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| ラダイトからボルサまで 〜労働組合運動の地域的&産業的組織の国際的経験と原理を探る〜 |
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1.CGTの組合員手帳から ………………………………………………………………………………… このうち、(3)の地区連合が日本の地区労、区労協[一般的な略称は「地区労」。東京都などの特別区では「区労協」の略称が併存]の段階、(4)の県連合が県評、地評の段階に当たり95に分かれている。(5)の全国同盟が産業同盟[●注2]であって、たとえば農業同盟(Federation Nationale d'Agriculture)などで、42に分かれている。
(1)のCGTに加盟した組合員は、まず、地域単位につくられている(2)のサンディカに入る。サンディカは、大都市の場合ほとんど産業ごとにつくられているが、労働者数の少ないところでは混成の合同労組のような形になっている。この下に経営別の支部(section syndicale)があるのだが、現在、この経営支部の機能を強化しようという努力が続けられている。つまり、従来は、経営支部よりも、地域的なサンディカの方が強力な機能を持っていたわけである。 その上に、続く(3)(4)の順序が示すように、ヨコ組織への帰属性は強く、明確にされている。この状態を自分の組合が地区労に加盟しているのかどうかさえ、ほとんど知らされていない日本の労働組合員の大半の状況とくらべると、まさに雲泥の差といわねばならない。[●注3]
2.代表的組織構造と問題点 つぎに、フランスのCGTと、イギリスの労働組合会議(以下、TUC)の組織構造図を示し、その相違点をみてみよう。 図1 CGTの組織構造図(●注4)
この2つの型は、ヨコ組織と全国指導機関との関係をみる上で、全く典型的な対照を示している。 CGT型では、その本部にむけて、タテとヨコの二重の方向から結集がなされている。CGTは、議決機関についても指導機関についても、タテとヨコの双方から選出された幹部によって構成されているのである。組織構造図は、結集の方向のみを示しているので、もっとも簡単な分解構造図式をつくってみると、●図3のようになる。 図3 CGTの組織は、この結集の方向を逆にしてみると、指導を2方向からおろせるようになっている。タテで指導しきれなくても、ヨコの系統から指導できるわけである。 これに反して、TUCの型では、TUC本部と地方・地区段階のヨコ組織との関係は断たれている。つまり下部の組合支部に対する指導機関は、2つに分かれている。そして事実、いわゆる山猫ストについては、TUCや全国組合本部の承認がないまま、ヨコ組織が指導に当たっている。ヨコ組織=組合支部=職場委員(ショップ・スチュワード)のつながりで、地方的なゼネストから全国的なゼネストまでを行っているのだから、このヨコ組織の権威も、日本のそれの比ではない。だが、全国的な政治に迫る際には、TUC本部は、まさに雲の上の組織となり、連携プレーは不可能となるのである。
図4 日本の総評系の組織構造図 型だけを比較すれば、日本の総評系組織は、TUCの型に近い。基本的には、総評と地評に正式の上下関係はないのだが、総評規約第7条は、次のように定めている。
このような規定がある以上、総評とその他のヨコ組織都の間には、全く上下関係なしとはいいきれない。総評自体がタテ組織のみの加盟方式をとっているため、地評が総評に加盟するということはできない。また、一部の地評は地区評(地区労)を加盟させているが、ほとんどの場合、正式の上下関係はない。だが、地評や地区労の加盟組織の中心をなすのが総評加盟組合であってみれば、事実上の上下関係が生じてくる。そして事実、総評が地評を招集したり、全国規模の地区労研究集会を開いたりしている。 これに対して、組織構造だけから見れば、同盟系の方はCGT型に近い。ただし、総評系との対抗上、地区同盟への加盟のみによる組織拡大をはかっていたり、歴史的経過もあって、同盟系と総評系が同一の地区労に加盟している例もある。 このように、比較的戦闘的な総評系の組織構造が国際的には戦闘性を欠くTUCの型に近く、逆に比較的に非戦闘的な同盟系の方が戦闘的なCGTの型に近いという事実から見ても、労働組合組織の戦闘性は組織形態の如何のみでは決定されない。だが、TUCの山猫ストを見るまでもなく、ゼネスト段階の決戦ともなれば、足腰の強さが問われるのは当然であるし、また、下部の盛り上がりを十分に指導し切る体制がなければ、目的の達成は困難になる。つまり、闘争のための組織として見るならば、その組織の形態は、最も強力な闘争を展開している時に真価を問われなければならないのである。[●注5]
また、以下に見るように、CGT型もTUC型も、それなりの歴史的経過を背負っている。とくにその初期においては、ヨーロッパやアメリカの労働組合組織は、日本の現状からは思い付くことも不可能なような形態を追求したのであり、今も、その残映が輝いているのである。 ところが、本稿において限定された資料の中から拾い上げた諸事件の多くは、世界労働組合運動の通史には、ほとんど盛られていないし、検討を加えられていないのが実情である。それゆえ、以下、具体的な事実を紹介する前に、本稿の問題意識として、とりあえず、ヨコ組織の原理を各段階における全労働者の階級的結集に置く、という点のみを述べておきたい。そして、その論拠は、具体的な事実の紹介の後に、段階を追って述べる以外にはないのである。 |
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