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『放送メディアの歴史と理論』内容案内

NHK、フジテレビ、TBS、放送メディアの危機と再編。
今、なにが問われているのか

『放送メディアの歴史と理論』

木村愛二(2005年11月18日社会評論社 四六判 350頁/2400円
木村書店取扱(送料無料・税無)

内務官僚が操った日本の放送メディア史をたどり、うごめく電波独占支配の影武者たちを照らし出す。
元日本テレビ調査員だった著者が、電波をめぐる状況に鋭く切りこむ。

内容案内(目次)

冒頭陳述・NHK受信料の歴史と問題点
はしがき

序章 NHK・日本テレビ・フジテレビvsライブドア ・
     大手メディア騒動の一年
●「ネットとの融合、本格化」最新情報は「日テレ、番組ネット配信」の歴史的教訓
●「政治介入」云々以前にNHKそのものが最も強力な政治的圧力団体
●「マスメディア集中排除原則」に基づく行政指導の法網潜りが不当解雇の真因
●「公共性」「不偏不党」「公平」「公正」「中立」という電波の政治的特性
●「マスコミ・メディア・ジャーナリズム・ジャーナリスト」神話の批判的理解が必須条件
●民放労連関東地連で担当した『おしゃべりアンテナ』の創刊四十周年


第一部「歴史編」
日本の放送メディアの公史を事実で検証し直した正史としての通史
  ―その中心はNHKと大手新聞系列放送局―

第一章 内務・警察高級官僚が操った日本の放送メディア史
●「羊頭狗肉」の詐欺に等しい「放送論」のたぐい
●『テレガラーフ古文書考/幕末の伝言』発見の衝撃
●「政府自ら公企業として」経営の目論見もありと記す古書『ラジオ産業廿年史』
●東京放送局初代総裁・後藤新平は露骨な侵略主義者
●陰の仕掛け人は関東大震災の内務省「虐殺コンビ」
●新聞社側と実業家側が競合中に正力松太郎が読売乗り込み

第二章 ラディオ五〇年史にうごめく電波独占支配の影武者たち
●日本ラディオ前史の陰謀
●「東洋大放送局」の大風呂敷
●『放送五十年史』は謀略放送への関与を隠蔽と証言する元NHK職員
●忍法ラディオ一本化の術
●出願合戦、史上初のフィクサー
●「民間」の元・警察高級官僚
●後藤新平総裁かつぎ出しの「画策」の背景に無線電信電話機
●統一NHK理事長は総裁と張り合う汚職王
●読売新聞の社説と「満州国の独立」を支持する日本全国一三二社の「共同宣言」
●蘆溝橋事件から支那事変へと戦争を煽った日本の大手新聞

第三章 戦後の放送メディアの歴史をめぐる主要な問題点
●「武器」として建設された日本のテレヴィ放送網
●「テレビカメラはどこかね。そっち?」と首相言い
●敗戦後の大手新聞「ケイレツ」生き残り作戦
     「自らを罪するの弁」から「一斉に右へならへ」までの軌跡
     「新聞自体が生き延びるため」の基本条件を棚に上げた議論
     「社長……」と嗚咽しつつ、今度は米軍に妥協した戦後史
●アメリカの系列下に入った日本版「ザ・ネットワーク」戦略の展開
     巨大軍需会社がテレヴィ全国ネットワークを買収
     大手メディアによる「無視」という方法の隠蔽機能
     弱肉強食政策でマスコミ企業を握る力強いアメリカ
     湾岸戦争報道批判で自らの手抜き調査の告白と反省
     「三匹の盲目のネズミ」にも似たネットワークの迷走
     資産売却やレイオフやり放題のアメリカ式残酷物語
     ケイブルテレヴィとCNNの台頭による挟み撃ち
●湾岸戦争報道におけるアメリカ発の神託「ヴィデオ」
     宇宙空間から下る御神託『ヴィデオ』
     ネットワークによる国際的な思想支配にも経済的土台
     問題の「アメリカのジャーナリズム」の先輩は日本か
     大手メディアは「被害者」などではなく「共犯者」
●9・11事件、イラク戦争のアメリカ追随、右往左往「テロ」合唱
     右往左往「テロ糾弾」合唱と条件反射の基底にアメリカ発テレヴィ動画
     9・11事件のテレヴィ報道は史上空前の衝撃度
     「同時多発テロ」の「ネイミング」を、あの「大本営発表」NHKが今度は自認
     テレヴィ映像の魔術に引っかかった著名な論者たち
●マードックのフォックス・テレヴィが煽ったイラク戦争


第二部「理論編」
官製の公史のエセ理論を根本的に疑い調べ直す

第四章 権力を守護する象牙造りの「学説公害」神殿
●「公平原則」撤廃へ向けての世論誘導の企み
●当局発表鵜呑みの「学説公害」オンパレード
●著名大学教授や著名評論家らの社会的役割
●国際的にも非常に遅れた放送の歴史的研究
●アメション・ザアマス型のジャーナリズム論
●「ジャーナリズム本来」は、そんなに立派な仕事か
●歴史を調べずに当局見解をまねるエセ「理論」
●体制側の分裂によってはじめて表面化した矛盾
●メディアと言論の根本に潜む人権と人類史の深渕
●放送を片手間に論ずる失礼なジャーナリズム関係者
●明治維新の元勲伊藤博文以来の「学説公害」の実例
●当局見解に疑いを差し挟まない「封建的」学界(業界)
●周知だった「ナレアイ性」マスコミ研究の弊害
●「象牙の塔」研究所が守護する伝統的公式見解
●電波の「政治的」特性を理解することの重要性
●神話のカラクリがいつまでも続くカラクリの秘密
●国家による電波ジャックの事実を覆い隠す「希少性神話」
●「基本的事項」=「放送事業ハ公共的性質ヲ有スル」
●「厳重な監督」方針で当局が放送を一本化した真相
●禁固一〇年の重罪で脅しつけた国家の電波ジャック
●検閲済み新聞記事朗読から大本営発表への一本道
●ラディオ放送の独占化と非民主的な社会主義の関係

第五章 「天動説」から「地動説」への理論転換
●奇妙な矛盾に陥る反体制派の「公平原則」合唱
●「公共」を「希少」にスリ替えた公認「模範答案」
●立派な理論と実例がある「放送時間の分割使用」
●オランダ人の近代的な個性が放送制度にも反映
●「四次元空間神話」が支える独裁的な「編成権」
●「公共性」「不偏不党」「公平」「公正」「中立」
●「多様性の確保」や「複数意見の提出」は可能か
●無自覚または中途半端な「不偏不党」論議
●「不偏不党」を守れと力説する大学教授
●米騒動と日本新聞史上最大の筆禍「白虹事件」
●朝日新聞が権力に救命を懇願した屈辱の誓約
●戦後の「新」朝日新聞綱領に復古調の隠し味
●金髪で色白、ブロンド優先の言論の自由に疑問
●「公平原則」の現実にみるアメリカ民主主義の限界

第六章 「打って返し」を食う「公平原則」信奉者
●「公平原則」の霞に包まれたまま「再検討の時期」
●法学的な抽象用語だけで議論する世界の限界
●無線も有線も「すべてエスタブリッシュメント」
●「多元化神話」に潜む電波主権要求ガスぬきの罠
●古今東西、勝利の秘訣は敵の本陣を衝く基本戦略
●情報不足の危険な物真似論議に「ちょっと待った!」
●貧富の差がかつてなく増大したレーガン政権時代
●議会は「公平原則」復活まで放送関係の審議を拒否
●二重の神話利用による逆ハンディレースの押し付け
●規制緩和を推進したFCCの実態に重大な疑問
●市場の魔術によるドンデン返しの結果を予測か
●多国籍巨大企業が演出するメディアの魔女の祭典
●規制緩和でメディアの国際的大手支配は野放し
●「独占集中排除」のおざなり堤防は完全に決壊状態
●ライブドアのインターネット融合方針と市民ネット放送
 
終章 送信者へのコペルニクス的転回の道
●自らを組織してこそ本物の放送メディア主権者
●湾岸戦争から続いて発展する「民衆のメディア連絡会」
●マスメディアの限界を知りつつ批判と啓発を追求
●印刷・活字を含む「公共性」メディア全体解放の視点
●民衆の側に立つプレスマン(印刷兼執筆業)の伝統
●市民トム・ペインと『コモン・センス』の時代
●カレー選出のフランス国民議会議員と恐怖政治
●奴隷制大農園主・初代大統領ワシントンの背信
●奴隷制反対の筆をふるったペインの葬列に二人の黒人
●人間と市民の権利宣言の基本に立ち戻る議論展開を
●「受信料」問題と「公共放送・NHKの抜本的改革」
●「NHK受信料支払い停止運動の会」との連携は新たな可能性か

[資料1]放送法[抄]
[資料2]無線電信法[官報から罰則条文のみ抜粋]
[資料3]戦後日本の放送局における解雇事件
[資料4]「一般放送事業者に対する根本基準第九条の適用の方針」および
「一般法総事業者に対する根本基準第九条の適用の方針に基づく審査要領」
     (一九五九・九・一八付)
[資料5]総務省「一般放送事業者のマスメディア集中排除原則違反事例」
      に関する 報道資料
[資料6]日本版「ザ・ネットワーク」システム図

主要参考文献
あとがき


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2008.9.16