富塚陽一市長の住民投票条例についての意見

地方自治法第74条第1項の規定に基づく条例の制定 の請求に対する同条第3項の
意見は、次のとおりであります。
 庄内南部広域水道につきましては、昭和40年代における水不足の対策のため、同様
な問題を抱えていた隣接町村とともに、庄内南部広域水道調査会を結成し、共同で水
源対策の検討をはじめ、様々な観点から調査検討を行いましたが、地下水取水量の減
少傾向、目に見えない水への不安、地下水障害の懸念などから、最終的に水源は月山
ダムに求めることとし、県営の広域水道用水供給事業としていただくよう要望を重ね
たものであります。
昭和54年には、庄内地域の市町村が共同して山形県に対し、広域水道整備計画の策
定の要請を行い、翌昭和55年には県から「庄内地域広域的水道整備計画」が示され
たことを受け、本市においては、市議会において全会一致をもって計画に同意を得た
ところです。更に、昭和60年には同計画の変更がおこなわれましたが、その際にも
市議会で同意をいただいております。
 更に、昭和55年に庄内南部広域水道建設促進期成同盟会を組織するとともに、本
市の重要要望事業として関係機関に早期完成の要望を重ねてまいりました。
 このように関係市町村の要請により進められてきた事業であり、要請した市町村は
事業に対し、経費的にも今後の運営に対しても責任と義務を有するものであります。
 また、本市水源の現状も、地下水位の低下により取水量が減少し、特に夏季、冬季
は不安定な状況にあり、将来的な地下水の水質の変化などを考える時、責任をもって
水道水を安定に供給するためには、広域水道からの受水は書かせないものです。
 計画策定からこれまでの経過や進展状況につきましては、機会あるたびに広報等で
お知らせするとともに、新聞、テレビ等でも広く報道されてきたところです。
 以上のように、県と関係市町村が一体となって取り組み、市議会においても慎重な
審議を行い、議会と長の権限と責任で意思決定がなされたものであります。その実現
を目前にして、庄内南部広域水道導入に対する賛成・凍結を問う住民投票条例の制定
は必要ないものと考えます。


市長は、条例案の審議の当日、私見ともいいながら、次のように意見を強い口調で語った。(問題箇所を赤印にしています。)

● 必要ない。

添付署名の他。に市長は、次のように意見をつけた。

地下水に依存することは、量、質的にはだはだ保証できない。移行は来年に迫るまえで、その中で、公費負担2500万円前後の費用とと労力とを費やし、市民をわずらわす住民投票は、意味がとぼしいことを申し上げたい。

市長は、「一方、この条例の提案者である私は、選挙の執行責任者になる。市民に説明をしなければならない」といい、そして、提案をすれば、次のような非難をうけるだろうといい、説明をはじめた。

●本条例案は、関係の準備機関を含め、これ自体、行政を司る立場とからいって、基本的に欠陥があり、成立するレベルのものではない。といわざるをえない。
● 法律で規定されている住民投票という自体は、否定もしていない権威があると思うし、大事にしたい。
しかし、今回の運動については、
● ダム水源に移行せざるを得ないことへの認識の欠如
●仮に、この条例の意図が叶った場合、市民はどれだけ国民や県民、庄内の他市町村民との信頼を裏切り、批判非難をうけるか、また、ダム水源に依存しない場合、市民のうえにどんな負担がかかってくるかもあいまいだという無責任さを指摘せざるを得ない。

指摘する内容もしらずに、痛烈に思っているのは、署名に応じた善良な市民。聞くところによれば、「水道がまずくなる」「料金もたかくなる」という話だけにのせられた・。また、あおられて署名をした人もいる。そのような運動に参加したとか、そんな善良な市民がいると聞くと、このたびの心底から、なさけなくも、悲しすぎるという心境にある。
今も遺憾な思いにある。
条例案全体に対する講評は、
● あまりにもスジが悪い。欺瞞性も感じる巧妙かつ乱暴な数値を含むと批判をうけることもありそうな感じがある気がする。
● こういったその意図
あまりにも現状に対して、無知、稚拙な条例案であると受けるでありましょう。

●1条、凍結と言う言葉、なにか情緒的であって、法令には余り使われないということを専門家から聞いたが、これを請求人にどういう意味かと尋ねると、「現在移行の事業の手続き、スケジュールを全てやめる。その先は、新しいルールで決め直す」とあった。

一体誰に、どんな手続きを中止せよというのかわからない。
ちなみに今、水道部では、県と協議中であります。難しい計算をしながら、必死につめた作業をしている。それらから身をひけというのか。
ルールを決めよといってもどんなルールか、決められると思っているかあいまいだ。推察すれば、凍結は、広域水道受水を拒絶し、今までのもろもろの約束を白紙にする願意がこめられている。

● 事がここまで進行している状況からすれば、実態はまことに
うけがよさそうに、表現することにはとまどいも感じる。

●この条例は、どの町村にも適応しない。事業を中止しろ、と一体どんな状況を想定しているのか、私は批判をうけそうだ。この広域水道事業は、庄内全体を単位にし、まとめてすすめているから、鶴岡のためだけではない。

●ダム移行にむけて、事務はどんどん進む。この事業は最終版にきている。
構成市町村は、国県、我々市民、構成市町村民が、国民と県民の間につくり、約束をしているルールにそって、給水をうけ義務も移行する。

●仮に受水をしなくとも、所定の資金を負担する義務を履行する時期は直前。拒絶するに対し、水道会計に年17億円の負担をする必要があるということ。地下水源で事業を続けることにより、更に、井戸の掘削など、費用がかかり、料金がさらに高くなることを明快に説明できなければならなかった。
市民は正しい判断をできない。それらを話題にせずにこの条例案を提案するのは許せない。と指摘をうけるであろう。その点もまことにそのとおり。と思う。

● さもなければ無責任かつ一切の支払い義務を無視し、社会的なルールもけっとばして、多くをあいてにしようというのかと迫られても、私は立ち往生をする。
● 総じて、市民のために運動をするという皆様方、まさか、国民や県民、周辺の住民とのルールをなりふりかまわず破棄し、たのんでおいた水は買わない。お金も払いたくないなどと、言いたい放題なことを要求するのではないだろうと信じている。
● この条例案は、結果的に願意している内容は、1日も早く目標を達成するには、反社会的な行為もあえてしなければいけないだろうという願意があるように思えてならない。
● 根本的には、ダムを作ろうとしているケースと、最終段階のケースと、社会的にどんなルールのちがいがあるか。分別がつかないままに、提案されている。