FGMとは? (3/3)

"Female Genital Mutilation"(FGM)という用語に関する宣言



2005年4月にマリ・バマコで開催されたIACの第6回総会で“FGM”という用語を使用することが改めて確認された。以下に紹介するのは、そのことを力強く謳った宣言文の全訳である。“FGM”を使うことが運動の推進にとってなぜ重要なのか―長年アフリカの廃絶運動を積極的にリードしてきた当事国団体としての見解が明確に打ち出されている。

2005年4月4日から7日までI ACの第6回総会がマリのバマコで開催された。会議ではこれまでの運動の進展や障害が再検討され、有害な慣習、特にFGMに反対するキャンペーンをさらに推し進めるための話し合いに焦点が当てられた。アフリカ28ヶ国以上の国内委員会、IACグループセクション、支部、パートナー団体、人権団体、ドナー(資金援助者)、そして国連の専門機関やアフリカ経済委員会からの使節がこの会議に出席した。

第6回総会で特に論議されたのは言葉をめぐる問題であった。これまでFemale Genital Mutilation(FGM)という言葉が表象する意味を弱め、次のようなものに置き換えようとする動きが続いてきた:Female Circumcision(女子割礼)、Female Genital Alteration(女性性器変質)Female Genital Excision(女性性器削除)、Female Genital Surgery(女性性器手術)、そして最近になってからはFemale Genital Cutting(FGC;女性性器の切り込み、カット)。

Female Genital Cutting(FGC)という言葉はすべてのタイプのFGMが引き起こす害と損傷の程度を厳密に反映してはいない。この用語はいくつかの国連専門機関と、主に西欧諸国に基盤を置く特定の圧力団体に影響された二国間援助機関によって採用されている。こういった用語の変更はFGM=女性性器切除の本質を見えにくくさせ、アフリカの女性・少女の苦しみを矮小化するものであると私たちは強く主張したい。
しかも、これらの変更はアフリカ女性になんらの相談もなく行われた。このことは、廃絶キャンペーンの最前線にあるアフリカ女性たちが到達した総意を無視し、沈黙のうちに苦しんでいる数百万のアフリカの少女と女性の声を踏みにじるものである。

世界中の人々に知ってもらいたいのは、運動の先頭に立つアフリカの女性たち自身が1990年エチオピアのアディスアベバにおけるIACの総会でFGMという用語を採用したということである。彼女たちがこの勇気ある第一歩を踏み出し、この慣習が行われている自分たちのコミュニティーで真っ向からこの問題と対峙しようと決めた理由は以下のとおりである。


  1. FGM以外の表現はこの慣習の本質を混乱させるとともに、それがもたらす重大な影響についての人々の考えにも混乱を生じさせる。

  2. 廃絶運動は長期にわたる闘争になること、またアフリカの人々のものの見方や態度を変えていくプロセスは極度に痛みを伴うものになるだろうことが予想される。

  3. しかしながらこの痛みは、伝統的な儀式から女児や女性を解放する社会変革を実現するためには不可欠なものである。それによって女性の意識を変え、力をつけ、女性のセクシュアリティとリプロダクティブ・ライツをコントロールする一形態であるFGMと決別できるのである。

  4. アフリカの女性と男性はFGMの真の本質に向き合わなければならない。長い時間がかかる変化というものは、変革者が地域社会に働きかけ、地域社会がこの痛みに満ちたプロセスを経て初めて達成できることはこれまでの活動の経験が示している。問題と正面から対峙しなければ、地域社会はFGMの重大さをいつまでも否定し続けることになり、たとえ変革があったとしても単に一時的なものになるだろう。


アフリカ以外の国の人間が地域社会へ入って衝突せずに意見を交わすために他の用語を採用する可能性があることは認めるが、FGMという用語は保持されなければならない。

FGMという用語は批判的なものではない。そうではなく、これは少女と女性の外性器に対して行われる行為を表す医学的な用語である。これは文化として実在しているものである。mutilation(切除;切断;体の一部を切り取ること)とは健康な組織を取り去ることである。この言葉によって不快感を覚える人がいたとしても、それはこの言葉の不使用を正当化する理由にはならない。

FGMという用語は、1995年ジュネーヴで開かれた初の専門家による作業委員会の際、その場に出席したアフリカ人に広く容認されたことを私たちは強調したい。北京会議でも同様にFemale Genital Mutilationという用語は採用され使われた。“FGM ”はEU、アフリカ連合で採用され支持されていて、最近では、マプト議定書(人権、女性の権利に関するアフリカ憲章への追加議定書)を含むすべての文書で使われている。
欧州ならびに(アフリカ人が)移住した土地でFGM廃絶の努力がなされていることを私たちは高く評価しているが、部外者がアフリカの女性や少女の抑圧を特定の用語を使って定義するというのは尊大で当事者を軽んじる態度である。この問題に取り組み活動するアフリカの最大グループによって承認された用語を、いったいこの世界でアフリカ人以外の誰に変える権利があるというのだろうか。
これは控えめに見てもアフリカ人を庇護しようとする父権主義である。また、FGMについて語ることがタブーであった時代からアフリカの女性たちがFGMに対して闘ってきた長い年月の後で、当初から運動に関わっていたわけでもなく、闘いの本質を理解してもいない部外者にこの運動がいかにして乗っ取られたかを悲しく物語るものである。

私たち、第6回IAC総会の参加者は、


  1. あいまいな用語を使うことによってこの伝統的慣習を矮小化しようとする動きをやめるよう求める。

  2. すべての団体と国際機関が、IACによって1990年に採用され、2002年に改めてその使用が確認された用語 “FGM” に立ち戻ることを求める。

  3. すべての国際機関に対して、現地で活動するNGOが “FGM” の用語を使い続ける権利を尊重し、“FGM”という用語を使ったために資金援助を拒否することのないよう求める。

  4. アフリカ女性の声に耳を傾け、彼女たちのFGM廃絶行動への呼びかけを心に留めるよう求める。

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