝の先に刃が付いていて、狙った枝を切るのが約45万円。現在、全国で1万台以上が使われている。簡単な機械だから、作っているのは、両方とも中小企業である。

 さあ、予算を寄越せ、寄越さなければ、杉林焼き払い作戦に決起するぞ!

2000年春、以上、(その21)で本シリーズは中締めしたが、2001年春に再開。(その22)に続く。
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