『亜空間通信』122号(2001/12/13)

パレスチナ自治区空爆アラファト絶縁宣言にシオニストの奸智再認識非暴力論

送信日時 :2001年 12月 13日 木曜日 10:35 PM

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『亜空間通信』122号(2001/12/13)
【パレスチナ自治区空爆アラファト絶縁宣言にシオニストの奸智再認識し非暴力論】

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転送、転載、引用、訳出、大歓迎!

 表記の最新情報については、すでに新聞報道もあるので、ここで述べる必要は覚えない。ついに、パレスチナ自治区への空爆、アラファトとの絶縁宣言に至ったが、このシャロン極右シオニスト首相が率いるイスラエルの暴虐に対して、アメリカは非難するどころか、逆に、パレスチナ人の「暴力」への批判を強めている。

 以下は、すでに本通信で紹介した情報の要約再録であるが、いま読み直すと、極右シオニストの奸智のほどには、驚きを新たにする向きが多い「はず」である。もしも驚かなければ鈍いのである。

 以下が『亜空間通信』108号からの抜粋。

イスラエル関与情報漏れ以後のニュース禁制
スターン・インテル(カナダ)

 米国軍事情報部内の情報源は、世界貿易センターとペンタゴンへの攻撃に関連して、イスラエルの秘密情報機関モサドの関与を示唆する内部情報メモの詳細を明らかにした。

 彼自身の名前の秘匿を要求した情報源は、米国情報機関の内部情報メモの存在を認めた。そのメモは4週前に回覧されたもので、米国の本土におけるイスラエルの隠密作戦の脅威を指摘するものだった。作戦の目的は、米国の国益に対しての目に見えるテロリスト攻撃によって、パレスチナのアラビア人に対する大多数の公衆の世論を逆転させ、イスラエルに向けて、パレスチナのアラビア人に対する大規模な軍事的猛襲を実行に移すための青信号を出すことだった。

 以下が『亜空間通信』41号からの抜粋。

http://www.jca.apc.org/~altmedka/akuukan-01-10-41.html
分裂の議論を拒絶し、ユダヤ人の指導者たちはブッシュの政策を後押し

マイケル.J.ヨルダン
ニューヨーク、10月8日(JTA)

 テロリズムに対しての米国が率いる戦いの開始に当たって、アメリカのユダヤ人の指導者は、ワシントンの後押しに回った。

 それと同時に、イスラエルの利益が棚上げにされるかもしれないという不安は、沈静しているようである。

 9月11日からの1週間、アメリカ政府は、テロリズムの全てを根絶する幅広い目標を最初から目指すと、かえって結果的にはより狭い同盟の結成に終わると判断し、オサマ・ビン・ラディンと彼のアル・ケイダ・テロリスト・ネットワークを追及する狭い目標による発端の方が、幅広い国際的同盟の結成に確立につながるとする現実的政治方程式に従って行動したようである。

 アフガニスタンに対する日曜日の最初の空爆に向けるエンジン全開の準備段階では、政府の進路を巡る2つの世間周知の騒ぎが起こり、ユダヤ人とイスラエルが異議を唱え、おそらくアメリカのユダヤ人の内部で分裂が起きているとの憶測がを生んだ。

 多くのイスラエル人とアメリカのユダヤ人の指導者たちは、ブッシュ政府がイスラエルとパレスチナの新しい平和交渉の取り持ちの開始と、パレスチナ国家支持の宣言を準備していたとの報道が渦巻く最中、不意討ちを食わされたと感じていた。

 アメリカのユダヤ人の主要な組織の長たちを束ねる協議会の議長、モーティマー・ザッカーマンが引き合いに出され、彼が、反テロリズム同盟の結成にアラブ諸国を加えようとする政府の方針を、イスラエルに対してのパレスチナ人の過去の長年の暴力に報酬を与える「非常に近視眼的な誤った方針」の意図的な漏洩として描き出しているとされた。

 ザッカーマンは、この言葉に関して後に、彼の発言の前後関係を無視して取り出された誤解だと語った。

 イスラエルのアリエル・シャロン首相は、その時、多くのイスラエル人の危惧を表明し、「我々を犠牲にしてアラブ人を宥める」のを止めよとブッシュ政府に警告し、1938年当時に西側諸国が、より広範囲のヨーロッパの戦争を避けるために、チェコスロバキアを売り渡した悪名高いヒトラーに対する宥和政策を引き合いに出した。

 このシャロンの発言は、外交上の諍いばかりか、ユダヤ人のコミュニティが分裂する様相を週末に掛けて広げる状況へと引火したが、50人ほどのアメリカのユダヤ人の指導者たちはブッシュを支持する連名の手紙を作成した。

 伝えられるところによると、空襲を前にして週末に、シャロンとホワイトハウスは関係を修復した。

 そしてアメリカが新しい軍事作戦に乗り出した月曜日、ユダヤ人の指導者たちは支持を表明すると同時に、反テロリストの捜査網がビン・ラディンと彼のネットワークを越えて、いずれはイスラエルの敵であるハマスとヒズボラなどをも含むようになるとの非公式の保証の見込みを、ワシントンから取り付けた。

 大部分のユダヤ人の指導者たちは、アメリカとイスラエルの利益がおおむね一致するとの信念を表明した。

 [前出:アメリカのユダヤ人の主要な組織の]長たちを束ねる協議会の執行副議長、マルコム・ホーヘンラインは、「政府の方針に関しては、現在進行中の施策と、その後の世界的なテロリストの全体的な基盤への追及との両方を、ワンショットにはしないことについて、幅広い共通認識と支持を確認する」、と語った。

「このテロリストの[世界的な]ネットワークの一部への追及に取り組むことによって、アメリカの安全保障や資産擁護と同時に、イスラエルの安全保障を強化することができる」

 ユダヤ人の公共的な組織の全国規模の統率団体、「ユダヤ人公共問題[特に外交政策に関する]評議会」もまた、大統領を支持した。

 この集団の共同理事、マーティン・ラッヘルは、「我々は大統領の方針を支持するし、我々がそのことを公式に発表して語り続けることが重要だ」、と語った。

 ラッヘルは、「これは『静観して見守る』べき性質の問題ではない。我々は、民間人に暴力を振るう者に対しては三振を喫していると語った大統領の言葉に基づいて、彼を支持する」、と語った。

「これはテロリズムに対する作戦の開始であって、その終結では全くない」

 一方、主流の左右を問わず、ワシントンが反テロリズム作戦とパレスチナの問題を連結するかどうかの予想に関する見解は、混迷している。

 多数のアナリストとビン・ラディン自身を含む中東関係者は、アラブ・イスラエルの紛争を、イスラム世界における反米の憤激の第1ではないにしても、主要な根源の一つとして指摘してきた。

 イスラエル政策フォーラムも同様に、テロリズムに対するブッシュ政府の措置を賞賛しつつ、イスラエルとパレスチナを再び交渉のテーブルに着かせるプッシュの新しい方針を歓迎した。

 ワシントンのイスラエル政策フォーラムの理事、トム・スメーリングは、「アラブ・イスラエルの紛争は、一部の例外を除いて、アメリカの援助によってのみ推進され得る」と語った。「深い紛争状態にある関係者はほとんど、第三者の関与なしには紛争から離脱することができない」

 多様な見解の中の反対側には、アメリカのシオニスト機構の議長、モートン・クラインがいて、パレスチナ人の暴力をはね返すためのイスラエルの努力に関して、ブッシュが「重大な損害」を及ぼしたと語った。

 テロと闘うブッシュの努力に対する彼自身の支持を強調しつつも、クラインは警告した:

「彼[ブッシュ]は、パレスチナ国家の未来像を持つと語ることによって、テロリズムを続けようとするアラブ人の食欲を刺激している。彼は、テロリストをかくまう全ての国家を我々が根絶するのだと誓ったが、その次には後ろを向いて、まさにそれらの政権に同盟への参加を求めている。その態度は、彼がイスラエルに対して非常に危険な体制を宥めているというシャロンの嫌疑を証明するものだ。」

 それでもなおクラインは、その戦いが最終的にはイスラエルの利益に向けて拡大されることを示唆した。「私は、ブッシュの政策が全体としてアメリカとイスラエルのためになるという信頼を失ってはいない」、と彼は語った。

 ビン・ラディンとタリバンだけを破壊する間、「他の連中に通常通りの所業を続けることを許してしまうならば、我々がテロリズムとの戦いに負けることを意味する。彼[ブッシュ]が、その連中を破壊しなければ、テロリズムは持続することになる」、と彼は語った。

 以上で引用終わり。

 さて、別途、昨年秋に、わが電網宝庫の何処かに記したはずの文章の数々を、すぐには発見できない。すべてを検索できる仕組みにしなければ不便とは思いつつも、未だに果たしていない。記憶を辿ると、まずはアラブ人記者に対して、日本赤軍英雄視の誤りを指摘し、非暴力抵抗への転換を示唆し、以後、何度か歴史的な事例に基づく考察を記したのである。

 その時の予感は適中した。シャロンの軍事挑発に乗って、パレスチナ人が抗議の抵抗を行うと、「テロ!」と糾弾し、石に対して弾丸、弾丸に対してミサイル、戦車、ついには空爆に至ったのである。シャロン戦法は典型的な破落戸の喧嘩の手法である。破落戸を相手にして勝ち目がないのに無駄な抵抗をするのは愚の骨頂である。その愚を指摘するどころか、「同情」と称して、実は、カンパ集めの商売のネタにする「偽の友」組織への批判も、昨年秋、すでにわが電網宝庫で発表している。「シオニスト『ガス室謀略』周辺事態」(その46)から(その48)である。

 昨年秋は、シャロンが、パレスチナ人が管理権を持つ「神殿」に、武装警官隊を率いて入り、事実上の内戦が勃発した時期である。この時、私は、単1乾電池10本を使う巨大ラジカセと英語の横幕を持参し、アメリカ大使館前で発の英語演説練習を行った。その状況は、上記の(その44)と(その45)に記した。

 ああ、最早、今更、何をか言わんや。


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