新聞に見る鶴岡水道 住民投票の会の動き

朝日新聞「どうする?鶴岡の水道」




12月1日(金)
 有効署名数は一万三千人弱
市選管発表
 鶴岡市選挙管理委員会は三十日、「鶴岡市住民投票の会」から出されていた広域水道への行こうの是非を問う条例制定請求者署名簿の点検を終了し、署名者総数は一万四千百三十四人、うち有効署名数は一万二千七百三十一人、無効が千四百三人であると発表した。これは条例制定の直接請求が出来る有権者(七万九千三百十七人)の五十分の一(千五百八十七人)の八倍強になる。
 署名簿は一日から七日間有権者に縦覧され、異議申し立てなどがなければ、請求代表者側に返還される。その後、請求代表者は五日以内に条例案を正式に市に提出、これを受けた市長は二十日以内に意見を付けて市議会に提案する段取りだ。
 ただ、異議申し立てがなされた場合は、申し立ての日から十四日以内に選管が結論を出すことになっていることなどから、日程が大幅に遅れる可能性もある。このため、十二月定例市議会に条例案が提案されるかどうかは微妙だ。
 住民投票の会は十一月十日、一万四千百三十九人の署名を提出したが、選管は欠番などから署名数は五人少ない一万四千百三十四人と認定した。無効署名で多かったのは「重複署名」「だれだか確認出来ない」「自署でない」「選挙人名簿にない」などとなっている。


12月5日(火)
インタビューBOX  核心を聞く
鶴岡市の水道の水源を現在の地下水から、庄内南部広域水道に移行する是非を住民投票で決めようという、市民の条例直接請求運動が大詰めを迎えている。市選挙管理委員会に提出された1万4100 余人分の署名のうち、有効署名数は1万2731人と発表され、署名簿は縦覧中だ。運動を進めてきた鶴岡水道住民投票の会代表の酒井さんと、住民投票に反対している鶴岡市議会自民党議員団「平政クラブ」団長の本城昭一さんに、互いの言い分を聞いてみた。(聞き手 加藤 安彦)

住民投票の実施に反対する
鶴岡市議会自民党議員団長
本城昭一さん(65)「住民投票は人心を混乱」
(一万四千人を超えた署名人数をどう見ますか)
 よく集めたといえるのではないですか。なにふり構わずに署名活動をしていたので、予想はしていました。庄内百万石祭りの行列について歩き、見物していたお年寄りに署名をさせていましたが、(署名した)全体の何割が住民投票の意味を理解しているのか、大いに疑問です。極端にいえば、分からずに署名したのが大半ではないでしょうか。
(署名反対の運動を展開していたようですが)
 大体、今回の水道問題は住民投票にそぐわないテーマです。ダムは完成し、来秋から給水が始まる。こういう運動は計画が持ち上がった時なら意味があるでしょうが、今やるのはいたずらに人心を混乱させるだけです。地下水は十分あるなどと論拠がないことを言って署名を集めているので、対抗上、我々もチラシを三回配布、住民投票の非を訴え、宣伝カーによる街頭宣伝活動もしました。
 大体、ダムによる水道水は危険だとか、まずいとか、料金が上がる、などと言われれば、事情を知らない人は、そうならない方がいい と思ってしまう。しかし、来年秋からの(広域水道への)移行をやめ、地下水に頼るとなれば、料金は数倍に跳ね上がります。それでもいいのか、と我々は訴えているのです。
(「住民投票の会」は、ダムの水はまずいと言っています)
 今は昔のように、蛇口をひねって、口に受けるような飲み方はしません。夏でも生水を飲むより、麦茶にして飲む方が一般的です。私は内陸のダムによる水道水を飲んでみましたが、合格点です。月山ダムの水は清流で知られる梵字川の水。おいしい水として太鼓判が押せます。
(鶴岡の地下水は十分ある、と先ごろ専門家が講演で強調していました)
 これも困った話です。二十年前に地下水を調査したとき、その学者はそんなことは言っていなかった。それについては、「ダムが完成するまで鶴岡の地下水はもつのか調査をしてほしいというから、調べた」と答えていました。先の見通しまで含めて提言するのが学者の仕事ではないでしょうか。地下水は目で確認できない不確実なものなので、安定した水源にはなりえない。十万都市が地下水に頼ることは不可能です。 
(住民投票条例案が市議会に提出される段取りです)
 住民投票条例の制定運動が、いかに現実にそぐわないものであるかを指摘して、圧倒的多数で否決することになるでしょう。我々の会派だけでなく、良識ある議員は皆反対です。

条例の制定へ運動を進める
鶴岡水道住民投票の会代表
酒井由美さん(43)「問題見直す最後の機会」
(署名は三万人が目標でした)
 三万人は掲げた旗です。最初は全然集まらなかった。千六百人を突破するのに半月。素人のやることだから無駄ばかり多くて。後半盛り上がったが、実際はもっと集まったのではないかと反省しています。
(反対派の運動も活発だったようですが)
 署名を集めてくれる受任者の中には、地域の「有力者」から「そんなことをしているのか」と言われ、「辞めたい」と言ってきたケースもあります。自民党系会派の宣伝カーも「阻止」の連呼でした。
 (月山ダムは完成し、広域水道への移行が来秋と決まっています。「何を今さら」という声も聞かれました)
 私も今年の春まで(時期を逃したのかな)と、思っていました。でも、県と市町村はまだ受水契約を結んでいないと知り、鶴岡の水道の問題を市民が見直す最後のチャンスだと気づきました。子どもや孫たちに、鶴岡のおいしい水道水がいつの間にかダムの水に変わっていたと説明する羽目になると思ったんです。
(市側のダム水移行への論理は納得できませんか)
 人口も水需要も増大するという前提にたった計画です。人口は減り始めているし、水需要も増えません。市は、毎年のように断水や給水制限をしているからと、広域水道移行の正当性をPRしています。実際はダムが出来るまでといって、井戸などの修理、整備を怠ってきた行政の怠慢のせいで、地下水が減ったためではありません。鶴岡の地下水は十分ある、と専門家がつい先ごろ断言しています。水道代が三倍になる、などという説明は脅し以外の何物でもない。
(条例案は市議会に提出されても否決とみられていますが)
 住民投票に賛成しないと言明している三会派が態度を変えなくては、算術的にいえば否決される可能性が高いでしょう。けれど、私は一万四千人以上の市民が署名したことを市議会も無視できないと思います。
(住民投票は間接民主主義の否定だという声もあります)
 市議会に請願しましたが採択されず、公聴会も無駄だと、はねつけられました。知りたい情報が知らされない以上、大事なことは市民自身で決めるという民主主義の原理から、住民投票にかけるのは当然のなり行きです。決まったことに反対するな、という「お上意識」をうち破る運動でもあるのです。市は「情報公開法に基づいた」といって、署名受任者の名簿を、開示の請求があった当日に即座に公開しました。署名運動に反対する陣営に肩入れした行為で、許せません。


12月7日(木)
県・鶴岡市議会に
公聴会開催を請願

住民投票の会
 鶴岡水道住民投票の会は六日までに、県議会と鶴岡市議会に対し「庄内南部広域水道についての公聴会開催の請願」を提出した。
 請願書は、「二〇〇一年度の広域水道移行を前に鶴岡市では、計画が民意を反映したものかどうかに疑問を抱く声が上がり一万四千を超える署名がなされた。自主的に集められた署名は相当の重みがある」と指摘。「鶴岡市議会ではこれから手続きに従い住民投票条例の可否を決める審議がなされるが、その前に住民の意思をはかるよう公聴会を請願する」となっている。




12月8日(金)
4人の署名は
「有効」と異議

住民投票の会
 鶴岡水道住民投票の会が鶴岡市選挙管理委員会に提出した署名簿の縦覧が七日終了、住民投票の会は無効と判定された四人の署名は有効であると市選管に異議を申し出た。一人は選挙人名簿に載っているのに、登録されていないとされ、三人は印不鮮明で無効とされたが、いずれも母印であることが分かる、と主張している。
 住民投票の会が提出した署名の総数は一万四千三百十九人(選管は五人少なく認定)で、そのうち一万二千七百三十一人が有効署名だと判定された。
 市選管によると、住民投票の会以外からの異議の申し出はなかったという。郵便による異議も有効であるので申し出数などは十一日に確定する。選管は申し出の日から十四日以内に異議の判定をする段取りだ。
 一日から七日までの名簿縦覧期間中に延べ四十四人が縦覧に訪れた。住民投票の会会員のほかは、議会で条例案を審議する市議が大半だったという。


12月12日(火)
「受人者」開示
謝罪を要求

住民投票の会
 鶴岡水道住民投票の会は十一日、広域水道導入についての住民投票条例制定を求める署名活動中に署名を集める「受人者」の名前を、市が情報公開条例請求に基づいて開示したことについて、富塚陽一鶴岡市長に対し抗議と開示の撤回、謝罪を求める文書を提出した。 それによると@委任届けは署名収集期間中の個人情報であり、途中経過の情報開示は当事者の意思決定が左右されることに配慮し、保護の必要性が高いA開示請求当日に開示したのは恣意的だ、などと指摘している。
 一方、鶴岡市選挙管理委員会は十一日、住民投票の会から出されていた四件の署名について、いずれも「有効」の決定をした。これで署名簿の有効署名は一万二千七百三十五人と確定した。


12月14日(木)
署名簿やダム
議論すれ違い

 十三日の鶴岡市議会の一般質問で水道問題が取り上げられた。住民投票の会の主要メンバーでもある議員が「有権者の二〇%近くが署名した。市長はこれをどう判断するか」とただすと、富塚陽一市長は「八〇%の沈黙の市民は市の広域水道の方針を支持している。署名した人が皆、事情が分かって署名した訳でもない」と切り返した。
 議員が「まずくて高いダムの水に切り替えて、五年、十年、五十年後の鶴岡の水に市長は責任が持てるのか」と問うと、市長は「民主的な手続きを経て水道行政を進めている。不確実な地下水に頼るなどということ行政の責任者として出来ない」と答えた。
 議場は「ダムの水はうまい」「地下水がいつまでもつというのか」など住民投票反対派の議員のヤジが飛び交い、一時騒然となった。


12月15日(金)
住民投票条例制定を請求
「住民の会」市、条例案提案へ
 「鶴岡水道住民投票の会」は十四日、住民投票条例制定請求書を鶴岡市に提出した。請求代表者たちが制定請求書と「鶴岡市住民投票条例案」に一万二千七百三十五人の署名簿を添えて市に届けた。市は開会中の十二月議会条例案を追加提案する方針だ。市議会は二十に日の最終日に条例案の賛否を採決する。
 条例制定請求書は「広域水道への移行は、計画給水量と供給実績の大きなズレ、高料金への不安など多くの市民が疑問を持っている。公聴会も開かれず、議会・行政と民意との間にギャップがある。一〇〇%地下水でいくか、ダム水源に切り替えるのかは市民にとって重大問題で、住民投票に適する」としている。
 条例案は「広域水道導入についての市民の賛成、凍結の意思を明らかにし、それを水道事業に反映させるため、市民による投票を行う」など十七条からなっている。
 条例制定請求書を提出後、記者会見した酒井由美・住民投票の会代表は「市議会が民意を反映できるかどうか、大勢の市民が注目している。実りのある審議を期待したい」と話した。
 請求書を受理した市は速やかに条例案を議会に提案する方針だ。市議会は条例案が提案されれば、二十日の議会運営委員会で取り扱いを協議、二十二日の本会議で処理することにしている。
 一方、住民投票の会が市議会に提出していた「公聴会」と「説明会」の開催を求める二件の請願が十四日、付託された市議会建設常任委員会で審議され、二件とも反対多数で不採択になった。


12月17日(日)
広域水道問題考える
ホームページを開設

住民投票の会
 「鶴岡水道住民投票の会」は十五日、全国の広域水道が抱える問題や、市民が広域水道に持つ疑問や悩みなどの声を集めるホームページ「広域水道一一〇番」を開設した。
 住民投票の会では「広域水道が持っているあらゆる問題点を全国的なスケールで結びつけたい。自分たちの運動も全面的に公開していきたい」と話している。
 問い合わせは住民投票の会(0235・28・3338)へ。アドレスはhttp://www.suido110.org

 
12月20日(水)
「部長答弁に虚偽」
市議が訂正求める

 12月議会一般質問で「鶴岡水道住民投票の会」メンバーの鶴岡市議は十二月市議会の一般質問における水道部長の答弁に虚偽があるとして十九日、市長と議長あてに訂正と議事録からの削除を求める文書を提出した。
 それによると「部長は@昭和五十年代に設置した地下水の(自然)水位を調べる観測井は、当時指導を受けた柴崎達雄東海大教授の指示によるA持続性補給量があれば、三メートルもの水位低下はないと答弁している。だが、柴崎氏に確認したところ@揚水井に近い場所への観測井の設置などは指示していないA自然水位も揚水井の影響を強く受けていて、動水位に近い動きをする。持続性補給量の減退は精密な検査をしてから論ずるべきだ、と強調した」としている。


12月21日(木)
「制定の必要はない」
市長、意見書つけ追加提案

 鶴岡市は二十日、鶴岡水道住民投票の会が直接請求した「広域水道導入についての住民投票条例案」に「制定の必要はない」という富塚陽一市長の意見をつけて、十二月定例市議会に追加提案した。議会運営委員会は、二十二日の本会議でこの条例案を審議し、採決することを決めた。
 富塚陽一市長の意見は「市は隣接町村と共同で検討し最終的に水源を月山ダムに求めることにした。県から広域水道整備計画が示され、市議会でも全会一致で同意を得た。ダムの早期完成の要望も重ねてきた」などと経過を説明。そのうえで、「市の水道は地下水位の低下により取水量が減少し、将来的に責任を持って水道水を安定的に供給するためには広域水道からの受水は欠かせない。実現を目前に広域水道導入に対する賛成・凍結を問う住民投票条例の制定は必要ないものと考える」としている。二十二日の本会議では提案理由の説明、質疑の後、各会派による賛成・反対の討論をして採択する見通し。


12月23日(土)
住民投票条例案を否決
鶴岡市議会
運動に議会の壁厚く
投票の会「反社会的とはひどい」

 鶴岡水道住民投票の会が直接請求した「広域水道導入の是非を問う」住民投票条例案が二十二日、鶴岡市議会に上程され、本会議で審議の結果、賛成少数で否決された。署名運動で始まった、住民が直接住民投票で水道水源計画を決めようという運動に、市議会の壁は厚かった。
 条例案が追加提案された本会議では、提案者の富塚陽一鶴岡市長が「来秋には供給が始まろうという時期に広域水道導入に対し賛成・凍結を問う住民投票条例の制定は必要ない」との意見を読み上げた。
 さらに、「条例案は無責任で反社会的。水道代が高く、水がまずくなるなどと誤った情報に惑わされて署名した市民に対し、住民投票の会はどう責任を取るのか」などと、激しい口調で自らの見解を述べた。
 質疑では「公益21の会」の二人の議員が地下水について「市は地下水の量が少なくなったと言うが、肝心な調査もせず根拠はない」と追及したが、市側は「県や建設省の調査でも、減っているとの結果が出ている」と答え、議論は平行線のままだった。共産党の市議は「広域水道についての市民への説明が十分ではない」と指摘したが、市長は「市や水道部の広報に何回も掲載している。各地区ごとの会合でも説明してきた」と述べた。
 討論では自民党系「平政クラブ」「政友公明クラブ」「社会市民連合議員団」の三会派が「住民投票をする段階はとっくに過ぎている」などと反対の態度を明らかにした。採決の結果はこの三会派の計二十四人が反対、公益21と共産の計七人が賛成だった。
 これに先立ち住民投票の会が提出していた「公聴会の開催」「住民説明会の開催」「広域水道受水について」の三請願は不採択となった。
 住民投票の会の酒井由美代表は「ひどい結果だ。反社会的運動とまで決めつけられて悔しい」と話した。
(解説)
市民の関心高め、計画に一石
 鶴岡水道住民投票の会も、これまでの経過から市議会で条例案が否決されることは予想していた。それでも市議会の傍聴席が満員になったように、広域水道問題への市民の関心が高くなったことは間違いない。「組織もお金もない素人が始めた運動だが、成果はそれなりにあった」と、住民投票の会の酒井由美さんは話す。
 関心を呼んだのは「水」という市民生活に極めて密着した問題だったからだ。水道の水源が今の地下水から、月山ダムの貯水に切り替わるが、料金や味は大丈夫だろうか−。素朴な疑問から主婦たちが始めた運動に、市も市議会も冷ややかだった。「とっくに決まっていることだ」と公聴会開催にも応じなかった。
 「それなら住民投票という手がある」と、書類を整え、届けをして具体的に署名活動を始めたが、最初は一向に集まらなかった。有権者の五十分の一以上の法定署名数に達するのに半月かかった。反対派の運動も激しかった。
 それでも最終的には一万四千人を超える署名が集まり、約一万二千人分が有効と認められた。
 条例案は否決されたものの、今回の運動が、市や議会の進める水道計画に一石を投じたのも事実だ。「地下水のままだと、かえって水道代が高くなる」という市の説明に納得しない市民もかなりいる。「国も県も市も議会も(水需要)見通しを誤ったのだからここで見直して欲しい」という住民投票の会の「理屈」に、まともにこたえる議論がなかったのは残念だ。
 酒井さんは言う。「あきらめてはいません。結果にはがっかりしたが、市民がようやく目覚めつつあるということが分かってもきました」
(加藤 安彦)



●12月20日(水)毎日新聞
水道部長の答弁に異議申し立て
鶴岡市議会で草島市議

 鶴岡市議会の草島進一市議は19日、富塚陽一市長と市議会議長に対し、鈴木文雄水道部長が一般質問で行った水源地の観測井設置に関する答弁は科学的根拠に欠け、事実に誤りがあるとして議事録から削除し、改めて正確な答弁を求める異議申し立てをした。
 市議会では、20日の議会運営委員会で取り扱いを決める。【粕谷 昭二】
11月14日(火曜日)毎日新聞山形面

(見出し)水道料金値上げに緩和措置必要 鶴岡の住民投票問題で知事

 月山ダムを水源とする庄内南部広域水道への転換の是非をめぐり、住民投票条例制定を求めて「鶴岡水道住民投票の会(酒井由美代表)」が鶴岡市選挙管理委員会に約1万4000人の署名簿を提出したことについて、高橋和雄知事は13日の定例会見で「計画段階での水量が実際より多くなっており、大きな水道料金の跳ね上がりがある。住民の生活から言っても望ましくない。計画が正しいかどうかということよりも、水道料金が上がることについて何らかの緩和措置が必要だ」との考えを明らかにした。
河北新報

鶴岡の水道問題 料金急騰に懸念  高橋知事

 高橋和雄知事は十三日の定例会見で、来秋に移行予定の県営庄内南部広域水道をめぐり、鶴岡市の市民グループが導入の是非を問う住民投票を実施する条例の制定を求めている問題に触れ、「水道料金が跳ね上がるのは住民にとって望ましくない。何らかの激変緩和措置が必要だ」と、広域水道への移行による水道料金の急騰を避けたい意向を示した。
 高橋知事は「水の消費量が増えるのを織り込んだ計画それ自体が、実際の需要よりも多い」とギャップを認めた。その上で、県が八市町村に供給する単価を極力抑えるとともに、水道料金を制定する市町村に対しても、県の圧縮分を料金に反映させるよう指導する方針を明らかにした。