ニュース・ダイジェスト 2010年

2010年12月04日

第259回 尖閣問題・国家エゴ煽動報道について

 人権と報道・連絡会の第259回定例会が11月22日夜、水道橋の東京学院で開かれ、約50人が参加した。テーマは「尖閣列島/釣魚諸島沖の中国漁船拿捕とナショナリズム煽動報道」。
 9月7日、この海域で海保巡視船が中国漁船を追尾・拿捕して以来、大手メディアは中国漁船と中国を非難する報道を繰り返し、地検が船長を釈放すると政府の「弱腰外交」非難の声が高まって、日中双方で「反中国」「反日」デモが起きるなど、日中関係がいっきに悪化した。一連の報道は「尖閣列島は日本の固有の領土」とする政府見解を前提にしたもので、中国側はどのような主張をしているのか、全く報じられていない。例会では、『尖閣列島・釣魚島問題をどう見るか』の著書などで日本政府の見解に疑問を投げかけてきた横浜国大教授・村田忠禧さんから、漁船拿捕以降の一連の問題をどう考えるか、どう解決すべきか、報道の問題点とともに報告していただいた。

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2010年10月24日

第258回 「郵便不正」冤罪事件と検察の腐敗に関する報道

 人権と報道・連絡会の第258回定例会が10月18日夜、水道橋の東京学院で開かれ、約40人が参加した。テーマは「郵便不正」冤罪事件と報道。障害者団体幹部が郵便料金割引制度を悪用しようと国会議員に働きかけ、その口利きで部下に偽造証明書を発行させたとして、厚生労働省の村木厚子局長が虚偽有印公文書作成などの罪で起訴された事件で、大阪地裁は9月10日、村木さんに無罪判決を言い渡した。検察は控訴できず、村木さんは厚労省に復職した。
 事件はその後、大阪地検特捜部の主任検事が証拠のフロッピーデータを改ざんしていたことが明るみに出、当時の特捜部長、副部長も逮捕される事態に発展した。例会では、『週刊朝日』誌上でこの冤罪を追及し、9月に『私は無実です――検察と闘った厚労省官僚 村木厚子の445日』(朝日新聞出版)を出した今西憲之さんと大貫聡子さんから、検察が事件を捏造し、それにあわせて関係者に虚偽自白させた手口、そのリークで村木さんを犯人視した報道の問題点などについて報告を受けた。

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2010年10月01日

第257回 SLAPP(口封じ訴訟)めぐって

人権と報道・連絡会の第257回定例会が9月13日夜、水道橋の東京学院で開かれ、約30人が参加した。テーマは「スラップ訴訟とどう闘うか」。ジャーナリストの烏賀陽(うがや)弘道さんに報告していただいた。
「スラップ=SLAPP」とは、「市民の公的意見表明の妨害を狙って提訴される民事訴訟」という米国で生まれた法概念。1980年代以降、米国で環境問題などの住民運動が活発化する中、企業などが運動つぶし・言論封じの名誉毀損・業務妨害などの民事訴訟を頻発させたのに対し、90年代以降、米国各州でスラップ被害防止の法整備が進んできた。
日本でも近年、このスラップ=市民への口封じ訴訟が急増。烏賀陽さん自身、月刊誌の取材に「オリコン」ヒットチャートに関して質問に答えたところ、オリコン社から口封じのために名誉毀損で訴えられ、膨大な費用・エネルギーを浪費させられた。今春、自費で米国のスラップと法整備の実情を取材した烏賀陽さんは、その取材結果の報告と併せ、報道被害・メディア訴訟との関連についても問題提起した。

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2010年08月07日

第256回 沖縄・普天間基地問題報道検証 

  人権と報道・連絡会の第256回定例会が7月12日夜、水道橋の東京学院で開かれ、約30人が参加した。テーマは「沖縄・普天間」報道検証。
 6月中旬、現地を取材・調査した浅野健一さんと同志社大学浅野ゼミの院生・学生、『琉球新報』東京支社報道部の滝本匠記者から報告を受けた。浅野さんとゼミ生は、「普天間基地」のある宜野湾市の伊波洋一市長、「辺野古」でヘリ基地建設反対運動に取り組む人たち、地元メディアの記者たちからの聞き取り調査をもとに、「普天間基地を辺野古に」とした鳩山政権の日米合意、それを引き継いだ菅政権に対する怒り、さらに沖縄の基地問題の本質を伝えず、米国と官僚の主張を垂れ流す本土メディアへの批判の声を詳しく報告した。また滝本記者は、鳩山前首相が学んだという「沖縄の海兵隊の抑止力」の虚構を徹底的に批判、本土メディアが「普天間基地撤去」の「第3の壁」となっている現状について話した。

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2010年06月29日

第255回 名古屋の実名報道被害の経緯

 人権と報道・連絡会の第255回定例会が6月21日夜、水道橋の東京学院で開かれ、約20人が参加した。テーマは「名古屋・実名報道被害」事件。
 今年2月、神奈川県在住の起業家男性Tさんが、愛知県警中署に「偽造有印私文書行使」容疑で逮捕された。民事訴訟に絡み、「連帯保証人欄に別の女性の氏名が記載され、印鑑が捺印された偽造の経営委託契約書を真正に契約されたように装って提出した」という容疑。警察・検察はTさんを逮捕して22日間勾留して自白を強要したが、容疑は全くの事実無根で、名古屋地検は不起訴処分、釈放せざるを得なかった。背景には、仕事に絡んでネットで誹謗中傷されたTさんが名誉毀損で告訴していた問題があったが、『朝日』『毎日』『中日新聞』の3紙は、警察発表を鵜呑みに実名・犯人視報道、重大な被害を与えた。Tさんは例会で、逮捕・報道の概要とともに、現在取り組んでいる報道被害との闘いについて報告した。

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2010年06月03日

第254回 警察庁長官銃撃事件の公安部長会見と報道検証

 人権と報道・連絡会の第254回定例会が5月24日夜、水道橋の東京学院で開かれ、約30人が参加した。テーマは「警察庁長官銃撃事件・公安部長会見と報道」。事件の時効が成立した3月
30日、青木五郎・警視庁公安部長が記者会見で「オウム真理教の信者グループが教祖の意思の下に、組織的・計画的に敢行したテロ」と発表、警視庁HPに14ページの「捜査結果概要」を掲載した。
 この無罪推定原則を否定した警視庁会見・HP掲載に対し、アレフは3月31日付で池田克彦・警視総監に抗議書を送り、ウェブサイトから「概要」を削除するよう申し入れ、4月9日には東京都公安委員会に「苦情」を申し立てた。
 例会ではアレフの荒木浩さんが、警視庁の一連の行為を新たな事件=「時効後犯人断定事件」と位置づけ、見込み捜査・違法な取調べなど「事件」の経緯、会見と「概要」の問題点、今後の対応について報告した。また事務局の山口が、警視庁会見を批判的に伝えたメディアが銃撃事件捜査をどのように報道してきたかを検証・問題提起した。

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2010年04月26日

第253回定例会 布川事件の再審開始確定と報道について

 人権と報道・連絡会の第253回定例会が4月19日夜、水道橋の東京学院で開かれ、約40人が参加した。テーマは「布川事件再審決定と報道」。
 1967年、茨城県利根町布川で起きた「布川事件」で無期懲役判決を受け、受刑させられた桜井昌司さん、杉山卓男さんが起こした再審請求について最高裁は昨年12月、再審開始を決定した。例会では、再審弁護団の秋元理匡弁護士が事件と裁判、再審開始決定に至る経過、その間の報道、再審公判に向けた取り組みなどについて報告。当事者の2人からも、冤罪被害体験と再審への思いをお話しいただいた。検察が「有罪を立証する」という再審公判について、桜井さんは「彼らが抵抗するほど、自分たちは『こんなことを許していいのか』と、皆さんに話すことが増える。どんどんやってください」と意気軒昂。杉山さんは「裁判所には、事実を見て判断を下すように変わってもらいたい。布川事件は自白が大きい証拠。この事件で勝つことで、他の冤罪と闘う人たちの希望の光になりたい」と訴えた。

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2010年04月04日

第252回 沖縄・南風原町強盗致傷事件冤罪と報道

 人権と報道・連絡会の第252回定例会が3月29日夜、水道橋の東京学院で開かれ、約30人が参加した。テーマは「沖縄・南風原町冤罪事件と報道」。
 昨年4月、南風原町でパチンコ店景品交換所が襲われる強盗事件が発生、沖縄県警は約2か月後、同町の赤嶺武さんを強盗致傷などの容疑で逮捕した。武さんは任意取り調べで「自白」したとして実名・犯人視報道されたが、弁護士の接見後に否認、黙秘。那覇地検は7月、武さんを処分保留で釈放した。ところが地検は7か月後の今年2月、武さんを起訴、武さんは再び勾留され、2日後に保釈されるという「異例の展開」となった。
 例会には当初、赤嶺さん夫妻に来ていただく予定だったが、妻・妙子さんが体調を崩したため、代わって3月下旬に現地を取材した山口正紀世話人が事件・捜査の経過、報道の問題点などを報告した。この事件は典型的な「自白強要の冤罪」だが、昨年の「処分保留」には沖縄における「裁判員裁判第1号」にはしたくない検察の思惑も見え、「裁判員裁判と事件報道」の新たな問題点も浮上している。

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2010年03月06日

第251回 三浦和義さんに対するロス疑惑再燃報道で提訴

 人権と報道・連絡会の第251回定例会が2月22日夜、水道橋の東京学院で開かれ、約40人が参加した。テーマは「ロス疑惑再燃報道とメディア訴訟」。
 2008年2月、ロス市警がサイパンで三浦和義さんを拘束した際、メディアは日本で無罪が確定した三浦さんに対する米捜査当局の不当拘束を批判するどころか、《27年目の「新証拠」注目》(『朝日新聞』)などと犯人視報道を繰り広げ、「ロス疑惑」報道を再燃させた。
 三浦さんはロス移送直後に急逝されたが、ご遺族は「自殺はありえない」と真相究明を求めている。ご遺族は「再燃ロス疑惑報道」に対して「絶対に許せない」と、提訴の意思を弘中惇一郎弁護士に伝え、弘中さんを中心とする15人の弁護士チームは昨年末からメディア訴訟を本格化。メディアの人権侵害と闘い抜いた三浦さんの遺志を継ぐ新たな闘いが始まった。例会では弘中弁護士から、これまでに訴えた『朝日新聞』、大澤孝征弁護士(テレビ発言)、「YAHOO!」、『日刊ゲンダイ』の4件について概要・争点を報告していただいた。

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2010年02月01日

人権と報道・連絡会2月の定例会(予告)

 次回定例会は、2月22日(月)午後6時から水道橋・東京学院で。テーマは「ロス疑惑報道とメディア訴訟」。昨年11月定例会で予定し、報告者の調整がつかず変更になったテーマです。今回は、刑事裁判以来、故・三浦和義さんを支え続けてこられた弘中惇一郎弁護士から、一連の訴訟について報告していただけることになりました。
 ニュースで何度か報告したとおり、一昨年2月のロス市警による不当な身柄拘束の後、三浦さんやご家族の名誉・プライバシーを侵害した報道が相次ぎました。ご家族に対する人権侵害報道については昨年来、いくつかのメディア訴訟が提起され、すでに一部の訴訟で判決が出ています。さらに昨年末には、三浦さん本人の名誉を毀損し、プライバシーを侵害した報道に対する訴訟も始まりました。例会では、ご遺族の代理人として一連の訴訟の中心になっておられる弘中さんから、これまでの訴訟の結果・経過と、今後提訴する予定の訴訟の概要・争点などを報告していただきます。
 三浦さんは生前、拘置所の中から巨大メディアを相手に「本人訴訟」を起こし、報道被害に関する新たな判例を次々引き出しました。サイパンでの不当極まりない身柄拘束から早くも2年になります。私たちは三浦さんの無念を思い、その遺志を受け継いで、ご遺族によるメディア訴訟をできる限り支援していきたいと考えています。皆さんの注目、ご支援をぜひお願いします。

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第250回 飯塚事件再審請求と報道検証

 人権と報道・連絡会の第250回定例会が1月25日夜、水道橋の東京学院で開かれ、足利事件で再審中の菅家利和さんも含めて約40人が参加した。テーマは「飯塚事件再審請求と報道」。
 1992年に福岡県飯塚市で起きた小1女児2人の殺害事件で逮捕され、一貫して無実を訴えながら有罪・死刑判決が確定した久間三千年さんが08年10月、確定後わずか2年で執行された。確定判決は、足利事件と同じ警察庁科警研のDNA型鑑定を主な証拠としたものだが、足利事件再審請求でDNA型鑑定の誤りが明らかになった時期に死刑執行が強行された。再審請求準備を進めていた久間さんの「口封じ」ともいうべき暴挙で、ご遺族は執行1年後の昨年10月28日、「DNA型鑑定は誤り」とする鑑定を新証拠として福岡地裁に再審請求した。例会では再審弁護団共同代表の徳田靖之弁護士が、事件・捜査・報道・裁判と再審請求の概要を報告。科警研鑑定のでたらめさ、逮捕当時の犯人視報道、DNA型鑑定をうのみにした裁判所の姿勢を厳しく批判した。

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2009年12月30日

人権と報道・連絡会 新年1月の定例会(予告)

 次回定例会は、1月25日(月)午後6時から水道橋・東京学院で。テーマは「飯塚事件再審と報道」。
 92年、福岡県飯塚市で起きた小学1年生の女児2人の殺害事件で逮捕され、死刑判決が確定した久間三千年さんが昨年10月、確定わずか2年で執行されました。
 これに対して久間さんのご遺族が09年10月28日、「DNA鑑定は誤りで無罪」として、福岡地裁に再審を請求しました。この鑑定は、足利事件とほぼ同時期に警察庁科警研が実施したもので、その信用性が再び問われ始めた中での執行には「再審つぶし」の疑惑が高まっています。例会では、弁護団共同代表の徳田靖之弁護士から、再審請求の概要を報告していただきます。

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