設立趣意

 わたしたちはこの地球に住むすべての人々が人間として尊重され、自立し、良い環境の中で平和に暮らしていけることを願っています。

 しかし、現実は格差が広がる一方の「南」と「北」との関係、危機的といえる地球の環境、繰り返される民族紛争など多くの問題を抱えています。

 わたしたち日本人の暮らしは、「南」の国々、またそこに住む人々と深い関係があり、食糧をはじめ資源など生活材の多くをそこに依存することで成り立っています。そして多くの食糧や熱帯雨林木材の消費が、「南」の人々の飢えや貧困、環境破壊を招くことにつながっているのです。

 豊かさの向こうに在る貧困、この地球上に在る不公平な格差に対して、わたしたち自身も無関係ではないことを認識するとともに、わたしたちの消費生活や暮らし方を見直していくことが必要だと考えます。

 日本は多額の税金をODA(政府開発援助)に支出しています。しかし、その中身は本当に困っている人々のためには使われず、対象国の政府や資本家の利益になる形で投資され、新たな貧困を招く構造をもつくり出しています。

 わたしたちは、そのようなODAのあり方に対して批判するとともに、わたしたち自身の手によって「顔の見える人と人との交流」を基本にした継続的な国際交流・国際協力を具体化していきます。

設立経緯

 アーシアン設立のきっかけは、1991年に起こった湾岸戦争による被災市民への支援カンパ活動です。生活クラブの組合員を中心に集められた支援金を、いざとなると何所にどのように渡したらよいのか迷い、またその支援金がどのように使われ、その後どうなったのか、その結果を直接目にすることは出来ませんでした。

 わたしたちは国際支援のありようを問い直すと同時に、悲惨な戦争や貧困を無くすために、国や文化、宗教などさまざまな違いを越えて普段から人と人とが出会い、違いを認め合いながら理解を深めていくことこそ必要なのではないかと考えました。

 そして生活クラブの共同購入運動、代理人運動、ワーカーズ・コレクティブ運動を通して学び実践してきた「他人任せにしないで自分たちで考え行動する活動」を、国境を越え、地域から地域へ、市民から市民へと呼びかける国際交流の仕組みづくりを始めたのです。

 生活クラブ生協、市民ネットワーク、ワーカーズ・コレクティブの3団体を母体として設立準備委員会を結成し、連続学習会を持ちながら賛同者を募る活動を続け、1993年3月に「地球市民交流基金・ EARTHIAN 」を設立しました。

NPO 地球市民交流基金 EATHIAN 「アーシアン」 名前の由来
 国や地域、文化や宗教も越え、みんなひとつの地球に住んでいる「地球市民」である、という意味をこめて「EARTHIAN」(地球人)と名付けました。