チェチェン総合情報

チェチェンニュース Vol.22 No.23(#494) 2022.06.21

【新刊】「非暴力という希望 —いのちを最優先する社会へ」(青山正著、同時代社)

「2009年に東京から長野へ移住して体験してきた果樹農業の現場と3・11以降の長野での脱原発の歩み。さらに東京時代の市民運動の現場から考え発信してきた、いのちと非暴力にまつわる文章をすべてまとめました。最近のロシア軍のウクライナ軍事侵攻についての論考やその遠因となったチェチェン戦争についての解説なども盛り込んであります。コロナ禍と相次ぐ災害に苦しみ、展望の見えない政治・経済に落胆する日本の市民たちの希望を探る書でもあります。ぜひ読んでみて下さい。」(青山さんのメールより)

 チェチェン連絡会議の中心に長年いて、さまざまな市民運動に関わってきた青山正さんが、「ピースネットニュース」に書き続けてきた論集と、最近の思索をまとめた著書を刊行しました。

 私が青山さんに出会ったのは、1995年の阪神大震災のすぐ後、この本にも出てくる震災被災者支援のための「市民=議員立法」の運動に取り組んでいた頃で、「市民平和基金」に加わり、チェチェン問題を知ったことが、私の人生の一つの転機でした。1970年代からの、公害や、国家秘密法、PKO法などに反対してきた青山さんの幅広い関心と行動をまとめたクロニクルです。

 チェチェン問題に関しては、ジャーナリズムや、現地との交流の中からもたらされる情報を真摯に受け止め、運動としての方向性を提起するという点で、青山さんの役割は今も大きいと言えます。この本に収められた「テロ事件の影で忘れ去られるチェチェン戦争が問いかけるもの」など多数の論説は、現在のウクライナへの侵略について考えるためにも、重要な資料と言えます。

 ぜひお買い求めください。図書館へのリクエストもお願いします。

(大富亮)

「非暴力という希望 —いのちを最優先する社会へ」(青山正著、同時代社)
https://www.hanmoto.com/bd/isbn/9784886839237




いま戦争反対の声をあげること。
テロや自然災害、コロナ禍などで、
暮らしが奪われている人びとのために何ができるか?
「いのち」が軽く扱われていないか?
「希望」のために、考えること、人と人が支えあい、
つながりあう社会運動〈経験〉を伝えたい。

本書を推薦します!

「日本人は平和ボケしていると思っている人はこの本を読んでほしい。50年近く平和と非暴力を追求してきた青山さんのような人がいるから、平和が保たれてきたのだ。それでも社会にはひどいことが多い。でもそのひどさがこの程度で収まっているのは、それに声を挙げている人たちがいるからだ。青山さんは政治家ではない、東京で勤め人をやりつつ、今は長野で果物を栽培しつつ、挑戦し続けてきた。その多岐にわたる言葉と行動の軌跡がここにある。

『一人一人の個性が尊重され、多様性が認められ、そしてお互いを信頼できる関係があり、全ての情報が公開され、それを判断する力を皆が持ち、そして自由で対等に意見を表明できる手段が確保される、そういう社会の実現が民主主義の実現にはかかせないのではないかと思います』  ロシアのウクライナ侵攻という、私たちの心が引き裂かれるこの時期だからこそ、青山さんの歩みを知り、言葉を聞きたい」

上田紀行氏(東工大教授・文化人類学者)

目次


 はじめに——希望はどこへ


第1章  新たな生き方をめざして
  ——東京から信州へ、新たな農業生活、そして深い縁からつながった今


  ●東京暮らしから信州での農業生活へ
  ●農業の厳しさと可能性
  ●深い縁に導かれて受け継いだバトン
  ●〈本書の内容の関連年表付き〉
   脱原発運動の過去・現在・未来(二〇一三年一月三一日)
  ●坂田さんの危惧が現実となった福島原発事故
  ●原発事故後の福島の子どもと親たちとの出会い


第2章  いのちと非暴力をめぐる旅への誘い


  ●相次ぐ大規模な自然災害とコロナ禍がもたらしたもの
  ●目の前にある暴力と絶望感
  ●増える子どもの自殺と松岡農水相の自殺の責任を問う!
   自衛隊と暴力を超える道を!(二〇〇七年六月一〇日)
  ●私たちを危険に晒しているのは?
  ●バイバイ愛国主義! さあ共生の社会へ
  ●愛国主義教育はいらない!
   子どもが自由でいきいきと学べる学校と社会を!(二〇〇五年五月八日)
  ●(続)愛国主義教育はいらない!
   子どもにも社会にも思想・表現・内心の自由の実現を!
   (二〇〇五年六月一二日)
  ●みせかけの「過激」はいらない!深い根源的な変革をじっくりと
  ●偏見と独断に満ちた傲慢的な本
   「新ゴーマニズム宣言SPECIAL戦争論」を読む
   (一九九八年一一月一〇日)
  ●自民党政治と暴力的・差別的な動きを止めよう(二〇〇九年三月八日)
  ●非暴力でいこう!
  ●しなやかに、ゆるやかに「非暴力」で行こう!
   危機を超える希望を創り出そう! (二〇〇五年二月六日)
  ●改めて非暴力の意味と大切さを考える (二〇〇八年二月三日)
  ●いのちを最優先する社会へ 
  ●「護憲」から新たな非暴力平和の創造へ!
  ●海外派兵はもとを断たなきゃいけない!
   今、あらためて平和を考える(一九九一年一二月一〇日)
  ●五一年目からの平和を考える
   ——沖縄・チェチェン・ユーゴを結ぶ平和のメッセージ
   (一九九六年八月一〇日)
  ●多様な人々が協力し合ういのちのネットワークを創ろう!
  ●民主主義の再構築を求めて
   自由民権21への参加を呼びかけます(二〇〇五年三月一五日)
  ●ビルマの人々とともに非暴力と生きる意味を問い直そう!
   (二〇〇七年一一月一二日)


第3章 市民の声と希望を伝え続けた『ピースネットニュース』の紙面から


【ピースネットの歩み】
    前史 私の市民運動との関わりから
    市民の活発な活動が悪法をつぶした
    秘密だらけの日本はイヤッ!
    国家秘密法で暮らしが危ない(一九八五年一一月九日)
    反対運動からの脱却-初めての市民立法の実現と新たな国際協力活動
    世界中の災害・紛争の被害者に市民の手で支援を! 
    CFP(Citizens' Fund for Peace)市民平和基金
    (一九九八年一〇月二三日)
    そして非暴力へ


【『ピースネットニュース』の紙面から】
  ●「国連平和協力法案」という戦争協力法に
   反対の声をあげよう!(一九九〇年一〇月一〇日)
  ●みんなの怒りと熱い思いと行動が
   「国連平和協力法案」つぶした!(一九九〇年一一月一〇日)
  ●ピース・ナウ!今、平和を! 
   市民は平和のために立ち上がろう!(一九九一年二月一〇日)
  ●市民の力で戦争と戦争援助を止めよう!
   しなやかで創意工夫あふれる行動を!(一九九一年二月一〇日)
  ●変えよう戦争加担の日本と「力」の過信(一九九一年三月一〇日)
  ●「PKO法案」の賛否を問う全国市民投票にご参加を!
   (一九九二年五月一〇日)
  ●「PKO法案の賛否を問う全国市民投票」
   日本政府への申し入れ書(一九九二年六月一〇日)
  ●「PKO法案」は認められない!
   あきらめずに声を上げ続けよう!(一九九二年六月一〇日)
  ●PKO法廃止に向け新たなスタートを! 
   本当の民主主義を実現させよう!(一九九二年七月一〇日)
  ●プルトニウム輸送・PKO法見直し・改憲の動き、
   そして拡大する嫌がらせ(一九九三年一月一〇日)
  ●「自衛隊の海外派兵に反対するアジア・太平洋市民による共同署名運動」
   報告と今後の活動について「憲法違反論」を超えよう!
   (一九九三年一一月一〇日)
  ●日市連(日本はこれでいいのか市民連合)が解散!
   二一世紀に向けた新しい運動を!(一九九四年九月一〇日)
  ●阪神大震災に対し、長期的な取り組みを始めよう!
   「開発」優先の社会から人間性の復興の社会へ(一九九五年三月一〇日)
  ●問い続けよう阪神大震災 
   問い直そう巨大開発・臨界開発(一九九五年五月一〇日)
  ●阪神・サハリンの被災者支援と市民平和基金の発足
   (一九九五年六月一〇日)
  ●被災者に公的援助を! 市民=議員立法実現集会開かれる
   (一九九六年一一月一〇日)
  ●二周年を迎えた阪神大震災と公的援助をめぐる状況
  (一九九七年二月一〇日)
  ●二一世紀の厳しい現実を見据えながら、
   希望のネットワークを広げよう!(二〇〇一年一月一〇日)
  ●チーズにバターにひまわりの種、そして歴史教科書、
   ついでに小泉改革のあやしい関係 (二〇〇一年八月五日)
  ●金子みすゞ、そして「蝶の舌」そこから見える希望は?
  (二〇〇一年九月五日)
  ●自衛隊イラク派兵がもたらす日本社会の重大な問題
  (二〇〇四年三月一〇日)
  ●相次ぐ大型台風・大地震被害、そしてブッシュ米大統領再選・
   イラク・ファルージャ総攻撃・香田さん殺害(二〇〇四年一一月一四日)
  ●若い世代に広がる保守・愛国主義化の流れを問う
   平和はひとりひとりが考え、結論を出そう!(二〇〇五年九月一一日)
  ●増殖するネット上のバッシングと
   マンガ『嫌韓流』の裏に見えるもの(二〇〇五年一〇月九日)
  ●成立目前の教育基本法改悪とハッサン・バイエフさん来日で示された
   ひとつの希望(二〇〇六年一二月一〇日)
  ●「麦の穂をゆらす風」とチェチェンそして日本の今を考える
   どこに希望を見出せるのか(二〇〇七年二月四日)
  ●参議院選・小田実さんの死、そして非暴力と変化への希望
  (二〇〇七年九月二日)
  ●あるチェチェン人青年の死とチベット問題を考える
  (二〇〇八年四月一三日)
  ●秋葉原事件が示す日本社会の闇と
   世界の矛盾を拡大するG8サミット(二〇〇八年七月一三日)
  ●米国そして日本でも浪費構造と戦争政策の転換を!
  (二〇〇八年一一月一一日)
  ●高まる社会・経済の不安の中で考えること(二〇〇八年一二月七日)
  ●全国の皆様の二一年間のご協力に感謝します(二〇〇九年七月一二日)


資料編


 〈資料1〉
  ●テロ事件の影で忘れ去られるチェチェン戦争が問いかけるもの
  (二〇〇四年一一月一三日)
 〈資料2〉
  ●自由民権の可能性(二〇〇五年四月・佐藤文明・講演録)
 〈資料3〉
  自由と民権との交点を探る(二〇〇五年九月二〇日・佐藤文明)
 〈資料4〉
  ●「二〇一四年・台湾太陽花(ひまわり)運動」の足跡を訪ねて
  (二〇一五年二月一五日)
 〈追 補〉
  ●ロシア軍のウクライナ軍事侵攻に関するチェチェン連絡会議声明
  (二〇二二年三月二三日)


 おわりに




著者プロフィール
青山 正 (アオヤマ タダシ) (著/文)


1953年宮城県仙台市生まれ 『ピースネットニュース』発行人 市民平和基金代表 
2009年より長野県須坂市で果樹栽培従事





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