Racak(ラチャク)村「虐殺報道」検証(24)

ユーゴ戦争:報道批判特集 / コソボ Racak検証

先のユーゴ戦争mail&HPに注記

1999.9.24

1999.9.22.mail再録・増補。

 先に、「NHK経営広報部から『録画を見せる』の回答」の題で、本年2月3日放映、NHK衛星第1夜10:00~11:00BS22「報告:コソボ憎しみと対立の構図」を、同部内の試写室で見せる旨の電話回答を得た件を記したmailについて、以下の部分の記述の仕方について、下記の「木村元彦さん自身」から1999.9.20.深夜直前、長時間にわたる電話がありました。

 全文は:http://www.jca.apc.org/~altmedka/ron-35-fry.html

[前略]ヴィデオ映像撮影者の木村元彦さん自身は、別の集会でも「虐殺だと思った」と語ったという報告があり、私に対しても直接、その発言の事実を認めました。その際、私が、別途HP資料の共同通信配信記事、死体の検死結果、簡単に言うと、40の内37遺体から銃撃をした証拠となる化学物質を検出、を話したところ、絶句してしまったのです。

 私は、この件で、「それまでに死体を見たこともない素人が、検死結果も見ずに虐殺と判定できるようなら、コロンボ刑事は失業する」と記しました。[後略]

 木村元彦さんは、ご自分ではインターネットしていないので、友人から聞いてHPを見たとのことでした。そして、「『絶句』はしてはいない。知らなかったと言った」と主張します。私は、某東芝HP事件の場合とは違って、電話の録音などはしていませんから、細部の確認はできません。私は、比較的大声を出す元気の良い若者の木村元彦さんが、急に静かになったので、その全体の印象を「絶句」と表現したのですが、木村元彦さんは、「絶句と表現されると[私の注:上記の死体の検死結果に基づく私の主張を]認めてしまったと受け取られる」と主張します。かなり長時間の電話の会話の結果、私は、他の前例と同様に、本多勝一流の「改竄」を疑われる書き直しはせずに、以上の木村元彦さんの主張を明記し、注釈を加える約束をしました。

 なお、わがHPを正確に読んで頂ければ、お分かりのように、私が批判しているのは、木村元彦さん個人ではありません

 私が常日頃と同様に批判しているのは、元戦犯、つまり、戦前からの大手出版社の講談社発行の『フライデー』や、やはり戦前からの独占電波メディアのNHKの最新技術による有料衛星放送が、千人、万人規模の高給鳥を養いながら、そして、受け手には世界中の情報を正確に捕らえているかのように思わせながら、ご同業の、ご同様の、マスメディアの影響を受けやすい素人同然の若者の思い違いを指摘できる立場にありながら、むしろまるで審査もせずに採用し、「髪の毛もよだつ(hair-raising)」による販売競争、有料視聴者確保競争に、なりふり構わず走り、結果として善意の情報提供者に恥を掻かせてしまったことなのです。

 もしも、この件で、講談社やNHK高級鳥たちが、報道の誤りを認めず、しかも、情報提供者に罪をなすりつけて口を拭うようであれば、そんな連中を楽しかるべき地獄の旅の道連れにするのは不愉快ですから、そうはしません。彼等は、私が生きている限り、付け狙われることを覚悟すべきでしょう。

 ああ、これでまた、敵が増えました。この刺激こそが若さを保つ最高の秘訣なのです。戦後のワンマン首相、吉田茂の真似をして、「人を食うのが良い」と勧める人もいるのですが、間違ってニコチン中毒患者を食ったりすると、不味いだけで済まずにアレルギー頓死するといけませんので、それは止めます。呵々。

 木村元彦さん個人については、ユーゴ空爆反対の運動を「ミール[平和]の会」として展開している折に知り合ったので、その点は高く評価しています。今度の電話でも、是非ともラチャク村事件の再調査をしてほしいと要望しました。それを期待しています。

以上。


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