サイバー警察局・サイバー特別捜査隊の創設に反対する学者・弁護士共同声明

以下、前田郎さんのブログから転載します。


サイバー警察局・サイバー特別捜査隊の創設に反対する学者・弁護士共同声明

  1月28日、岸田政権は警察法「改正」案を閣議決定し、直ちに国会に上程、いま内閣委員会で審議が行われている。しかしこの警察法「改正」案は、戦後警察の骨格であった自治体警察を中央集権的な国家警察に変えるものであり、絶対に許されない。ましてや、国家公安委員会・警察庁は同法案の骨格をなすサイバー警察局を4月1日に発足させるとし、予算関連法案として拙速審議しているが、あまりにも乱暴であり、十分に審議を尽くすべきである。

1.警察法「改正」は、国家警察を復活させる。

法案は、国家公安委員会の任務及び所掌事務として「重大サイバー事案」を規定し(5条4項4号)、同項16号で「重大サイバー事案に係る犯罪の捜査その他の重大サイバー事案に対処するための警察の活動に関すること」と規定、国家公安委員会の任務・所掌事務として犯罪捜査を認めている。さらに警察庁の内部部局として、サイバー警察局を設置し(19条)、その所掌事務を「サイバー事案に関する警察に関すること」(25条)とし、その「警察活動」を関東管区警察局に分掌させ(30条の2)、しかも関東管区警察局の管轄区域を全国とし、一元管理させるという。更に、重大サイバー事案での警察庁と各都道府県警察の共同処理を認め、警察庁長官が任命した者に、その指揮を委ねている(61条の3)。

しかし、国家公安委員会及び警察庁はこれまで、自らが犯罪捜査を行うことを認められていなかった(事務を行う行政機関、都道府県警の総合調整機能のみ)。これは、特高警察の幾多の人権侵害に象徴される戦前型の中央集権的な国家警察が否定され、戦後改革によって地方警察が警察活動を行うこととしたことに由来している。

 ところが、今回の「改正」で、5条4項16号を設け、犯罪捜査を認めている。これは、戦後改革で否定された国家警察の復活以外でないと思われるが、それについての納得できる説明はなされていない。生活安全局も同様な規定を持っているが、それは、捜査指揮等に限られているのであり、逮捕など具体的な捜査権は持っていない。

また関東管区警察局にサイバー警察局の所掌事務の一部を分掌させ、逮捕や捜査権を付与しているが、それは、管区警察局の本質を根本的に変更するものである。このような規定ぶりを許してしまえば、今後、他の警備公安・交通など警察庁の所掌事務についても警察活動を認めることになりかねない。市民に開かれた慎重な審議が必要になる。

2.国家警察にする立法理由がない。

立法理由は、「最近におけるサイバーセキュリティに対する脅威の深刻化に鑑み、国家公安委員会及び警察庁の所掌事務に重大サイバー事案に対処するための警察の活動に関する事務等を追加するともに、警察庁が当該活動を行う場合における広域組織犯罪等に対処するための措置に関する規定を整備する」とされている。しかしこれは理由になっていない。

「サイバーセキュリティに対する脅威の深刻化」などというが、2013年以来、既に14都道府県警察(北海道、宮城、警視庁、茨城、埼玉、神奈川、千葉、愛知、京都、大阪、兵庫、広島、香川、福岡)で活動しているサイバー攻撃特別捜査隊にその任務を委ねれば十分ではないか。今回新設されるサイバー特別捜査隊には、全国的規模での捜査権が与えられているが、その法的・現実的根拠はどこにあるのか?サイバー特別捜査隊とサイバー攻撃特別捜査隊との任務分担が不明瞭である。

いまサイバー犯罪増加と共にその検挙率は急激に上がっており、むしろサイバー攻撃特別捜査隊の活動の総括・点検が問われている。盗聴法「改正」によってどのような警察盗聴が行われているのか闇に包まれてしまったが、その公開も含め、サイバー社会・ネット監視のあり方が深刻に点検される必要がある。

もう一つ大きな立法理由とされているものは、国際連携の必要性である。昨年12月に公表されたサイバーセキュリティ政策会議の報告書では、サイバー隊の国際共同オペレーションへの参加が強調されている。国家間での協力を推進し、共同捜査を行うためには、国を代表する捜査機関が必要であり、サイバー隊を設けるのである。

国際連携は、何も警察庁に警察活動を認めなくてもできることであり、立法理由にはならない。国際協力を改正理由の一つとしているが、それと全国的捜査権とは別問題である。既に共謀罪創設に関わる国際的組織犯罪条約やサイバー犯罪条約、日米刑事共助条約など国際的な組織犯罪への取組みについて、警察庁は国際協力しているが、それについての警察活動は認められていない。

3.警察活動に係る規定は厳格でなければならず、警察権力の自己増殖は許されない。

そもそも提出法案の各種の規定ぶりが曖昧すぎる。たとえば警察法改正法案とその法案概要では、「重大サイバー事案」などの規定ぶりが異なっている。法案の規定ぶりによれば、海外からのサイバー事案はすべて含まれることになる(国外に所在する者であってサイバー事案を生じさせる不正な活動を行うものが関与する事案)が、「概要」では、サイバー攻撃集団に適用範囲を限定し、世論受けのするものに書き換えている、などである。

 警察庁によれば、2021年の刑法犯認知件数は56万8000件、19年連続で戦後最少を記録する一方、検挙率は46.6%と上昇し続けている。そのうちサイバー犯罪の検挙件数は過去最多だが1万2275件に過ぎない。なぜいまサイバー犯罪のみをことさら取り上げ、捜査体制の拡大・強化を図るのか説明がなされていない。コロナ禍での生活・生命危機など市民の不安に便乗することは許されない。

 我々は、このような多くの問題を抱え、警察制度を根源的に改悪しようとする警察法の改正には強く反対する。

2022年3月

呼びかけ人

学者・研究者

足立 昌勝(関東学院大学名誉教授・刑法)

飯島 滋明(名古屋学院大学教授・憲法)

石塚 伸一(龍谷大学教授・刑事学)

岡田 正則(早稲田大学教授・行政法)

岡田 行雄(熊本大学教授・刑法)

清末 愛砂(室蘭工業大学大学院教授・憲法)

佐々木光明(神戸学院大学教授・刑事学)

清水 雅彦(日本体育大学教授・憲法)

新屋 達之(福岡大学教授・刑事訴訟法)

豊崎 七絵(九州大学教授・刑事訴訟法)

福島 至(龍谷大学名誉教授・刑事法)

前田 朗 (東京造形大学名誉教授・人権論)

宮本 弘典(関東学院大学教授・刑法)

村井 敏邦(一橋大学名誉教授・刑法)

弁護士

五十嵐二葉(東京弁護士会)

岩村 智文(神奈川県弁護士会)

海渡 雄一(第二東京弁護士会)

藤井 光男(沖縄弁護士会)

世話人代表 足立 昌勝    adamasa@fg7.so-net.ne.jp

衆議院内閣委員に「警察法改正案」反対の声を届けよう!

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衆議院内閣委員に「警察法改正案」反対の声を届けよう!

立憲民主、共産党、れいわ新選組、有志の衆議院内閣委員に
「警察法改正案」に反対の姿勢で審議を尽くすように要請してください。

(PDF版)
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警察法改悪反対2.6実行委員会です

衆議院内閣委員会に付託されている「警察法改正案」は早ければ
2月25日に趣旨説明が行なわれ、3月2日から審議が始まりそうです。
一日で採決とも言われており、衆議院通過しそうな状況です。

今回の「改正案」はとても数時間で審議できるようなものではなく、
慎重に審議する必要があります。

衆議院内閣委員を始め、お知り合いの議員さんにFAX、または電話で
反対の姿勢で審議を尽くすように要請してください。

実行委員会ではこれまで2回、内閣委員ほか立憲民主の泉党首、
小川政調会長に声明文や法案批判、審議で明らかにしてほしい質問
項目をもって要請にいっています。
みなさまもぜひ声を届けてください。

反対声明はこちらをごらんください。
(声明)警察法改悪反対、サイバー警察局新設に反対します
https://www.jca.apc.org/no-cyberpolice/
法案批判
https://www.jca.apc.org/no-cyberpolice/houanhihan/

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★要請の文案は以下を参照しお使いください。

* 警察庁が新設を計画しているサイバー警察局は、憲法で明記され電気通信
 事業法でもはっきりと定められている「通信の秘密」を大幅に侵害するも
 のです。
*戦後の自治体警察(都道府県警察)を事実上解体し、警察庁が直接指揮する
 国家警察制度に道を開くものです。
*私たちの言論・表現の自由やプライバシーの権利を大幅に侵害する情報通
 信分野全体を包括的に警察の監視下の置くことを可能にするものです。
*警察はすでに膨大な個人データを蓄積していますが、更に大規模なデータ
 収集とより高度な監視技術の導入を許すものです。
*警察による監視システムの高度化は、どこの国でも政権に批判的な野党、 
 ジャーナリズム、政治運動、労働運動、研究者などを網羅的に監視する仕
 組みとなっています。
*民間の情報通信産業を警察の監視下に置くことになります。
 もたらすことを深刻に受け止めていただきたいと思います。
*議員個人としても、また所属する政党や会派としてもはっきりと反対の立
 場を明かにしてください。

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[衆議院内閣委員会]

*理事 森田俊和 (立憲) 埼玉12区   第2 1003
     FAX 03ー3508ー3899   TEL  03ー3508ー7419 

*理事 森山浩行 (立憲) 比例近畿   第2 613 
     FAX 03ー3508ー3906  TEL 03ー3508ー7426

*委員 大串博志 (立憲) 佐賀2区    第1 308
     FAX 03ー3508ー3335   TEL 03ー3508ー7335
  
    堤かなめ (立憲) 福岡5区   第2 312  
     FAX 03ー3508ー3039  TEL 03ー3508ー7062
  
    中谷一馬 (立憲)  比例南関東(神奈川)第1 509    
     FAX 03ー3508ー3310  TEL 03ー3508ー7310
   
    本庄知史 (立憲)  千葉8区  第2 1219 
     FAX 03ー3508ー3949  TEL 03ー3508ー7519

    山岸一生 (立憲)  東京9区   第1 1013
     FAX 03ー3508ー3424   TEL 03ー3508ー7124
   
    塩川鉄也 (共産)  比例北関東   第2 905
     FAX 03ー3508ー3937   TEL 03ー3508ー7507

    緒方林太郎 (有志) 福岡9区    第2 617
     FAX 03ー3508ー3426   TEL 03ー3508ー7063
  
   山本たろう (れいわ) 比例区東京   第2 416
     FAX 03ー3508ー3383  TEL 03-ー3508ー7063
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

[立憲民主党三役]
代表   泉健太  京都8区  第1 817  
          FAX 03ー3508ー3805  TEL 03ー3508ー7005

代表代行 逢坂誠二 北海道8区   第2 517
          FAX 03ー3508ー3947   TEL 03ー3508ー7517

幹事長  西村智奈美 新潟2区    第2 404
          FAX 03ー3508ー3994  TEL 03ー3508ー7614

政調会長 小川淳也 香川1区    第2 1005
          FAX 03ー3508ー3251  TEL 03ー3508ー7621

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[共産党]  
委員長  志位和夫 比例南関東  第1 1017
       FAX 03ー3508ー3735  TEL 03ー3508ー7285  

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プレスリリース
サイバー警察局を新設する警察法改悪案を廃案に!
  3・1 院内集会・記者会見のお知らせ

●プレスリリース
サイバー警察局を新設する警察法改悪案を廃案に!
  3・1 院内集会・記者会見のお知らせ

  サイバー警察局を新設する警察法改悪案が来週にも衆議院内閣委委員会で短時間で審議を終了し参議院に送られ3月中に成立しようとしています。
  私たちは主要に以下の2点から警察法改悪案に反対しています。
  一つは、サイバー警察局が対象とする「サイバー領域」とは私たちが日常的に利用する電子メールやSNSなどによるコミュニケーションの場であり、警察の介入によって貴重な「通信の自由」や「表現の自由」が侵害される危険性を持っている点です。法案では「サイバー事案」「重大サイバー事案」などの対象領域が具体的にどこまでを指定するものなのか大変曖昧です。
 もう一つは、なぜ国家機関である警察庁にサイバー警察局を新設し、捜査権限を付与しなければならないのか、わからない点です。戦後国家警察は解体され、捜査権限は自治体警察にしか認められませんでした。
 サイバー領域だからといって捜査権限を警察庁に認めてよいのでしょうか。 既存の組織ではなぜいけないのか、よくわかりません。こうした不明な点の多い法案を拙速に成立させることは、民主主義の根幹に関わる危機だと言えましょう。
 3月1日に院内集会と記者会見を行います。この法案の危険性をメディアの皆さんに報道していただき、国会において内容のある審議を尽くしてもらいたいと思います。
 是非ともご出席ください。

  記者会見:3月1日(火)13時30分~14時
 会場:衆議院第1議員会館  第1会議室
   ●院内集会12:00~13:30 同会議室 

  主催:警察法改悪反対・サーバー局新設反対2・6実行委員会
  連絡先:小倉利丸(070-5553-5495)
      メール:no-cyberpolice.techcenter@aleeas.com

サイバー警察局を新設する警察法改悪案を廃案に!:3・1 院内集会(ライブ中継あり)

プレスリリース

1月28日にサイバー警察局を新設する警察法改悪案が国会に 上程されました。

私たちは主要に以下の2点から警察法改悪案に反対しています。 一つは、サイバー警察局が対象とする「サイバー領域」とは、私たちが 日常的に利用する電子メールやSNSなどによるコミュニケーションの 場であり、警察の介入によって貴重な「通信の自由」や「表現の自由」 が侵害される危険性を持っている点です。法案では「サイバー事案」「重 大サイバー事案」などの対象領域が具体的にどこまでを指定するものな のか大変曖昧です。

もう一つは、なぜ国家機関である警察庁にサイバー警察局を新設し、 捜査権限を付与しなければならないのか、わからない点です。戦後国家 警察は解体され、捜査権限は自治体警察にしか認められませんでした。 サイバー領域だからといって捜査権限を警察庁に認めてよいのでしょうか。 既存の組織ではなぜいけないのか、よくわかりません。 こうした不明な点の多い法案を拙速に成立させることは、民主主義の 根幹に関わる危機だと言えましょう。

サイバー警察局を4月1日から開設させたい、内閣委員会には子ども 家庭庁法案など重要法案があるため警察法改悪案を早く「あげたい」と いう政府のシナリオがあるようです。しかし日本の警察組織の在り方を大き く変えようとしている法律案を十分な審議なしに成立させるわけにはいきま せん。

私たちはこの法律案のどこが問題なのか、院内集会で問題提起していき たいと考えています。各界からこの法案に対する発言をお願いしています。

是非とも院内集会にご参加いただ き、この法律案の問題点を十分検討しないうちは採決させないよう力を合せていきたいと考えています。  

日時:3月1日(火)12時~13時30分  

会場:衆議院第1議員会館  第1会議室 

中継

当日の資料

小倉利丸 警察法改悪批判概要

原田富弘 サイバー警察局新設と警察情報管理システムの合理化・高度化.pdf

角田富夫 わかりにくい警察法―どこが問題なのか

2.24院内集会 「サイバー警察局・サイバー特別捜査隊の新設は何をもたらすか?」(衆議院第二議員会館)

2.24院内集会 「サイバー警察局・サイバー特別捜査隊の新設は何をもたらすか?」(衆議院第二議員会館)

2.24院内集会
「サイバー警察局・サイバー特別捜査隊の新設は何をもたらすか?」

時 :2月24日(木)12:30~14:00
所 :衆議院第二議員会館第3会議室(B1F)
提起:足立 昌勝さん(関東学院大学名誉教授)
発言:市民・運動団体、国会議員 他
呼びかけ:破防法・組対法に反対する共同行動/共謀罪反対!国際共同署名運動
連絡先:東京都港区新橋2-8-16 石田ビル5階 救援連絡センター気付 TEL.03-3591-1301

昨年6月24日、小此木八郎委員長(当時)と松本光弘警察庁長官(当時)は、「サイバー事案への対処能力の強化を図る」ため、「警察庁にサイバー局を設置」し、「一定のサイバー事案について捜査を行うための組織(直轄隊)を設置」することを明らかにしました。「国家の関与が疑われるなどの事案で他国との共同捜査を実施。都道府県の枠組みを超えた広域的な被害が発生している事案や、高度な技術力・知見が必要な事案など」に対処するためであるといいます。
直轄隊は、警察庁の地方機関である関東管区警察局に置かれますが、これでは、地方機関とはいえ、警察庁が自らサイバー事案を捜査することとなり、捜査は都道府県警が担うという、戦前の内務省特攻警察の反省に立った、戦後警察の原点に抵触することになり、国家警察へと向かう大きな転換点となってしまうのではないでしょうか?
「サイバー警察局・サイバー特別捜査隊の新設は何をもたらすか?」を学習・討論する院内集会を開催します。是非ご参加ください。


2月24日院内集会報告
集会は約50名の参加。山本議員(衆院内閣委員会・れいわ)、塩川議員(衆院内閣委員会・共産)、山岸議員(衆院内閣委員会・立民)、真山参議院議員(立民)、日弁連刑法委員会委員長山下弁護士が参加・挨拶。挨拶で、塩川議員は徹底審議の必要を求めたが」反対」を明言しなかった。唯一山本太郎議員が「なんとしても抗っていきたい」と発言。山下弁護士は、日弁連が組織として対応できていないことを説明しつつ、はっきりと「反対の声をあげていきたい」と発言した。
学者・弁護士の緊急反対声明は、刑法学者の足立さんが呼びかけ人を募り、前田さん他の尽力でただいま拡散中、3月1日締め、2日公表を目指しているもので、24日の院内集会で正式に発表された。
なにぬねのんチャンネル
https://www.youtube.com/watch?v=EYIHOR4GLGc
IWJ
https://www.youtube.com/watch?v=ROwgsH8eD7I
Uplan
https://www.youtube.com/watch?v=HS3bXF7G_qo
集会は、破防法・組対法に反対する共同行動/共謀罪反対!国際共同署名運動の主催で開催されました。

プレスリリース(2月15日)

報道関係各位
2022年2月15日

声明「警察法改悪・サイバー警察局新設に反対します」を出しました。

 別紙の通り、表記の声明を2022年14日付けで公表しました。警察法改正案は、戦後の日本の統治体制を根底から転換させかねない重大な法改正です。是非注目していただき、取材をお願いいたします。
今国会に内閣から提出された警察法改正案の問題点の概要は下記です。

(1)サイバー警察局等の新設の組織は憲法などが定める基本的人権に反する以下の特徴をもっています。
- 電子メール、SNSなどによるコミュニケーションの領域に特化した捜査機関であること。
- 憲法や電気通信事業法などで「通信の秘密」が保障されている領域を対象としていること。
  サイバー警察局は、憲法の表現の自由や通信の秘密、プライバシーの権利を真っ向から否定し、民主主義の基盤を突き崩すものです。サイバー警察局は、一般の市民だけでなく、報道機関、選挙などの政治活動の場、医療関係者や弁護士など人権に関わって活動する広範な人々に対し、深刻な人権侵害をもたらす可能性があります。

(2) 都道府県の警察の枠組を解体し、中央集権型の国家警察の性格をもつものです。
- 警察庁みずからが各都道府県の警察の枠組を超えて全国的な捜査権限をもつ初めての組織であること。
- 戦前の国家警察の反省から生まれた自治体警察の役割を大幅に後退させ、警察の中央集権化への道筋をつけるものであること。
  すでに警察は、被疑者情報として、写真約1170万件、指紋1135万件、DNA型141万件など膨大なデータを蓄積しています。また、2021年上半期 、Lineだけで1,4 21件の情報開示など捜査機関の民間通信事業者への問い合わせ件数も膨大な数にのぼっています。こうした警察の情報収集活動を監視し歯止めをかけることができていません。
  サイバー警察局は、ビッグデータとAIの時代にあって、私たちの日常的なコミュニケーションを常時監視・分析し、取り締る言論警察、思想警察あるいはサイバー特高警察になりうると危惧しています。
  なお、今後、この反対声明については、広く賛同団体を募る予定です。
起草団体等についての問い合わせ先は、声明本文の最後をごらんください。

反対声明賛同団体を募っています。ぜひ参加してください!!(参議院の採決まで継続します)

「声明:警察法改悪・サイバー警察局新設に反対します」への賛同の呼びかけ 今国会に「警察法改正」案が提出されています。

私たちは、改正案反対声明を公表しました。

警察法改正案は、私たちの基本的人権を侵害しかねない深刻な内容となっています。国会の審議は急ピッチで進む可能性があります。私たちの反対の声をより大きくより広く伝えるために、多くの皆さん(団体)の賛同を募っています。ぜひ、賛同をお願いします。

以下の項目に記入ください。

  • 賛同団体名(公表します)
  • 連絡先(公表しません。声明に関連する情報やアクションなどのお知らせに用います。第三者への情報提供はしません)

賛同の送り先 no-cyberpolice.rfmw@slmail.me

締め切り 参議院の採決まで

★以下の団体からの賛同はお断りします。
民族差別、性差別など差別的な主張やナショナリズムを煽る主張をする団体
暴力によって異論を排除する団体
捜査機関と協力関係にある団体

この件についての問い合わせ先

小倉利丸(盗聴法に反対する市民連絡会) toshi@jca.apc.org 070-5553-5495

声明のホームページ https://www.jca.apc.org/no-cyberpolice/