入間基地事故:「日本軍は流れ解散!」

4. 墜落事故美談「民家避け」の矛盾は地図で明らか

1999.11.29.mail再録。

「住宅避け脱出遅れる?」(『朝日新聞』1999.11.23)

「民家避け脱出遅れる?」(『読売新聞』(1999.11.23)

「民家避け脱出遅れる?」(『東京新聞』(1999.11.23)

「住宅街を避けようと飛行し、墜落したとみている」(『毎日新聞』1999.11.23)

 これらの揃いも揃った、「記者クラブ談合」としか思えない記事の出所については、すでにmailで、私自身のWeb『憎まれ愚痴』編集長直撃!取材結果をお知らせしました。見落とした方は、ホームページで、「日本軍は流れ解散!」をクリックし、「奇怪な墜落美談?『民家避け』を狭山署は否定」を御覧下さい。

 さて、昨日、別途、下記のmailを受けとりました。必要部分のみ転載します。

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[aml 15006] 自衛隊機墜落事故

Received: 99.11.28 9:24 AM

From: 加賀谷いそみ

 11月22日午後1時42分頃、埼玉県狭山市柏原の入間川左岸河川敷に、空自航空総隊司令部飛行隊・T33ジェット練習機六四八号機が墜落炎上、隊員二名が死亡。同機は、二佐の年間訓練飛行(現場を離れたパイロットの技量を維持するための飛行訓練)として、三佐が教官となり入間基地を離陸、空中操作の訓練のために同機地北西のH訓練空域(群馬、栃木県内)に向かい、入間基地北方約四〇キロを帰投中トラブルが起き、住宅地への墜落を避けるために通常のコースから外れて飛行。

 二人は墜落直前、ベールアウトを試みたが、民家への被害を避けようとしたためか脱出の機会が遅れ、高度不足で開傘せず失敗したものとみられる。

 二佐は飛行時間五,二二八時間、三佐は同六,四九二時間。事故機の飛行時間は約六,五〇〇時間で、平成十四年に退役予定だった。

(朝雲11月25日)

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『朝雲』は、自衛隊の機関紙でなくて、一応は独立した新聞社の発行物ですが、自衛隊と称する日本軍なしには存在し得ない御用新聞です。ここでは、さらに進んで、「住宅地への墜落を避けるために通常のコースから外れて飛行」と断言しています。

 私は、各紙に正確な事件関係地図を掲載し、墜落したアメリカ製の戦闘機(ただし、小林と名乗った入間基地広報官によると、機体は朝鮮戦争当時の戦闘機の構造のままだが機銃などが設置できない構造の練習用機とのこと)の進入路を明示せよと要求していますが、どこもやりません。そこで、仕方無しに図書館で金10円也をエイッと投資して、登山などで使う2,500分の1の縮尺の地図の「川越南部」の左半分だけをコピーしてきました。

 地図では下の位置に、「航空自衛隊入間基地」があります。事故機が墜落した入間川は上になります。念のためにまた入間基地広報官に電話で確かめましたが、基地の滑走路への進入路は、この地図の上の方からです。

 どの方向から進入しても、基地との間には、入間川の両岸沿いに濃密な住宅地、商業地、市役所までがあります。一戸建ては、黒い点、点、コンクリート製らしい大型の建物の場合には、実線の輪郭の中に密度の濃い平行線が引かれています。不動産業者などが愛用するもっと詳しい住宅地図もあるはずです。武蔵野市の中央図書館には東京都の分しか備えていないのですが、埼玉県の主要な図書館にはあるのではないでしょうか。

 民間機には設置されていない緊急脱出装置を使って操縦士が逃げた無人の事故機は、そのどこに激突しても不思議ではなかったのです。地図には事故機に切断された人身御供の送電線も描かれています。住民にとっては、送電線が救いの神だったのです。入間基地広報官は、この送電線に、「どの方角から衝突したのか」については、「鋭意調査中」と、用意の決まり文句で言葉を濁します。

 記者クラブ詰めの記者たちは、本来なら、基地の管制官を問い詰めて、レーダーなどで確認していたはずの事故機の進入路を明確に言わすべきでした。各大手メディアは、時折、交通事故報道などでやっているように、地図に太線を書き加え、正確に状況を再現すべきです。特にNHKは、あの、お得意の、とてもとても、お綺麗な、ご神託のような雰囲気を漂わす「コンピュータ・グラフィックス」とやらを駆使して、大いにカラフルにやるべきところです。あれなら、建物を立体的に見せることもできます。道や建物の中にいた人の数も具体的に示すことができます。

 しかし、どこもやらない。やれない。やる気がない。ああ、ないない尽くしで、仕方ない。どうしようもない。

以上。やるせない愚痴でした。