『亜空間通信』896号(2004/11/24) 阿修羅投稿を再録

読売ナベツネ日テレ株名義貸し問題化の背後に潜む行政指導の歴史的誤魔化しと学者の政治的癒着

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『亜空間通信』896号(2004/11/24)
【読売ナベツネ日テレ株名義貸し問題化の背後に潜む行政指導の歴史的誤魔化しと学者の政治的癒着】―「極右読売ナベツネ日テレ株名義貸し」問題(その2)

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転送、転載、引用、訳出、大歓迎!

 この極右・読売新聞のナベツネの日テレ株の義貸しの問題では、すでに、写真週刊誌、『フラッシュ』の記者が、わが家にまで取材に来た。

 いくばくかの謝礼と一緒に届いた『フラッシュ』(2004.11.30)の該当記事の見出しには、確かに、「読売支配」の文字があるが、実に長ったらしくて、回りくどい。「紳助(祝)メッセージも空しい日テレ50年社史公開」(副題)「読売支配に視聴率買収事件・・・DVD付き豪華本に載らなかった”暗部”」である。

 本文の終わりには、「編成局や広報部に勤め、日本テレビ労組の書記次長も務めたジャーナリストの木村愛二氏」と記されている。

 取材の経過の最初は、電子手紙の深夜の緊急連絡、翌日の取材の当日は、急ぎの電話連絡で、しかも、その記者は、図書館から借り出してきた拙著を2冊、『読売新聞・日本テレビ・グループ研究』(筆名・征矢野仁、汐文社、1979年)と、『読売グループ新総総帥《小林与三次》研究』(筆名・征矢野仁、鷹書房、1982年)、それに、何分冊かの大判で重い日本テレビの50年の社史をも携えて来た。

 ここに至る経過は実に簡単である。

 私は、元・日本テレビ社員であり、この日テレ株名義貸し問題の根底に潜む法的な経過に関しては最も詳しく、何冊もの著書があるからである。

 事件の背景としての基本的な問題を最初に簡略に述べると、元・郵政省、現・総務省の一部の行政指導の歴史的な誤魔化しと、新聞・放送・アカデミー業界の一部のメディア論「学者」らの政治的な癒着、ドロドロ、ギョギョ、驚きの極致なのである。

 すでに本日(2004/11/15)から1週間も前(2004/11/08)にも、超多忙中なれど、連日の大騒ぎゆえ、やむなく、以下の通信を、急遽したためて発し、阿修羅戦争63掲示板に投稿もしており、それを『フラッシュ』の記者が、読んだのである。

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http://www.jca.apc.org/~altmedka/2003aku/aku886.html
http://www.asyura2.com/0411/war62/msg/701.html
『亜空間通信』886号(2004/11/08)
【戦争は新聞同士もあり極右読売ナベツネ日テレ株名義貸し株急落を似非紳士朝日嬉々報道】

 [中略]

 マスメディア集中排除原則ーー表現の自由と多様な言論を保つため、特定資本が複数の放送局を支配することを禁じている。

 日本テレビを例にとれば、読売新聞社が日本テレビを“支配”している

 したがって、読売新聞は日本テレビをキー局とする系列の地方局の株式は、日テレと同一の放送対象地域の場合は10%以上、異なる放送対象地域の場合は20%以上は持ってはダメと、総務省の省令(正しくは行政指導か?要調査)で定められている。

 [中略]

 この問題については、元・日本テレビ社員の私、木村愛二が一番詳しい。上記の「10%」の起源は、民間放送の発足時からの行政指導であり、実に曖昧に処理され、新聞社による放送局の系列支配を許してきたのである。

「一般放送事業者に対する根本基準の第九条の適用の方針およびこれに基づく審査要領(959年9月18日付け)」といういかにも役人風の文章が、1959年9月18日以来、存在し続けているのである。

 私は、この条項を、今から25年前に発行した拙著、『読売新聞・日本テレビ・グループ研究』の巻末の「資料」として発表した。

 曖昧だからこそ、役人が権限を振るえるし、背後の政権が睨みを効かすことができるのである。

「法律は目的があって作る。目的に適って、馬鹿な野党議員が質問し難いような文章を作るのが、役人の腕の見せどころである。法律さえ作ってしまえば、後は政令、省令、行政指導、何とでもなる」

 これが、役人の秘伝である。

 [後略]
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 その後、『週刊文春』(2004.11.18)と、『週刊ポスト』(2004.11.26)が、この問題の特集を組んだ。しかし、残念なことには、この双方ともに、有価証券報告書の記載の問題としてしか、論じていない。上記の「一般放送事業者に対する根本基準の第九条の適用の方針およびこれに基づく審査要領(959年9月18日付け)」への違反、即ち、裏返せば、監督官庁の元・郵政省、現・総務省の暦年の大手メディアとの癒着関係を孕むのである。

 本日もまた、『週刊ポスト』(2004.12.03)を、大枚350円も投じて、買った。目当ての記事の題名は、「裸のメディア王・渡辺恒雄、潰えた電波支配」である。この記事は、少しましになっていた。

 ただし、この記事では、「省令」とか、「マスメディアが他の放送局の株式を保有する場合、[中略]20%以上の株主議決権(=株式)を持てるのは1局のみ」とか、複雑になっている。

 私は、1994年7月18日に、以下の著書を発表している。ここでは、5%という規制の数字が出てくる。

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ISBN4-8461-9878-7 C0065 P2266E
『電波メディアの神話』(木村愛二、緑風出版)

[中略]
p. 235-237
「独占集中排除」のおざなり堤防は完全に決壊状態

「規制緩和」の基本的な本質は、すでにアメリカの実例でしめしたように「弱肉強食」のジャングルのおきての容認である。その典型は、二月初旬に発表された東京の「調布ケーブルテレビ」の例にもみられる。総合商社で売上げ第一位の伊藤忠商事が、会社更生法適用中の名門映画会社「にっかつ」所有の株四三・二パーセントを買収し、既得株とあわせて七二パーセントの出資比率をしめるにいたったのである。

「外資参入」の出資比率に関しては「法律などで決めることはしないが、三分の一未満までをメドとして認めることになるだろう」(日経93・12・10)という郵政省事務次官の記者会見発言がなされ、以後、その方向にすすんでいる。

 だが「法律などで決めることはしない」という官僚的独断専行は、ラディオ放送の発足当時と同様の策略であり、市民の権利への重大な侵害をはらむ。いままでにもおかされてつづけている言論の自由が、法治国家の建前さえかなぐりすてた「弱肉強食」政策によって、さらに大規模に破壊されるのだ。

 既存の地上波による民放テレヴィ局が免許を獲得しはじめた時期には、言論機関の「独占集中排除」の行政指導があり、「一社」よりもひろい概念の「一グループ」による出資比率が「一〇パーセント以内」におえられていた。ところが以後、大手新聞系列などによる放送支配は進行し、「放送の多元化」を理由に一〇パーセントをこえる株式取得も野ばし状態になってしまったである。CATVの場合、郵政省は発足当初に「地上波が届かない地域向けの補完的なメディア」と位置づけた。最近では、「高度情報化社会を担う中核的なメディアとして期待される」といいかえることによって、次世代通信網につなげようとしている。そうなるとすれば、「中核的なメディア」に関する「独占集中排除」の議論も、ふたたび腰をすえてやりなおすべきであろう。

 民放労連が一九九一年に定期大会で決定した「視聴者のための放送をめざす民放労連の提案」では、「マスメディアの独占集中排除」の一環としてとくに新聞社による系列支配の実情を重視し、「一つの新聞社が特定の放送局の株を所有する場合は5%以内とする」としている。

 たとえば銀行の不動産会社への出資は、やはり五パーセント以内におさえられている。郵政省が本気で「独占集中排除」するつもりだったら、最初から「一〇パーセント以内」ではなく「五パーセント以内」の行政指導をしたはずなのだ。ところがいま、CATVという有線メディアの一角で、大手新聞社よりもはるかに巨大な多国籍企業の総合商社による七二パーセントもの株式所有がゆるされているのである。アリの穴から堤防がやぶれるというが、それどころの話ではない。「マスメディアの独占集中排除」のもともと手ぬきだらけでおざなりなつくりの堤防は、完全に決壊したも同然である。

[後略]
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 さあて、お立ち会い、これらの拙著の数々は、当然、いわゆるメディアの学者、研究者、教員ならば、必読書である。知りませんでしたで済む話ではない。ところが、これらの拙著を読んだと私に直接語った某メディアタレント教授は、こういう問題をまったく口外しないのである。

 はっきり言えば、御用学者である。官僚の保身、アカデミー業界の商売人の保身、擦り寄りによってこそ、ナベツネ帝国は維持されてきたのである。

 ああ、汚らわしい。ここで再度、冒頭の呼び掛けを再録する。

 転送、転載、引用、訳出、大歓迎!

 以上。


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