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「アメリカ追随」外交&イラク爆撃報道批判

日本はアメリカのお婆ちゃん子  1999.1.1


 国際共産主義の歴史の中で「フランス共産党はクレムリンの長女」と呼ばれてきた。

 ソ連崩壊後のことはさておき、昨年10月15日発行の拙訳・解説『偽イスラエル政治神話』の原著者、ロジェ・ガロディは、そんなフランス共産党の政治局員として、イタリア共産党の構造改革路線との論争では「立て役者」の位置付けだったが、1970年に「ソ連は社会主義ではない」と言い出し、それが原因で1972年に除名となった

 私が昨年正月に傍聴したパリ地裁の法廷での証言で、ガロディは胸を張り、以上の経過についても自分の正しさが立証されたと主張していた

 フランス人は、ヨーロッパ文化の中心のつもりでいるから、万事につけて誇りの高い。場合によっては鼻に付く。「長女」という表現には、そんなプライドの高さを誇示するかのような有名ブランド香水の匂いが、まとい付いているようだ。

 そんな風な誇り高い「長女」に比べると、日本のアメリカに対する態度は「お婆ちゃん子」風で、その匂いは、独立心のない、だらしない小僧っ子の薄汚い水っ鼻のようだ。たとえインターネットで逆立ちしても、この国を「わが国」と呼ばなければならない宿命からは逃れることは不可能なのだから、実に情けない。

 どこが特に「お婆ちゃん子」らしいかと言うと、たとえば、昨年末のイラク爆撃に際しての日本政府の迎合振りと、それに歩調を合わせるアメリカべったりの大手メディアの報道振りである。

 最早、呆れを通り越して白けっ放し。またかの思いで、米軍放送に入ってくる各種ラディオ報道を聞いていたら、いつものことながら、これも場合によりけりなのだが、この場合は、アメリカでの報道の方が日本よりもましだったのである。

 そこで、やはり、これもいつものことながら、陳腐極まるとはいえ、「日本はアメリカの51番目の州」という表現が浮かんできた。

 だが、同時に、イスラエルをやはり51番目の州とする表現との落差の激しさにも思い至った。シオニスト・ロビーは、アメリカの政治の鼻を引きづりまわしているのだ。

 いっそのこと、イスラエルを51番目ではなくて、逆に、0番目の州に昇格させた方が実態に合っているのかな、などと、いささか漫才風に考えあぐね、最後は、時間潰しもいい加減にせいと自分を叱ることで、やっと落ちを付けた。

アメリカのラディオ報道の具体例要約

 アメリカとの比較でフランスの報道例を垣間見ると、まずイラク爆撃は「最悪の選択」としており、視察団長バトラーの国連を無視した行動への批判しきりである。

 アメリカのラディオ報道では、そういうフランスなどの反応を一応、日本の報道よりは詳しく紹介「している。

 ABCの著名ニューズコメンテーター、ポール・ハーヴェイは、元査察団員スコット・リッターのバトラー批判を紹介し、その批判を「現在のところ、アメリカ政府は公式に取り上げていない」と解説していた。

 つまり、暗に、政府が取り上げるべき批判だと示唆していることになる。すでに、このような有力な内部告発まで出ているのだから、査察という行為自体についての疑問を含めて、根本的な見直しが必要なのである。

 査察問題については別途、わがホームページを参照されたい。下記リンクで直接到達し、先方にも、またこの頁に戻れるようにリンクを張ってある。

キーワード「査察」への大疑問

 アメリカのラディオ報道では、サダム・フセインの「勝利宣言」も紹介し、それに続いて、「爆撃は失敗」と論評する専門家にも、かなり詳しく語らせている

 公共放送、National Public Radio(NPR)が、どちらかと言えば公平な感じで、アラブ諸国の反応もかなり詳しく伝えている。

 そういう事実との比較で、日本の報道を端的に表現すると、アメリカ一家の親父、お袋、兄弟姉妹、親戚一同、それぞれの角度からの意見交換よりも、一番頑固な昔気質のお婆ちゃんのスカートにしがみついたまま、同じ台詞を片言で繰り返すのみという感じなのである。

レバノン南部の実弾応酬と「安全保障地帯」

 イラク爆撃の直後、イスラエル空軍が「誤って」レバノン南部の民家を爆撃し、「女性と6人の子供」を殺した。

 いかなイスラエルと言えども、これは具合が悪い。「パイロットが操作を誤った」と口頭で謝罪したが、レバノン南部の「ヒズボラ」軍だけではなく、アラブ諸国は、こぞって承知しない。イスラエルが「何度も同じことをしている」からである。当然、報復のミサイル爆撃が行われ、それにまたイスラエルが報復した。

 以上の経過は、イスラエルを0番目の州に頂くアメリカのラディオ放送では、定時ニューズのトップ項目だった。ところが、レバノン南部と境を接するゴラン高原に出兵している日本では、ベタ記事にもならない

 最悪の事態は、以上の紛争地帯を日本の報道で、単に「安全保障地帯」と呼び続けていることだ。

 アメリカのラディオ放送では一般に、「いわゆる」(so called) と形容している。時々は、「(イスラエルが)一方的に宣言した」と言う意味の「自己宣言」(self declared)とする場合もある。事実は、イスラエルが何度も国連総会決議で非難されながら、不法占領を続けている地帯なのである。

 特に重要なのは、この地帯が、同じく不法占領地帯のゴラン高原と同様に、「リタニ川」を含む水源地帯だということである。

「水源地帯」の歴史的問題点については、わがホームページの下記リンク項目に要約紹介してあるので、参照されたい。その最後にも、この頁に戻れるリンクを張ってある。

イスラエルはなぜゴラン高原を奪ったか

 ああ、ともかく、情けない、情けない。

「正月は冥途の旅の一里塚、めでたくもあり、めでたくもなし」

 以上で1999年元旦の「愚痴」書き初め終わり。