第322回定例会(2019.7)再審・湖東記念病院事件

人権と報道・連絡会の第322回定例会が6月 21 日、東京・水道橋の「スペースたんぽぽ」で開かれ、約15人が参加した。テーマは、「再審・湖東記念病院事件と報道」。

滋賀県の湖東記念病院で 2003年、植物状態の患者の人工呼吸器を外したとして殺人罪で懲役1 2 年の有罪判決が確定した 元看護助手の西山美香さんが服役後、無実を訴え審理のやり直しを求めた裁判で、最高裁は今年3 月1 8 日、第2次請求を認めた大阪高裁の決定を支持、再審開始が確定した。この事件では、西山さ んが刑務所から両親に送り続けた350余通の手紙などをもとに中日新聞が「供述弱者を守れ」と 掲げた連載記事などで調査報道を展開、再審開始を後押しした。定例会では、主軸になった秦融・ 同紙編集委員から、警察や検察などの言うがままを垂れ流す犯罪報道の現状に対し、緻密な取材の プロセスと蓄積を読者に示し判断をゆだねる手法で、権力によるでっち上げの実態を暴露し、冤罪 を明らかにした経緯を報告してもらった。