チェチェン総合情報

更新情報 2011-2023

チェチェンニュース Vol.23 No.05(#529) 2023.02.17

 ロシアによるウクライナ侵略開始から、まもなく1年が経過します。関連する集会やデモが続きますので、ぜひご参加ください。日付順にご紹介します。

■2月19日(日)

◎ウクライナに平和を!ロシアのウクライナ侵攻に抗議するサイレントスタンディングin鴻巣(第47回)

主催:鴻巣市民有志 https://twitter.com/ayachan_no_war

■2月20日(月)

◎講演会「戦時下のウクライナを巡る国民の覚悟と希望」

■2月23日(木・休日)

◎〜プーチンの戦争を止めよう!〜ウクライナに連帯を!2.23 新宿デモ

ロシアの侵略戦争に抵抗するウクライナの人々に連帯するデモを2月23日(木)14時から新宿でおこないます。 プーチンの暴虐な侵略と戦争犯罪に抗議し、ウクライナのひとびとと繋がりましょう!

地図:https://goo.gl/maps/s7EyJKGvaAm2aeP68

◎志葉玲×安田純平「ウクライナ侵攻1年・シリア内戦12年・イラク戦争20年の今 戦争と命の尊厳を考えるつどい」

 https://www.facebook.com/events/754018659678407

■2月24日(金)

◎『ロシアのウクライナ侵攻から1年。ウクライナに平和を!2・24日比谷野音集会&デモ』

http://sogakari.com/?p=6447

◎ウクライナへの祈祷

主催:Stand with Ukraine in Japan

■2月26日(日)

◎ロシアによるウクライナ侵攻から1年 反戦運動の今後を考える2・26集会―ロシアの今をめぐって―

http://antiwar2017.blog.jp/archives/39266952.html

各イベントの詳細を読む...

チェチェンニュース Vol.23 No.04(#528) 2023.01.19

■1月21日(土)第152回草の実アカデミー
「ウクライナからの報告~人々はどう暮らし何を考えどう生きているのか~」
講師:國谷光司氏(ウクライナ研究会会員)

チェチェンニュース Vol.22 No.47(#518) 2022.10.19

ウクライナ議会がチェチェンの主権を確認

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チェチェンニュース Vol.22 No.43(#514) 2022.10.07

「メモリアル」がノーベル賞受賞、プーチンは誕生日、アンナ・ポリトコフスカヤの命日

 今日は、記念碑的な一日になりました。各種報道によると、ノーベル平和賞には、ベラルーシの人権活動家アレシ・ベリャツキー氏、ウクライナの人権団体「市民自由連合」、そして、ロシアの人権団体「メモリアル」に授与されました。授賞理由は、「戦争犯罪や人権侵害、権力の乱用を記録し続けた」ことだそうです。

 「メモリアル」の活動は、第一次チェチェン戦争からずっと継続しており、グローズヌイにも事務所を置いて、人権侵害に苦しむチェチェンの人々を記録し、法的側面からサポートしてきていました。また、2009年には、所属していた人権活動家ナターリア・エステミーロワが暗殺されるなど、大きな犠牲を払ってきました。

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チェチェンニュース Vol.22 No.41(#512) 2022.09.23

ウクライナで戦う独立派チェチェン人たち
カディロフツィ、チェチェン人を脅迫してウクライナに連行

〈記事について〉

 今回は2つの記事を紹介します。ひとつ目は、「ウクライナで戦うチェチェン人たち」。ウクライナ側に所属して戦うチェチェン大隊についての話題です。前回のニュースでは、ウクライナで残虐行為をするカディロフツィの問題を取り上げましたが、今回はウクライナ側に立って戦うチェチェン人です。

 安全上、あまり多くのことは語れない独立派チェチェン人たちですが、チェチェン独立の大義名分をかけて戦う人々が何百人もウクライナにいることは、注目していきたいです。チェチェン戦争の責任はロシアにありますが、傍観してきた私たちのあり方も問われると思います。

 2つ目の記事は、「カディロフツィ、チェチェン人を脅迫してウクライナに連行」です。ウクライナ侵略のために、9月21日にプーチン政権が動員を開始したことは、みなさんご存知と思います。これによってロシア側の劣勢が挽回できるかというと微妙で、おそらく多くのロシア国民が政権を見限るきっかけにはなると思います。

 ところで、ウクライナへの動員については、すでにチェチェンが3ヶ月も先行していたという報道を見つけました。親ロシア派指導者カディロフは、強制的に若者を志願させて、ウクライナに送り込んでいたのです。逆らえば家族を誘拐し、人質化するという常套手段を使っています。

 また、記事によればカディロフに反抗的な者を選んで戦場に送り込んでいるようで、これでは懲罰ですから、そんな軍隊が強いはずもありません。しかし、反カディロフの前途ある若者たちが、ウクライナの民間人を虐待する役割を押し付けられているとしたら、あまりの残酷さに声も出ません。ロシアでも、反動員のデモに参加した若者が、警察に拘束されたとたんに召集令状を渡される例があるようです。好戦的かつ抑圧的なプーチン・カディロフ体制の倒れる日は近いと信じたいところです。

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チェチェンニュース Vol.22 No.39(#510) 2022.09.22

ウクライナにおけるカディロフツィの真の役割

〈記事について〉ウクライナでのカディロフツィの動きについて知りたかったので、比較的最近のアル・ジャジーラの記事を訳してみました。カディロフツィが怖いのは見た目だけで、軍事的にはそれほど意味がないようですが、戦線後方での残虐行為にはかなりコミットしている可能性があります。この記事ではその一端がわかります。(大富亮)

アル・ジャジーラ 2022年8月18日

 ウクライナ侵略が始まったばかりの2月27日に、虐殺の舞台となったブチャに進入した34台の装甲車に乗っていたロシアの軍人のほとんどは、チェチェン人だった。

 彼らは、チェチェンの親ロシア派の指導者ラムザン・カディロフにちなんで「カディロフツィ」として知られている。彼らはあごひげを生やしてがっしりした体格で、真新しい制服を身にまとい、ライフル銃を携え、戦争の3日目にウクライナの首都キエフに入ろうとしていた。

つづきを読む...

チェチェンニュース Vol.22 No.38(#509) 2022.09.11

ウクライナ左翼からの訴え:「人々はウクライナのためだけでなく、プーチンを打倒するために戦っている」

 ウクライナをめぐって左翼の混迷が続いています。どのような意見を持とうと自由ですが、ウクライナに関して発言する限りは、当事者であるウクライナ人と常に対話しているという緊張感をもって発言すべきですね。そういう意味ではウクライナ人左翼がじっさいに置かれている状況がよくわかるこの論文をすべての人に(ロシアもウクライナも両方悪いと考えている人にも)読んでほしいと思います。(久下格、元国労)

2022年9月2日(Links International Journal of Socialist Renewal)

 ロシア大統領ウラジーミル・プーチンの侵攻から半年、
・ウクライナのレジスタンスはどうなっているのか?
・停戦交渉とNATOに関して、ウクライナの一般的な雰囲気はどうなのか?
・そして、この戦争は進歩的勢力にとって何を意味するのか?

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チェチェンニュース Vol.22 No.52(#523) 2022.11.13

【今日】⾼円寺 ⿊⾊討論集会 第2弾『ウクライナのアナキスト達は今』

興味津々の討論集会です。直前の案内となってしまいましたが、お近くの方はどうぞご参加下さい。

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Vol.22 No.49(#520) 2022.11.3

東京法律事務所9条の会総会・特別企画
「私たちの国が戦争を始めた ―反戦ロシア人たちの証言」

終わらないウクライナ侵攻。 母国が戦争を始めたロシア人たちは何を思い、何を願い、どう行動しているのか。 また今のロシアはどこから来たのか…反戦ロシア人たちの生の声をききます。

【スピーチ&インタビュー】(コーディネーター:加部歩人弁護士)
・アンナ・リトヴィーノヴァ さん
・柴田ヴィクトリア さん 他
渋谷駅前等日本で度々ロシア政府に対する抗議活動を敢行しているロシア国籍保有者グループの皆さん。
アンナさんは毎日新聞等メディアにも出演しています。
(毎日新聞によるインタビュ―動画・反戦の声「ロシアを愛しているから」渋谷で抗議、露若者の願い)
https://youtu.be/zWaVpjHYGf0

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チェチェンニュース Vol.22 No.46(#517) 2022.10.19

10・22 戦禍のウクライナから、ウクライナ人によるウクライナ報告

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チェチェンニュース Vol.22 No.45(#516) 2022.10.14

講演会「ウクライナで浮かび上がる難民&入管問題」ほかイベント情報

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チェチェンニュース Vol.22 No.44(#515) 2022.10.07

講演会「チェチェン化するウクライナ、ロシア化する日本」ほかイベント情報

 10月10日(月曜休日)に、千葉で林克明さんの講演会があります。ぜひご参加ください。

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チェチェンニュース Vol.22 No.28(#499) 2022.07.03
映画「ドンバス」——フェイクニュースと現実のパズル

 2014年に、親ロシア派のヤヌーコヴィチ大統領がロシアに亡命し、クリミア併合が行われ、ロシアの軍事力をバックに未承認国家ドネツク、ルガンスク「人民共和国」からなる「ノヴォロシア=新ロシア人民共和国連邦」が建国された。この映画は、そこで起きたさまざまな事件を描くものだ。

 世の中には親切な映画と、そうでない映画がある。ただテレビの前で座って観ているだけで感情移入できるように完全な計算をしてくれているハリウッド映画もあるが、この「ドンバス」は、一見、不可解な場面を説明もなくつないでいく「不親切」な映画だ。にも関わらず、この映画にはなぜか引き込まれてしまう。

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チェチェンニュース Vol.22 No.42(#513) 2022.09.24

【緊急行動】プーチンは侵略戦争をやめろ!ロシア大使館前緊急抗議

急なご案内になりますが、以下の要領で抗議行動を行います。ぜひご参加ください。

東京の杉原浩司(武器取引反対ネットワーク:NAJAT)です。

毎度の緊急呼びかけとなりますが、ここで抗議せずしていつするのか、という タイミングですので動くことにしました。緊急拡散とご参加、ご取材をお願い します!!! そして、ぜひ各地でも行動を。

【大緊急拡散お願い!】

★プーチン政権によるイジューム虐殺、動員令、偽住民投票、核使用の脅迫に 抗議します!

<明日>

プーチンは侵略戦争をやめろ!ロシア大使館前緊急抗議

9月24日(土)16時~16時45分

※15時45分 神谷町駅2番出口地上に集合

(プラカードなど持参歓迎)

呼びかけ 武器取引反対ネットワーク(NAJAT)

賛同 チェチェンニュース編集室

連絡先 090-6185-4407(杉原)

◆同じく24日14時からは、渋谷ハチ公前で「戦争に反対する在日ロシア人」の 皆さんによる抗議アピールが行われます。

チェチェンニュース Vol.22 No.41(#512) 2022.09.23

ウクライナで戦う独立派チェチェン人たち
カディロフツィ、チェチェン人を脅迫してウクライナに連行

〈記事について〉

 今回は2つの記事を紹介します。ひとつ目は、「ウクライナで戦うチェチェン人たち」。ウクライナ側に所属して戦うチェチェン大隊についての話題です。前回のニュースでは、ウクライナで残虐行為をするカディロフツィの問題を取り上げましたが、今回はウクライナ側に立って戦うチェチェン人です。

 安全上、あまり多くのことは語れない独立派チェチェン人たちですが、チェチェン独立の大義名分をかけて戦う人々が何百人もウクライナにいることは、注目していきたいです。チェチェン戦争の責任はロシアにありますが、傍観してきた私たちのあり方も問われると思います。

 2つ目の記事は、「カディロフツィ、チェチェン人を脅迫してウクライナに連行」です。ウクライナ侵略のために、9月21日にプーチン政権が動員を開始したことは、みなさんご存知と思います。これによってロシア側の劣勢が挽回できるかというと微妙で、おそらく多くのロシア国民が政権を見限るきっかけにはなると思います。

 ところで、ウクライナへの動員については、すでにチェチェンが3ヶ月も先行していたという報道を見つけました。親ロシア派指導者カディロフは、強制的に若者を志願させて、ウクライナに送り込んでいたのです。逆らえば家族を誘拐し、人質化するという常套手段を使っています。

 また、記事によればカディロフに反抗的な者を選んで戦場に送り込んでいるようで、これでは懲罰ですから、そんな軍隊が強いはずもありません。しかし、反カディロフの前途ある若者たちが、ウクライナの民間人を虐待する役割を押し付けられているとしたら、あまりの残酷さに声も出ません。ロシアでも、反動員のデモに参加した若者が、警察に拘束されたとたんに召集令状を渡される例があるようです。好戦的かつ抑圧的なプーチン・カディロフ体制の倒れる日は近いと信じたいところです。

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チェチェンニュース Vol.22 No.39(#510) 2022.09.22

ウクライナにおけるカディロフツィの真の役割

〈記事について〉ウクライナでのカディロフツィの動きについて知りたかったので、比較的最近のアル・ジャジーラの記事を訳してみました。カディロフツィが怖いのは見た目だけで、軍事的にはそれほど意味がないようですが、戦線後方での残虐行為にはかなりコミットしている可能性があります。この記事ではその一端がわかります。(大富亮)

アル・ジャジーラ 2022年8月18日

 ウクライナ侵略が始まったばかりの2月27日に、虐殺の舞台となったブチャに進入した34台の装甲車に乗っていたロシアの軍人のほとんどは、チェチェン人だった。

 彼らは、チェチェンの親ロシア派の指導者ラムザン・カディロフにちなんで「カディロフツィ」として知られている。彼らはあごひげを生やしてがっしりした体格で、真新しい制服を身にまとい、ライフル銃を携え、戦争の3日目にウクライナの首都キエフに入ろうとしていた。

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チェチェンニュース Vol.22 No.38(#509) 2022.09.11

ウクライナ左翼からの訴え:「人々はウクライナのためだけでなく、プーチンを打倒するために戦っている」

 ウクライナをめぐって左翼の混迷が続いています。どのような意見を持とうと自由ですが、ウクライナに関して発言する限りは、当事者であるウクライナ人と常に対話しているという緊張感をもって発言すべきですね。そういう意味ではウクライナ人左翼がじっさいに置かれている状況がよくわかるこの論文をすべての人に(ロシアもウクライナも両方悪いと考えている人にも)読んでほしいと思います。(久下格、元国労)

2022年9月2日(Links International Journal of Socialist Renewal)

 ロシア大統領ウラジーミル・プーチンの侵攻から半年、
・ウクライナのレジスタンスはどうなっているのか?
・停戦交渉とNATOに関して、ウクライナの一般的な雰囲気はどうなのか?
・そして、この戦争は進歩的勢力にとって何を意味するのか?

つづきを読む...

チェチェンニュース Vol.22 No.41(#512) 2022.09.23

ウクライナで戦うチェチェン人たち
カディロフツィ、チェチェン人を脅迫してウクライナに連行

〈記事について〉

 今回は2つの記事を紹介します。ひとつ目は、「ウクライナで戦うチェチェン人たち」。ウクライナ側に所属して戦うチェチェン大隊についての話題です。前回のニュースでは、ウクライナで残虐行為をするカディロフツィの問題を取り上げましたが、今回はウクライナ側に立って戦うチェチェン人です。

 安全上、あまり多くのことは語れない独立派チェチェン人たちですが、チェチェン独立の大義名分をかけて戦う人々が何百人もウクライナにいることは、注目していきたいです。チェチェン戦争の責任はロシアにありますが、傍観してきた私たちのあり方も問われると思います。

 2つ目の記事は、「カディロフツィ、チェチェン人を脅迫してウクライナに連行」です。ウクライナ侵略のために、9月21日にプーチン政権が動員を開始したことは、みなさんご存知と思います。これによってロシア側の劣勢が挽回できるかというと微妙で、おそらく多くのロシア国民が政権を見限るきっかけにはなると思います。

 ところで、ウクライナへの動員については、すでにチェチェンが3ヶ月も先行していたという報道を見つけました。親ロシア派指導者カディロフは、強制的に若者を志願させて、ウクライナに送り込んでいたのです。逆らえば家族を誘拐し、人質化するという常套手段を使っています。

 また、記事によればカディロフに反抗的な者を選んで戦場に送り込んでいるようで、これでは懲罰ですから、そんな軍隊が強いはずもありません。しかし、反カディロフの前途ある若者たちが、ウクライナの民間人を虐待する役割を押し付けられているとしたら、あまりの残酷さに声も出ません。ロシアでも、反動員のデモに参加した若者が、警察に拘束されたとたんに召集令状を渡される例があるようです。好戦的かつ抑圧的なプーチン・カディロフ体制の倒れる日は近いと信じたいところです。

つづきを読む...

チェチェンニュース Vol.22 No.39(#510) 2022.09.22

ウクライナにおけるカディロフツィの真の役割

〈記事について〉ウクライナでのカディロフツィの動きについて知りたかったので、比較的最近のアル・ジャジーラの記事を訳してみました。カディロフツィが怖いのは見た目だけで、軍事的にはそれほど意味がないようですが、戦線後方での残虐行為にはかなりコミットしている可能性があります。この記事ではその一端がわかります。(大富亮)

アル・ジャジーラ 2022年8月18日

 ウクライナ侵略が始まったばかりの2月27日に、虐殺の舞台となったブチャに進入した34台の装甲車に乗っていたロシアの軍人のほとんどは、チェチェン人だった。

 彼らは、チェチェンの親ロシア派の指導者ラムザン・カディロフにちなんで「カディロフツィ」として知られている。彼らはあごひげを生やしてがっしりした体格で、真新しい制服を身にまとい、ライフル銃を携え、戦争の3日目にウクライナの首都キエフに入ろうとしていた。

つづきを読む...

チェチェンニュース Vol.22 No.38(#509) 2022.09.11

ウクライナ左翼からの訴え:「人々はウクライナのためだけでなく、プーチンを打倒するために戦っている」

 ウクライナをめぐって左翼の混迷が続いています。どのような意見を持とうと自由ですが、ウクライナに関して発言する限りは、当事者であるウクライナ人と常に対話しているという緊張感をもって発言すべきですね。そういう意味ではウクライナ人左翼がじっさいに置かれている状況がよくわかるこの論文をすべての人に(ロシアもウクライナも両方悪いと考えている人にも)読んでほしいと思います。(久下格、元国労)

2022年9月2日(Links International Journal of Socialist Renewal)

 ロシア大統領ウラジーミル・プーチンの侵攻から半年、
・ウクライナのレジスタンスはどうなっているのか?
・停戦交渉とNATOに関して、ウクライナの一般的な雰囲気はどうなのか?
・そして、この戦争は進歩的勢力にとって何を意味するのか?

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04.Sep.2022
講演録「ウクライナで何が起きているのか 最新現地報告とチェチェンから見たプーチンの侵略」 無料配布を開始しました!

 さる6月4日に、在日韓国YWCAで開催された集会「ウクライナで何が起きているのか 最新現地報告とチェチェンから見たプーチンの侵略」の講演録冊子を、ついにリリースしました。ジャーナリストの志葉玲さん、林克明さん、武器取引反対ネットワーク(NAJAT)の杉原浩司さんの3名が、それぞれにウクライナ情勢について語る、力強い会でした。

 講演録は、チェチェンニュース編集室とNAJATの共同編集で、わずか16ページに5万文字以上をつめこんだ力作です。この冊子を、無料で配付します。

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01.Sep.2022 【HRW】クライナ市民のロシアへの強制移送
避難する民間人に対する、人権を侵害する懲罰的スクリーニング

「ウクライナ人は自発的にロシアに逃げている」という意味の宣伝をSNSなどで目にしますが、それに真っ向から反論するリリースが、本日ヒューマンライツ・ウォッチから発表されましたので、ご案内します。(大富亮)

 「ロシアおよびロシア関連当局は、包囲した南東部の港湾都市マリウポリから脱出した人びとの移送手段を組織的に用意した。ロシア占領下に留まるか、ロシアに行くしか選択肢はなく、ウクライナ支配地域に行くことは「忘れる」べきだと言われた市民もいる。マリウポリから移送されたある女性は、「そうできるなら、もちろんウクライナに行ったことでしょう」と語る。「でも私たちにはその選択も可能性もありませんでした」

日本語リリース:https://www.hrw.org/ja/news/2022/09/01/forcible-transfer-ukrainians-russia

3.Aug.2022
「ウクライナ叩き」はなぜ誤りなのか ~大国の侵略と小国の抵抗を同列に見てはいけない

 2月以来左翼界隈で根強くくすぶるロシア・ウクライナ「どっちもどっち」論に鮮やかに反論する林克明さんの「全人類必読」のコラムをお読みください。

 侵略を正当化する根拠として、NATO(北大西洋条約機構)の東方拡大が挙げられることもある。もともと冷戦期にソ連とその同盟国で構成されるワルシャワ条約機構と対峙することを目的としていたNATOだが、冷戦後も解体されず、むしろ中東欧諸国も加盟するようになった。そのため、ロシアは追い詰められてウクライナ侵攻を行ったというのである。

 これについては、侵攻の背景事情の一つとは言えるだろう。実際、NATOや「西側」諸国が清廉潔白というわけではない。だがそれが今回の侵攻が起きた主な理由だと言うのは間違いだ。この侵攻の本質は、プーチン政権による「大ロシア主義」の暴走にある。それはロシア版ファシズム、ロシア版ナチズムに支えられていると言っていいだろう。筆者はこれを、「大ロシア主義の西方拡大」と呼んでいる。

つづきを読む...

29.Jul.2022
ロシア:反戦を訴えて逮捕 健康の危機にあるアーティストの釈放を!

 署名のご協力をお願いします。

ロシア西部の都市サンクトペテルブルクを拠点に活動する人気アーティストのアレクサンドラ・スコチレンコさんは、ウクライナ侵攻に抗議したために4月11日に逮捕されました。地元スーパーの値札をマリウポリでの芸術学校や劇場への空爆などに関する情報に差し替えて反戦を訴えたことで、「ロシア軍に関する虚偽情報を故意に広めた罪」に問われたのです。有罪となれば、最高10年の刑を受ける恐れがあります。

アムネスティの署名サイトへ

01.Sep.2022 【HRW】クライナ市民のロシアへの強制移送
避難する民間人に対する、人権を侵害する懲罰的スクリーニング

「ウクライナ人は自発的にロシアに逃げている」という意味の宣伝をSNSなどで目にしますが、それに真っ向から反論するリリースが、本日ヒューマンライツ・ウォッチから発表されましたので、ご案内します。(大富亮)

 「ロシアおよびロシア関連当局は、包囲した南東部の港湾都市マリウポリから脱出した人びとの移送手段を組織的に用意した。ロシア占領下に留まるか、ロシアに行くしか選択肢はなく、ウクライナ支配地域に行くことは「忘れる」べきだと言われた市民もいる。マリウポリから移送されたある女性は、「そうできるなら、もちろんウクライナに行ったことでしょう」と語る。「でも私たちにはその選択も可能性もありませんでした」

日本語リリース:https://www.hrw.org/ja/news/2022/09/01/forcible-transfer-ukrainians-russia

25.Aug.2022
ウクライナ侵略を止める!イベント情報

◎プーチンはウクライナ侵略をやめろ!0828新宿南口スタンディング

 ロシア・プーチン政権によるウクライナ侵略が始まってから、早くも6ヶ月が経過してしまいました。この間、ウクライナは北部から侵攻したロシア軍を押し返すことに成功しましたが、東部2州や、南部ヘルソン州でのロシアの攻勢に対して苦戦を強いられており、民間人の犠牲も増え続けています。8月7日の国連人権高等弁務官の発表では死者・重傷者は12,867人にのぼり、うち915人は子どもたちです。戦争が長期化すれば、ますます犠牲が増大していきます。今こそ国際社会はロシアに対して即時撤退を要求する世論を強めるべきです。私たち武器取引反対ネットワーク(NAJAT)は、次の日程でスタンディングを呼びかけ、軍事侵攻に反対する市民の意見を可視化します。手作りのプラカードも歓迎します。ぜひ、ご参加ください。

#0828新宿南口スタンディング

【東京】JR新宿駅南口の歩道上
17時-18時
よびかけ:武器取引反対ネットワーク(NAJAT)  https://kosugihara.exblog.jp/241561904/

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3.Aug.2022
「ウクライナ叩き」はなぜ誤りなのか ~大国の侵略と小国の抵抗を同列に見てはいけない

 2月以来左翼界隈で根強くくすぶるロシア・ウクライナ「どっちもどっち」論に鮮やかに反論する林克明さんの「全人類必読」のコラムをお読みください。

 侵略を正当化する根拠として、NATO(北大西洋条約機構)の東方拡大が挙げられることもある。もともと冷戦期にソ連とその同盟国で構成されるワルシャワ条約機構と対峙することを目的としていたNATOだが、冷戦後も解体されず、むしろ中東欧諸国も加盟するようになった。そのため、ロシアは追い詰められてウクライナ侵攻を行ったというのである。

 これについては、侵攻の背景事情の一つとは言えるだろう。実際、NATOや「西側」諸国が清廉潔白というわけではない。だがそれが今回の侵攻が起きた主な理由だと言うのは間違いだ。この侵攻の本質は、プーチン政権による「大ロシア主義」の暴走にある。それはロシア版ファシズム、ロシア版ナチズムに支えられていると言っていいだろう。筆者はこれを、「大ロシア主義の西方拡大」と呼んでいる。

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29.Jul.2022
ロシア:反戦を訴えて逮捕 健康の危機にあるアーティストの釈放を!

 署名のご協力をお願いします。

ロシア西部の都市サンクトペテルブルクを拠点に活動する人気アーティストのアレクサンドラ・スコチレンコさんは、ウクライナ侵攻に抗議したために4月11日に逮捕されました。地元スーパーの値札をマリウポリでの芸術学校や劇場への空爆などに関する情報に差し替えて反戦を訴えたことで、「ロシア軍に関する虚偽情報を故意に広めた罪」に問われたのです。有罪となれば、最高10年の刑を受ける恐れがあります。

アムネスティの署名サイトへ

チェチェンニュース Vol.22 No.28(#499) 2022.07.03
映画「ドンバス」——フェイクニュースと現実のパズル

 2014年に、親ロシア派のヤヌーコヴィチ大統領がロシアに亡命し、クリミア併合が行われ、ロシアの軍事力をバックに未承認国家ドネツク、ルガンスク「人民共和国」からなる「ノヴォロシア=新ロシア人民共和国連邦」が建国された。この映画は、そこで起きたさまざまな事件を描くものだ。

 世の中には親切な映画と、そうでない映画がある。ただテレビの前で座って観ているだけで感情移入できるように完全な計算をしてくれているハリウッド映画もあるが、この「ドンバス」は、一見、不可解な場面を説明もなくつないでいく「不親切」な映画だ。にも関わらず、この映画にはなぜか引き込まれてしまう。

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15.Jul.2022
チェチェンニュース Vol.22 No.30(#501) 2022.07.15
7.18激論会 大分岐!ウクライナ反戦

 ジャーナリストの林克明さんと、「九月、東京の路上で 1923年関東大震災 ジェノサイドの残響」の著者である加藤直樹さんの「激論会」が開かれます。ぜ ひご参加ください。

7.18激論会 大分岐!ウクライナ反戦

〇7月18日(月・祝日)13時半開場 14時開始
〇神保町区民館3F(神田神保町2の40)
https://www.next-fu.co.jp/areacho_nf/shisetsu_nf13101/shisecate_nf0714/detail_nf2112342/

〇パネリスト
 林 克明 (ノンフィクションライター)
 加藤直樹 (ノンフィクションライター)
 原 隆 (NO—VOX Japan)

主催 7.18実行委員会 (呼びかけNO−VOX Japan TEL090-1429−9485)

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13.Jul.2022

チェチェンニュース Vol.22 No.29(#500) 2022.07.13
チェチェンニュース500号とそのアーカイブ

 2001年4月に開始した「チェチェンニュース」ですが、このたび21周年、通巻500号を迎えました。読者のみなさまのご支援に感謝を申し上げます。

 この機会に、過去に配信したすべての号のアーカイブを作成しました。これまで、noteや各種ブログなどにバラバラに置いていたテキストを、一つのインデックスにまとめたものです。タイトルだけを眺めていても、チェチェンやロシアをめぐって、さまざまな事件があったことがよくわかります。

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13.Jul.2022

チェチェンニュース Vol.22 No.29(#500) 2022.07.13
チェチェンニュース500号とそのアーカイブ

 2001年4月に開始した「チェチェンニュース」ですが、このたび21周年、通巻500号を迎えました。読者のみなさまのご支援に感謝を申し上げます。

 この機会に、過去に配信したすべての号のアーカイブを作成しました。これまで、noteや各種ブログなどにバラバラに置いていたテキストを、一つのインデックスにまとめたものです。タイトルだけを眺めていても、チェチェンやロシアをめぐって、さまざまな事件があったことがよくわかります。

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チェチェンニュース Vol.22 No.28(#499) 2022.07.03
映画「ドンバス」——フェイクニュースと現実のパズル

 2014年に、親ロシア派のヤヌーコヴィチ大統領がロシアに亡命し、クリミア併合が行われ、ロシアの軍事力をバックに未承認国家ドネツク、ルガンスク「人民共和国」からなる「ノヴォロシア=新ロシア人民共和国連邦」が建国された。この映画は、そこで起きたさまざまな事件を描くものだ。

 世の中には親切な映画と、そうでない映画がある。ただテレビの前で座って観ているだけで感情移入できるように完全な計算をしてくれているハリウッド映画もあるが、この「ドンバス」は、一見、不可解な場面を説明もなくつないでいく「不親切」な映画だ。にも関わらず、この映画にはなぜか引き込まれてしまう。

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01.Jul.2022

チェチェンニュース Vol.22 No.27(#498) 2022.07.01
「プーチンにも一理ある」か? 「市民の意見」への批判

「市民の意見」NO.191号の特集は「ウクライナ戦争を考える」というもので、ノンセクト左翼の大先輩方が、ついに力強くロシアを批判するかと思ったら、それはまったく一部分で、ほとんどはロシアを擁護するものだった。チェチェンやロシアについて観察してきた立場から見ると、極めて残念な内容と言わざるをえない。

 そこで、これらの議論がどのようなものか、できるだけ理解するために、まず論旨を手短に紹介し、その上で反論していきたいと思う。

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26.Jun.2022

ウクライナ人社会主義者から西側の左翼への手紙

 この論文は、ウクライナの「ソシアルニ・ルーク」(社会運動)という左派政党のサイトに掲載されたものです。ウクライナを支援することは、それなしに社会主義へのいかなる闘いも不可能な、人間の尊厳を守ることであり、今、軍事力によってロシア軍をただちに阻止することは、帝国主義に反対するすべての人にとっての最優先課題だと主張しています。

 平和憲法を持つ日本が、この論文のとおりに軍事的支援を行うべきだとは思いません。日本が軍事支援=武器輸出を進めることは、政府与党や世論の一部が、台湾有事を念頭に、中国と戦争できる態勢を作るために、ウクライナ問題を利用し、人々の生活を犠牲にして大軍拡を進めるための呼び水になるでしょう。日本がすべきことは軍事支援ではなく、人道支援や、外交の場でロシアの侵略にはっきりと反対し、人権侵害を批判しつつ、両国が和平交渉をするための仲介の努力であるはずです。

 その一方で、この論文はウクライナ問題をめぐって混迷する日本の左翼にとって、現地の人々、とりわけ進歩的な人々が、西側の平和勢力に対してどのような考えを抱いているかを知ることのできる、貴重な資料だと考え、紹介します。久下格さんが翻訳されたものを、英語版を参照しつつ一部修正したものです。(チェチェンニュース 大富亮)

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22.Jun.2022
映画「ナワリヌイ」好評公開中 彼は決して諦めない

公開中の映画「ナワリヌイ」を見た。彼は弁護士・政治活動家で、プーチン政権とオリガルヒたちを「汚職と泥棒の党」と呼んで、徹底的に汚職と闘うことで支持を獲得しようとしている挑戦者だ。年齢は46歳、対するプーチンは70歳。

 ナワリヌイはシベリアの町で汚職の調査をした帰り、飛行機の中で昏倒し、病院に担ぎ込まれた。ロシアではこの手法で、過去にジャーナリストのアンナ・ポリトコフスカヤが殺害されかかったこともある。この映画では、ナワリヌイがロシアからドイツに移送される場面から始まり、ふたたびロシアへと帰還する場面へと向かっていく。その間に、自分を殺そうとした軍人、情報機関員、化学者を割り出すというエピソードが入る。

 民間の調査グループ「べリングキャット」が、ロシア国内の電話の通話記録と、航空会社の顧客情報を買い漁り、ナワリヌイが国内を移動する時に、こっそりと後からついてくる人間たちをネット上で一人ひとり見つけていく様子にはびっくりした。しかも、ナワリヌイは彼らに直接電話して、上司を装って毒物や、その投与方法について質問していくのだから、痛快すぎる。

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21.Jun.2022
【新刊】「非暴力という希望—いのちを最優先する社会へ」

 チェチェン連絡会議の中心に長年いて、さまざまな市民運動に関わってきた青山正さんが、「ピースネットニュース」に書き続けてきた論集と、最近の思索をまとめた著書を刊行しました。

 私が青山さんに出会ったのは、1995年の阪神大震災のすぐ後、この本にも出てくる震災被災者支援のための「市民=議員立法」の運動に取り組んでいた頃で、「市民平和基金」に加わり、チェチェン問題を知ったことが、私の人生の一つの転機でした。1970年代からの、公害や、国家秘密法、PKO法などに反対してきた青山さんの幅広い関心と行動をまとめたクロニクルです。

 チェチェン問題に関しては、ジャーナリズムや、現地との交流の中からもたらされる情報を真摯に受け止め、運動としての方向性を提起するという点で、青山さんの役割は今も大きいと言えます。この本に収められた「テロ事件の影で忘れ去られるチェチェン戦争が問いかけるもの」など多数の論説は、現在のウクライナへの侵略について考えるためにも、重要な資料と言えます。

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10.Jun.2022
【動画アーカイブ】ウクライナで何が起きているのか 〜最新現地報告とチェチェンから見たプーチンの侵略〜

 6月4日に開催された「【集会告知】ウクライナで何が起きているのか 〜最新現地報告とチェチェンから見たプーチンの侵略〜」の動画が、林克明さんのYoutubeチャンネルにアップロードされました。ぜひご覧ください!

前編

後編

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08.Jun.2022
ロシア軍のウクライナ軍事侵攻に関するチェチェン連絡会議 第2声明 「戦争犯罪を許さず、これ以上の虐殺を止めよう!」

チェチェンにおける平和の回復と支援を行ってきたチェチェン連絡会議は、戦闘 の即時停止とロシア軍のウクライナからの完全撤退を求めて、3月23日に最初の 声明を発表しました。私たちの基本的な主張はそこに示しましたが、ロシア軍の 軍事侵攻開始からすでに100日以上が過ぎ、この間ウクライナで起こった事態、 及び日本の中で言及されている一部の主張に対して大きな危惧を感じ、新たに以 下のことを表明いたします。

ロシア軍が撤退したウクライナの首都キーウ近郊のブチャなどでは、住民の集団 虐殺の実態が明らかになりました。ロシア側はそれをフェイクだとして完全に否 定していますが、数多くの住民の証言や衛星からの画像などで、隠しようのない 事実であることは明白です。

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6.Jun.2022
チェチェン関連ブックリストを大幅に更新しました

この10年ほどの間に、たくさんの新しいチェチェン関連本が刊行されてきました。品切れになった本もありますが、今後研究する人もいると思いますので、便宜のためにブックリストを更新します。ぜひお役立てください。

チェチェン関連ブックリストを見る...

04.Jun.2022
自分を暗殺しようとした情報機関員たちに電話で詰問!
映画「ナワリヌイ」に見るプーチンのロシアの不条理

 正直言って、アレクセイ・ナワリヌイという人物は近寄りがたかった。

 ネットを駆使した強烈な自己宣伝、反政府の旗手ながらレイシストや極右と交流し、そして何度投獄されてもヘタレない地獄のメンタリティ。しかし、毒殺されかかったときは少し心配した。今、その時の状況がドキュメンタリー映画となって公開される。

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15.May.2022
「増補版 プーチン政権の闇 チェチェンからウクライナまで」刊行されました!

 ロシアのウクライナ侵攻が今も続いていますが、このほど高文研から「増補版  プーチン政権の闇 チェチェンからウクライナまで」が出版されました。チェチェン問題を追ってきたジャーナリストの林克明さんの最新の著書となります。

 この本はもともと2007年に刊行されたもので、チェチェンだけでなく、プーチン政権によるメディアへの弾圧など、ロシア社会の抱える「闇」を、現地取材やジャーナリスト、市民の証言をもとにするどく伝えるもので、当時も話題になりました。暗殺されたジャーナリストのアンナ・ポリトコフスカヤへの充実したインタビューや、その遺稿も収録されています。

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03.Jun.2022
【集会告知】ウクライナで何が起きているのか
〜最新現地報告とチェチェンから見たプーチンの侵略〜


 ウクライナ侵略問題に関して、チェチェンニュース編集室と、武器取引反対ネットワーク(NAJAT)は次の集会を開催します。ぜひご参加ください。

 また、林克明さんの最初の本「カフカスの小さな国」が、ついに復刊しました。タイトルを改題して、「ロシア・チェチェン戦争の628日 ウクライナ侵攻の原点に迫る」として発売されます。今回の集会で初売りですので、ぜひご参加方々、お買い上げくだされば幸いです。

 日程 6月4日(土) 15時~18時
 会場 在日本韓国YMCA・304会議室(JR水道橋駅東口6分)
 地図 http://www.ayc0208.org/access.php
 ※先着60名
 参加費 800円 学生500円(経済的に困窮されている方はご相談に応じます)

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13.Dec.2016
【緊急行動のよびかけ】「戦争犯罪人プーチンを逮捕しろ! 外務省前アピール」
Urgent appeal to protest picket at Japanese foreign minstry 15 December

 シリア・アレッポで、アサド政権軍とロシア軍による空爆が再開されました。東部では政権軍の包囲のもとで食料が底をつき、電気や水も止まり、国連高官は「このままでは巨大な墓場になる」と警告しています。また、政権支配地域へと脱出したシリア人男性数百人(子どもも含む)が行方不明になるという恐ろしい事件も発生しています。

 国際社会では、12月9日、国連総会で「即時停戦と救援物資の搬入」を要求する決議が可決されましたが、より強力な安保理での停戦決議は、ロシアと中国の拒否によって否決されています。ロシアの拒否権発動は6回目です。

 このように、ロシア軍・アサド政権軍によるシリアでの非人道的な空爆に、まったく歯止めがかかっていません。今こそ、国際社会に向けて市民が声を上げていかなければなりません。

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28.Mar.2014
ウクライナの人々の声
Voice from Ukrine

(「マイダン」(独立広場)の様子)

 【記事について】日本でもウクライナ関係の報道は多いのですが、欧米とロシアの陣取り合戦といった側面を強調するものが多く、普通のウクライナの人々がどんなことを考え、動いているかを伝えるものは少ないようでした。

 チェチェン問題も似ていて、「ロシアからコーカサスをもぎ取ろうとするアメリカのネオコンがチェチェンを支援している」と描写して、大国間のパワーゲームの解説にひたる識者もいます。それも分析かもしれませんが、やむにやまれず独立を求めたチェチェン人の歴史や、その心を知ることも大切だと思うのです。

 今号では、ウクライナを仕事で訪れたAさんからの寄稿を紹介します。(編集部)

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03.Mar.2014
ウクライナへの軍事介入に抗議しよう!
Fax Protest for Russian Embassy in Tokyo ongoing



 軍事介入を止めるために、東京のロシア大使館へのファックス抗議用紙を作りました。

 ここからダウンロードして使ってください。大使館のファックスは、03-3505-0593 です。

ワード版: http://d.hatena.ne.jp/toudenfubarai/files/fax_russian_embasy.doc
PDF版: http://d.hatena.ne.jp/toudenfubarai/files/fax_russian_embasy.pdf

 ロシア下院が、ウクライナへの軍事介入を可決しました。すでにクリミア地方ではロシア軍部隊が展開を開始しています。

 また、アメリカはロシアに対する経済制裁を検討するなど、緊張の度が深まっています。

 しかしこの問題の根本は、ロシアがウクライナの政治に干渉を続けてきたことにあります。そして、ロシア寄りのヤヌコビッチ政権を、ウクライナの人々が自力で倒したということを、ロシアをはじめ、国際社会は尊重しなければなりません。

 今、ここで軍事介入が進んでしまうと、数日のうちに2008年のグルジアのような事態になりかねません。

 ウクライナは小さな国です。チェチェンのような悲惨な紛争が繰り返されないよう、ご協力をおねがいします。

02.Mar.2014
ウクライナ政変とチェチェンの関係
Ukraine revolution and Chechnya

 ウクライナ政変の中で、気になっていたことがある。1月の中旬、野党勢力のリーダーの一人のユーリー・ルツェンコが、こう叫んでいた。

 「私たちがいま諦めたら、チェチェンの二の舞になってしまう。あの、ロシアに占領されたままのチェチェンだ」

 ウクライナ人には、これで何が言いたいかわかるらしい。たぶん旧ソ連の国々なら、どこでも通じる訴えなのだろう。

 ところが、チェチェンのカディロフ首長はこう言い出した。「ウクライナは西側に支援されたテロリストによって政権を奪われた。虐待されている人々を守るために、平和維持軍を派遣する準備がある」と。

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1.Dec.2016

11.Feb.2014

なぜ彼らはソチオリンピック妨害をめざすのか
Why 'terrorists' threaten the Sochi games

  ソチオリンピックが始まっていますが、この北コーカサスで、今までどんなことが起きてきたのか、おさらいになりそうな記事がありましたので、紹介します。書き手のエリック・S・マーゴリスは、中東と南アジアを専門とする国際的コラムニストで、1994年にチェチェン軍事侵攻が始まって以来、この話題をフォローしているようです。

 記事のあとで少し補足を書きますので、どうぞお読みください。なお、もうすぐ来る2月23日は、ロシアの赤軍記念日と同時に、チェチェン・イングーシ民族が1944年に強制移住されてから、ちょうど70周年にあたる、悲しい記念日です。

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07.Feb.2014

オリンピック参加は人権侵害の黙認
Pussy riot "Don't come to Sochi"

  オリンピックに参加することは、ロシアで起こっている数多くの人権侵害を黙認することだと思う。以下、共同通信と、アムネスティのニュースより:

 【ニューヨーク共同】ロシアのプーチン大統領を批判するパフォーマンスをして実刑判決を受け服役、昨年末釈放された女性バンド「プッシー・ライオット(子猫の暴動)」の2人が5日、ニューヨークで記者会見し、ソチ冬季五輪観戦旅行に行かないなどの「ボイコット」でロシアの人権侵害に抗議してほしいと訴えた。  会見したのはマリヤ・アリョーヒナさん(25)とナジェジダ・トロコンニコワさん(24)。プーチン氏へのメッセージを問われ「辞めて」と答えた。

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  ソチオリンピックの開催が間近に迫り、政治的配慮からか、ロシア当局は不当に囚われている「良心の囚人」をまた一人、釈放した。

 表現の自由を平和的に行使して逮捕・拘禁された人びとを、少しずつ釈放するやり方は、実効性のある法制度とはほど遠い。

 ロシアはすべての良心の囚人を直ちに無条件で釈放すべきだ。そして、既に自由の身である人びとの罪を取り消すべきである。

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プーチン訪日に反対する相談会にご参加ください!
Notice for protest action against V.Putin's visit to Japan

 ご存知のとおり、12月15日、16日にプーチン大統領が日本を訪問します。
 これまでの来日の際にも訴えてきましたが、
 チェチェンを軍事侵攻し、20万とも言われる民間人を殺害してきた
 プーチン大統領を、日本政府が招待することには、大きな問題があります。
 そしていま、シリアでのロシア軍の空爆によって、4千人近い人々が殺害されています。
 アレッポでは60万人が包囲下での生活を余儀なくされ、避難民の数は1千万人を超えているようです。
 これはまさに、人道の惨禍です。
 何人かの方と話し合いました。
 このようなとき、言葉もなく、ただ座って見ていていいのだろうか。
 できることはないでしょうか、と。
 そこでこの間、有志による相談会を開き、
 「戦争犯罪人プーチンを逮捕しろ!日露首脳会談に異議ありキャンペーン」を立ちあげました。
 ( http://putintaiho.exblog.jp/ ツイッターは https://twitter.com/campaign2016Dec )
 訪日まで約2週間ですが、できるだけ多くの方の参加をお願いしたいと思います。
 第二回の会議は、【12月3日(土)の18時から、東京ボランティア市民活動センターC会議室】で開きます。
 関心のある方はどなたでも参加できます。知恵を出し合って、訪日の機会にアピールをしましょう。

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19.Oct.2016

最近のチェチェン報道(日本語)
Recent covers on Chechnya(Japanese media)

  日本語でのチェチェン報道をピックアップしてお届けします。本文は記事のURLをご覧ください。

チェチェンニュース#458 プーチン訪日予定、最近のチェチェン報道

21.Apr.2015

映画『あの日の声を探して』いよいよ公開!
"The Search"

 今月24日から、チェチェン戦争を扱った映画『あの日の声を探して』が、いよいよ全国で公開される。

http://ano-koe.gaga.ne.jp/

 この映画は、1999年に始まった第二次チェチェン戦争で、両親を殺害されて孤児になる少年と、それを助けようとする国際機関職員をめぐる物語。

 異色のモノクロ・サイレント映画『アーティスト』でアカデミー賞を受賞したミシェル・アザナヴィシウス監督と、俳優ベレニス・ベジョの二人が、もっとも戦争の激しかった時期を克明に描いている。

 実際にコーカサスでロケをしており、戦争のシーンにも街頭のシーンにも、確かなリアリティが宿っている。また、デジタル映像ではなく、フィルムで撮影しているので、陰影が深い。物語とあいまって、人の心に染みるものがあった。

 チェチェンに関心を持っている人には、ぜひ見てほしい作品だ。個人的には、もう映画が始まった最初のシーンから泣けた。

 パンフレットに解説文を寄稿しました。よろしければお買い上げください。(大富亮)

関連記事:『アーティスト』監督が描くチェチェン紛争下の暴力の連鎖『あの日の声を探して』監督インタビュー

02.Feb.2014

チェチェンとアルカイダの関係
The Soviet-Jihad Connection: Interview with Pavel Stroilov, Extract About Chechnya

 「チェチェンをはじめとする北コーカサスには、中東からアルカイダが入り込んで、テロを起こしている」という説が、まるで事実のようにマスメディアで流通しています。これについて、ロシアの歴史家パーヴェル・ストロイノフが語っているインタビューを読んでみます。また、ここではシリア情勢におけるロシアの意図についても考察します。

 このインタビューは、「チェチェンセンター」に転載されているのを見かけたのですが、最初に掲載されたのは「クラリオンプロジェクト」という、イスラムの穏健化を図るというような目的のサイトで、時期も2012年ですが、情報そのものは真実に近いと思いますので紹介します。

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25.Jan.2014

新刊書『チェチェン秘密外交』
New Book"Chechnya's Secret Wartime Diplomacy -Aslan Maskhadov and the Quest for a Peaceful Resolution"

 アメリカで、チェチェン戦争と平和的解決についての、新しい本が出た。タイトルは、『チェチェン秘密外交ーアスラン・マスハードフ平和の追求』。アマゾンでも買えるようなので、英語ができる方はぜひ買ってほしいです。チェチェンのサイト、「チェチェンセンター」に紹介が載っていたので、翻訳します。

 西側は、ロシアからガスと石油を買っている。みんなロシアの中の小さな国々から奪ったものだけれど。それを買いながら、ロシアのテロリスト、プーチンの機嫌をとる。もちろんチェチェンについての、ロシア側のプロパガンダも、自分たちから進んで信じている。

 私たちはすべてのジャーナリストや、実力のある政治家や、世論に影響力のある人々みんなに呼びかけたい。率直な記事や、ステートメントを書いてほしい。 自分の胸の中をよく見つめながら。チェチェンでロシアがやってきたジェノサイドを止め、チェチェン以外のところでも繰り広げている暗殺攻撃をやめさせてほしい。ロシア政府や、その情報機関FSBが作り出すプロパガンダを信じてはだめだ。

 私たち「チェチェンセンター」は、この新しい本を紹介できることを光栄に思う。チェチェンの人々は、今でも、平和と独立と、ロシアとの平和的解決を求めていることを示したい。

『チェチェン秘密外交 ーアスラン・マスハードフ 平和の追求』イリアス・アフマードフ、ニコラス・ダニーロフ著マクミラン出版社 2013年12月刊

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21.Jan.2014

チェチェンニュース#418 ダゲスタンからの便り
Chechennews#418 Letter from Dagestan

  チェチェン連絡会議のサイトに、北コーカサスのダゲスタンからの報告が掲載されました。首都マハチカラ市街でも、毎日のように銃声が聞こえてくるそうです。

 冬季オリンピックの開かれるソチとダゲスタンは、直線距離で600キロ程度しか離れていません。たとえば東京でオリンピックを開くなら、姫路あたりで軍と抵抗勢力の戦闘が起こっている上、首都を含めて、全国どこで自爆攻撃があるかわからない、という状況。欧米の首脳が開会式に欠席するのは、ある意味で当然だと思います。

 こんな悪条件で開かれるオリンピックがあったでしょうか。

 中国の習近平国家主席は出席します。ロシアにおけるチェチェンと同じように、国内でチベットやウイグルを弾圧しているから、「分離主義」には屈しないという意志を見せる必要がある、ということかもしれません。日本の安倍首相も、なぜか出席します。

 国際的な行事なので、マスメディアの報道はお祝いムードのようですが、これを機に、これまで北コーカサスで何が起こってきたか、チェチェンやダゲスタンがどんな弾圧にさらされているかを伝えてほしいと思います。

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29.Aug.2011

Amnesty:ロシア連邦 : アンナ・ポリトコフスカヤ暗殺で新たな逮捕—解決への一歩を踏み出す
New arrest for Anna Politkovskaya’s murder - step in the right direction

 ジャーナリストであり人権活動家でもあったアンナ・ポリトコフスカヤが2006年に暗殺された事件に関与したとして、元ロシア警察高官が逮捕された。アムネスティ・インターナショナルは8月24日、この逮捕は進展に向けた大きな一歩であると述べた。

 ドミートリー・パヴリュチェンコフ元警察中佐は、2006年10月7日に起こったアンナ・ポリトコフスカヤ暗殺を組織した疑いで、23日に逮捕された。以前、パヴリュチェンコフ元中佐の名前は、この殺害事件の重要な目撃者として挙がっていた。

 ポリトコフスカヤの暗殺に関わった疑いで2011年5月にチェチェンで逮捕されたルスタム・マフムードフは、殺人容疑で起訴された。ロシア最高裁判所がこの事件のさらなる調査を求めて裁判を差し戻した後、2009年2月に暗殺に関わったとされる3人に無罪判決が言い渡されたが、この3人のうち2人はルスタム・マフムードフの兄弟である。

 10年以上にわたり、アンナ・ポリトコフスカヤは、チェチェンと北コーカサスにおける人権侵害を訴え続けていた。

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5.May.2011

イベントご報告 『旅人は見た チェチェン戦争の歴史とふつうのひとびとの暮らし』

 チェチェン支援イベントの『旅人は見た チェチェン戦争の歴史とふつうのひとびとの暮らし』に参加してきましたので、簡単にレポートいたします。

 チェチェン支援イベントというと、講演会などが多いのですが、今回はチェチェン・グルジア料理の食事会と、ロックバンドのライヴという、初めての方でも楽しめる感じのイベントでした。

 お客様も20から30人は来られていて、大入り満員。大盛況でした。

 ロックバンド、ムーズィカ・キオスクのライヴはとっても良かったです。

 折しも、この日は労働者の祭典、メーデーの日。そして、時節柄、原発の問題についても関心が集まっている時でした。

 ヴォーカルの山口花能さんの歌は、チェチェンはもちろん、原発と労働者のこともテーマに織り込んであり、まさに今の時代にぴったりでした。

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11.Jun.2011

モスクワでブダーノフ元大佐射殺される
Colonel Budanov shot dead

 モスクワで6月10日昼過ぎ、ユーリー・ブダーノフ退役大佐が頭部に4発の銃弾を打ち込まれて射殺された。殺害現場は、コムソモリスキー大通りと第3フルンゼンスカヤ通りの交差点にある38/16号館の公証人役場のある中庭で、日本製中古車三菱ランサーに乗っていた数名に待ち伏せ攻撃された。犯行後、数ブロックはなれた場所に、この車は放火され遺棄された。

 ブダーノフは、1963年、ウクライナ生まれ。1998年から2000年まで、ロシア陸軍第160親衛戦車連隊司令官として第2次チェチェン戦争に従軍した。従軍中にブダーノフは17歳のチェチェン人少女エリザ・クンガーエワを強姦・殺害したとして2000年3月27日に逮捕された。チェチェン戦争中にロシアの将兵によって行われた強姦・殺人は枚挙の暇もないが、この犯行は、ロシア陸軍の高級将校によって行われ、現実に犯人がロシア刑法によって訴追された数少ない事件として、注目を集めた。

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10.Mar.2011

4/27よりイベント開催 『旅人は見た−チェチェン戦争の歴史とふつうのひとびとの暮らし』



 くわしい情報はこちら

 コーカサス地方の小さな国、チェチェン共和国は、ロシア軍による16年間にわたる爆撃や殺戮で、人口100万人のうち20万人を失いました。現在もヨーロッパでは数万人のチェチェン難民が亡命生活をしています。

 2010年の春から夏にかけて、チェチェンの首都グローズヌィや、難民が住むグルジアのパンキシ渓谷に行ってきた人が、たくさんの写真を見せてくれました。

 写真には、女性や子ども、お年寄り、家でくつろぐお父さん、井戸を掘る人、家を建てる人など、ふつうに生きているチェチェンの人々が写し出されています。

 多くの方々に、現在のチェチェンと、そこで生きるひとびとの暮らしを知っていただきたいと思い、今回のイベントを企画いたしました。沢山のご来場をお待ちしております。

4月27日(水)〜5月1日(日)
開館時間:12時〜19時(最終日は17時)
会場:ブックギャラリーポポタム(東京都豊島区西池袋2-15-17)
入場無料(関連イベントは有料)
主催:チェチェン連絡会議

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関連記事

16.Mar.2011

原発事故に関する信頼できる情報
Information on Nuclear Disaster on Fukushima

 ロンドンから情報発信しているFさんのサイトに、 信頼性の高い原発関連情報が集まっています。ぜひ、ご参照ください:

http://newsfromsw19.seesaa.net/ (『ロンドンSW19から』)

 また、現時点でもっとも信頼のおける民間の情報源として、 原子力資料情報室のネット記者会見と、プレスリリースをおすすめします。

トップページ:http://cnic.jp/

福島原発の危機について私たちは考えます 原子力資料情報室からのメッセージhttp://cnic.jp/modules/news/article.php?storyid=1020"

震災被災者をはじめ、皆様のご無事をお祈りしています。

16.Mar.2011

チェチェンへの旅2008年
Trip for Chechnya,2008

 2008年10月 チェチェンに行くチャンスがあった。モスクワで行われる学会(モスクワ映像人類学フェスティバル)に招かれたので、友人を訪ねチェチェンにも行きたいと、余裕のある査証手配を頼んだら、書類が色々なところへ(FSBなど対テロ作戦本部のこと))廻るから時間がかかるがと言われたが、実際に3週間の文化交流査証が発給され、映像祭の終了後にモスクワ、ヴヌーコヴォ空港から、グローズヌイに飛ぶことになった。モスクワ、キエフ駅から途中無停車のエアポート・エキスプレスが空港まで運行されている。2011年現在では、モスクワの主要3国際空港全てが空港とモスクワ地下鉄環状線の3ターミナル駅(ドモジェードヴォとパヴェレツカヤ、シェレメーチェヴォとベラルスカヤ、ヴヌーコヴォとキエフスカヤ)と結ばれ、交通事情は飛躍的に改善されている。(岡田一男)

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14.Mar.2011

自由コーカサス日本支部より、地震被災に関する哀悼の表明
Представитель ОПД Свободный Кавказ выразил соболезнования в связи с землятрясением Японии

 日本の皆さんに対し、今回の地震・津波の被害に深い哀悼の意を表します。自由コーカサス日本支部は、長年に亘り世界の世論にチェチェン共和国の真の状況について伝えるように努め、定期的に社会活動家の参加する会合を開き、ロシア、チェチェン、北コーカサスでの人権侵害状況についてインターネットサイトで広報活動をおこなっている、チェチェン連絡会議の方々にこころよりお悔やみ申し上げます。(抄訳)

原文

13.Mar.2011

地震と原子力災害と私たちーー原子力資料情報室の情報に注目を
Earthquake and Nucrear Disaster and Us

 東北地方の悲惨な状況にもかかわらず、私の住む神奈川県は平穏です。町は買い物客で混み合っています。それでも、ラジオや懐中電灯、電池は品切れの張り紙。平穏なようでいて、実は不安な私たちの気持ちをよく表現しています。

 10年と少し前、仕事の必要に迫られて、原子力関係の本を読み漁っていた頃がありました。それ以来、原子力の問題はかなり批判的に考えるようになっていました。枝野官房長官の会見を何度も耳にするうち、その内容をそれまでの知識と突合せ、「なにかがおかしい」「本当はもっと深刻なはずだ」と思わずにいられませんでした。

 その矢先、福島第1原発の1号炉の建屋が吹き飛んだのです。いま、1号炉で漏れた放射性物質は北に150キロほどはなれた女川原発に届いているという情報もあります。

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13.Mar.2011

チェチェンからの手紙
"Sobshenie" Letter from Chechnya

 チェチェンから届いたメールを紹介します。

 日本の友人の皆さんへ

 日本で震災に遭われた皆さんへの、私たちの深い共感を、どうかお受け取り下さい。血の通う心臓を持つ人間として、ニュースの画像には私たちも恐怖を感じます。日本のすべての人々がそうであるように。

 皆さんが祈る時、私たちも、皆さんのために祈っています。民族と、家族の運命が切り開かれますように。犠牲者の皆様のご冥福がありますように。

 どうか忘れないでください。私たちは遠く離れたところにいますが、心は共にあり、あなた方のために祈っています。私の姉妹と、チェチェン共和国のすべての女性からの同情とともに。Мариана.

11.Mar.2011

「ロシアン・ダイアリー」、「プーチニズム」絶版へ
Politokovskaya's "A RUSSIAN DAIRY" and "PUTIN'S RUSSIA" Japanese edition will out in March

 

 NHK出版から刊行されている、アンナ・ポリトコフスカヤの「ロシアン・ダイアリー 暗殺された女性記者の取材手帳」と、「プーチニズム 報道されないロシアの現実」が、今月で絶版になり、在庫も廃棄されるため、入手困難になります(「チェチェン やめられない戦争」はまだ大丈夫です)。3月18日までの注文は受け付けるそうです。まだこれらの本を入手していない方は、ぜひお買い上げください。この本を一冊でも多く後世に残すためにも。図書館関係の方々も、ぜひ購入ご検討ください。

 政治の冬、再来ーー人権よりも国家イデオロギー、対話よりも絶対服従。プーチン主義がロシアを覆いつくす。政治家、軍人はどんな金融犯罪を犯しても逮捕されず、軍隊では兵士が中隊ごと脱走して原野をさまよう。モスクワ劇場占拠事件の被害者たちは、なぜモスクワ市を相手取って訴訟を起こしたのか。プーチン再選の裏では何が起きていたのか。「プーチニズム」は、通常の報道では決して聞こえてこないロシアの現実を、一市民の視線で報告する一冊。

NHK出版のサイトで購入
bk1で購入
amazonで購入


04.Mar.2011

知っておきたい日本の難民認定数ー認定率はわずか3.2%!

 毎日新聞記事より。何かすごい楽天的なことを、法務省は言っています。ビルマの政情が安定って、一体、、、。

 法務省入国管理局は25日、10年に難民認定申請した外国人は、前年より186人少ない1202人だったと発表した。難民認定者は39人で、前年より9人増えた。07年に反政府デモがあったミャンマーからの申請が226人減っており、入管局は「現地の政情が安定してきたためではないか」としている。

難民認定:ミャンマーから申請減少 「政情安定か」入管局

 2010年の難民認定数は39名ですから、認定率は3.2%。2009年の難民認定数30名(認定率2.1%)に比べると、1.1%増加しています(難民保護の精神からすると、有意の変化ではないと思いますが)。しかし、在留特別許可を含めた庇護の件数が2009年:531名、2010年:392名であることを比較すると、全体としては38%から32%まで6%も減少しており、状況は悪化しています。

 法務省・入管当局には、難民を生み出している現地情勢の調査能力はほぼなく、多くの難民申請者がはねられるのは、「供述が不合理である」という理由です。昨年もチェチェンからの難民2名がその理由で難民不認定になりました。早い話、「あなたの話はツジツマが合いませんよ」ということですね。

 難民自身は、自己の境遇について正確に述べられない場合が結構あります。単純に、論述・記述の能力によることもあるでしょうし、また、自己の安全のために、支援者にも、日本政府にも話せない事情がある場合も多いはずです。

 たとえば過去に、法務省がトルコ政府に難民申請者の情報を提供してきたことを考えれば、国で命の危険を感じて逃げてきた人々が、日本政府に正確なことを話せないということは、理解できます。

 難民申請はそういう性格のものですから、供述が「不合理」であるかどうかは、供述そのものだけでなく、現地で起こっている戦乱や人権侵害の実態と、そこから逃れてきた人であることの一定の証明を踏まえて判断がされるべきだと思います。現在の法務省入国管理局、難民審査部門にはそのための基礎的な調査能力が欠落しています。

 つい、話がそれてしまいましたが、それにしても、昨年の難民認定率、わずか3.2%。日本において、難民認定制度は事実上、反故になっています。入国管理局が難民認定を行っている状態は、そもそもまちがっています。外国人を取り締まる目的の官庁が、難民保護をするのは無理がありすぎ。

14.Feb.2011

チェチェン当局が首都グロズヌイで住民の強制立ち退きを強行
AMNESTY:CHECHEN AUTHORITIES EVICT FAMILIES IN GROZNY

 ぜひ緊急アクションにご協力ください。とりあえず、メールか、ファックスで。

 ロシア連邦チェチェン共和国の首都グロズヌイで、数十家族が当局により、「一時」居住センターから強制的に退去させられた。さらに多くの住民がすぐにも立ち退くよう迫られている。

 1月14日、武装した迷彩服姿の男たちが、100家族が暮らす家族用宿泊施設(ホステル)にやってきて、伝えられるところによれば大統領令だとして、住民に出ていくようにと言った。その後、同市では、さらに少なくとも6つのホステルの住民が立ち退くように言われた。多くが48時間以内に部屋を明け渡すように言われ、代替住居の提供もされなかった。住民が家族用ホステルから強制的に退去させられているのは、アルグンの町のアパートから立ち退かされた家族に場所をあけるためである。

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14.Feb.2011

「息子が爆破に関わったなんて、信じられない」
Telegraph:Moscow airport bombing: 'I can't believe my son was behind this'

The father of the Moscow airport suicide bomber tells Andrew Osborn how his son 'was turned into a terrorist'.

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14.Feb.2011

イングーシの野党活動家ハンビエフ、毒を盛られた
Magomed Khazbiev has been Poisoned

 Russian journalist Olga Bobrova from Novaya Gazeta has reported that well-known Ingush opposition leader Magomed Khazbiev was poisoned in Moscow on February 11.

According to the news, Magomed Khazbiev held a meeting in a cafe in Moscow, the capital of Russia. “Two strange men were sitting near our table and watching us. As soon as our meeting ended, they also stood up and left the cafe. I tried to finish my dish, but I couldn’t,” said Magomed Khazbiev, the editor of dissident website, Ingushetiyaru.org.Russian journalist Olga Bobrova from Novaya Gazeta has reported that well-known Ingush opposition leader Magomed Khazbiev was poisoned in Moscow on February 11.

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9.Feb.2011

モスクワ空港爆破・ウマーロフの犯行声明の謎
Questions about Umarov's took responsibility for Airport bombing

 モスクワの事件について、チェチェン独立派・コーカサス首長国ののウマーロフ首長から、犯行声明ビデオが出た。それをめぐって、いくつか疑問が浮かんだので、整理してみたい。

 

・なぜプーチンは、この事件に「チェチェンは関係ない」と言い放ったのか。
・なぜ捜査当局とプーチンは「事件は解決した」としつこく発表したのか。
・なぜウマーロフは、声明を2度に分けたのか。

 とりあえず、疑問はこの3つだ。時系列を見てみよう。

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8.Feb.2011

ドック・アブ・ウスマン(ウマーロフ)、モスクワ空港爆破の責任を表明
Dokku Abu Usman took responsibility for Moscow airport Martyr bombing

 2月7日付けカフカスセンターより翻訳・転載します。
英文:http://www.kavkazcenter.com/eng/content/2011/02/07/13482.shtml

 2月7日深夜、カフカス・センターは、コーカサス首長国のドック・アブ・ウスマン(ウマーロフ)首長からのメールを受け取った。内容は、1月24日にモスクワの空港に対して行われた自爆攻撃(Martyr operation)に関するものである。

 このビデオによる声明は、事件当日の日付で発行されている。声明の中で首長は、モスクワでの攻撃は自分自身が命令したものだと明言している。また、こうした作戦を、今後も断固として継続するという。

 ウスマン首長は、現在の闘争の性格について、こう語っている。コーカサスのムスリムは、アッラーの名のもとに、イスラムの信仰と人々の尊厳、コーカサスのムスリムの土地の解放、そして、法と正義の確立のために、ロシア占領軍に対して戦うのだと。

 2月4日にウスマン首長が、リャドウス=サリヒーン殉教者旅団の基地から発信したビデオ声明で、ハムザート殉教旅団、ムジャヘッド・セイフッラらを、モスクワへ自爆攻撃のために派遣したと語っていたことを想起されたい。

 カフカスセンターは、ウスマン首長の声明(次のリンクのビデオ)を、削除・省略なく紹介する。

http://www.dailymotion.com/video/xgxiuz_yyyyyyyyy-yyyyy-yyyyy-y-yyyyy-y-yyyyyyyyy-yyyyyyyyy-y-yyyyyy_news

カフカスセンター通信部
2011年2月7日

日本語の関連記事:
ロイター:ロシア空港爆破、チェチェン勢力が「見せしめ」と犯行声明
朝日:モスクワ空港テロ 北カフカス武装勢力が「犯行声明」

5.Feb.2011

チェチェン難民支援カンパにご協力くだい!

 私たちがこの間支援を続けてきたチェチェン人難民申請者、S 君が、ついに西日本入管センターから仮放免されました!もちろん公的機関にも援助を要請していますが、弁護士や支援者の交通費や必要経費、当座の一時的な生活費、入管収容所からの仮放免の際の保証金などの諸費用をチェチェン連絡会議が担っています。昨今の経済情勢厳しき折に大変恐縮ではありますが、皆さまのご支援をお願いする次第です。 私たちは、日本においてチェチェン難民支援をすることが、ひいてはチェチェンの平和復興を支援することにつながると考えています。一口千円から、何口でも結構です。ぜひ、皆さまのご協力をお願いします。

問い合わせ先:メール:clc@chechennews.org
郵便振替口座: 00180-6-261048 口座名称:チェチェン連絡会議
銀行口座: ゆうちょ銀行 019店 当座 0261048 チェチェンレンラクカイギ

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5.Feb.2011

エジプト、ロシアにおけるジャーナリスト迫害を弾劾
Joke:Egypt slams harassment of media in Moscow

 世界の話題の中心となっているエジプト外務省が、なぜかロシア政府に対して、異例の注文をつけたことが話題になっている。4日、公式サイトにおいて、ロシアで合法的に活動するジャーナリストが迫害されていることは受け入れられない、とするメッセージを公開した。

 またエジプト外務省は、ロシアでジャーナリストが攻撃されていることが、非常な懸念を呼び起こしている、と強調している。  

 エジプト側は、ロシア政府およびその反対勢力に対して、外国人ジャーナリストらの安全を確保するよう呼びかけている。またエジプトは、ロシアが暴力を放棄し、対話および平和的政治的手段で、危機を克服することを求めている。  

  ロシアではプーチン首相の辞任を求める声が、就任以来続いている。

※なんちゃってニュースです。「ロシア」と「エジプト」を入れ替えるだけで、事実にもどります(一部戻らない部分もあります)。もとのニュースはこちら:http://japanese.ruvr.ru/2011/02/04/42786854.html または http://en.rian.ru/world/20110204/162448397.html

04.Feb.2011

エジプトの人々との連帯を! 2.5緊急エジプト大使館行動の呼びかけ

 遅ればせながら、有志呼びかけによる緊急エジプト大使館行動の案内です。ぜひご参加ください。

[転送転載歓迎]

 エジプトの民衆は30年続いたムバラク独裁政権の即時退場を求める運動に立ち上がりました。1月25日以来、急速にエジプト全土に広がった自由・民主主義・人権を求め、失業・物価高・貧困に抗する運動を、ムバラク政権の警察部隊は厳しく弾圧し、すでに百数十人の死者が出ていると報じられています。

 しかし、エジプトの人びとはさらに「ムバラク即時退陣」の声を強め、2月1日には全土で100万人もの人々がデモに参加しました。追い詰められたムバラクは、9月の大統領選挙には出馬しない、との声明を発表しました。しかしカイロの広場を埋めた民衆の多くは、「私たちの求めていたのは即時退陣だ」と、強く批判しました。

 翌2月2日、明らかに政権の側が組織したとしか思えない「大統領支持派」が、広場を襲撃し、7人が死亡し数百人が負傷するという惨事が起こりました。ムバラク政権は、自ら作り出した「混乱」を利用して暴力的な巻き返しを強め、政権にしがみつこうとしているのではないでしょうか。

 イスラエルのパレスチナ占領に協力し、莫大な軍事援助を米国から得ていたのがムバラク体制でした。

 私たちは、今こそ「ムバラク政権即時打倒」を訴える民衆に対する血の弾圧を許さず、民衆自身が自らの手で自由をかちとろうとする闘いに連帯したいと思います。

 エジプトでは現地時間の2月4日には、再び多くの人びとが「ムバラク即時退陣」を求めて集会・デモ計画しています。

 私たちは2月5日(土)午後に東京都目黒区のエジプト大使館前で、「弾圧反対・独裁者は去れ」の声を上げることを皆さんに緊急に呼びかけます。

 なおこの日は午後にエジプト人留学生の方々が、渋谷で平和パレード(12時30分恵比寿公園集合、13時-14時集会、14時パレード出発、神宮通公園解散)を行います。そうした留学生とつながることができれば幸いです。

 皆さんそれぞれのメッセージ、申し入れ文、プラカードなどを持ち寄って集まってください。

<集合日時>

2月5日(土) 午後2時
東急東横線「代官山」駅(渋谷から1駅・急行は停車しません)
正面口改札前

エジプト大使館(地図あり)
http://www.embassy-avenue.jp/egypt/index-j.htm

<呼びかけ>国富建治(反安保実行委員会)杉原浩司(核とミサイル防衛にNO!キャンペーン) 連絡先:090-1705-1297(国冨)

30.Jan.2011

シノドス:「ロシア空港テロ事件〜その背後にあるもの 廣瀬陽子」

 国際政治学者の廣瀬陽子さんの論説です。下記の引用部分、大切な指摘だと思いました。

苦悩する北コーカサスの人々

 ロシアの国家対テロ委員会は2009年4月16日に、チェチェン共和国で過去 10年間にわたって継続してきた「対テロ掃討作戦」の終了を宣言した。ロシア軍がチェチェン人に対して行ってきた数々の残虐行為については、本稿では割愛せざるをえないが、多くの犠牲者が出て、多くの難民も発生していることは留意されるべきだろう。そして、ロシアの対テロ掃討作戦が終わったからといって、チェチェンが平和になったわけでは決してない。

 ...カディロフはロシア政府からの財源を私的に利用して、贅沢三昧の生活を送って、チェチェンの復興をごく表面的にしか進めない一方、カディロフの私兵といえる「カディロフツィ」は、一般住民に対して、数々の悪徳行為を行ってきた。金品の強奪、誘拐・強姦・拷問などとセットにされた多額の身代金要求、殺害など、その悪行については枚挙にいとまがない。そのため、チェチェン人のなかには、ロシア軍よりカディロフおよびカディロフツィを恐れる者も少なくないのである。

 そのような恐怖政治のなか、チェチェンのイスラーム武装勢力のほとんどはチェチェンを離れ、活動の拠点を周辺の北コーカサス諸国に移した。だからこそ、北コーカサス全体がテロにまみれ、不安定化しているのである。北コーカサス全体で、住民は不安定な情勢に怯えている。

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25.Jan.2011

「ロシアで起きたテロ」というブラックジョーク
Black Joke on "timeline of attacks in Russia"

 本当に、ロシア政府の行動はすばやい。

 テレビでは、爆破現場の映像が、もう公開されている。爆発現場に、監視カメラが、偶然設置してあったに違いない。

  そして、もう「チェチェン共和国出身の3人の男」が、犯人の可能性が高いと、発表している。

  アンナ・ポリトコフスカヤ殺害事件を、4年以上放置して、いまだに犯人の目星もつけられないロシア政府とは、到底思えないほどの、きびきびとした捜査能力に、ついため息が出る。

 今日、1月25日の東京新聞朝刊には、モスクワ・ドモジェドボ空港での爆破事件に関連して、「ロシアで起きた主なテロ」という表が掲載されていた。この手の事件があると、同様の年表がいろいろな新聞に載る。

 この年表は、チェチェン人がどれだけロシア人を殺してきたかを説明する資料であり、その逆ではない。こういった表での犠牲者数を合計しても、今まで、チェチェンによる「テロ」で死んできたロシア市民は1,000人を越えない。しかし、ロシア軍による対チェチェン軍事侵攻で殺されてきたチェチェン人の数は、20万人以上にのぼる。1人のロシア人が死ぬ間に、チェチェン人が200人死んできたという事実は、こういう表からは、どうしても読み取れない。

 このように、テロの脅威を、現地政府・治安当局の視点に立って宣伝する姿勢は、ロシアにおける日本新聞社、通信社の支局だけの問題ではなく、日本国内でも、記者クラブ制度を通じて、政府と一体化した報道しかできないマスメディアの問題を浮き彫りにしている。

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30.Jan.2011

【きょう】「いま世界は」ロシアの闇カフカス問題の深層

 もう今日ですが、午後7時からのBS朝日(BSデジタル5ch)の「いま世界は」で、空港爆破事件関係のニュースが放送されます。ジャーナリストの林克明さんがコメンテーターです。どうぞご覧ください。

http://www.bs-asahi.co.jp/imasekaiwa/

  # ロシア空港自爆テロ…ロシアの闇カフカス問題の深層  
 ロシアの空港で起きた自爆テロ。北カフカス地方イスラム武装勢力による犯行の可能性が強まっている。ロシアが抱える問題に迫る   

番組へのご意見、ご感想:
http://www.bs-asahi.co.jp/apps/contact/pc/index.php

29.Jan.2011

「報道特集」36人死亡空港テロの背後に何が露最大のタブーに迫る

 もう今日なのですが、TBS系列の「報道特集」で、ロシア・チェチェン関係のニュースが20分にわたって放送されます。チェチェンから日本に来ている難民や、私も取材を受けました。どうぞご覧ください。(大富亮)

 TBS系列 17:30 「報道特集」
 メインキャスター:金平茂紀、日下部正樹
 36人死亡空港テロの背後に何が露最大のタブーに迫る
36人死亡、モスクワの空港テロの背後に何が?

▽現場で金平キャスターが見たもの▽北カフカス出身者犯行説は本当か▽チェチェンの闇▽テロ容疑で拷問を受けたチェチェンの男性が報道特集のカメラに語ったこと▽女性ジャーナリストの不可解な死▽その娘が語ったこと▽「ノバーヤ・ガゼータ」という新聞▽既存メディアとネット

 番組へのご意見ご感想は次のアドレスまで:
houtoku@best.tbs.co.jp

 アムネスティ・フィルムフェスティバルも、今日から新橋で。お時間のある方は、ぜひご参加ください。

http://www.amnesty.or.jp/?aff&mm=1

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25.Jan.2011

モスクワの空港で爆発事件
Explosion rocks Moscow's Domodedovo Airport

 モスクワのドモジェドボ空港で、爆発事件があったもようです。以下の毎日新聞には、すでに「カフカス系の男」として、チェチェンや北コーカサス系のテロの可能性が言及されていますが、具体的な情報はありません。何かの事故か、何者かによる爆破工作か、どのような展開になるのか、私にもわかりません。

 そのような時だからこそ、慎重に報道したり、丁寧に背景を見ていくことが必要だと思います。

 もちろん、事件が人為的なものであるとしたら、ロシア政府は犯人を逮捕し、裁判にかけ、背後関係を明らかにする責任があります。第三者としても、それを期待したいところです。

 しかし、その発表を、鵜呑みにすることはできません。たとえば、プーチン・メドベージェフ政権は、イギリスで元連邦保安局将校リトビネンコを殺害したとされるルゴボイ容疑者を、イギリスに引き渡すどころか、与党統一ロシアの候補者として国政選挙に出馬させ、国会議員にしてしまっています。

 ロシア政府の公式発表はこれからだと思いますが、とりあえず、すぐに飛びつかず、紹介はしても、信じ込まないようにしましょう。メディアには速報という役目があるのですが、その一方で、真実は、私たちの望むようなものであっても、そうでなくとも、時間をかけて、徐々に明らかになっていくというのが、歴史のあり方ではないでしょうか。(大富亮/チェチェンニュース)

 ああ、それにしても大事になりそうな予感。明日は仕事があるのに・・・。

(毎日1/25)ロシア:モスクワの空港で爆発、31人死亡…自爆テロか  

【モスクワ大前仁】ロシアの首都モスクワの南郊にあるドモジェドボ国際空港到着ロビー付近で24日午後4時半(日本時間同10時半)過ぎ、大規模な爆発があり、ロシアのタス通信によると、少なくとも31人が死亡、約130人が負傷した。ロシア連邦検察捜査委員会はテロ事件として捜査を開始したと発表した。

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