Q&A

よくある質問


Q:FGMを廃止しようという声があがったのはいつ頃からですか?

A: 1980年代初頭に、FGMの慣習をもつ当事国であるアフリカから廃絶の動きは出てきました。1990年代に入ると世界的にも知られるようになり、「FGMは女性への暴力、健康破壊、人権侵害、悪習である」として、多くの国連機関やNGOがFGM廃絶に積極的に取り組むようになりました。また、法律でFGMを禁止する国も増えてきました。
現在では、国境を越えた協力の輪が広がっています。2012年には、国連総会でFGMを禁止する決議が採択されました。以前来日したアフリカの活動家は、「アフリカの人々とアフリカの外の人々が手を結び、あらゆる手段を駆使しなければFGM廃絶は達成できません。一緒にFGMにノーと声を挙げてください」と訴えました。


Q:FGMを廃止するために現地ではどのような活動をしているのですか?

A: FGM廃絶のために活動している多くのNGOは、実際にFGMを行っている地域を訪ね、人々を説得するという草の根の活動を大切にしています。ただし、いきなり「FGMは悪い慣習だからやめましょう」と人々に訴えても、FGMを長い間自分たちの伝統として続けてきた人々は話を聞こうとしないでしょう。
まず、地域の人たちの考えを聞いて、理解することが重要です。そこから、少しずつ話を始めます。歌、演劇、映画などを通して、またポスターや模型などを使って、FGMが女性の心身に与える影響について話をします。
学校のカリキュラムに反FGM教育を盛り込む、ラジオ放送でFGM廃絶を訴える、FGM禁止法について知ってもらう、といった様々なキャンペーンも行っています。さらには、FGMによって収入を得ている切除者には、技能訓練を提供して別の職業に就く手助けをする活動もよく見られます。
『反FGM基金プロジェクト報告』もあわせてご覧ください。)


Q:日本に住む私たちには何ができますか?

A: FGMは、地域の人たちにとっては昔から行われている伝統や文化だととらえられています。また、性に関わることでもあるので、実際の活動は地域の文化をよく知っている現地の人たちが行ったほうが効果的です。
私たちは、現地で活動する人たちの声を聞いて、必要とされている支援を送ることが重要だと考えています。財政面ばかりではなく、日本に住む私たちがもっとFGMのことを知って、この慣習がない日本からも「FGMの廃絶に協力します」という声を送ることも、アフリカの人々の力になることだと思います。


Q:現地にお金を贈るという協力ができますか?

A: WAAFでは、『反FGM基金 (WAAF Fund) 』を通して募金を集め、アフリカ現地のNGOが行うプロジェクトを支援しています。郵便振込みは1,000円以上ですが、振込み以外ならいくらでも結構です。どうぞご協力ください。


Q:WAAFではどんな活動をしていますか?

A: 現在は『反FGM基金』による現地でのFGM廃絶活動支援を中心に活動しています。反FGM基金実績反FGM基金プロジェクト報告をご覧ください。


Q:最近は「女性性器切除」でなく「女性器切除」という言葉をよく見聞きしますが、この二つは違いますか? またWAAFはなぜ「女性性器切除」を用いているのですか?

A: 1996年にWAAFが日本で活動を始めた当時はFGMに相当する日本語はなく、スタッフ間で話し合いを重ねた結果、女性性器切除という訳語を採用しました。単に身体パーツとしての「女性器」を切除する「女性器切除」ではなく、「女性」であるがゆえに「性器」を「切除」されるのだという女性身体への暴力性と女性差別性を明確に示したかったからです。
FGMは女という性であるために受ける暴力です。この本質が、「女性器」という部位だけを表す「女性器切除」という言葉では薄れてしまう恐れがあります。FGMという慣習そのものは日本にはありませんが、私たちも「女性への暴力」に常にさらされています。WAAFが目指すのは、FGMだけでなく女性へのあらゆる暴力にNO!を言うことです。たった一字の違いですが、その一字の持つ意味は大きいと感じます。


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