鶴岡の大きな資源、地下水100%の水道水の危機
このおいしい水を救えるのは、皆さん一人一人です。鶴岡の水を考える草島進一「地球の声通信」・水道問題特集

6月定例会一般質問
水需要のズレは深刻な問題。
未来が怖い、広域水道計画

【日本の人口の見通し】

 主に、将来の水需要の見込みを右のグラフを持参して質問。
●草島 現状の平均水使用量4万500トン(平成11年)と契約の7万2千602トンでは2万トンもずれているが、契約水量の責任水量を満たす時期はいつと想定しているか。
■水道部 到達の目標は平成22年だったが、29年に目標年次を先送りにしたい。今後の水需要の10年以降の予測は困難であるが水需要は微増すると思われる。
●草島 料金値上げにともなって節水などで使用量が低下し、ますますズレが大きくなった場合料金に影響はどうか。
■水道部 影響する部分はある●これは、水需要がもし減ったら、結局水道料金を上げないといけなくなる。右肩上がりで予想されていた水需要が、停滞どころかこの5年は減少。人口減少時代と節水型機器の普及、節水意識によって更に減少する可能性も大きい。もしも人口減少が進むと、空水量に永遠に高額な水道料金を支払い続ける大問題が待っています。■

参考資料

月山ダムからの受水する広域水道計画、過大な水需要と責任水量制(グラフで示してます)

庄内南部広域水道の
公聴会を求める請願
不採択!

「疑問がたくさんある広域水道事業。市側から充分な説明と市民の声を聞いてほしい」主婦の立場での率直な疑問の請願が建設常任委員会で1時間にわたる審議の上、本会議で討論の末、不採択されました。
 反対の理由は、「歴史的な経過と手続きを踏んできている広域水道計画にいまさら公聴会など行う必要はない」「ごくごく一部の反対論者のために公聴会はいらない」「広報で十分に知らせてある」といったものでした。
 私は紹介議員として委員会で、また本会議で、水道料金、水質、水量また時代の変化にともなう問題点について、受益者であり負担者である市民に十分に情報を伝えていないことを理由として賛成討論をおこないました。
 結果は賛成7、反対24の不採択。大変残念な結果に終わりました。今後は公開討論会、説明会などを企画して、当局の説明を求めたいと思います。

最も大事なことが水道を使い、料金を支払う市民に伝えられていない!。

1.水道料金について
「市民に充分説明、丁寧な手順を踏んできた」と、市はいいますが、先ずは水道料金について水道の受益者であり負担者である市民に、充分なお知らせをしてきたのでしょうか。今まで、数回にわたり平成10年の値上げ前の2.5倍程度と広報に記載。そして今回6月15日号の広報では、県内13市の平均程度には抑えるように、できる限りの努力を重ねていく」などという表現にかえている。ちなみに13市の平均とは計算すると4155円。(現在2457円)10万〜30万人の都市では全国2位の高料金です。
●昭和55年9月、広域水道移行を決議した議会の際、料金の算定方法として責任水量制でいくか、従量料金制でいくか、当時の斉藤市長は「従量料金制の方が実際的」と答弁しています。それがいつの間にか責任水量制になっています。議会を通さずいつの間にか執行者側が一方的に重大な料金制度を県と決めています。この責任水量制は、工事負担金を一方的に市民の水道料金にかぶせる料金制度として、全国で問題視されています。

地下水と
ダム水の水質は
雲泥の差。

地下水100%の水道と、ダム水の水道では、明らかに水質が違います。浄水施設の必要ない最高の原水、地下水。その中でも鶴岡の地下水の質は抜群です。
 それ対し、月山ダムの水は、急速ろ過という方式の浄水場を通ため、大量の薬品を使います。
 また、ダムにたまる表流水に含まれる有機物が塩素と化合して発ガン物質、トリハロメタンを発生するおそれがあり世界中で問題になっています。基準値内とはいえ、寒河江ダムからの水が鶴岡の水道水に比べ、総トリハロメタン値は、一ケタ多い現状です。
 また、急速ろ過方式の場合、浄水の際に、凝集剤として使用するPACポリ塩化アルミニウムから水道水に残留するアルミニウムが、アルツハイマー病の危険因子であることが国会の場でもとりあげられています。これも地下水と河川水を比較すると2倍以上違います。塩素量は、更に、急速ろ過の浄水場では産業廃棄物の汚泥がでます。(庄内南部では推定860トン。寒河江では3千トン)。


地下水100%の
水道水は「まちの宝」

 節水と涵養源の保全で
 水を守る東京都昭島市

蛇口をひねったら井戸水がでたよ」この見出しは、東京都の昭島市の昨年市政45周年記念の市政要覧。「水道水は、河川水を利用したものがほとんどですが、昭島市では深井戸から地下水を汲み上げて水道水にしています。そのため水質もよく、冬温かく夏は冷たいおいしい水を飲むことができるのです。地下水は昭島の宝です」とあります。
 先日、昭島市を訪れた際「この水を求めて引っ越してくる方がいるんです」と水道部職員の方は自慢げに話してくれました。東京都営水道の契約を結びながらも、自己水源が豊富で、現状の水需要を満たすことができるため、受水は当面保留。市民の要望も大きいため、できるだけ地下水100%の水道を維持しようと、市水道部では公共の建物での雨水利用、学校での節水ゴマの使用、節水出前講座、など実に積極的に取り組んでいます。
 東京都昭島市の人口は、10万7千人。平成11年の一人あたり平均水使用量は364リットル。平均水使用量を3万9062トンに抑えています。ちなみに鶴岡は、一人あたり405リットル、平均水使用量は4万480リットルです。
 さて鶴岡も地下水100%の水道水。この地下水源については、53年当時、地下水調査の権威、柴崎達雄先生らが80本もの観測井戸を用いて当時最高のの技術で調査しています。その結果、鶴岡水源地井戸は涵養(かんよう)量も十分で水質や水量も「極めて良好」とされ、詳細にわたる保全、涵養策も提示されています。
 また、水質的には、鶴岡の水源とほぼ同様の水源から業者が汲み、ペットボトル詰めして、全国で販売されています。1リットル100円の価値ある水質。 しかしながら鶴岡市では、地下水取水の規制や保全をほとんどおこなっていません。観測井は4本ありますが、私が3月議会で指摘するまで、データが公表できないほどずさんな管理状態でした。人為的なミスと指摘されている冬季の断水事件や給水調整レベルの夏季の給水制限を、経年化による井戸の目詰まりなどをよそに地下水位の低下として扱うなど、前述の昭島市や、地下水保全都市宣言を挙げている熊本市の姿勢とは逆行した、「政策的な水不足」と感じられます。
 また広報で「使いたいと思う水の量」に対していつも充分に給水する責務がある」とありますが、国の「平成11年水道基本問題検討会」でも、今後はなるべく水やエネルギーの消費を抑制していく方向が、地球人としての立場からも求められている」とあります。今の時代、節水政策も満足におこなわないで「水不足」ということは、あまりにもおかしなことです。
 時代は変化しています。水を買う時代が到来しているのです。私は政治の役目はそうした価値感の変化を施策に落としこんでいくことだと思っています。
東京都昭島市の他にも、全国では、ダムをつくり、広域化に参加してはいても自己水源が豊富なため、受水していない事例があります。
●山口県小郡町 山口県の広域水道に参加するも当面受水凍結。
●富山県富山市 用水供給ダム熊野川ダム完成したが、自己水源豊富なため当面受水凍結。
 私は、鶴岡の地下水については、特にその歴史を思います。代々使われてきた文化的価値。それが現代社会に欠けている、心のよりどころをつくりだすのではないか。その復興の時代といわれる今、それをみすみす失ってしまっていいのか。と。
 要は市や議会が今の時代、住民にとって、まちづくりに何が大事かをしっかり把握し直し、将来を見据えた判断をすることが大事だと考えます。21世紀の町の魅力をいかしたまちづくり。それには、地下水源の価値のように、鶴岡という地に暮らす市民の立場にたった価値観にしっかりと光をあてていくこと。そこに地方分権の時代、地方自治体の政治、議会の役割があると私は考えます■
 

山形県議会への活動。
「広域水道計画の
抜本的見直し」
「時のアセス」
「公聴会」を求める請願

水道料金6年連続トップを果たしている不名誉な山形県。この大きな理由が、県全域にわっての広域水道の普及によるものです。庄内南部も参入すると更にダントツ1位になることもあり2月、7月議会へ請願3件を、田辺省二県議を通じて提出。厚生委員会で議論。いずれも継続審査になりました。特に、7月10日、予算委員会で田辺県議が庄内南部広域水道の水質の事や料金、水質についての情報公開などについて質疑して下さいました。住民説明会は、実現しそうな答弁。広域水道事業の契約は最終的には県との調整。今、日本一高い料金負担を県民に出費させている、県の水道政策の改革をすることが大事。引き続き水道政策の「時のアセス」の議論を高めていただくアクションをおこなっていきます■