『亜空間通信』779号(2004/05/27) 阿修羅投稿を再録

イラク米軍司令官交代異変の情報総合し元中央軍司令官の「大失敗」批判に至る予言的中状況

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『亜空間通信』779号(2004/05/27)
【イラク米軍司令官交代異変の情報総合し元中央軍司令官の「大失敗」批判に至る予言的中状況】

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 転送、転載、引用、訳出、大歓迎!

 最初に、この件、拙題、「イラク米軍司令官交代の異変」に関して、私は、「重大な曲がり角」という歴史的な意味の評価を与える。

 私が、こう評価をしたのには、いくつかの根拠があるが、実は、以下のわが2日前の投稿、ニューヨークタイムズ大見出し記事の紹介が、その「異変」の表面的な結果なのである。

イラク米軍司令官に軍のナンバー2、4星上級将軍が交代の異変
http://www.asyura2.com/0403/war55/msg/757.html
投稿者 木村愛二 日時 2004 年 5 月 25 日 19:19:57:CjMHiEP28ibKM

ニューヨークタイムズ最新大見出し記事。

イラク米軍司令官に軍のナンバー2、4星上級将軍が交代の異変

昇進する予定の前任サンチェス中将の行く先が決まらずは、様々な解釈あり、アブグレイブ問題は当然ある。方針の変更は、この数日間の出来事。

http://www.nytimes.com/2004/05/25/politics/25SANC.html?th
May 25, 2004

No. 2 Army General to Move In as Top U.S. Commander in Iraq
By ERIC SCHMITT and THOM SHANKER

WASHINGTON, May 24 -- The top American officer in Iraq, Lt. Gen. Ricardo S. Sanchez, will leave his command this summer, to be replaced by the Army's second-ranking general, senior Pentagon officials said Monday. The change is part of an overhaul of the American command structure in Iraq that will put a higher-ranking officer in charge.
[後略]

 以上は、とにもかくにも、これは、高級紙か否かは別としても、アメリカの最もよく知られた日刊紙、ニューヨークタイムズの大見出し記事なのであり、目下の世界の焦点のイラクを占領支配する米軍の最高司令官の突如交代劇なのだから、いかに間抜けな日本の大手メディアにも、一応の記事が載ったようである。

 別に、いちいち実地検分する気にはならないが、以下は、わが投稿へのフォローによる「共同通信」の配信記事の紹介である。

駐留米軍司令官が交代へ 虐待事件黙認の疑惑浮上(共同通信)
http://www.asyura2.com/0403/war55/msg/758.html
投稿者 シジミ 日時 2004 年 5 月 25 日 19:33:51:eWn45SEFYZ1R.
(回答先: イラク米軍司令官に軍のナンバー2、4星上級将軍が交代の異変 投稿者 木村愛二 日時 2004 年 5 月 25 日 19:19:57)

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20040525-00000130-kyodo-int
【ワシントン24日共同】米主要メディアは24日、米国防総省がイラク駐留米軍のサンチェス司令官(中将)を交代させる方針を固めたと報じた。後任にはケーシー陸軍副参謀総長(大将)が浮上している。

 イラク人虐待事件でサンチェス司令官が虐待を黙認していたとの疑いが浮上しているが、同省当局者は「事件とは関係ない。任期(の終わり)が近づいているということだ」と述べ、更迭説を否定した。

 しかし、虐待事件の渦中にある司令官の交代だけに、責任追及の矛先をかわすためなど、さまざまな憶測を呼びそうだ。

 国防総省当局者は、主権移譲後に多国籍軍を率いる司令官を中将から大将に格上げすることが数カ月間にわたって検討されており、その一環の人事だとの見方を示した。(共同通信)

[5月25日13時20分更新]

 この日本語の実に短い記事では、この人事異動の原因が、「イラク人虐待事件」、アブグレイブ(これは英語読みで、アラブ語の発音は「アブグライブ」のようである)での拷問の残虐行為が世界中に知れ渡った結果であるか否か、という狭い範囲の理解である。

 ところが、すでに、阿修羅戦争55掲示板には、CBSテレヴィでの放送状況の情報の英語だけの転載の投稿があったのである。件名も英語だけだったので、あまり議論になっていないが、これは、イラク「戦争」に関する決定的な問題点の急速な浮上なのである。

 この英文記事の全文は、最後にそのまま紹介するが、以下は、見出しと、中心的な部分、要点だけと、その拙訳である。

 以下のScrewed Upは、アメリカの俗語的表現で、大失敗、動転、狼狽、混乱、処置無し、などの意味の決定的な批判なのである。その批判者に対しては、「率直」な人柄との評価がある。

Gen.Zinni: 'They've Screwed Up'(60minutes)
http://www.asyura2.com/0403/war55/msg/744.html
投稿者 天地 日時 2004 年 5 月 25 日 12:44:20:IVYNMLFehyE6c

Gen. Zinni: 'They've Screwed Up'
http://www.cbsnews.com/stories/2004/05/21/60minutes/main618896.shtml
May 21, 2004

(CBS) Retired General Anthony Zinni is one of the most respected and outspoken military leaders of the past two decades.

From 1997 to 2000, he was commander-in-chief of the United States Central Command, in charge of all American troops in the Middle East. That was the same job held by Gen. Norman Schwarzkopf before him, and Gen. Tommy Franks after.

Following his retirement from the Marine Corps, the Bush administration thought so highly of Zinni that it appointed him to one of its highest diplomatic posts -- special envoy to the Middle East.

But Zinni broke ranks with the administration over the war in Iraq, and now, in his harshest criticism yet, he says senior officials at the Pentagon are guilty of dereliction of duty -- and that the time has come for heads to roll. Correspondent Steve Kroft reports.
“There has been poor strategic thinking in this,” says Zinni. “There has been poor operational planning and execution on the ground. And to think that we are going to ‘stay the course,’ the course is headed over Niagara Falls. I think it's time to change course a little bit, or at least hold somebody responsible for putting you on this course. Because it's been a failure.”
[後略]

 この批判者、アンソニー・ジンニ退役将軍は、この20年間では最も尊敬されていた率直な軍事指導者である。今の今、カタールを基地としてイラクを占領支配している米中央軍の司令官経験者、湾岸戦争のシュワツルコフと、イラク「戦争」のフランクの中間の司令官だった「海兵隊の将軍」なのである。

 彼は退役後、ブッシュから、中東の全権公使という最高の外交上の地位に指名されたが、イラク「戦争」に際して、ブッシュ政権と袂を分かったのである。

 その退役将軍、ジンニが、率直に、現在の明白な破局に至るペンタゴンの「失敗、動転、狼狽、混乱、処置無し」の実情の根底に遡って、「貧困な戦略思想」であったと断じ、方針転換の時期と判断し、それをCBSのワイドショー、60分で語ったのである。

 その直後に、ニューヨークタイムズが報じたのが、上記の司令官交代の異変なのである。

 ここで最も重要なのは、繰り返すが、アンソニー・ジンニ退役将軍が、ペンタゴンのイラク「戦争」計画を、「貧困な戦略思想」と断じていることである。

 戦略、戦術、戦闘の序列で言うと、根本が狂っていたと指摘しているのである。日本の太平洋戦争のようなもので、玄人が見れば、最初から、やけのやんぱち、勝ち目のない無茶苦茶の計画の強行だったのである。

 しかし、問題は、なぜ、そうなったのか、にある。

 以下、わが自称名探偵の自慢の予言的中の典型を示す。日付は、以下のごとく、イラク「戦争」開始の2003年3月20日から、丁度、一週間後である。

http://asyura.com/0304/bd25/msg/300.html
『亜空間通信』539号(2003/03/27)
【イラク戦局危機急展開の背後に潜むネオコン強迫観念は911謀略暴露怖れ居直り】

 転送、転載、引用、訳出、大歓迎!

 昨夜来、予測通りの事態が進展している。

 私は、一昨日(2003/03/25)と昨日(2003/03/26)、以下、表題を示すに止めるが、主旨が連続する通信を発した。

----- 引用ここから ------------------------------
http://www.jca.apc.org/~altmedka/aku536.html
http://www.asyura.com/0304/war28/msg/174.html
『亜空間通信』536号(2003/03/25)
【イラク攻撃の敗因の基本は戦争プロの意見を無視したネオコン極右素人戦略なり】

http://www.jca.apc.org/~altmedka/aku538.html
http://asyura.com/0304/war29/msg/125.html
『亜空間通信』538号(2003/03/26)
【米敗走予想をスコット・リッター放送の最新情報を緊急丸投げするが私見も同じ】

----- 引用ここまで ------------------------------

 上記の連続通信の内容の主旨は、ほとんど同じである。つまり、私は、スコット・リッターと、ほぼ同じ観測をしていたのである。

 しかし、一昨日の通信の際は、材料は溢れていたものの、超多忙と情報過多の状況下、極めて簡略にせざるを得なかった。

 昨日(2003/03/26)も、超多忙と情報過多の状況に変わりはなく、緊急の「丸投げ情報」にせざるを得なかった。

 本日(2003/03/27)は、CNNの最新情報を録画しながら、なぜ、「ネオコン極右素人戦略」が、そのまま罷り通っているのかについて、少し詳しく持論を展開する。

 まず、アメリカ軍は、世界最強である。他の28カ国が束になって掛かってもかなわないと言われる。

 そのアメリカが、なぜ今、「苦戦」しているように見えるのであろうか。大手メディアも、それぞれ、必死の取材と研究の成果を発表している。

 たとえば、昨日の日経(2003/03/26)朝刊では、

[前略]
「補給が追いつかないということだ。部隊の前進に合わせて補給基地を築くのが戦争の鉄則だが、今回は首都後略を急ぐあまり補給線の警護が手薄になり、攻撃を受けている」

と説明している。

 なお、この問題を考える上では、以下の「イラク開戦最新MAP 拡大」を取り込んで印刷すると便利である。

----- 引用ここから ------------------------------
http://asyura.com/0304/war28/index.html
★阿修羅♪ 戦争28
イラク開戦最新MAP 拡大
http://popup.tok2.com/home/zundou/Sizen/Zizi/world/Iraq/Iraq-gunzi-new0.htm
----- 引用ここまで ------------------------------

 以下のような昨夜の新情報もある。

----- 引用ここから ------------------------------
米国防長官、「作戦ミス」追求の記者団に気色ばむ [読売新聞]
http://www.asyura.com/0304/war29/msg/183.html
投稿者 あっしら 日時 2003 年 3 月 26 日 21:10:41:

 【ワシントン=柴田岳】「アフガニスタン攻撃でも新聞は『泥沼』と書いたじゃないか」――。25日の米国防総省の記者会見で、イラク側の抵抗に手こずる米軍を念頭に「軍事作戦にミスがあったのではないか」と食い下がる報道陣に対し、ラムズフェルド国防長官が気色ばむ場面があった。

 記者団は、南部戦線でのイラク軍の予想以上の抵抗を指摘し、「地上戦への戦力投入が不十分という批判が退役将校や国防総省の内部にある」と攻め立てた。ラムズフェルド長官はいったん、「この作戦はよくできた計画だ。地上部隊を開戦から4、5日でバグダッド近くまで進撃させた。司令官は皆、計画に満足している」とかわした。

 しかし記者団は、「長官はそう言いながら、戦争は初期段階だとも言う。国民にもっときちんと説明すべきだ」と追求。すると、ラムズフェルド長官は、アフガニスタン攻撃の例をあげ、「開戦から数日後に新聞は『泥沼』と書いたが、その数日後には要衝マザリシャリフは陥落し、他の都市も次々と落ちた。米国は自由の国だから退役軍人たちが何を言おうと仕方がないが、真実ではない」とたんかを切った。

 記者団は、同席したマイヤーズ統合参謀本部議長にも、「(『衝撃と畏怖』の作戦との名があるが)フセイン政権に衝撃を与えたと思うのか。彼らはテレビで演説しているじゃないか」と詰め寄った。
 [中略]
(2003/3/26/19:32 読売新聞 無断転載禁止)
http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20030326i112.htm
----- 引用ここまで ------------------------------

 その後も、同種の情報は溢れてきたが、細部は、阿修羅戦争29掲示板などに譲る。

 しかし、以下のように、それほどの「苦戦」ではないという「軍事アナリスト」の見方もあった。

----- 引用ここから ------------------------------
http://www.kamiura.com/index.html
日本軍事情報センター
-激動する世界の最新軍事情報を発信-
SINCE Nov 1999
 檗―蠶后     米軍はまったく不利な戦争を戦っていません。現実はまったく逆です。心理戦に惑わされないように気をつけてください。[後略]
----- 引用ここまで ------------------------------

 これまた、まずは、「心理戦」も戦争の重要な局面であることに留意すべきである。損害(戦死者)」の数が少なくても、アメリカに動揺が広がれば、イラクには有利となる。その他、多くの視点からの分析が必要不可欠である。

 上記の読売新聞記事の中の「地上戦への戦力投入が不十分という批判」に関しては、もう少し詳しく資料を参照する必要がある。

 開戦直前、3月19 日付けの日経朝刊の一面トップ記事の見出しには、「兵力28万人を配備」とある。

 私は、上記の

『亜空間通信』536号(2003/03/25)
【イラク攻撃の敗因の基本は戦争プロの意見を無視したネオコン極右素人戦略なり】

 の中で、遙かに7ヶ月も前、2002/07/30発の日付の旧文から、以下に抜粋する「「数字」の問題を指摘した。

----- 引用ここから ------------------------------
「湾岸戦争仕掛け人」、空軍退役中将、スコウクロフトは、米外交問題評議会で、「20万から30万の兵力を投入する必要があるし、数年間現地にとどまらなければならなくなる」と語ったが、この計画が、メディアによる世論操作作戦の中で、「5万の短期」、ただし、「激しい空爆」へと、アメリカ人向けに修正され、「市民に語りかけ」られ、国民的「合意」の形成が進められている。
----- 引用ここまで ------------------------------

 上記の19日の日経記事を見ると、この内の「5万」が、「28万」にまで回復しているかのようである。しかし、この28万から、現在はバスラに釘付け状態の英軍4万5千と、トルコ側からの侵攻に予定され、地中海で待機中、南からイラクに入るには1ヶ月掛かる6万を引くと、17万5千となる。スコウクロフトの「20万から30万」より少ない。しかも、「短期決戦」に必要な兵力の集中的投下から考えると、不足は明らかである。

 補給を考慮に入れると、最前線に配置できる兵力は、さらに少なくなる。アメリカ軍は、ヴェトナム戦争当時、9割が兵站とされていたから、1割しか最前線には送れない。つまり、1万7千5百の勘定になる。

 もともと、湾岸戦争の末期にも、攻め入る方は、戦史の常識からして、3倍から5倍の兵力が必要と言われ、結局、イラク領内にアメリカ軍は入らなかった。その時と、どれだけ事情が変わっているのか、その根拠は、まったく不明なままである。

 そこで、問題は、この状況下で開戦に突っ走った「ネオコン極右素人」の実態であるが、たとえば、以下の英文情報がある。

----- 引用ここから ------------------------------
http://www.usatoday.com/news/opinion/2002-09-16-oplede_x.htm
09/16/2002 - Updated 09:19 PM ET

Untested administration hawks clamor for war
By James Bamford for USA TODAY

Beware of war hawks who never served in the military.
[後略]
----- 引用ここまで ------------------------------

 これは昨年9月16日付けの『USAトゥデイ』記事である。以下、簡略に要点を訳出する。

 題名は、「実績なしの政府内鷹派の戦争煽り/兵役経験のまったくない好戦的鷹派に用心せよ」である。

 戦争を煽る政府内の鷹派、ブッシュ大統領、チェイニー副大統領、ラムズフェルド国防長官らは、ヴェトナム戦争などで兵役を逃れたり、兵役経験のない者ばかりである。

 パウエル国務長官、スコウクロフト元大統領補佐官、シュワルツコフ将軍ら、軍隊経験者は、イラク戦争に慎重論を唱え、戦争未経験者のが、戦争の現実を知らずに戦争を煽ると批判している。 [後略]

 この点に関しては、すでに丸投げしたスコット・リッターにも同じ内容がある。つまり、いまや、関係者にはほとんど常識の事実である。

 この『USAトゥデイ』記事は、アメリカの国論の揺れの象徴であるが、アメリカの政治には、いわゆるオプション(選択肢)が多い。

「兵役経験のまったくない好戦的鷹派」が、どれだけ強引なブッシュ操りをしようとも、プロが阻止する可能性は残されている。

 では、なぜ、そのブレーキが利かなかったのか、ということを、私は、911以来の蓄積に基づいて、以下、簡略に述べる。

 ずばり、核心を突くと、911の自作自演説が、アメリカの与野党、支配層に、かなり詳しく知れているに違いないのである。すでに昨年6月には、議会の調査委員会が設置されるに至ったが、委員長の「実力者」、キッシンジャーが辞任して、開店休業状態になっている。

しかし、今回のイラク攻撃直前、私は、以下の2つの通信を発した。

----- 引用ここから ------------------------------
http://www.jca.apc.org/~altmedka/aku518.html
http://asyura.com/2003/war25/msg/1124.html
『亜空間通信』518号(2003/03/16)
【 これで対イラク開戦できるかアメリカ極度の混乱には民主党から3つの決定打】


http://www.jca.apc.org/~altmedka/aku517.html
http://asyura.com/2003/war25/msg/997.html
『亜空間通信』517号(2003/03/15)
【911主犯?アタらは二重工作員で資金と指導は米国政府と犠牲者家族訴訟電網放送】

----- 引用ここまで ------------------------------

 その一方で、アメリカの経済は崩壊している。この状況は、ブッシュ政権にとって、いわば「前門の虎、後門の狼」である。

 私は、この状況を、昭和恐慌下の大日本帝国に比較する。大陸侵略でもゲリラ戦の苦戦続きの日本は、いわば、やけのやんぱち、負けるのが分かっている対米開戦に踏み切った。

 その際、相手は「民主主義」だから、「アメリカの国論は、まとまりにくい」、という願望的な観測までが登場した。当然、開戦は破局への道だった。

 同じ状況を、アメリカは、今、以下のごとく、見抜かれていた。

----- 引用ここから ------------------------------
http://www.nikkei.co.jp/news/kaigai/20030326AT3K2604N26032003.html
仏大統領「イラク人の愛国心過小評価」と欧米批判

【パリ26日共同】すっぱ抜きで知られるフランス週刊紙カナール・アンシェネは26日、同国のシラク大統領がイラク戦争について、米英両国が「イラク人の愛国心を過小評価」し「戦略上の大きな誤り」を犯したと批判したと伝えた。

 同紙によると、シラク大統領は24日の側近との会合で、米英両国は「解放者として歓迎され、イラク体制がトランプの城のように崩壊するだろうと考えた」と指摘。「われわれはアラブ人の心理を米英人よりよく知っている。米英両国は彼らの愛国心を過小評価した」と述べた。

 さらに「(バグダッドでの)市街戦は砂漠の戦闘とは別物だ。(状況は)さらに悪化するだろう」と予測したという。 (22:00)
----- 引用ここまで ------------------------------

 私は、これまでにも何度か、イラク攻撃はあり得るか否かについて、質問を受けた。「予想屋ではない」などと受け流してきたが、あり得るとも考えていた。

 このアメリカの「いちかぱちか」の背後には、911「自作自演」謀略の暴露を怖れ、居直り、破局でも突き進まざるを得ないネオコンの強迫観念が潜むと見る。

 しかも、上記の「調査委員会」や上院の情報委員会の経過を見れば、アメリカの支配層は、十分な情報を得ており、911「自作自演」謀略の事実を知り尽くしていたのではないか、と考える。

 そうなると、今回の開戦に至る準備の不足を知りながらも、やらせてから「処置する」と考えた連中がいたとしても、まったく不思議ではない。

 破滅的な敗戦の経験は、アメリカにもある。ヴェトナム戦争である。しかし、アメリカは、そこから再び、「力強いアメリカ」を回復し、湾岸戦争に「勝った」。

サダムも、その際、湾岸戦争を「偉大なる戦争の母」と呼び、「勝った」と称したのである。

今回の「開戦」は、湾岸戦争の継続である。ブッシュの息子は、そのサダムの「勝利」を、今、実現しようとしているのである。

 さて、今や払暁なり。ちょうど今、戦争板が一杯なのか否か事情は分からないが、ともかく、新規投稿できない状況の下で、空耳に投稿されたばかりの以下の「通りすがり」情報は、まさに、同じ想いに満ちている。

----- 引用ここから ------------------------------
「まるで地獄の黙示録のようだ」[This is LONDON]
http://www.asyura.com/0304/bd25/msg/297.html
投稿者 通りすがり 日時 2003 年 3 月 27 日 04:43:58:lsnwkuzsIdHho

(回答先: 共和国防衛隊がナジャフの第6、第7騎兵大隊にも攻勢へ [CNN]【イラク側が二正面で大攻勢!米軍司令官も深刻さを認める】 投稿者 あっしら 日時 2003 年 3 月 27 日 03:14:50)

今日の戦いが最も厳しいものだった。約750人のイラク兵の死者を目撃した。

American Army Times のショーンD ネイラー記者(つまり軍所属の従軍記者か?)は「まるで地獄の黙示録のようだ」と報告した。(2004年5月27日追記:日本語訳の題名『地獄の黙示録』は、黒澤明のファン、フランシス・コッポラ監督のヴェトナム戦争を題材にした映画であるから、ここですでにヴェトナム化の認識が米軍の機関紙の従軍記者から出ているのである)
 ネイラーは米軍の戦車が破壊されたことと、イラク人の攻撃者に対するロケットグレネードランチャー(?)と致命的な空襲の要請を報告した。

もっとも緊迫した場面のひとつは、the 3rd Squadron の指揮官のドライバー(ランドルデュークニューカム上等兵)が、窓から片手で掃射し続ける間、Humveeのステアリングをもう片方の手だけで運転し続けたことだ。

ナジャフではバグダッドに向かう第7騎兵隊が、ユーフラテス川にさしかかった時、何百人ものイラク兵の致命的な待ち伏せに遭った。

最初の報告ではアメリカ兵の戦死者はいないと云うものであったが、ワシントンの情報筋ではかなりの死傷者が出たことが推測される。

USエイブラハム戦車に、ピックアップトラックから発射されたイラクのミサイルが命中した。
イラク兵が多大な損害をこうむった後も、小さな戦闘が続いている。
共和国防衛隊の大きな一団がバグダッドから、米軍と交戦するべく南下していると報告を受けた。

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http://www.thisislondon.com/
http://www.thisislondon.com/til/jsp/modules/Article/print.jsp?itemId=4015882

This is
LONDON
26/03/03 - War on Iraq section

'Just like Apocalypse Now'
By Hugh Dougherty in Qatar, Evening Standard

An eyewitness tells today of the heaviest battle of the war so far which has left 750 Iraqis dead.

Sean D Naylor of the American Army Times quotes a US soldier describing the fighting as so intense that "it looks like Apocalypse Now".

Naylor reports the destruction of American tanks, rocket-propelled grenade assaults and deadly air strikes called in on the Iraqi attackers.

So intense was the fighting that at one stage the 3rd Squadron commander's driver, Private First Class Randall Duke Newcomb, was forced to steer his Humvee with one hand while firing out of the window with the other.

The battle on the Euphrates came when a US armoured column of the 7th Cavalry was caught in a deadly ambush by hundreds of Iraqi soldiers on the road to Baghdad at Najaf.

Although first reports suggested there were no American dead, intelligence sources in Washington say it is feared the Allies may have taken "heavy casualties".

US Abrams tanks were hit by Iraqi missiles fired from tripods on pick-up trucks, and vicious close-quarters skirmishes continued even after the Iraqis took heavy losses. Meanwhile, a large contingent of Republican Guard was reported to be heading south from Baghdad to meet US troops head on.
----- 引用ここまで ------------------------------

 以上。

 上記の最後の記述のごとく、開戦から6日後の3月26日には、共和国防衛隊の大きな一団が、バグダッドから、米軍と交戦するべく、南下していたのである。

 この反撃の有様は、日本の大手メディアでは、ほとんど報じられなかった。直後に出てきたのは、この時に車の故障で転倒してイラク軍の捕虜になったジェシカ・リンチ上等兵の「美談」だけだったが、その「美談」は、後に「やらせ」の誇大宣伝の嘘であったことが、本人の口からも暴かれてしまったのである。

 私は、この反撃に、以後のゲリラ戦への移行の兆候を見た。この反撃は、米軍への抵抗の精神が厳然として存在する証拠だったからである。そして、その通りになったのである。

 以上。


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