『亜空間通信』466号(2002/12/24) 阿修羅投稿を再録

米国防総省までが出てくる日本出資「極東天然ガスパイプライン」謀略の迷妄

※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※

『亜空間通信』466号(2002/12/24)
【米国防総省までが出てくる日本出資「極東天然ガスパイプライン」謀略の迷妄】

※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※

 転送、転載、引用、訳出、大歓迎!

 一昨日(2002/12/22)、私が参加している2つの電子手紙広場(ML)に、以下に抜粋紹介する通信が出た。

差出人 : Junji Hattori <jhattori@st.rim.or.jp>
返信先 : future-info@freeml.com
宛先 : メーリング グリーンズネット <g-party@egroups.co.jp>
CC : メーリング 開かれた国会 <kokkai2@egroups.co.jp>, メイリングリスト全国オンブズマン <ombudsmanjapan@egroups.co.jp>, メイリング 落選運動 <rakusen@egroups.co.jp>
送信日時 : 2002年 12月 22日 日曜日 2:36 AM
件名 : [future-info:1115] [ビデオ]環境問題などでマスコミが黙っている真実:緑のリンク国会議員 民主党 鮫島衆議院議員

グリーンズネットワークの服部です。
[中略]
民主党の鮫島議員の緑のリンクを思い出したので、(^_^;)、
http://www.gotty.co.jp/samejima/
国会議員会館に寄り、アポイントメントをとって、今日、夜、撮影しました。

http://nvc.halsnet.com/jhattori/green-net/Samejima/SamijimaMuneaki.ASF

 そこで、TV朝日の久米さんやTBS筑紫さんらマスコミ関係者が報道しないことを教えてもらいました(^_^;))

 国家予算原案の本当の話から始まり、原発は東電でさへもう不要だと考えている、次代のエネルギーは燃料電池の元になる、天然ガスで、そのパイプラインは、韓国では既にできているのに、日本ではそのインフラが全然ないなど驚く話ばかりでした。

 石炭での蒸気機関から産業革命へ、そして石油を使ったエンジンへの転換。これからの未来は燃料電池へと、100年単位の大きな文明史の中で、エネルギー問題をとらえ、世界はどうなるか、また、国家としてどうしていくか、という大きなビジョンで考えられている方だと感心いたしました。

(新しい天然ガスパイプラインなどの利権などを狙っているのでは、などと悪口をいう人がいる、とのことですが、そんな小さな方ではない、と感じました。)[後略]
[引用終わり]

 上記のURL:

http://nvc.halsnet.com/jhattori/green-net/Samejima/SamijimaMuneaki.ASF

は、最初、化け化け文字になったが、電網動画である。わが常用のマックでは駄目だが、別途、手持ちのマイクロソフト帝国主義の製品でなら見ることができる動画であることが分かった。出てくる鮫島宗明議員は、民主党所属、農学博士で、環境派の市民運動の支持が厚い。

 で、肝心要の話の発端は、その内容の「新しい天然ガスパイプラインなどの利権」の問題なのだが、これは、そげなチンタラ政党の「環境派」議員の小さな政治資金利権だけの話などではなくて、実は、グローバルったら言う全世界規模の長期かつ巨大なる裸の猿史上空前絶後の謀略の一環なのである

 確かに、石油を燃すよりも、天然ガスを燃した方が、大気汚染度は少なくなる。そこで、いわゆる「環境派」のオッチョコチョイたちが、見事にも、「京都議定書を死守せよ!」予算分捕り政策転換の先兵に仕立てられているのであって、基本は、何と、アングロ・アメリカの石油マフィア、またはエネルギー・マフィアが、長年掛けて練りに練った謀略なのである。

 現在、韓国の公社が、南から北に延びる「天然ガスパイプライン」を敷設し終わり、さらに北に向けての敷設計画に関して、日本に金を出せと迫っており、背後では、北朝鮮出身の統一協会マフィアの文鮮明が暗躍しているのである。拉致問題は、その一環である。

 私は、致し方なく、まずは、いささかの予備知識に基づいて、緊急の電網検索を実施した。

 私は、拙著 「『湾岸報道に偽りあり/隠された十数年来の米軍事計画に迫る』(1992,汐文社、絶版、目下、電網木村書店で改訂新版2000円の予約募集中)の中で、一般には「石油マフィア」、実態は、石油、原子力、天然ガスに及ぶ「エネルギー・マフィア」と言うべき連中の正体の概略を紹介した。その主要部分は以下に入っている。

http://www.jca.apc.org/~altmedka/gulfw-47.html
『湾岸報道に偽りあり/隠された十数年来の米軍事計画に迫る』
第八章:大統領を操る真のアメリカ支配層
ベクテル出身閣僚が四人も出た裏に原子力利権

[中略]ベクテルは世界中の原子力発電所のほぼ半分、百ヶ所以上を建設した。[後略]

 その後、私は、『佐川疑獄と国際エネルギー利権抗争』(1993, 汐文社、残部僅少、現在、電網木村書店で定価1000円販売)の中でも、この有様の極東における概略を紹介したことがある。だから、この問題の電網検索に必要なキーワードは、熟知しているのである。

 全言語のページから天然ガス、パイプライン、中国、日本、韓国、極東ロシア、モンゴルを検索しました。 約4件中1 - 3件目 ・検索にかかった時間0.08秒

 見事、ぴたりと先頭に出てきたのは、少し古い記事だが、これが基本的な状況である。以下の「米国シンクタンク発案」のキーワードが、最も重要と当たりを付けた。

米国シンクタンク発案で中国が推進する北東 ...
... 今回、中国、米国、ロシア、日本の4 ... 80年代前半の韓国の経済 ... 港湾、エ
ネルギー(北東アジア天然ガスパイプライン)、中国、ロシア、北朝鮮の
国境に流れる図們江流域開発等の産業発展のための基本的インフラである ...
http://www.lares.dti.ne.jp/~yuh/nakano9.html - 11k - キャッシュ - 関連ページ

imfomation_013

 上記の「米国シンクタンク発案で中国が推進する北東 ..」の部分をを叩くと、以下が出てきた。

[以下、引用]
http://www.lares.dti.ne.jp/~yuh/index.html

環日本海経済通信
Japan Sea Rim Economic Information
編集・発行

有限会社メディアケーション  平岩 優
有限会社NEAR総合研究機構  川口 耕一 
[後略][引用終わり]

 ここから、次が出てくる。要するに、日本が、いやさ、われら「租税国家」日本国の国民、様、様が、なけ無しどころか膨大な借金を抱えながら、さらに未来永劫の御子孫、様、様に至るまでの借金までを重ねて、アングロ・アメリカ主導のブレトンウッズ体制の延長の「北東アジア開発銀行」に、「公的資金」を投ぜよ、という話なのである。それが「米国シンクタンク」の「発案」なのである。

[以下、引用]
http://www.lares.dti.ne.jp/~yuh/nakano9.html
■米国シンクタンク発案で中国が推進する北東アジア開発銀行構想

とっとり総研 主任研究員
中野 有

●はじめに 

 南北首脳会談の大成功に世界は歓喜した。これは歴史的な分水嶺として後世に残る出来事であろう。[中略]

 去る5月10-12日、中国の天津で北東アジア開発銀行設立に向けた専門家会議が開催された。この会議は、米国の政府系シンクタンクである東西センターの趙利済元総裁が中心となり10年前から北東アジアの国々や国際機関等の代表を集め、毎年開催している北東アジア経済フォーラム(国際的NGO)の専門家会議である。フォーラムは、過去、中国、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)、ロシア、韓国、日本、米国、モンゴルで会議を開催した。[中略]

●北東アジア開発銀行構想

 アジア開発銀行の元副総裁で、ヨーロッパ復興開発銀行の設立に携わった東西センターのスタンリー・カッツ博士、中国国務院発展研究センターの馬洪名誉会長や韓国の南悳祐元総理は、北東アジアの発展のために北東アジア開発銀行の設立が不可欠な理由を以下のように分析している。[中略]

 ロシアは世界銀行とヨーロッパ復興開発銀行から貸し出しを受けている。中国は世界銀行とアジア開発銀行のメンバーである。モンゴルは世界銀行とアジア開発銀行のメンバーであるがヨーロッパ復興開発銀行のメンバーでない。北朝鮮は将来、アジア開発銀行のメンバーになる可能性があるがいずれの開銀にも属していない。(韓国は北朝鮮がアジア開発銀行に加盟することをサポートしたが米国・日本が難色を示した)。これらの開銀はロシア、中国に大規模な資金供与を行っているが、例外を除き北東アジア地域への資金供与は少ない。モスクワや北京から政治的・経済的・心理的に離れた地域に位置する北東アジアはアジア開発銀行等の開銀の優先を得られるとは考えられない。また、これらの開銀には政策・制度分野への融資中心、民間セクターとの融資の割合等の制約された条件があり、北東アジアに必要な多国間のインフラ資金供与は困難であると考えられる。

 北東アジア開発銀行の全資本は約200億ドルとする。この金額は、1992年のその地域の国の収入の約0.5%であり、1966年から1994年までのADBの合計した資本金(約230億ドル)に相当する。200億ドルの金額は、200万株に分割され、1口1万ドルとなるだろう。これらのシェアは、この銀行のシェア取得に興味を持っている地域諸国の基金によって賄われるであろう。それは、銀行の認可される全資本の60%になりそうである。残りの40%は他の地域諸国の基金によって形成されるであろう。

●多国間協力プロジェクトの推進

 日本における公共事業の投資乗数は経済の成熟化により薄れるが、途上国に地球規模のケインズ政策、すなわちODA(政府開発援助)による有効需要喚起策が取られた場合の乗数効果は遥かに高くなると考えられる。従って、北東アジアに日本のODAが投下されるのは、経済圏構築に有効であると同時に日本の発展に直結する。では、どのような多国間のプロジェクトを推進することにより最も大きな波及効果を期待できるのであろう。ODA供与の目標と方法にひと工夫が必要ではないだろうか。

 極東ロシアの豊富な天然ガス田をイルクーツク、ウランバートル、北京そして朝鮮半島等を縦断し日本海沿岸へパイプラインで天然ガスを輸送しようという構想がある。北東アジア天然ガスパイプラインが注目される理由は、石油価格の上昇、中東依存の脱却、原子力発電へのアレルギー、環境問題がある。8割近くのエネルギーを石炭に依存する中国が二酸化炭素等の排出量の少ない環境に優しいエネルギーである天然ガスへの依存度を高めることにより酸性雨等の環境問題の解決に繋がる。[中略]

●北東アジアの協調的安全保障
[中略]

そこで日本の役割であるが、軍事的に北東アジアの勢力を均衡させるのではなく、協調的安全保障に則った予防外交の担い手として多国間協力で北東アジアの開発を推進していくことではないだろうか。日朝国交正常化は予測より早く実現されるだろう。今世紀の日本の旧満州における行為を冷静に判断した場合、地域の発展のための相互協力が必要不可欠となるであろう。それを賠償と考えるかインフラ整備のための投資と考えるかである。

 7月の沖縄サミットでは、サミットのアジア唯一のメンバー国日本が議長国として、北東アジアの平和と安定に資することへの熱い期待が寄せられている。そこで北東アジアの開発金融や北東アジア天然ガスパイプライン構想を、サミットの議題である紛争予防や途上国支援と組み合わせることで、世界のフラッシュポイントである朝鮮半島の信頼醸成に関する具体的な成果があげられるのではないだろうか。冷戦直後のサミットの場でヨーロッパ復興開発銀行が生まれた。沖縄サミットは、北東アジアのインフラ整備を推進する「北東アジア開発銀行構想」を中国や韓国の意向を取り入れ議論される最適の場であるだろう
[後略]
[引用終わり]

 では、上記の記事のキーパーソン、「米国の政府系シンクタンクである東西センターの趙利済元総裁」とは、いったいぜんたい、いかなる人物なのであろうか。

 以下は必要最小限に切り縮めた抜粋紹介である。

[以下、引用]
http://www.yorozubp.com/9807/980709.htm

北海道に託す「新五族共和」の夢
1998年03月08日(日)
共同通信社経済部 伴武澄
●日朝中英の4カ国語を駆使する趙利済氏の夢

「北東アジア開発フォーラム」(環日本海会議)議長の趙利済氏(ハワイ在住)
趙氏は京都市生まれの元在日韓国人、アメリカ国籍を取った。中国での研究生活も長かった。まさに豆満江開発の申し子のような人だった。[後略]
[引用終わり]

 趙利済は、かねてからの知る人ぞ知る著名なCIA要員である。

 さて、今年、2002年に入る。ここで、かの「モローン」(心理学の学術用語では「軽度精神薄弱」)こと、ブッシュ大統領までが出てくる。

[以下、引用]
http://www.yorozubp.com/0204/020427.htm

Yorozubampo

鳥取に注目したニューヨークタイムズの先見性
2002年04月27日(土)
コーエイ総合研究所 主任研究員 中野有

 ブッシュ大統領は、メキシコのモンテレイで開催された「国連開発資金会議」で、3年間でODAを50%増やし、テロの根源である貧困を撲滅すると明言した。アメリカは軍事的な安全保障を重要視し、ODAに対し軽視する方針を続けてきたが、先月のブッシュ大統領のスピーチでその流れが大きく変わった。9・11のテロの影響もあるが、アメリカがODAを増やし、世界最大のODA供与国である日本のODAは減少傾向にある。軍事的な安全保障には憲法の制約もありユニークなスタンスを貫いている日本は今こそ「アジアの中の日本」としての国際貢献のありかたを考えることが重要だろう。

 最近のブッシュ大統領の外交政策は、ダブルスタンダードを巧みに推進しているようである。例えば、「悪の枢軸」の支持を日本から取り付け、韓国とは「太陽政策」の支持を約束した。対極的なことを同時に行っているのである。軍事力の増強とODAの増額。これが現在のアメリカの外交政策である。

[中略]

 北朝鮮代表も参加した「北東アジア経済フォーラム」(七月、米子市)をコーディネートした中野氏は、ミサイル実験は「軍事力の誇示」より「経済的なひっ迫による」と指摘し、「日本政府は経済制裁を発動するだろうが、経済制裁が成功した例はまだない。鳥取県としてはフォーラムで提唱した通り、『経済交流による予防外交』という一貫した政策を取るべき。長期的に見れば、予防外交路線の方がプラスになる」と明快に主張している。
[中略]

 中野さんにメールは nakano@csr.gr.jp

(C) 1998-2002 HAB Research & Brothers and/or its suppliers. All rights reserved.[引用終わり]

 上記の「中野さん」は、「とっとり総研 主任研究員 」の中野有でもあり、「東西センター(ハワイ)など国際的なシンクタンクで働いてきた中野氏」でもあり、「 コーエイ総合研究所 主任研究員 中野有」でもある。「 コーエイ総合研究所」とは、以下の「日本工営株式会社」の研究所である。「日本工営」はこれまた、たとえば中東ではサウジアラビアの海水真水化装置などの建設にかかわった超著名な国際巨大開発会社である。当然、「極東天然ガス・パイプライン」建設の筆頭企業である。

 [以下、引用]
http://www.kanto-geo.or.jp/html/member02/m-html/071.htm
お問い合わせ先: info@n-koei.co.jp
■会社名 日本工営株式会社

■会社住所 〒102-8539
東京都千代田区麹町5丁目4番地
03-3238-8030
03-3238-8019
info@n-koei.co.jp
http://www.n-koei.co.jp/

■創立年月日 1946年6月7日

■代表取締役 和 田 勝 義

■資本金 73億93百万円(平成13年3月現在)

■主要事業所 東京(本社),さいたま(大宮オフィス)  支店:札幌,仙台,新潟,名古屋,大阪,広島,福岡  事務所:神奈川,奥羽,北陸,信越,四国,沖縄

■主な取引先 各省庁,各地方自治体,東京電力他

■関連企業 日本工営横浜事業所,株式会社ニッキ・コーポレーション,株式会社コーエイシステム,エア・シ-ル・セル株式会社,株式会社エル・コーエイ,株式会社コーエイテック,株式会社ネプコ,株式会社コーエイ総合研究所,株式会社テクノエンジ

■得意分野 建設コンサルティング全般:防災・地質,河川・水工,上下水道,都市・地域計画,農村環境設備,環境計画・環境アセスメント,地盤構造

■メッセージ
(会社PRなど) 水と土と緑が、私たちの地球をやさしく、そして確かに育んできたように、今、人の技と未来への思いこそが私たちの自然と社会に豊かさをもたらすと信じています。そして私たちの創造は、決して環境を損ねるのではなく、新たな調和を生み出すと信じています。日本工営は技術と智慧で世界に貢献します。

All Rights Reserved,Copyright2001.Geological Survey Enterprises Association,Kanto
[引用終わり]

 以下は、上記の「追加」である。ここで、以下のごとく、「米国国防総省のシンクタンクであるアジア太平洋安全保障研究センター」までが出てきた。

http://www.yorozubp.com/0005/000512.htm
HAB Research & Brohthers

北東アジアの問題を戦略的に考えよ
2000年05月12日(金)
とっとり総研主任研究員 中野 有

 先日、国内の北朝鮮問題の専門家並びに、米国国防総省のシンクタンクであるアジア太平洋安全保障研究センターのスティーブ・ノーパー博士と意見交換した。ノーパー博士は、東京、大阪、名古屋で朝鮮半島問題について基調講演し、NHKに出演した。彼とは米国東西センターで一緒に研究した仲間であり、北東アジア情勢の戦略的な動きについて本音で話し合うことができた。

 朝鮮半島問題が頻繁に日本のマスコミに登場するが、ほとんどが事実の羅列であり、未だに冷戦構造を温存している北東アジアの複雑な問題を米国、中国、ロシア、南北朝鮮等の外交戦略、そして国連機関等の動向を分析し、日本の役割を明確にした建設的なビジョンが皆無である。

 日本の専門家の話を聞いてもこの地域の複雑な現実や拉致疑惑問題がネックになっていることが理解できても、その先どうすればいいのか全く見えてこない。

 その点、米国や中国はなるほどとうなずけるだけのビジョンを有している。朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)がミサイルや核開発による瀬戸際外交を継続させることによりどのような影響を及ぼすのか。まず米国は、TMDやNMDの迎撃用ミサイルの開発に拍車をかける。

 そこで迎撃用ミサイル開発には莫大な予算がかかることから、米国は日本等との共同開発を提案してきた。当然、攻撃用ミサイルの開発と比例して、迎撃用ミサイルの開発が進み止め処もない軍拡競争の幕がきられる。これに対して北東アジアの軍拡を最も警戒しているのは中国である。従って、北朝鮮の瀬戸際外交は中国の利益に反する。

 朝鮮半島の統一に向けた動きは何を意味するのか。韓国の宥和政策を受け入れる北朝鮮の条件は明確である。「技術的」に戦争状態にある38度線に展開している国連軍、すなわち米軍の縮小や撤退である。朝鮮半島の安定は東アジアの米軍のプレゼンスの減少につながる。沖縄の米軍然りである。

 中国が望むところは、東アジアにおける米軍の縮小にあるとすると中国と北朝鮮の利益は一致する。半面、米国国防総省は中台関係の不安定要因により米軍の重要性を説く。いずれにせよ北東アジアの問題の根っこは、米中間の勢力均衡の駆け引きである。

 昨年10月に中国の天津で第9回北東アジア経済フォーラムが開催された。前回の米子会議でも討論の中心であった北東アジアの開発金融に中国は熱心で、天津に北東アジア開発銀行を設立する提案を行った。

 また5月10-13日に天津で北東アジア開発銀行に関する専門家会議が開催されている。中国が北東アジア開発銀行設立に興味を示すのは、北朝鮮の瀬戸際外交が中国の利益につながらないとの判断と、統一朝鮮は日本や米国より中国に接近するとの考えからである。

 そこで日本は何をすべきであるか。日本の目指すべき方向性は、軍拡でなく協調的安全保障につきる。国際情勢がどうであろうと朝鮮半島問題に最終的な決着をつけるのは南北会談である。日朝国交正常化交渉が成功した時、或いは成功させるためには、対北朝鮮の政府開発援助(ODA)を日本の外交カードとして有効に使う必要ある。

 戦後補償問題を考え日本が北朝鮮へ2国間援助を試みた場合、その莫大な資金が北朝鮮の軍事的活動に転用される可能性も否定できない。そこで日本の対北朝鮮へのODAは多国間(マルチ)の援助で行う必要がある。

 例えば、北朝鮮への援助を直に行うことができなかった韓国は、1990年代前半から国連を通じ北朝鮮への援助を行っている。この例は日本の北朝鮮の援助のあり方の指針となるだろう。日本が韓国の意向を尊重しなが対北朝鮮援助を実施させようとするならば、韓国と十分な協議をしながらマルチのチャネルを開拓することが不可欠である。

 日本では日本人が総裁を務めるマニラを拠点とするアジア開発銀行がその役割を担うべきとの声が大きいが、米国の政府系シンクタンクである東西センターは、年間1兆円という日本のODAに匹敵するほど巨大な北東アジアへの開発規模からいくと、アジア開発銀行では対応できないと分析している。

 中国に北東アジア開発銀行が設立されることは、日本や米国にとってプラスになるのか。たぶん、北東アジアにおける米国と中国との利権争いを考えた場合、日本に北東アジア開発銀行が設立されることが現実的ではないだろうか。

 紛争が発生したら天文学的数字の犠牲が発生する。そこで紛争を未然に防ぐ予防外交の観点から北東アジア開発銀行設立を考えるだけの価値があるのではないだろうか。

1998-2000 HAB Research & Brothers and/or its suppliers. All rights reserved.

[引用終わり]

 以上の記事を総合すると、まずは、つい最近、私が会談し、その元日本国高級官僚と私の一致した見解の見事な裏書きとなる。曰く:「拉致問題は、結果として日本が開発資金を出す方向への恐喝、揺さ振り」である。

 しかも、同時に、東電スキャンダル(2008.2追記→wikipedia参照が、実は、間違いなくアメリカ方面から、いきなり暴露された。これまた実は、アメリカでも、脱原発、天然ガスへの転換が急速に進んでいるのである。

 世間周知のごとく、ドイツはすでに脱原発となり、その推進力の主体となった「緑の党」が政権に加わり、カスピ海周辺の石油・天然ガス争奪戦のユーゴ侵略に邁進した

 途中でアメリカが参入した。劣化ウラン弾まで使用された酸鼻を極めるユーゴ侵略戦争の背後には、脱原発、天然ガス・パイプライン長期戦略が隠れていたのである。

 ああ。悲惨なるかな、酸鼻なるかな、わが酸鼻(鼻が甚だ痛し)を極めるアレルギー源の花粉飛散の春近し。その遠因には、国産杉林荒れ果て、末期の花粉大量生産、凄惨、さんざんなるアメリカの原始林産の材木輸入があるのであり、わが恐米畏縮症患者充満の国には、解決の可能性がないのであり、ああ、むしろ、春は来るな、冬こそ永遠に続けかし!

 以上。


「イスラエル関与疑惑」関連記事総覧へ
アメリカ「ゲリラ攻撃」関連記事総覧へ

『亜空間通信』2002年12月分へ