2012年05月20日
第274回 京都・劇団員の〈窃盗〉実名報道被害
人権と報道・連絡会の第274回定例会が5月11日夜、水道橋の東京学院で開かれ、約30人が参加した。テーマは「京都の劇団員の〈窃盗〉実名報道被害」検証。
昨年10月、京都市内で劇団員Kさんら2人が、窃盗犯人と誤認され、逮捕される事件があった。芝居の小道具に使えそうな水槽が道端に捨ててあると聞いて探すうち、泥棒と間違われたもの。2人は取り調べで事情を説明し、2日後に釈放されたが、『産経新聞』『読売新聞』が、Kさんの逮捕を実名で報道(1人は未成年で匿名)。『産経』は調書にもない「自白」まで作って面白おかしい記事に仕立て、それがネットにも流れて広がったため、Kさんらは劇団公演ができなくなる事態に追い込まれた。例会では、Kさんらが「事件」の経過、『産経』などの報道内容と実名報道による被害について報告。それを受けて、警察情報を垂れ流す「実名犯人視報道」の実態と問題点について討論した。
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次回定例会予告 2012年6月
次回定例会は6月29日(金)午後6時30分から、水道橋の「スペースたんぽぽ」(千代田区三崎町/ダイナミックビル4階)で。テーマは、「東住吉事件・再審開始決定と報道」。
1995年7月、大阪市東住吉区で小学生女児が焼死し、母親・青木恵子さんとその夫・朴龍晧さんが「保険金殺人」容疑で逮捕・起訴されました。2人は裁判で無期懲役が確定しましたが、その再審請求審で大阪地裁は3月7日、再審開始を決定しました。例会では、逮捕直後から無実を確信し、弁護活動に取り組んできた主任弁護人の斎藤ともよ弁護士から、事件と裁判の経過、再審決定の内容について報告していただきます。
この事件で2人は逮捕直後、犯行を認めるかのような虚偽自白を取られ、青木さんは「保険金目当てに娘を殺した鬼母」などと報道されました。2人は、裁判では一貫して否認。弁護団は「火災の原因は放火ではなく、車庫内で車から漏れたガソリンに風呂の種火が引火した事故」と主張しましたが、一~三審は自白をほぼ唯一の証拠に有罪と認定しました。弁護団は昨年、数百万円を投じて大規模な火災再現実験を行い、ガソリン漏れによる出火を立証。大阪地裁も事故の可能性を認め、再審開始を決定したものです。大阪地検が即時抗告し、再審開始にはまだ少し時間がかかりそうですが、福井女子中学生殺人事件に続く再審開始決定は、北陵クリニック事件などの再審請求にも弾みを与えそうです。
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2012年04月28日
第273回 光市事件最高裁判決とその報道検証
人権と報道・連絡会の第273回定例会が4月20日夜、水道橋「スペースたんぽぽ」で開かれ、約20人が参加した。テーマは「光市事件最高裁判決と報道」。
山口県光市で母子を殺害したとして殺人罪などに問われ、差し戻し審で無期懲役から死刑になった元少年の上告審で、最高裁第一小法廷(金築誠志裁判長)は2月20日、上告棄却の判決を言い渡した。事件当時「18歳と30日」の死刑、裁判官1人が死刑に反対するなど異常な判決となったが、大手メディアは判決の問題点より、被害者遺族の感想や元少年のプライバシーに焦点を当て、ほぼ一斉に元少年の実名(旧姓・新姓)を報道、一部は顔写真まで掲載・放送した。例会では、判決後、元少年に面会した浅野健一さんが面会での様子と判決・報道の問題点を指摘。さらに、同志社大学浅野ゼミの長畑雪香さん、尾茂井京さんが、判決に関するテレビ報道を詳細に分析した結果を報告した。
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2012年03月30日
第272回 北陵クリニック事件の再審請求と報道
人権と報道・連絡会の第272回定例会が3月19日夜、水道橋「スペースたんぽぽ」で開かれ、約40人が参加した。
テーマは「北陵クリニック事件再審請求と報道」。仙台市の北陵クリニック准看護師・守大助さんが2001年、「患者の点滴に筋弛緩剤を混入した」として5件の殺人・殺人未遂の罪で起訴され、08年に無期懲役判決が確定した事件で、守さんと弁護団は2月10日、仙台地裁に再審請求した。主な新証拠は、①「筋弛緩剤の成分が出たという科捜研鑑定は誤り」とする志田保夫・元東京薬科大学教授の鑑定意見書②「小6女児の容体急変の原因は筋弛緩剤ではなく、ミトコンドリア病メラス」とする池田正行・長崎大学教授の意見書③「自白は誘導・強制されたもの」とする浜田寿美男・奈良女子大学名誉教授の意見書の3点。
阿部弁護士は、「本件は科学だけで勝負できる事件。私たちはずっと科学裁判をやれと言ってきたが、裁判所は拒否してきた。新証拠は科学で守君の無実を明らかにした。すっきりした再審ができると思う」と話した。
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