警察法改悪反対!サイバー警察局反対!ニュース:2022年3月3日

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警察法改悪反対!サイバー警察局反対!ニュース
2022年3月3日

———目次———-
・(国会情勢)2日内閣委員会3時間半で可決、3日衆議院本会議も通過!
・3・1  院内集会:サイバー警察局を新設する警察法改悪案を廃案に!
・反対声明参議院の採決まで継続します
・参議院の内閣委員宛にファックス(下記参照)を集中しましょう!
・地域で学習会や集会などを企画してください

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(国会情勢)2日内閣委員会3時間半で可決、3日衆議院本会議も通過!
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3月3日 警察法改悪法案が衆議院を通過しました。以下衆議院内閣委員会での
議論から論点を整理します。

3月2日衆議院内閣委員会でたった3時間半ほどの質疑で、警察法などの改正案
が可決されました。反対したのは、共産党とれいわ新撰組のみです。早急に参
議院の審議への取り組みが必要になります。立憲民主党が賛成しており、いわ
ゆる革新系とみられている野党のこの法案への対応がはっきりと分れました。

衆議院内閣委員会の質疑については下記の衆議院の中継録画サイトでごらんに
なれます。
https://www.shugiintv.go.jp/jp/index.php?ex=VL&media_type=&deli_id=53760&time=1050.8

政府答弁から主要な論点を整理しました。

●サイバー事案と重大サイバー事案には事実上の区別はないようだ。

政府側は、重大サイバー事案の具体的な事例として、改正案5条4項六号ハの
(1)(国、地方公共団体の重要情報インフラ及び国民生活、経済活動の基盤で重
要な影響を及ぼすもの)を上げている。法案では「サイバー事案」とされてい
るものが「重大サイバー事案」として説明され、この両者には事実上違いはな
い。重大といいながら実際はすべてのサイバー事案が対象になるのではないか
という疑いが濃厚だ。

●サイバー事案の対象になる重要インフラについて

経済安保でいわれる重要インフラとの直接の関連はないとしつつも、重要イン
フラの定義は、「重要インフラの情報セキュリティ対策に係る第4次行動計画」
(サイバーセキュリティ戦略本部)によると説明された。この行動計画では14分
野が明示されており、私たちの日常生活全般をカバーするものだ。


https://www.nisc.go.jp/active/infra/outline.html
「重要インフラの情報セキュリティ対策に係る第4次行動計画」(第4次行動
計画)
https://www.nisc.go.jp/active/infra/pdf/infra_rt4_r2.pdf

●警察庁と都道府県警との関係

重大サイバー事案を含む捜査は、サイバー特別捜査隊が捜査するばあいも各都
道府県警は警察庁と連携しながら捜査にあたることができる。重大サイバー事
案とみなされれば、警察庁が関与するが、両者の関係は事案によって様々なケー
スがありえる。「警察庁の直接捜査は、重大サイバー事案だけで例外的な措置
である。現時点では重大サイバー事案以外に拡大することは考えていない。」
と政府側は、「例外」を印象づけようとやっきになっているが、上述したよう
に、捜査対象は私たちの生活領域のほぼ全てに及ぶ。

●通信の秘密や個人情報の扱いについて

取得した個人情報は、犯罪の証拠として厳重に扱う。個人情報保護法に準拠。
関係法令に基いて適正に行うと言うにとどめており、実質的な歯止めはない。
これまでも警察の個人情報の扱いや、通信事業者からの個人情報の取得、盗聴
捜査の実態は明かにされていない。

●サイバー攻撃について

ウクライナ、トヨタへのサイバー攻撃、過去のいくつかの大きな事例などが野
党からも危惧すべきこととして言及された。政府側は、サイバー空間の脅威の
深刻さを印象づけようとしており、野党もこの印象操作に同調した。政府側は、
警察では関係省庁と緊密に連携して対処するとし、大規模な場合は内閣官房が
対応すると答弁。「関係省庁と平素から緊密に連携している」とし、自衛隊と
も緊密に連携していると答弁したが、具体的な内容は明かにしなかった。

●海外捜査機関との連携

政府は、中央政府が捜査権をもっていないのはG7で日本だけであることを再三
強調し、このことが海外捜査機関との連携の支障になっていると説明した。し
かし具体的にどのような支障があるのかは説明されていない。海外との連携は、
インターポールや二国間の相互共助の枠組で対応すると述べるにとどめている。

●組織再編の警察庁内部での検討経緯について

具体的な資料提出要求が委員から出されていたにもかかわらず、一切の資料提
供、説明を拒んだ。経緯を明かにすることは法案審議の前提でもあり、この点
への追及は是非とも参議院で徹底してやるべき課題だ。

●民間との協力

政府側は、人材や技術で協力は不可欠としつつ、警察活動なのでデジタル庁で
民間人材を起用したようなやり方は難しいと答弁。民間と協力しつつ、民間人
材の中途採用が必要とも述べたが、警察庁内部、都道府県警の人材育成が強調
され、こうした人材育成を野党が積極的に後押ししている印象が強い。

●付帯決議

与野党相乗りの付帯決議が出された。通信の秘密の遵守などが一応お題目程度
に入っているが、サイバー犯罪への取り組みを現行以上に促進すべきとして警
察力のより一層の強化も盛り込まれており、全体としては、今回の法改正でも
不十分という印象を与える決議である。

●維新、無所属議員の質問は自民以上に右翼化

維新は、スパイ防止法制定の必要を持ち出した。また警察は実空間で拳銃を所
持しているように、サイバー空間でも武器を使用できるようにすべきだ(たと
えばマルウェアの利用など)と主張した。政府はこれらは「中長期的」な課題
だとして否定しなかった。無所属の緒方議員は、児童ポルノを例に、海外にあ
わせた犯罪化と厳罰化を要求した。

■まとめ
・法案の条文を引用して解釈を求めるといった質問は皆無だった。
・サイバー犯罪対策をより積極的に推進すべきだ、という観点では与野党ほと
んどが共通認識をもっているようにみえた。
・通信の秘密や表現の自由など憲法に保障された権利との関係についての議論
は皆無だった。
・立憲民主は、質疑でも法案賛成を前提の質問に終始し、満足のいく答弁がな
い場合でも、それを理由に法案反対は主張しなかった。
・れいわの山本議員は、法案に反対と主張したが、同時に、サイバー警察局の
予算を都道府県警のサイバー捜査に振り向けて、都道府県警のサイバー犯罪捜
査の向上を主張した。現状の都道府県警がいかに問題のあるサイバー捜査体制
をとっているのかについての理解がみられなかった。

(文責・小倉利丸)

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サイバー警察局を新設する警察法改悪案を廃案に!3・1院内集会決議
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1日の院内集会で下記の決議を採択し、集会後、立憲民主党など野党議員事務
所を回り手渡ししました。

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2022年3月1日 サイバー警察局を新設する警察法改悪案を廃案に!院内集会ア
ピール

本日の院内集会参加者一同は、政府が提出した警察法「改正」案が都道府県警
察に基づく制度を根底から覆し警察庁に捜査権限を与えるものであること、ま
た、民主主義の基礎であり憲法が保障している言論表現の自由や通信の秘密な
ど私たちの基本的な権利を侵害するものであることを改めて確認し、以下決議
するものです。

衆議院内閣委員会は審議を尽くさず警察法改「正」案を可決するな!
野党は法案反対の姿勢を明確にせよ!

3月1日 サイバー警察局を新設する警察法改悪案を廃案に!院内集会参加者一同
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3月1日の院内集会のデータなどは下記からごらんいただけます。
https://www.jca.apc.org/no-cyberpolice/2022/02/23/20220301innai/

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反対声明賛同団体を参議院の採決が終るまで集めます!!
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反対声明の賛同団体が130を越えました。
参議院の採決が終るまで賛同団体を募ります。随時、議員には届けます。
反対の声を様々な方法で上げてください。
反対を地元国会議員、とくに野党議員に伝えてください。
身近な団体、グループに反対声明への賛同を呼かけてください。

反対声明
https://www.jca.apc.org/no-cyberpolice/
法案批判資料
https://www.jca.apc.org/no-cyberpolice/houanhihan/

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参議院の内閣委員宛にファックス(下記参照)を集中しましょう!
是非知り合いの国会議員、議員秘書、政党などに反対を要請してください。
要請文案が名簿の後にあります。
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立憲民主党は賛成していますが、再考を促すためにも以下、連絡先を掲載しま
す。

理事 江崎 孝 (立憲) 比例(福岡) 511号室
    FAX 03ー6551ー0511  TEL 03ー6550ー0511

委員 石川大我 (立憲) 比例(東京) 1113号室
    FAX 03−6551−1113   TEL 03−6550−1113

   塩村あやか(立憲) 東京  706号室
    FAX 03−6551−0706   TEL 03−6550−0706

   杉尾秀哉 (立憲) 長野  724号室
    FAX 03−03−6551−0724 TEL 03−6550−0724

   市田忠義 (共産) 比例(大阪) 513号室
    FAX 03−6551−0513   TEL 03−6550−0513

   田村智子(共産)  比例(東京) 908号室
    FAX 03−6551−0908   TEL 03−6550−0908
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FAXやメールなどでの要請文案(ご自由にお使いください)

国会議員の皆様へ
「警察法改正案」には反対を!!

衆議院内閣委員会での審議を目前に控えて、あらためて国会議員の皆さんに、
警察法改悪の法案(付帯決議も含めて)に断固として反対の意思表示を示すよう
に、訴えます。

私たちは、警察法改悪に反対する市民グループです。既に120以上の市民団体、
労働組合、平和運動や社会運動団体などとともに反対声明を出していますが、
反対の輪は日に日に高まってきています。

警察庁が新設を計画しているサイバー警察局は、憲法で明記され電気通信事業
法でもはっきりと定められている「通信の秘密」を大幅に侵害するものです。
法案は、「サーバー犯罪」や「サイバー攻撃」を口実とした「サイバー」分野
の法改正の建前をとりながら、法案が意図するものは、以下に示すように、憲
法が保障している私たちの人権を総体として侵害し、戦後の自治体警察の枠組
を根底から覆すものです。

– 戦後の自治体警察を事実上解体し、警察庁が直接指揮する国家警察制度に道
  を開くものです。
– 私たちの言論・表現の自由やプライバシーの権利を大幅に侵害する情報通信
  分野全体を包括的に警察の監視下の置くことを可能にするものです。
– 警察はすでに膨大な個人データを蓄積していますが、更に大規模なデータ収
  集とより高度な監視技術の導入を許すものです。
– 警察による監視システムの高度化は、どこの国でも政権に批判的な野党、
  ジャーナリズム、政治運動、労働運動、研究者などを網羅的に監視する仕組
  みとなっています。
– 民間の情報通信産業を警察の監視下に置くことになります。

特に国会議員の皆さんには、みなさんの政治活動に対しても深刻な影響をもた
らすことを深刻に受け止めていただきたいと思います。ぜひ議員個人としても、
また所属する政党や会派としてもはっきりと反対の立場を明かにしてください。

反対声明はこちらをごらんください。
(声明)警察法改悪反対、サイバー警察局新設に反対します
https://www.jca.apc.org/no-cyberpolice/
法案批判
https://www.jca.apc.org/no-cyberpolice/houanhihan/

警察法改悪反対2.6実行委員会
連絡先
小倉利丸(JCA-NET)
toshi@jca.apc.org
070-5553-5495

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反対行動カレンダー(3月3日現在でわかっているもの)
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■3・7 国会前行動/警察法改悪に反対する院内集会
★3・7秘密保護法廃止!共謀罪廃止!監視社会反対!★
    ★「12・6  4.6を忘れない6日行動」★
    ー警察法改悪に反対しますー
国会前行動
とき 3月7日(月)12時〜13時
ところ 参議院議員会館前
発言   国会議員、市民団体
共催   共謀罪NO!実行委員会 
       「秘密保護法」廃止へ!実行委員会

警察法改悪に反対する院内集会
ー国家警察反対!サイバー警察局はいらない!ー
とき    3月7日(月)13時30分〜15時
ところ    衆議院第一議員会館第6会議室
お話    村井敏邦
挨拶    国会議員
発言    市民団体
共催    共謀罪NO!実行委員会 
    「秘密保護法」廃止へ!実行委員会
    警察法改悪反対・サイバー局新設反対2・6実行委員会
※オンライン配信します。ご視聴は下記からお願いします。
https://youtu.be/WZ6WLpoGsrU
          1時から院内集会
主催:共謀罪No!実行委員会他。
https://www.kyobozaino.com

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反対声明、論評、集会動画など
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■警察法改正案の拙速な成立に反対し、廃案を求める声明(自由法曹団)
https://www.jlaf.jp/04seimei/2022/0302_1143.html

■3.1院内集会(記録動画、資料)
https://www.jca.apc.org/no-cyberpolice/2022/02/23/20220301innai/
小倉利丸 警察法改悪批判概要
原田富弘 サイバー警察局新設と警察情報管理システムの合理化・高度化
角田富夫 わかりにくい警察法―どこが問題なのか
下記からもごらんいただけます。
UPLAN
https://youtu.be/KAUhqMx1udk

■秘密保護法対策弁護団など3団体が意見書を政府に提出
https://www.jca.apc.org/no-cyberpolice/20220221_ikensho_bengodan/

■サイバー警察局・サイバー特別捜査隊の創設に反対する学者・弁護士共同声

https://www.jca.apc.org/no-cyberpolice/2022/02/24/gakusha_bengoshi_seimei/

■意見書:国際紛争を解決する手段としての「戦争」を放棄した国に、情報機
関を設立する必要はない
https://www.jca.apc.org/no-cyberpolice/20220221_ikensho_bengodan/

■誰も取り残さないサイバー監視サイバー警察局・特捜隊新設!(原田富弘)
https://www.jca.apc.org/no-cyberpolice/harada_20220216/

■国家警察復活絶対反対! サイバー犯罪対策を口実にする警察法改悪に NO
を!(角田富夫(盗聴法に反対する市民連絡会)
https://www.jca.apc.org/shiminren/wp-content/uploads/2022/02/tsunoda.pdf

■2.6集会の動画と資料
https://vimeo.com/663825860

■2.24院内集会
Uplan
https://www.youtube.com/watch?v=HS3bXF7G_qo

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地域で学習会や集会などを企画してください。オンラインでもリアルでも可能
な限り対応します。
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法案など法律問題だけでも難しいのですが、「サイバー」は更に技術的な問題
も関わり、なかなか理解できないことも多いかもしれません。学習会や集会開
催のお手伝いをします。講師の派遣や資料の提供なども気軽に相談してくださ
い。東京から遠距離になる場合、オンラインで会合などのお手伝いもできます
ので相談してください。

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発行
2022年3月3日
発行者
2・6実行委員会