電子手紙の送信日付け順・注釈付き一般公開文書館 2001年6月

「歴史見直し論は今やイスラエルの最重要の敵」と題するアメリカのシオニスト機構電網腐庫研究

送信日時 :2001年 6月 15日 金曜日 10:36 PM

件名 :[pmn 15277] 歴史見直し論は今やイスラエルの最重要の敵

 先にも、「偽」イスラエルの大手メディア報道を、裏返しに読むと、パレスチナ側の「ホロコーストの嘘」批判を伝えてしまっている実例を紹介しました。

 今回は、「偽」イスラエルを支持するアメリカのシオニスト機構の電網「腐」庫の検索結果を編集したアメリカの歴史見直し論者の論評を紹介します。それにしても、なぜ、日本赤軍とかの半気違いとか、その心情的な支持者でパレスチナ問題を独占したがる連中とかが、こういう報道の事実を日本に伝えていなかったのか、実に不思議、いや、あんな阿呆どもなら無理もないのかな、というのが、私の感想です。

歴史見直し論は今やイスラエルの最重要の敵

[ ] 内は訳者、木村愛二による註

 以下の『背景報告書』は、イスラエルの情報源に基づくもので、最近(1998年7月)、パレスチナ人に対しての苦情を支持するZOA [ Zionist organization of America. アメリカのシオニスト機構:電網「腐」庫は下記 ] によって広められた。

アメリカのシオニスト機構の電網「腐」庫

アラファトとパレスチナ当局による大虐殺否定と歪曲

 アラファトのナンバーツーは、ナチスに殺されたユダヤ人は、600万ではなくて、100万だと語る。アラファト政権のナンバーツーで、オスロ合意の立案者、モハムッド・アッバス(アブー・マーゼン)は、ナチが本当に殺したユダヤ人は100万人未満で、「シオニスト運動はユダヤ人の虐殺のパートナーであった」と主張している本の著者である(1995年1月26日、エルサレム・ポスト)。

パレスチナ政権当局がホロコースト否定論者を代理し公開集会を先導

 パレスチナ政権通信大臣イマッド・アル・ファルージとパレスチナ政権総書記アーメド・アドベル・ラーマンは、ホロコーストを否定したためにフランスの刑法に触れる犯罪を犯したとして告発され、パリで公判中だったロジェ・ガロディを支持する示威運動の組織者たち、すなわち、著名なパレスチナのアラブ人指導者の仲間に加わっていた。ガロディは、ナチが、ユダヤ人に対して若干の「ポグロム」を犯しただろうが、ジェノサイドではなかったし、600万人ものユダヤ人を殺してはいないと語った。

 1998年1月19日にガザで開かれたガロディ支持者たちの集会において、大臣ファルージは、次のように語った:

「我々は、イスラム教徒の作家、ロジェ・ガロディに対する裁判を非難すると同時に、人権と表現に対する自由を尊重する全ての人々に彼を支持することを求める」

 アドベル・ラーマンは、さらに、ホロコーストに関するフィルムや本についても、「ユダヤ人の身に起こったことを、信じがたいほど誇張した方法で伝えている」とし、「それなのに、なぜ、ガロディがこの問題について彼の意見を述べる権利を与えないか?」と語った(1998年1月19日、ロイター)。

パレスチナ政権機関紙はホロコーストをシオニストの捏造と呼ぶ

 1997年9月3日には、アラファトのパレスチナ政権の政府機関紙、『アル・ハヤト・アル・ジャディダ』が、ホロコーストに関して、「その期間にユダヤ人に対して虐殺が行われたとの申し立ては、シオニストが捏造した要求だ」と非難する記事を特集した。

 パレスチナの公式の政権テレヴィ放送局は、ユダヤ人が利益得るためにホロコーストの数字をふくらましていると語る。

 1997年8月25日には、パレスチナの公式の政権テレヴィ放送局の文化的な社会問題番組の司会者が、次のように語った:

「広く知られていることだが、ユダヤ人は毎年、ナチが彼らにしたことを誇張する。彼らは、600万人が殺されたと主張するが、正確な科学的な調査の結果、ほんの40万人でしかなかったことが証明されている」

 このショーに主演したゲストは、以下のような告発を加えた。

「ユダヤ人は、ナチの殺害についての物語によって、具体的に、精神的に、政治的に、そして、経済的に、利益を得てきた。この投資は彼らに有利なので、彼らは、それを有益な活動と見なし、常に犠牲者の数をふくらますのだ」

アラファトの雑誌が「ガス室は嘘」と攻撃

 アラファトの公式の出版物は、長年、ホロコーストを否定してきた。たとえば、アラファトのパレスチナ政権の赤十字が出版する『バルサム』の1990年7月号は、以下のように主張している記事を掲載した。

「ガス室に関する嘘は、ユダヤ人がイスラエル国家を確立するのを可能にした」

「ユダヤ人は全人類に対して彼ら自身を主人と考えている」

「ニュルンベルク法廷は主にユダヤ人と彼らの友人によって占領されていた」

 これと同様に、キプロスに本拠地を置くPLOの新聞『エル・イスティグラル』は、1989年12月23日と30日、「ナチ・ガス室でユダヤ人が燃やされたと称するのは、新しいナチズムを合法化するための20世紀の嘘」という見出しの記事を連載した。その記事では、以下のように主張していた。

「ユダヤ人は、ゲシュタポに対して彼らの処遇についての不満を述べているが、現地で確認された食堂設備が証明するように、彼らは健康的な食物を提供されていたのであって、ナチスの収容所はイスラエルの刑務所よりも文化的だった」

アラファトは独立記念日を「パレスチナ人に対する大虐殺の日」と呼ぶ

 イスラエルの独立記念日の前夜、1997年5月10日には、ラマラーにおけるパレスチナ評議会での演説で、アラファトが、イスラエルの創設の記念日は「パレスチナ・ホロコーストの日」であり、「パレスチナ人は歴史上一番ひどい大虐殺の被害者だ」と語った(1997年5月11日、『ハアーレツ』)。

パレスチナ政権の情報省はイスラエルをナチと比較

 1997年12月10日には、パレスチナ政権の情報省がヨーロッパで、「多くの側面から見て、イスラエル人が行っている行為は、ナチの兵士が占領下で行った行為と比較すると、その残忍さにおいて、負けず劣らずであり、少なくとも同等である」と宣言した。

 その2日前に、公式のパレスチナの政府機関紙、『アル・ハヤト・アル・ジャディダ』は、石を投げるアラブ人[もっぱら子供]を射撃するイスラエル人の兵士に関して、「20世紀末のナチズムの占領の実態を世界に示すものだ」と書いた。

 1996年4月22日にパレスチナ政権情報省が発表した声明では次のように断言していた。

「イスラエルの政府は、アウシュヴィッツ、ビルケナウ、ダッハウなどの収容所でユダヤ人に対して残虐行為が行われたと語るが、……、我々の故国は巨大な収容所に作り変えられた」

 アラファトの側近、バッサム・アブ・シャリフは、パレスチナのアラブ人に対するイスラエルの処置が「アウシュヴィッツのナチのそれより悪い」と語った(1989年2月15日、エルサレム・ポスト)。

 以上で、ZOA(アメリカのシオニスト機構)の『報告書』は終わり。


電子手紙2001年6月分の目次へ
電子手紙文書館の目次に戻る
『憎まれ愚痴』総合案内へ
基地の出城の大手門高札に戻る

雑誌憎まれ愚痴 バックナンバー 目次一覧 連載記事一括 時事論評&投稿
憎まれ愚痴入口 テーマ別発言集 木村書店 亜空間通信 亜空間放送局