<オープン時の様子>

2003年 パキスタン・カラチのスラム地区に職業訓練所がオープンしました

 職業訓練所には電気科(男子生徒)と縫製科(女子生徒)が学んでいます。2003年5月より政府の技術省に登録され、縫製科と電気科の各コース修了後、技術省のテスト受験資格を得られるようになりました。職業訓練に対する親たちの期待も大きく、中途退学者を減らすことにも役立っています。

 スラムに生まれ育った子どもたちが、自らの手で地域社会を変えていく力になれるように・・・  

◆ 電気科

 電気科のカリキュラムは本来、6ヶ月コースですが、2年間かけて7、8年生の男子生徒全員が学んでいます。6ヶ月で集中的に学ぶのではなく、2年間毎日1時間に振り分けることにより一般の授業を受けながら全員が技術を確実に修得し、学べるよう工夫されています。技術省の定めたカリキュラムより実習が多く充実していて確実に技術が修得できることを目指しています。

縫製科

 

 親たちの要望もあり5、6、7年生の女子生徒全員が毎日1時間ジュニア(基礎)コースで学びます。その後8年生からは興味もあり、特に家計を助ける必要がある生徒15名がシニア(応用)コースで技術を学んでいます。女性用民族服の衣類、子ども服など全て作れるようになることを目指しています。

アル・カイールアカデミー

 授業を受けるために並んで教室に向かう子どもたち。
 アル・カイールアカデミーはスラムの子どもたちが通う無料の学校です。

 黒板の前で一生懸命考え、瞳が輝いているシャキリ。
 お父さんはペンキ屋。1日200ルピー稼ぎます。でも毎日仕事があるわけではありません。

 学校前でキャンディーやクッキーを売る駄菓子屋さん。
 1個0.5~2ルピー(1ルピーは約2円)。子どもたちのささやかな楽しみです。
 家でお昼を食べられない子どもたちには無料の給食が支給されています。

 整列して授業を待つ子どもたち。
 アル・カイールでは午前と午後、2部制で授業を行っています。

 アル・カイールの教室。すぐ隣は校長室。
 生徒たちは相談ごとがあると校長室を訪れます。扉はいつも開かれています。

 校庭の片隅で授業の準備をするサイマ先生。7、8、9年生担当。教科は理科。
 アル・カイールには96人の先生がいます。この学校の卒業生もいます。

 高学年になると女性徒と男子生徒に別れて授業をうけます。7年生の授業風景。
 女生徒たちは民族衣装のカミューズ・シャルワールを見に着けています。
 高学年になると家計を助ける為に学校を辞めなければならない男子生徒が後をたちません。

アル・カイールアカデミーの分校 カチラクンディ

 アル・カイールから車で30分ほどの巨大なゴミ捨て場に建てられた分校。
 2002年、ムザヒル校長がゴミ捨て場を訪れ、野焼きされているゴミの煙や大量のハエが舞う中で暮らす子どもたちを知り、すぐに学校を建てました。現在、約300人の生徒が通っています。
 子どもたちは鉛筆や消しゴムも知りませんでした。授業中はハエを払うのが大変です。