月山ダム10/14竣工ついにできあがってしまった 東北最大規模の「月山ダム」 しかし問題はたくさんある。これまでの検証、そして、これからも検証は続く。


1、月山ダムの概要

所在地 : 山形県東田川郡朝日村上名川・大網両地域内
水  系 : 赤川水系・梵字川
建設主体 : 国土交通省東北地方整備局(旧建設省東北地方建設局)
<ダム>
  重力式コンクリートダム、堤頂標高270m、ダム高123m、堤頂長393m、堤体積116万m3
<貯水池>
  集水面積239.8km2
湛水面積1.8km2
総貯水容量65,000,000m3
有効貯水容量58,000,000m3


(国土交通省コメント)月山ダムが建設される梵字川は、朝日山系寒河江山(標高1,695m)を源とし、月山(標高1,980m)から流れる田麦川を合わせ、下流の朝日村落合で赤川と合流する。
 赤川は、灌漑用水、水力発電用水として利用されているが、鶴岡市を中心にした庄内南部地域の水需要は増加の一方で、新たな水源の確保が必要になった。また、上流ダム群による洪水調節計画が必要になったため、月山ダム建設が計画された。
 昭和51年度から旧建設省(現国土交通省)が実施計画調査に入り、同56年度から建設に着手した。平成13年から湛水が始められている。
 建設工事は、作業がしやすく、安全性にも優れているといわれる「RCD工法」と、ベルトコンベヤ・システムを併用する方法で行われ、わが国初の建設方法として全国的に注目を集めた。
 月山ダムの目的は、1洪水の防止2.水道水の確保3.発電4.河川環境の保全、の4つ。
 このうち、水道水は、鶴岡市を中心とする庄内南部地域1市6町1村に、1日最大118,000m3を供給する。
 月山ダム貯水池周辺は、上流部が磐梯朝日国立公園の特別地域に、左岸側が山形県指定仏沢鳥獣保護区になっている。このため建設に際しては、周辺の自然や生態系に与える影響を極力避け、ダム完成時の復元等を含めて自然環境に配慮した事業を実施している。
 さらに、貯水池周辺への親水性を増大させ、同時に地元観光地と連携しながら、レクリエーションと憩いの場として活用できる環境を整備している.

2001年10月14日、月山ダムの竣工式に際し、ダムにむかって、訴えた

「これ以上、ダムをつくるな!」

もう、これ以上、川殺しのダムをつくるな!長野のように、山形も「脱ダム」の時代だ!

もうダムの時代は終わった!アメリカでは460ものダムを壊して川を再生した。リビングリバー、生きる川の時代、21世紀は共生の時代のはず、時代おくれのダムはもういらない!もうつくらないでください。

当初は580億とかなんとか言って、1780億円もかかって、何も説明なしとは何事だ!

清らかな梵字川の渓谷を醜悪なダム湖に変えてしまった。多くの生き物のいのちを奪った、そして、鶴岡をはじめ、朝日村、櫛引、羽黒、三川、藤島、余目、立川の町の風土を支えてきた「おいしい地下水」の水の文化を奪おうとしている。甘い水需要予測をもとに、このダムがつくられた。今、その問題が、はっきりしているじゃないか。

20年前は「美しい」などと思ったかもしれない。この巨大権力の象徴のピラミッドのようなダムを。でも、今、ほとんどの市民は、「醜い」と思っている。112号線を通るたびに、このダムの脇を通るたびに、威圧感と人間が「目先の利益を求めて20世紀に犯した過ち」を感じざるを得ない。ボクは、醜いダム湖にカヌーを浮かべる気にはなれない。多くの生命の命を奪ったよどんだ死の湖に。「月山、出羽三山文化の汚点」とある先生は称された。

1780億もかけて、水源域に汚水垂れ流しの現場もあることがわかった。一体何に金をかけたのか。合併浄化槽、特例措置でつけることぐらい何でできないのか。

しかも、この月山ダムは、このダムと流域市民をつなぐ広域水道事業が、市民の水道料金高騰を促し、かつ、市民が享受してきた地下水100%「おいしい水」の水道水から成る、食文化に大きく影響を与えようとしている。市民にとってはまさに受難を強いる結果となりつつある。さらに、ダム湖の富栄養化、ヘドロ堆積による河川環境の悪化、海洋資源への影響、また、堆砂による影響によりさらなるダム維持費用も考慮しなくてはならない。治水効果もどうなのか、疑問の声さえももたれている。


月山ダムは2001年10月14日、完成した。しかし、血税1780億円を投じた結果としてその費用対効果はどうか。私たち、WaterWatchNetworkはこれからずっと検証をしていきます。

10月20日、鶴岡の宝を失う日 (特集)

10/18、高橋知事、富塚市長宛、申し入れを行う

月山ダムの庄内南部広域水道計画の5つの矛盾(1999年10月作成)
必見!月山ダムと広域水道問題の詳細

●2000.12 週間金曜日2000.12/15号に掲載された投稿記事(草島)←概要がよくわかります。

2000年9月8日(金)、毎日新聞山形版に水道問題掲載1「庄内南部広域水道」来年秋から供給開始。20年前の予測外れる見直しへ 住民投票の動き計画変えぬ姿勢に問題  →本文全文掲載
↑初の広域水道問題を掲載した記事。

●地球の声通信vol2 2000/7/15号vol1 鶴岡の水を考える。月山ダムと広域水道の問題特集号


これまでの動き

●1999年4月統一地方選挙に「水の都宣言」を掲げ草島出馬、トップ当選を果たす。朝日新聞関西版 関東以北夕刊で紹介されました。→asahi.com

以来鶴岡市議会一般質問で「水攻め」を一貫しておこなう。→草島議会報告の頁へ

2000/6〜12 鶴岡水道住民投票の会 「ダム受水の是非」の住民投票を求め直接請求署名12735名

鶴岡水道、月山ダムからの広域水道受水の是非を決める住民投票条例

賛成7対反対24で否決されました。

 貴重な市民の勇気ある行動を「反社会的」といって排除する、広域水道の未来ビジョンをとられても、「行政は単年度主義でがんばっている」としか答えぬ富塚市長と、自民党系、民主党系、公明党系、社民党系の議員らによって、鶴岡水道の住民投票条例は否決されました。

●12/22の結果。

●市長の意見とは(全文掲載)←「反社会的」など、問題発言に市民が激怒

●発言停止宣告を受けた草島議員の質疑 

●新聞に見る住民投票運動の動き(12月)

●傍聴にいらしたジャーナリスト、保屋野初子さんからのメッセージ

●12月19日(火)、水道部長"虚偽"発言に異議申し立て!市長と議長に提出!

●12月13日、広域水道問題を問う一般質問 内容と市長答弁!

●広域水道110番www.suido110.org 12/15open!鶴岡の断水事件。1月17日より給水制限。7日間の夜間断水

●2001.5/19 NHKクローズアップ現代でとりあげられる。

9/21鶴岡の水道水質データ発表!「え、やっぱりこんなに違うの?」ダム水と地下水。

●2000.9月12日、一般質問。1.水源切り替え前の水道、地下水政策について、1ヶ月前だというのに水質が公開されない庄内南部広域水道事業について、また、朝日村の水源の集落の汚水がダム湖に垂れ流しになっていることを6月に引き続き指摘。


WWNが主催、共催、協力した、ダム事業に関するシンポジウム、フォーラム一覧

1998.3.14, 第1回meeting。「出羽の水をみつめてみよう」に30名参加
1998/10/31 POWER、地球の友、JEEらとPlanet Voice Peoject チームをつくり、米国、アースアイランド・インスティチュート代表、デビッドブラウアー氏、「宇宙船とカヌー」著者、ケネス・ブラウアー氏らを迎えて、「地球のヒーロートーク」開催(東京、代々木)
1999.3/14、どうなる!?月山ダムの水道料金?水はおいしいの?
2000.3月26日(日)緊急シンポジウム「知りたい!鶴岡の水」開催2000.3月28日(火) 月山、日本の風土とまつり、まちづくり
2000.9.24 「恵みの水を考える」地下水の権威 柴崎達雄先生来鶴
2000.10.24本当の民主主義、住民投票の意味とは。今井一氏来鶴
2000.11/26 五十嵐敬喜氏、広域水道と公共事業を斬る! 緊急フォーラム
2000.9.16 信州大学 中本信忠 教授「おいしい水の話」


patagonia 99年春号に草島の「ネオ川の民宣言!」が掲載されました

1998/8〜9 WWN 代表草島、JUCEE(日米・コミュニティ・エクスチェンジ)のインターンシッププログラムに参加。1カ月半、米アメリカ、サンフランシスコ郊外、バークレイのInternational Rivers Networkで修行す。写真:ディビッドブラウアー氏とバークレイのオーガニックレストラン「シェパニーズ」の前にて

US REPORT! 8/2-9/3
US REPORT! 7/30-8/2
US REPORT! 7/27-7/30

●続々検証ページ、更新していきます。ご期待ください。


10/15~