『亜空間通信』248号(2002/05/04) 阿修羅投稿を02.12再録

反イスラエルとガス室の嘘主張が共通の仏英「極右」大衆不満迎合派台頭の深層

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『亜空間通信』248号(2002/05/04)
【反イスラエルとガス室の嘘主張が共通の仏英「極右」大衆不満迎合派台頭の深層】

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転送、転載、引用、訳出、大歓迎!

 本日(2002/05/04)の主題の中心は、「国民戦線のルペン党首が大統領選挙の決戦投票に進んだフランス」の深層であるが、その前に再度のご案内:

 4月29日、午後9時、14の電網宝庫発見:

 アメリカのHERO、シンシア・マッキニイがブッシュ政権を厳しく批判する声が聞けるラディオ放送を以下で検索可能:

 fp20020325.ram

 なぜ、再度のご案内をするかと言えば、いまだに、日本の大手メディアが、この情報を伝えていないらしいからである。

 そげなメディアを、信ずるなったら、信ずるな!

 さて、昨日(2002/05/03)、『亜空間通信』247号(2002/05/03)【有事や情報規制だけ騒ぐ井の中安住偽善系左翼蛙に「アフガン侵略反対!」の喝】を、日記風として発した。

 それに続いて、そこで「別途記す」とした前段の「偽善系左翼蛙」の問題点を記すべきところなのではあるが、911以後の今の今、この問題に起因する言論と情報の汚染状況は、日本国内のみに止まらず地球全体を覆っている。しかも、その問題点の指摘の材料となる典型的な事態が、911から半年後の今の今、世間を賑わしているので、それを先に論評する。現況の細部は省き、簡略な記事の一部を引くのみとする。

「極右政党・国民戦線のルペン党首が大統領選挙の決戦投票に進んだフランスに続き、英国でも極右勢力が目立った動きを見せた」(日経、2002.06.04.夕)

 米軍放送傍受情報によると、アメリカ人の解説者は、ルペンを「ポピュリスト」と評している。某都知事並の「人気取り屋」の評価である。しかも、これらの状況の背景事情は、ほとんど報道されていないのである。

「極右」という表現が的確かどうかは別として、いわゆる「極右政党」に関しては、すでに先年、オーストリアの与党とその党首、ハイダーの言動が問題になった。その時の報道にも歪みがあったが、そのオーストリアの与党と同様、上記の仏英の「極右」の双方はともに、かねてから反イスラエルまたは反ユダヤであり、ガス室の嘘、またはホロコーストの嘘を主張しているのである。欧米では、反ユダヤであれば、即、「極右」と決め付けられるのである。

 だからこそ、ガス室の嘘、またはホロコーストの嘘を主張するのは極右であるという「逆もまた真なり」の論理は、まるで子供以下なのであるが、それはさておく。

 ともかく、これらの「台頭中」の勢力に票を投ずる有権者たちは、ホロコーストの嘘に関しても、同意、ないしは少なくとも、その主張を非難したり排斥したりしていないのである。これこそが、かの複雑怪奇かつ陰惨な殺戮の地、ヨーロッパの歴史の20世紀の深層に淀み、21世紀にまで繰り越された不気味な地雷原なのである。この真相を理解できないと、現在の世界の状況の深層の真の理解は不可能なのである。

 なお、反イスラエルまたは反ユダヤ主流の底辺に淀む感情は、アメリカ追随政権への不満でもあり、それが経済情勢の険悪化、911以後のアフガン侵略などの状況下で、増幅し続けているのである。

 これらの悲劇的な展開の中心には、当然、ドイツの状況がある。私は、今から7年前、以下に引く拙著『アウシュヴィッツの争点』の7章の最後で、この問題がもたらすであろう悲劇的な展開を予告した。それが今、幸か不幸か当たっているのだから、自称「嘘発見」名探偵としては、鼻高々となって喜んでいても不思議はないのだが、そこは生まれついての臍曲がりのせいか、むしろ、ちっとも嬉しくなくて不機嫌至極であり、私の主張の発表に妨害を加えた「偽善系左翼」どもに対する憤りが、いや増しに強まるのみなのである。

http://www.jca.apc.org/~altmedka/aus-62.html
過去の過大な賠償金支払いと、現在の過大な精神的負担との類比

[中略]

 七〇年ほど前のヒトラーが台頭した時代のドイツでは、第一次世界大戦の賠償金支払いが経済を崩壊した。その経済的および政治的状態への不満がナチ党発展の火種となった。その教訓から、第二次世界大戦の戦後賠償請求はゆるやかになり、西ドイツは日本と同様の経済的発展をとげた。

 だが、かつての「過大な賠償金支払い」にかわるものとして、現在は「ホロコースト」という「過大な精神的負担」がドイツ人に課せられているのではないだろうか。この「精神的負担」が、もしも虚偽の報道にもとづいているのだとしたら、そして、おおくの「普通の市民層の」ドイツ人が、その虚偽を見やぶる材料と論理を自分のものとしたら、まさに「五〇年前をほうふつとさせる」以上の政治状況がうまれても不思議ではない。

 すでに紹介したように、ドイツで裁判官の解任にまでいたった裁判の判決文にも、「ドイツはホロコーストを理由に、ユダヤ人の政治的、道徳的、金銭的要求にさらされて」いるという認識が明記されている。しかも、そのユダヤ人の「要求」が過大かいなかという以前に、その「理由」が虚偽の主張にもとづくものだというのだから、これはまさに質的な問題である。民族のアイデンティティにかかわる決定的に重大な問題であり、第一次大戦後の事態よりもさらにのっぴきならない不満の材料に発展する要素をはらんでいる。

「アウシュヴィッツの嘘」発言処罰の「禁固刑」を、三年から五年に延長強化したドイツ議会の法律制定行為は、沸騰点に達しつつあるボイラーの安全弁に厳重な溶接の封をかぶせるような愚行のきわみである。爆発のエネルギーは確実に倍加するであろう。

[後略]

 以上で引用終わり。

 なぜ、かつてのナチや日本の軍国主義の台頭期のように、似たような連中が人気取りで増殖するかについては、最早、言うまでもないことである。

 いわゆる体制も経済危機に即応できず、いわゆる左翼や社会主義も有効ではないことが実証された。

 大衆の不満は高まる一方である。そういう時期には、英雄待望論とも言うが、一番原始的な集団意識を煽る民族主義が、簡単に大衆の気持ちを捉えるのである。その際、攻撃の対象となる体制、もしくはその補完物の偽善系左翼が、分かりやすい嘘を付いていれば、それが絶好の発火点となって、上に引いた私の予測通りの「爆発」が起きるのである。

 さあ、さあ、体制よ、偽善系左翼よ、今からでも遅くはない。悔い改めよ!

 以上。


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