連載:シオニスト『ガス室』謀略の周辺事態 (15-4)
「ガス室」裁判 判決全文 8

1997.4.18. 提訴
平成9年(ワ)7639号 名誉毀損・損害賠償請求事件

判決全文 8 理由の第一:前提となる事実(十四後半:4~6)

読みやすくするため、文字の色・大きさ等を変えています。

理由(続き)

第一:前提となる事実(続き)

十四(続き)

4 本誌(平成9年2月14日号…連載第4回)

 被告金子の第4回論稿は、本誌の平成9年2月14目号に、「ナチス・ドイツと天皇制日本が酷似する『血の神話』と国家思想」という副題を付して掲載された。

 被告金子は、本稿の冒頭部分で、「ガス室否定論者」が重要視する証拠の一つである「ロイヒター報告」について次のように述べる。

「『ガス室否定』論者やネオ・ナチにとっての『バイブル』ともいえる『資料』が『ロイヒター報告』である。『世界ではじめて科学的・法医学的な実地調査』と木村も『賛美』する『ロイヒター報告』の作成者はフレッド・ロイヒターという1943年生まれのアメリカ人だが、ロイヒターのこの『報告』は、ポーランドのアウシュヴィッツ本収容所(アウシュヴィッツI)、付属収容所ビルケナウ(アウシュヴィッツII)とマイダネック収容所ほか、計6つのガス室に関する『実証調査』と称するものである。これとは別にドイツのダッハウ収容所とオーストリアのマウトハウゼン収容所、および『安楽死』施設ハルトハイムのガス室の『報告』もロイヒターは発表しているようだが、それらガス室での大量殺戮が技術的にも化学的にも『実行不能』であったとしている。アメリカ合衆国の刑務所で死刑執行用に使われる『ガス室』と、ナチス強制収容所のガス室とが同じ構造でなければならないという誤った前提からこれら一連の『ロイヒター報告』はそもそも出発しており、ナチスのガス室の機密性、温度や湿度、換気の不足、発火と爆発の危険性など、木村本でも列挙されている諸点をその『ガス室否定』の『根拠』として挙げている。起訴された『ガス室否定』論者の『無罪』を『化学的』に証明する任務を担っていた自称『エンジニア』の人文科学修士ロイヒターが、実際には自然科学系の大学を卒業などもしておらず、『ェンジニア』の称号を不法に使用していたことが九一年に発覚している。」

5 本誌(平成9年2月21日号…連載第5回)

 被告金子の第5回目の論稿は、本誌の平成9年2月21日号に、「現役ネオ・ナチの著作を反復するだけのガス室否定論者」という副題を付して掲載された。

(一)本稿において被告金子は、1973年に回顧録「アウシュヴッツの嘘、ある体験記」を発表したドイツ人クリストファーセン・テイースの本書における取扱いについて、「そのクリストファーセンを『元ドイツ軍の中尉』、『アウシュヴィッツに勤務していた』と紹介しているが、同時に『親衛隊員などではなかった』とも木村は読者を惑わそうとする。ナチス強制収容所がナチス親衛隊の指揮と管埋下にあり、収容所勤務の兵士たちが親衛隊員であったことは歴史的常識に属する。アウシュヴィッツ収容所付属のライスコ農園で『植物育種』の研究をしていたクリストファーセンは、被拘禁者の虐殺に直接関与しなかった可能性はあろうが、彼もまたとうぜんSS隊員だったのである。そして、それはなにも『過去の話』ではなく、クリソトファーセンは現在も『現役のナチ』として暗躍しつづけている。」と論述する。

(二)次いで、被告金子は、原告が本書において右クリストファーセンと並んで重視しているドイツ人シュテーグリッヒ・ウイルヘルムの著作について、「アウシュヴィッツ収容所でも数ヵ月の勤務体験があるシュテーグリッヒは、敗戦後に判事となり、ナチス犯罪の否定と外国人排斥をその『使命』とする極石政党『ドイツ社会民主党』の幹部のひとりに1972年からなった。ハンブルグ上級地裁は、1975年にシュテーグリッヒの早期定年(免職)と年金カットを命じ、1987年にはシュテーグリッヒの博士号も剥奪された。シュテーグリッヒは確信犯的なユダヤ人排斥主義者であり、1979年に『アウシュヴィッツ神話/伝説か事実か』を著したが、連邦裁判所判決によって同書は1983年2月に発禁処分となつた。クリストファーセンの『アウシュヴイッツの嘘』と同じく、シュテーグリッヒの著作も『過去の克服』をあくまでも拒もうとする元ナチによる煽動的な出版物である。それらの『著作』がドイツで『完全に無視』されるのはむしろ当然であろう。」とし、「いずれにせよ、暴力的手段による反対者の口封じも辞さないような析紙付の極右実践家たちとか、その犯罪性ゆえにョーロッパ諸国で表立った活動もできずにコソコソと逃げ回り、隠れ住まなけれぱならないような人物、要するに『ガス室はなかった』と唱えているのが旧ナチとその信奉者(新ナチ)たちであることだけは明白になっただろう。本論で取り上げた日本人『著述業』者もその一味に属するのだろうか。少なくとも筆者にはそう思えてならない。」という。

6 本誌(平成9年2月28日号…連載第6回)

 被告金子の最終論稿は、再び本題の「『ガス室はなかった』と唱える目本人に捧げるレクイエム」に戻って、本誌の平成9年2月28日号に掲載された。

 被告金子は、本稿において、これまで展開してきた本書又は原告の「ホロコースト見直し論」に対する批判を総括している。これを順次挙げると次のとおりである。

(一)被告金子は、原告が代表を務める「歴央見直し研究会」の性格とその活動について、次のようにいう。「木村が代表のミニコミ誌『フリージヤーナル』の誌名は、1996年10月未からIHRの季刊誌と同名の『歴央見直しジヤーナル』に改名され、同時に『歴央見直し研究会』も創設された。1997年1月現在でその会員数は『39名』だという。ロサンジェルスに本部があるIHR日本支部なのかどうかは不詳。フランスの『哲学者』として日本で知られる、ロジェ・ガロデイ著『イスラエルの政策の基礎をなす諸神話』の翻訳に『歴史見直し研究会』代表の木村は目下取り組み中のようだが、同書はフランスで『地下出版』しかできなかった曰く付きの書物である。このような書物を著したガロディのヨーロッパ社会での『評価』は地に墜ち、民族差別主義的歴史改竄主義者の『戦列』にガロディもついに加わったのかと手厳しいものである。lHRという学術組織を装った政治集団と親密な協力間係にあり、歴史改竄主義者で民族差別主義者でもある人物の著作を日本語訳にし、結局は欧米の歴史改竄主義者やネオ・ナチの主張の『翻訳』でしかない『アウシュヴィッツの争点』を発表し、『歴央見直し研究会』の代表でもある木村が装おうとする『中立性』、『相手方の組織や個人の思想、政治的立場などにいっさいとらわれず、可能なかぎりの関係資料、耳情報を収集して』云々もまた筆者にとっては到底信じ難く、職業的虚言者の『戯言』にしか聞こえないのである。」。

(二)被告金子は、「あえて『ガス室はなかった』とまでは断言しない。だが、『ガス室があった』と確信することができるような物的証拠も、論理的説明も、いまだに発見できない」とする原告の本書における記述を引用して、「歴史改竄主義者特有の論法で読者を煙に巻こうとする木村は続編も予定しているようである。いくらかでも均等性のとれた参考資料の選択さえすれば、その『発見』もそう難しいことではないだろう。もっとも、その『発見』が自らの狙う『問題提起』という『使命』と相容れない内容のものとなる可能性に留意する必要はあろうが。」と述べる。

(三)被告金子は、「ナチスによる殺戮の恐怖から50年を経た現在、ホロコーストについての社会共有の記憶を問い直そうと企て、それを生き延びることができた体験者の想起を拒み、事実に基づく多量の証拠物件を疑問視するいわゆる歴史改竄主義者の存在は、現代における最も愚劣な出来事である。」とするハーバード大学の心理学教授ダニエル・シヤクターの言を引用した上、「墓場から蘇ったような『ゾンビ』の批判はもうこれで終りにしたい。ナチス強制収容所にガス室があったのか否か、そこで被連行者のチクロンBや一酸化炭素ガスによる毒殺があったのか否か。資料研究が偏っているばかりかはなはだ不十分でもあり、加うるに重要資料の黙殺や2次資料の改竄さえも怯まないデイレッタントでかつデマゴーグでもある論者の主張は、論破できたものと考える。最終的なその評価はもちろん読者に委ねるしかないのだが、一人でも多くの読者が正しい歴史認識を持つよう願う。」と述べる。

(四)被告金子は、「『アウシュヴィッツの争点』の著者・本村愛二に対する『失礼』なことも書いただろう」と断りながらも、「強制収容所犠牲者に対する木村の恥知らずな態度に比べれば、それは取るに足りない些細なことである。『歴史見直しジャーナル』代表で『論争』大好きな木村がもし筆者と論争をする気があるのなら、低次元な反論ではなくて、歴史改竄主義者の『業績』に全面依存せずに、1次資料(!)を根拠に自分の主張を証明すべきである。」と述べる。

(五)被告金子は、原告に対し、6つの質問項目を立てて、これに答えるべき旨を催告するとともに、次のようにいう。「日本の民主主義成熱度を国際社会に示すためにも、『ガス室否定論者問題』を日本国内で解決できればいいと私は願っていたし、今もその希望を捨ててはいない。外圧に頼る問題解決は私の望むとところではない。だが、あくまでも『持論』の正当化を木村が試みようとするのなら、そして強制収容所の犠牲者・遺族・生還者たちをこれ以上侮辱・冒涜し続けるのなら、この問題を国際問題化する以外の方法しか私には残されていない。『歴史見直しジャーナル』にある文書、『資料を見ずに歴史を語るなかれ』を木村は肝に銘じておくべきだろう。上記の私の6つの具体的な質間に対し、本年4月20目(木村にも覚えやすいだろうヒットラー誕生日)までに具体的かつ明瞭に答えるか、自らの主張の誤りを『週刊金曜日』誌上で認めない限り、『ガス室』の有無について木村は全輪際沈黙すべきである。それら6つの諸点への明確な回答を木村がもし提示できないとするのなら、『悪あがき』をいい加滅にやめ、ナチス強制収容所の犠牲者、その遺族と生還者、および自著の日本人読者諸氏に対し、速やかな謝罪をしなければならない。それもなければ、木村の『ガス室杏定』論を批判する自分の権利を、国際社会に委ねるしかない。」

(六)さらに、被告金子は、これまでの同被告の連載記事に対して原告が被告会社の本誌編集部に寄せた抗議や疑問に答えるとして何点かについて反論を試みる。

(1) 原告は、本書で用いている外国人の氏名などのカタカナ表記に関して被告金子が批評したことについて反論した。これに対して、被告金子は次のように述べる。「木村式カタカナ表記について、『原文にほど遠いドイツ語人名』と書いた『罵倒』は、『泥酔者』の『いいがかり』だともする。カタカナ表記について『慣用化した表記を一部採用した』との言い逃れを試み、わざとらしく私の名も『マーチン』と『慣用化表記』にする。滑稽である。『抗議』FAXで『傲慢もはなはだしい』と『罵倒』されたうえ、2言語で育った私がそれをするのは酷だと思うから、本来はそのようなことをしたくもないのだが、どうやら木村自身がそれをお望みのようなので、いたしかたなく書く。ドイツ語は『読むだけでなく、リートも歌えるし、資本論のはじめくらいは暗記している』と自慢する木村には敬服するが、それでも彼がドイツ語のイロハも知らないことを示す一例を挙げる。Liebeは多くの日本人も知るドイツ語の単語だろうが、その発音は『リエベ』ではなく『リーベ』である。ieのeは工と発音されず、イが長音となる。クリストファーセンの名も『テイエス』ではなく、テイースである。だが、そのようなことは些細な問題に過ぎない。」

(2) 原告は、被告金子が「(木村が)参考・紹介している文献類は、歴史改竄主義者として世界的に高名な人物、あるいはネオ・ナチとして公安警察のリストに載っているような人物が著した図書や雑誌論文ばかりである。」と書いた部分に対し、「訂正と謝罪」を求めた。これに対して被告金子は、次のようにいう。「しかし、その主張は理由がない。自分の『化けの皮を剥いだ』相手を憎いと木村が思う気持ちはわからないでもない。私が怒っているのは、強制収容所の犠牲者とか、その遺族や生還者たちを木村が侮辱し冒涜する『主張』を繰り返している点にこそある。しかし、どのような罵倒の言葉を木村が私に浴びせようとも、少しも怒る気持にはなれない。それは、『負け犬の遠吠え』にしか聞こえないからである。木村さん、くれぐれも早とちりをなさらないように。『犬』は木村さんを『形容した用語』ではありません。それに犬は歴史改竄などをしません。」

(3) 原告は、平成9年1月25日付け「抗議」のファクスで、「私は、裁判の経験も豊富」であり、「くれぐれも『法的手段』という表現を軽視されないよう、ご忠告申し上げます」と書いた。これに対して被告金子は次のようにいう。「『裁判の経験』もない私を木村はかなり侮っているようだが、いくらかの『経験』は私にもある。ウィーン大学の学生だったころ、『オーストリアのナチズムの大物』と木村も紹介する『ゴットフリート・キュッセル』は、『行動派新右翼』(ANR)という学生ネオ・ナチ組織の代表格だった。『アンネ・フランクの日記は偽造文書』やら『ガス室はなかった』などのビラを大学内で配っており、彼が率いるANRによる民主派学生の集会の妨害・襲撃などに泣かされたものである。私は、そのころから、つまり25年ほど前から、木村がその『使命』に掲げている『ガス室否定』論や『ナチス戦争犯罪矮小化』論を批判し続けており、にわかに『ガス室否定』論などの批判者に加わったわけでもない。再び『キュッセル』を目前にしているようで懐かしい。小論の論題に『レクイエム』の語を使っていることから、『いじめ教室』の『葬式ごっこ』を木村は連想したようだ。かつて完全に論破された『主張』をいまだに繰り返している人々を批判するには、『レクイエム』以外の用語が思い浮かばないし、そのような人々はやはり醜い『ゾンビ』でしかない。」「『歴史見直しジヤーナル』という刊行物を発行している木村は、その『頭脳的アクロバット』を同紙面で展開したらいかがなものだろうか。そうすれば『週刊金曜日』の読者は、木村など『ガス室否定』論者たちの愚説から解放される。それを願っているのは私のみではないはずである。木村たちの『主張』を知りたいと思う好奇心旺盛な読者は、『歴史見直しジヤーナル』の定期購読者になればいい。そうすれば木村も喜ぶことだろう。」


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