冤罪事件 ロス疑惑

2009年11月02日

三浦和義さん一周忌の集い--ロスの動き、報道の状況などを検討

三浦和義さんが昨年10月11日(現地時間10日)、ロス市警本部留置場で急逝されてから早くも1年。昨年2月のサイパンでの身柄拘束以来、三浦さんの救出を目指して活動してきた「三浦和義氏の逮捕に怒る市民の会」の呼びかけで10月12日、「三浦和義さん一周忌――事態の進展を願って」の集いが水道橋・東京学院で開かれ、三浦さんと交流のあった約20人が参集した。
司会の客野美喜子さんが「三浦さんが亡くなられて1年。皆さんが、ほんとうに無念だったろうと胸を痛め、無念を晴らすには真相解明しかないと活動してきました。一周忌を迎え、今後の事態の進展を願って話し合いたいと思います」とあいさつ。参加者全員で1分間の黙祷を捧げ、三浦さんのご冥福を祈った。集いでは、現地ロスの状況、この1年間の主な報道、昨年2月以来の新たな人権侵害報道に対するメディア訴訟の現状など、約3時間にわたって話し合った。

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2008年12月20日

【閲覧室】三浦和義さんの“遺稿”対談集『敗れざる者たち』出版

 三浦和義さんの最後の著書となった『敗れざる者たち――「後ろ指さされ組」の記録』(ぶんか社/1429円+税)が出版された。共著者の放送作家・河村シゲルさんとともに20数回にわたって開いたトークショーの中から、8人のゲストとの対談の記録を一冊にまとめたもの。
 9月5日、サイパンの独居房で書かれた「まえがきにかえて」は、《この本が書店に並ぶころには、僕は日本に戻り、今までどおりの平穏な生活に戻っていることを想像しつつ、静かな心で合掌です》と結ばれている。それから約1か月後、三浦さんはロスで「帰らぬ人」となった。この本は〈冤罪・報道による人権侵害〉と約25年間にわたり、真正面から闘い続けてきた三浦さんの「遺稿」になった。
 読者は、目次に並ぶ対談相手8人の名前・肩書きを見るだけで、三浦さんという人の交遊の幅広さに驚かれるだろう。新右翼「一水会」顧問・鈴木邦男さん、元連合赤軍の植垣康博さん、和歌山カレー事件・林眞須美さんの夫・健治さん……。その他、元警視庁刑事、民族派右翼、住吉会系組長、冤罪を訴える元受刑者など、世間から「うしろ指」を指されてきた人たちばかりだ。
 彼らと縦横無尽に語り合う三浦さんは、まさに「後ろ指さされ組」の「組長」格だ。《一方的に虚像を創るマスメディアが毎回、被告席にあったようなトークライブ》(まえがき)での三浦さんの姿は、旺盛な好奇心、膨大な読書量に裏打ちされた驚くほどの知識、人への稀有な優しさ、温かい眼差しを感じさせる。
私は読んでいる間、8月にサイパンの拘置所で面会した別れ際に「じゃ、今度は東京で」と手を振った三浦さんの声が何度も甦り、改めて「三浦さんを殺した」日米警察とメディアに対する怒りが呼びさまされた。
《三浦和義という男がいかに敗者・弱者のために尽力し、優しさとユーモアと崇高な志で人生を切り開いて行こうとしていたのか、その男の素顔を見出していただけたら幸いです》――河村さんの言葉に、「ほんとうにそうだ」と思った。(山口正紀)

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2008年07月03日

【特別報告】三浦さん問題の現状について国会議員会館で集会

 三浦和義さんが2月22日、サイパンで身柄拘束されて4か月経った。日本の裁判で無罪判決が確定した人が米国で同じ罪状で逮捕され、その「逮捕状の有効性」をめぐる審理の間も身柄を拘束され続けるという異常な事態。これには「一事不再理」の原則がなぜ適用されないのかという問題、「犯罪」と「予備行為」を切り離して処罰する米国の「共謀罪」が大きく関連するとともに、日本政府の「邦人保護責任」の問題も問われている。
 こうした事態を打開し、三浦さんの早期解放を実現しようと、「三浦和義氏の逮捕に怒る市民の会」の呼びかけで6月9日午後、「一事不再理と共謀罪を考える院内集会」が衆議院第二議員会館会議室で開かれた。集会では、ロス・サイパンの弁護士と連携して三浦さんの解放に取り組む弘中惇一郎弁護士、「一事不再理と共謀罪」の法的問題で積極的に発言してきた新倉修・青山学院大学法科大学院教授、1984年の「ロス疑惑」報道以来、メディアの「報道犯罪」を指摘・批判してきた浅野健一・同志社大学教授の3人が、それぞれの専門の立場から問題提起した。また、共謀罪反対運動に取り組んできた社民党の保坂展人衆議院議員も集会に参加、共謀罪をめぐる国会の議論の現状を紹介するとともに、三浦さんの身柄拘束問題に大きな関心を寄せていると話した。以下、院内集会で行なわれた討論の概要を報告する。

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2008年03月31日

特報 3/20三浦和義氏の逮捕に怒る緊急集会

 2月22日、米警察がサイパン島を訪れていた三浦和義さんの身柄を拘束し、「ロス疑惑」という権力・報道の合作犯罪が再燃した。15年近くも不当な獄中生活を強いられ、裁判で無罪が確定した人を、なぜ米警察がもう一度逮捕するのか。刑事司法の原則「一事不再理」を真っ向から踏みにじる暴挙に対し、さまざまな冤罪事件で三浦さんの助言・支援を受けてきた人たちの呼びかけで「三浦和義氏の逮捕に怒る緊急集会」が3月20日午後、都内で開かれた。集会には約60人が参加、裁判で無罪を確定させた旧弁護団の弘中惇一郎弁護士も駆けつけて事件と裁判の経過を説明。各発言者が三浦さんの即時釈放を訴えるとともに、今後の支援活動について話し合った。

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