UpdateJan.21. 2001
 

特集 ノック問題を考える 

 
最近の状況
ノック事件は社会構造の問題である
なぜ今、「ノック問題」 か
私たちは、なにをめざしているのか
ノック知事のセクハラ訴訟回避に怒る女たちの会のめざすもの
「怒る女たち」の決意〜終わりの鐘はまだ鳴らない〜

最近の状況 

2000年

3月21日 第一回公判  横山ノックは、わいせつ行為の一部を認め るが、計画性・継続性・犯行の態様については否認
4月13日 第二回公判
  A子さん、証言台に立つ。(被害者の女性が精神的な負担を受けないよう、種々の配慮・方策が取られる)
5月11日 第三回公判
  被告側証人3人(最初A子さんの隣に座っていた選挙運動員、候補者カーの運転手、ワゴン車の運転手)の尋問が行われる
5月18日 第四回公判
  ワゴン車に同乗していたSPと大阪府警警察官の尋問が行われる
6月6日 第五回公判
6月20日 第六回公判 論告求刑
  懲役1年6月求刑
6月29日 第七回公判 最終弁論
8月10日  強制わいせつ事件 判決
懲役1年6カ月執行猶予3年
12月2日 落合恵子さんを招いて、女たちの「ノック事件を総括する!「私たちの『ノック事件』〜終わりの鐘はまだ鳴らない〜」開催

 
刑事裁判傍聴… ノック事件は社会構造の問題である
   前知事は、結局は認めていない  森屋裕子

 「…事実無根であると主張し続けてきましたが、女性に対してわいせ つな行為をしたと糾弾されてもいい訳のできない行為に及んだことは間 違いありません…」
 前知事が、今までの主張をひるがえし、セクシュアルハラスメント行 為を認めた瞬間であった。傍聴席前列に陣取った記者の中から何人かが、 第一報を知らせるために、すーつと、足早に消えていく。

「女性の下腹部にまで指をのばしたのは事実ですが…」「女性が嫌がって いると感じなかった…」 …証言台で陳述する前知事の姿が涙でにじんで ゆがんできた。セクハラされたあげく、逆告訴までされ、汚い言葉でう そつきよばわりされたA子さんの無念が胸をついてきた。
「なんなのさ!!今ごろ!」

 その日の各紙夕刊トップの見出しはすべて、「わいせつ行為認める」と なっているが、「認めた」のは「さわった」という事実だけ。計画性や継 続性は否認している。証拠だって、選挙運動期日などの客観的証拠以外 の核心部分の証拠は認めていない。「A子さんが嫌がっていたとわからな かった」というくだりを聞いて、軽いめまいがした。「わからなかったこ とは、おごりでございました」と後に続くわけだが、他人の下着の中に 指をつっこんでおいて、「嫌がっていたとわからなかった」といえる前知 事の自己保身の姿勢は、刑事の時も、基本的には変わっていない。
 ある雑誌に「ノックがアホなだけなのに」とあった。前知事があほな だけなのだから、「社会構造」云々を叫ぶなんて、「もっとあほだ」とい うわけだ。

          しかし、そうだろうか。その雑誌記事自体がいみじくも露呈している ように、わいせつ行為を行いながら自己保身に手段を選ばない前知事 を「あほ」という一片の言葉で片付け、75日で忘れたがるのが「社会」 なのだから、ノック事件は社会構造の問題である。

   <2000.3.26 ノック知事のセクハラ疑惑裁判回避に怒る女たちの会ニュース No.2から>
  
なぜ今、「ノック問題」 か、・・・・
      日本女性学研究会「ノック問題」プロジェクトチーム 松本澄子

 横山ノック(山田勇)大阪府知事の犯した事件とその後の言動、及び裁判の経過 は、 今や「知事の“性“犯罪」という、物見的なトピックス性や地域性を超えて、 「ノックの問題」と言えば日本中の多くの人が何のことか判るくらいになっていま す。

 ノックの問題は、明らかに「社会問題」です。
 かつ明らかに「フェミニズムの問題」なのです。
 この事件によって象徴的に顕れた、今なお日本の社会に蔓延する「女性に対する性 差別」「女性蔑視」そして「性暴力」、、、この男社会の根底にある「ノック的なる もの」の 土壌(森屋裕子「ノック知事のセクハラ訴訟回避に怒る女たちの会ニュース」より) に こそ、フェミニズムは立ち向かわねばならないのではないでしょうか。

 その趣旨のもと、このたび、日本女性学研究会のなかに「ノック問題プロジェクト チー ム」をつくりました。
今後は、当研究会の会員も含んでこれまで積極的に活動を続けて きている「ノック知事のセクハラ裁判回避に怒る女たちの会」の活動と、全面的にタイ アップしながら活動を進めてゆくこととし、その一環として、ここにWebページを設けることとしました。

 

                               <1999年12月20日 記>

  

私たちは、なにをめざしているのか
           事務局  森屋裕子

横山ノック知事は、大阪府の知事としてふきわしくない…。民事訴訟と 刑事訴訟を使い分け、「真っ赤なウソ」「胸くそ悪い、」「絶対やっていな い」と言い切り、記者会見では原告をののしりながら、公式の裁判では 発言を回避し原告の立証の機会を奪いとる知事の態度を見て、私たちはそ う思った。

 セクシュアルハラスメントが人権の問題だということがわかっているな ら、あんな訴訟テクニックは使えるはずがない。「セクハラごときより公 務」などと、言えるはずがない。人権感覚ゼロの知事には、辞めてもらっ た方がいい。

 しかし、私たちのめざすところは、単なる「知事の辞職」ではない。
  「セクハラごとき…」といえる政治家の無感覚…。私たちは、日本の根 幹を決める政治の世界が、まさしく「横山ノック的なるもの」であること を問題にしている。

私たちは、権力と傲慢さと人間性の欠如に裏うちされた「横山ノック的 なるもの」を日本の社会から駆逐したい。それが、女性も男性も尊厳をも って生きていける社会の第一歩であると思っている。

あなたも「横山ノック知事のセクハラ裁判回避に怒る女たちの会」で一 緒に考え、行動して下きい。

 組織にしばられる運動ではなく、一人ひとりがつながる運動へ。

   <1900.12.18 ノック知事のセクハラ疑惑裁判回避に怒る女たちの会ニュース No.1から>

  

ノック知事のセクハラ訴訟回避に怒る女たちの会のめざすもの

  1.  私たちは、まず、「この事件の一番の被害者は原告である」ことを確認し たい。
      私たちは、原告にとって最良の解決がなされること、原告の「人としての 尊厳」が回復されることを真っ先に要求していく。

  2. 私たちは、「知事の人権感覚」を問題にしている。
      知事は、公式の裁判の場では答弁せず、その一方で原告が全く反論でき ない記者会見の場などでは原告を口汚くののしり、原告の立証の機会を奪い とっている。こうしたノック知事の態度は、単なる訴訟テクニックで片づ けてよいものではない。「セクシュアルハラスメントは人権の問題である」 との認識が欠如している。

  3.  私たちは、横山ノック(山田勇)知事の原告への謝罪と辞職を求めてい く。
      横山ノック知事は、府政の最高責任者としてふさわしくない。私たちは、 知事の原告への謝罪と辞職を求めていく。

  4.  私たちは、社会システムの根幹を決める「政治の世界そのものにおける人 権感覚の欠如を問題にしている。
     今回の事件は、政治の世界に人権に対する認識が欠如していることを示す 象徴的事件である。社会システムの根幹を定めるのは政治である。知事が代 わっても、その土壌が変わらなければ、「横山ノック的なるもの」は続いて いく。私たちは、「政界に人権感覚を!」と訴えたい。そして、「人権感 覚」のない人は議員にふさわしくないという観点で、一人ひとりの人権 意識を問題にしていきたい。

  5. 私たちは、「人権の確立」をキーワードに、党派を越えた運動をめざす。
      私たちの運動は、知事が辞めさえすればよいという運動ではない。セク シュアルハラスメントは人権の問題であるととらえるがゆえに、政局にのみ こまれることなく、党派を越えて、原則が貫ける運動を志向していく。ま た、 府民がこれをきっかけに人権や女性問題について議論し、行動する機運が高 まるよう、運動を展開していきたい。

 

ノック知事のセクハラ訴訟回避に怒る女たちの会のめざすもの

  1.   <1900.12.18 ノック知事のセクハラ疑惑裁判回避に怒る女たちの会ニュース No.1から>