チェチェン総合情報



アンナ・ポリトコフスカヤ情報
Анна Политковская

戦争によって閉ざされたチェチェンに、一人のジャーナリストが何度も分け入り、
翻弄される人々のことを書き記した。そして、誰かに殺された。
彼女の目に最後まで映った悲惨な争いを、私たちはくい止めることができるだろうか。
まず、その記録を読み、広めることからはじめよう。

基礎情報

プロフィール

ポリトコフスカヤの本

書籍画像:ロシアン・ダイアリー 暗殺された記者の取材手帳

最新刊ロシアン・ダイアリー 暗殺された記者の取材手帳(A Russian Diary)NHK出版 2007 書籍画像:チェチェンやめられない戦争

チェチェンやめられない戦争(ВТОРАЯ ЧЕЧЕНСКАЯ)NHK出版 2004 書籍画像:プーチニズム 報道されないロシアの現実

プーチニズム 報道されないロシアの現実(Putin's Russia)NHK出版 2005

note

2009年、11月20日、追悼映画上映会を開催しました

11.20 アンナ追悼上映会 くわしくはこちらをお読みください。

アンナ・ポリトコフスカヤ情報は一時休止中です

管理人多忙のため、このサイトの更新は現在停止していますが、チェチェン総合情報で、アンナに関する情報を随時更新しています。今後とも、よろしくお願いします。

プロフィール

 (1958.08.30-2006.10.07) ロシア人ジャーナリスト。1980年、国立モスクワ大学ジャーナリズム学科卒業。モスクワの新聞のノーヴァヤ・ガゼータ評論員。1999年夏以来、チェチェンに通い、戦地に暮らす市民の声を伝えている。その活動に対して、ロシア連邦ジャーナリスト同盟から「ロシア黄金のペン賞(2000)」、アムネスティ・インターナショナル英国支部から「世界人権報道賞(2001)」、および池澤夏樹氏が選考委員を務める国際ルポルタージュ文学賞「ユリシーズ賞」を受けた。2002年、モスクワ劇場占拠事件では、武装グループから仲介役を指名され、交渉にあたった。2004年の北オセチア・ベスラン学校占拠人質事件では、チェチェン独立派のスポークスマン、アフメド・ザカーエフらと連絡をとりつつ、空路北オセチアに向かうが、KGB要員たちの乗り合わせた機内で毒を盛られ、一時重態に。その後執筆に復帰したが、2006年10月7日、自宅の集合住宅のエレベーターで何者かに銃殺された。

過去の記事

チェチェンでの平和創出のためのジャーナリストからの提案
ポリトコフスカヤに何が起こったのか?/ノーヴァヤ・ガゼータ編集部(2004.09.03ごろ)
カディロフはなぜ死んだか
背中を撃たれた将軍/消えた村にて/アンジェラ
アレクシェーヴィチへの問いかけ、あるいは、変化の兆し
この戦争に英雄はあり得ない(チェチェン独立派スポークスマンへのインタビュー)
「第二次チェチェン戦争」の原文

19.Sep 2007 新たなアンナ「殺害犯」がまたあやしい
Chechen Former Official is Held in Reporter's Death but?

アンナ・ポリトコフスカヤ

アンナ殺害犯として新たに逮捕されたチェチェン元地区長官について、4年前のGazeta.Ruから情報を拾ってみました。内容を一言で総括すると、この人物はラムザン・カディロフのパパと非常に仲が悪かったようです。ロシア当局の捜査、胡散臭すぎでは…。それともでたらめやってれば世の中が関心を失うだろうという作戦?

つづきを読む

女性記者殺害でチェチェン元地区長官を逮捕[2007/09/15 CNN]


16.Sep 2007 「ロシアン・ダイアリー」書評情報ほか
Book review on Politkovskaya's "Russian Diary"

情報はTさんからいただきました。いつもありがとうございます。少し前まで、「新冷戦」という言葉は、「また誰かハッタリ屋さんが言いふらしているんじゃないのー」と思っていたのですが、いよいよ実感に近づいてきました。

殺された記者の取材ノート[朝日 2007/8/26]

「ロシアはふたたび社会的、政治的冬眠期に逆戻りした」と、強権化するプーチン政権批判を続けた。同胞が抗議の声を上げないことに苛立ちながら、西側の助力をあてにするより、自分達で民主的な自由を取り戻そうと訴える。...14年冬季五輪の開催地にソチが決まった。ロシアでは「大統領のおかげ」とプーチン礼賛の大合唱が始まったという。国力の回復を象徴する今回の当選だが、著者が明かす「プーチン帝国」の実態は、あまりに衝撃的である。(多賀幹子/フリージャーナリスト)

権力の非道を告発し、暗殺された女性記者[聖教新聞 2007/8/22]

それにしても、本書を読んで驚かされるのは、ロシアがいかにひどい状況に陥っているかということだ。金もうけと権力維持にしか興味を持たない政府高官たち...選挙でも大規模な不正操作が行なわれる。...本書で具体的に指摘される国の姿は、民主国家と呼べるようなものではなく、まるでスターリン時代に戻ったかのようだ。

膨張する軍産複合体 大国復活の切り札に[日経 2007/8/19]

ロシアが欧米との対立姿勢を強めている。時に「新たな冷戦」と呼ばれることさえある強硬路線の背景には欧米への不信感に加え、それを利用し存在感を増す軍産複合体の存在が浮かび上がる。武器の発注と輸出の合計は日本円にして4兆4千億円にのぼり、04年と比較して二倍。途上国向けでは、米国以上の武器輸出国になろうとしている。対テロを前面にした軍事ドクトリンは、今後はNATOの脅威を鮮明に位置付けたものに更新される見込み。

時代を超えて読み継がれる ロシアを理解するための基礎資料として[週刊読書人 2007/9/14]

生前、彼女は記事執筆以上に、無慈悲な国家にさいなまれ、悩めるロシアの多くの人々の相談相手となることに時間を割いた。それは、取材活動を超えたものであった。そして、温かい文章によって、呻吟する彼らを励ました。彼女自身、あからさまな威嚇におびえ、友人たちは国外脱出と記者活動からロシア問題専門家としての言論活動への移行を真剣に薦めていた。しかし、彼女は新聞記者こそが、自らの天職と思い定めていた。(岡田一男/映像作家)

そして、ロシア軍が「核兵器並みの威力だが、核とちがって環境破壊はない」などとズレた自慢をしている燃料気化爆弾FOAB。そういう問題じゃないだろう。(大富)

28.Aug 2007 ポリトコフスカヤ暗殺で治安当局者を逮捕(追記あり)
Russian Police Arrest 10 in Murder of Journalist Politkovskaya

アンナ・ポリトコフスカヤ

27日、ロシア最高検察庁のユーリー・チャイカ検事総長(プーチンの腹心中の腹心)は、アンナ・ポリトコフスカヤ暗殺事件の容疑者10名を逮捕したと発表しました。

チャイカ検事総長は「逮捕した犯人グループを主導していたのは、ロシア南部のチェチェン出身者からなるモスクワの組織犯罪集団の指導者で、犯人の中には、内務省と連邦保安局(FSB)の現役と退役の要員が含まれていた」「(背後には)ロシアの不安定化をもくろむ外国在住のロシアのオリガルヒ(政商)たちがいる」と指摘しました。暗殺の動機は「ロシア国内情勢を不安定化させ、ロシアの指導者の評判を落とすこと」で、プーチン政権の事件への関与は当然否定されています。

思うに、当局の発表は、(1) チェチェン人や亡命オルガリヒへの弾圧を正当化し、(2) 治安機関の統制に退陣後のプーチンが辣腕(?)を振るうための条件を整え、(3) 国際社会の関心が再び高まる10月のポリトコフスカヤ一周忌を前に事件の幕引きを図る、ためのものではないでしょうか。それにしても、逮捕された10人中5人がFSBと内務省の元職員(うち2人は拘束時現職)というのは、どういうことなのでしょうか?(邦枝)

[追記]この件についてプーチン大統領は、「今年2月、事件に触れ「記者の殺害は最も切実な問題の1つで、自分の責任の程度を自覚している」と述べていた」[東京新聞 8/27]そうです。ロシア政府職員が暗殺に関与していたのが事実なら、辞任が順当でしょう。ただ、今回のリークはロシア政府側からのものなので、情報戦略の一環と考えて、慎重に見ていきたいと思います。独自調査を進めるノーバヤ・ガゼータ紙のソコロフ副編集長らは、今回の声明に対して、「政治的に過ぎる」という批判を寄せています。

当局発表のポイントは、「外国にいる勢力」が関与しているということです。スターリンが、国外に逃亡していたトロツキーを陰謀の黒幕に仕立て上げ、政敵をつぶす口実にした時代と、構図はよく似ています。今回はそれが、プーチンとベレゾフスキ—になったわけです。(大富)

<露記者殺害>保安庁と内務省の元職員ら10人拘束 [毎日 2007/8/27]

露検事総長、元治安当局者が関与と言及 [産経 2007/8/27]

ロ大統領 5年後再出馬に布石 連続3選禁止 安保会議で力温存か [東京 2007/8/23]


26.Aug 2007 「ロシアン・ダイアリー」書評情報
Book review on Politkovskaya's "Russian Diary"

表紙画像:ロシアン・ダイアリー

ふたたび、ポリトコフスカヤに関する書評記事(Web以外)の掲載情報をお届けします。経済紙、左派、公明党、右派、あらゆる雑誌が注目する驚異の「ロシアン・ダイアリー」。まだお読みでない方は、ぜひご一読を。今回の要チェック書評は最後の「諸君!」9月号、三浦小太郎氏。情報はTさんからいただきました。いつもありがとうございます。

復活したロシアはソ連より脅威になる [週刊東洋経済 2007/8/11]

ロシアは復活した。石油収入を背景に外貨準備高を世界第3位にし、今後7%程度の成長を予測している。経済を基礎にロシアはソ連より脅威になる可能性がある。ロシアの実態を真剣に考える時がきた。・・・プーチン大統領をいかに厳しく非難しようとロシア国民が彼を圧倒的に支持しているのも事実である。ロシアを学ぶ上で、この本を読まぬ手はない。(孫崎亨/防衛大学校)

彼らの武器はペン-報道の自由なしでは人権は守れない [世界 2007/9]

「自由なメディアが存在する独立した民主国家で、本格的な飢饉が発生した国は一つもない」(A.セン ノーベル経済学賞受賞)。スターリン政権下の旧ソ連、大躍進政策失敗後の中国、エチオピアやソマリアなどの独裁国家など、過去の悲惨な飢饉の歴史を見ると、例外なく自由なメディアが存在しないか機能しない国であることがわかる。・・・彼女(ポリトコフスカヤ)の殺害が、ロシアにおける表現の自由とメディアの独立性に対する深刻な攻撃であることは疑いない。(アムネスティ通信)

昨今の事件などからロシア社会の断面を [公明新聞 2007/8/20]

著者はプーチン政権の腐敗の実態を報告し、国内の政局について、詳細な説明や分析をしてきた。チェチェンの悲劇も世界に発信した。北オセチア学校占拠事件やモスクワ地下鉄爆破事件でも、だれも書かない事実を国民に向けて書きつづけた。・・・きつ立した姿勢で書き連ねた日記から、ロシアの現実が迫ってくる。

プーチニズムの病 [諸君! 2007/9]

本書で最も迫真力を持つのは、もはや「テロ」という言葉を超えてしまったチェチェンの実態である。残虐な報復に次ぐ報復の連鎖は、正直イラク情勢がまだしも平和なものに思えるほどだ。・・・自己陶酔型の活動家なら、彼女は悲劇の主人公となることによって政権への抗議としただろう。もしくは口先だけの反体制なら、恐怖にとりつかれ退院後国外に亡命しただろう。いずれの道もポリトコフスカヤは選ばなかった。・・・悪しき抑圧体制に屈服したまま生きてゆくことを拒否し、権力の暴力に対する恐怖から解放されることこそが知識人のありうべき姿だと言う彼らの精神は、その価値を少しも失っていないはずである。プーチン政権が何よりも恐れたのは、このような精神のあり方だったのだ。(三浦小太郎)

10.Aug 2007 「ロシアン・ダイアリー」書評情報
Book review on Politkovskaya's "Russian Diary"

表紙画像:ロシアン・ダイアリー

ポリトコフスカヤに関する書評記事(主にWeb以外)の掲載情報です。Tさん、いつもありがとうございます。特に最後の図書新聞の書評「無関心とシニシズムを破って」は、入手して読む価値あり。

「プーチンの罪」を追いかけつづけた女性ジャーナリストの執念 週刊ポスト 2007/8/10

国際社会では民主化されたことになっているロシアは、以前にも増して「社会の最上層と最下層では住む世界に天と地ほどのひらきがある」ようになった、と著者は記している。そしてその現実を改善する政治は機能せず、民主主義の基本条件である公正な選挙制度もまたプーチンの息のかかった「官僚が司法を牛耳っている」ため、プーチン派の選挙違反は摘発されない。・・・このよう”官僚政治”の欠陥と腐敗は、日本でも例外ではない。ジャーナリズムが機能不全をおこし、腐敗を指摘することさえできず、放置するにまかせるとしたら、日本の未来もまた決して明るくない。(岩瀬達哉)

ロシアン・ダイアリー(書評) エコノミスト 2007/8/7

『新冷戦』という言葉が飛び交い始めた。・・・どちらが先に仕掛けたかは別にして、「大国復活」を目指すプーチン政権の強権的手法が先進国のルールから逸脱し、冷却、対立の原因になっているのは間違いなさそうだ。ロシア人女性記者、アンナ・ポリトコフスカヤの新著『ロシアン・ダイアリー』を読み、その思いを強くした。・・・ソ連時代の債務約240億ドルを前倒し返済するほど原油高騰で潤うロシア。ロシアンマネーとルール逸脱が結びついた時・・・。(小林剛)

ロシアン・ダイアリー(書評) 京都新聞、新潟日報ほか 2007/7/23

・・・驚くべき事件が次々と起きる。大統領選では、有力候補が突如失踪して出馬辞退し、不正が横行。国家保安機関の違法活動を止めようとした検事は誘拐され、人権はの学者や弁護士が襲われて負傷—。メディアも市民も批判力を失った状況下で、それでも正義を希求する記者魂に圧倒される。

ロシアン・ダイアリー(書評) ふぇみん 2007/7/5

国民はもはやモノを言う気力も尽き果て、誰が誘拐されようが虐待されようが抗議の声すら上げない。その間もチェチェンやイングーシで襲撃や制圧事件が相次ぐ。ベスランの学校爆破事件では、毒を盛られ瀕死の状態であるにもかかわらず、詳細な取材記録を残している。アンナのジャーナリスト魂の真骨頂を見る思いだ。

無関心とシニシズムを破って—[力]の冷徹さに対しては、[感覚]の熱で 図書新聞 2007/7/7

『ロシアン・ダイアリー』がうきぼりにするのは、異論に対するプーチン体制の過敏なまでの恐れである。真実を言うポリトコフスカヤの生き方に、そして彼女の死に、ロシアの人々は胸を、心を動かされただろうか。無関心とシニシズムを破って、異論はことばによって生み出される。なによりジャーナリストはおのずと異論派であることを、いま彼女の生き方、そして暗殺の現実とともに、より深く胸に刻むときだ。

27.Jun 2007 ロシアの闇を暴く、必読の3冊
Russia-Chechen related publishing rush in Japan

表紙画像:ロシアン・ダイアリー

アンナ・ポリトコフスカヤの、もしかしたら最後の著書「ロシアン・ダイアリー 暗殺された女性記者の取材手帳」が、NHK出版から刊行されます。(書籍情報はこちら)

内容説明:「『私にはすべてが見えている−−−楽観的な予測を喜ぶ力のある人は、そうすればいい。そのほうが楽だから。でもそれは、自分の孫への死刑宣告になる』プーチンロシア大統領の政策を批判し、テロによる被害者の声を伝え、国民の政治への無関心に警告を発し続けた著者は、2006年10月、凶弾に倒れた。世界中がその死を惜しんだ記者の遺作」

表紙画像:ロシア闇の戦争

そして、待望されていたアレクサンドル・リトビネンコ著「ロシア 闇の戦争 プーチンと秘密警察の恐るべきテロ工作を暴く」(原題"Blowing up Russia")が、光文社から刊行されました。監訳者は中澤孝之さん。(書籍情報はこちら)

内容説明:「1999年、ロシア全土を震撼させた連続アパート爆破事件の真相を追究したノンフィクション。事件後、第2次チェチェン戦争が始まり、その過程で無名だったプーチンは大統領に昇りつめていく。その裏で何が起きていたのか…」

表紙画像:リトビネンコ暗殺

さらに、ミステリーで有名な早川書房は、アレックス・ゴールドファーブ著「リトビネンコ暗殺」を刊行。(書籍情報はこちら)

内容説明:「2006年11月23日、元FSB中佐アレクサンドル・リトビネンコがロンドンで変死した。彼の体内からは、猛毒の放射性物質ポロニウム210が大量に検出され、ロンドン警視庁は毒殺が企てられたものとして捜査を進めていく。...泥沼のチェチェン紛争に絡んだ謀略...世界を震撼させた暗殺事件の真相を描く話題のノンフィクション」

というわけで、今月はラッシュです。

追記:学術新書からも寺谷ひとみ著「暗殺大国ロシア—リトヴィネンコ毒殺とプーチンの野望」というすごいタイトルの本が出ています。アマゾン風の書評はこちらから。

16.Jun 2007 新しい写真

 ノーボエ・ブレーミヤ誌の5月14日号が手に入りました。このページのトップの写真は、そこから拝借しています。レイアウトも少々変更。

チェチェンの情報を追っていると、暗殺事件であまりにも有名になってしまったポリトコフスカヤを避けて通ることはできません。バイナフ自由通信または、チェチェン総合情報トップに、頻繁に情報を更新していますので、そちらもご覧下さい。

16.Jun 2007 記者殺害事件「真実究明を」ゴルバチョフ氏
M.Gorbachev on Politkovskaya issue

来日中のミハイル・ゴルバチョフ元ソ連大統領は記者会見で、昨年、チェチェン問題でプーチン政権を批判していたロシア人女性記者が殺害された問題では、「90年代も多くのジャーナリストが殺害されたが、真相は究明されないままだ。治安機関はしっかり捜査しなければならない」と指摘した。 [朝日新聞 6/12]

つづきを読む

10.Jun 2007 ポリトコフスカヤ、モスクワ大名誉卒業生に
Politkovskaya makes honorary Moscow state univ

昨年10月、何者かに暗殺されたロシアのジャーナリスト、アンナ・ポリトコフスカヤさんが、モスクワ大学のジャーナリズム学部の名誉卒業生に選ばれたという情報がありました。Tさん、岡田さん、いつもありがとうございます。



つづきを読む

07.Jun 2007 5月3日は「報道の自由の日」(でした)
On World Press Freedom Day

扱いが遅くなってしまいましたが、いつもN社の方々の情報提供に感謝しています。(富)

アンナ・ポリトコフスカヤ、ユネスコ報道の自由賞を受賞 [朝日新聞 5/2]

5月3日は「世界 報道の自由の日」。97年から設けられているユネスコ報道の自由賞に、アンナ・ポリトコフスカヤが選ばれた。本来活動中のジャーナリストを対象にしたこの賞なので、故人のアンナが選ばれたのは異例。

松浦晃一郎ユネスコ事務局長:「行事を毎年行なってきて、ひとつさびしく思うのは、約200人のジャーナリストが様様なテーマについて激論を交わしている中に、日本人を見かけないことだ。「報道の自由の日」についての日本での報道にも接したことがない。...日本の人たちにも問題意識を持っていただきたい」と結ぶ。ユネスコの公式記事はこちら

討論 阪神支局襲撃事件20年 「不屈であること」 [朝日新聞 5/2]

江川紹子さん:「ジャーナリズムに関わる者にとって一番大事なものは市民との距離。「許せない」と市民の皆さんが言ってくれることが一番力になる。たとえば、ロシアで女性記者が不正を追及して殺されました。日本の学生に『私たちに何ができるか』と聞かれて即答できなかったが、今はこう言おうと思っています。『彼女の本を買ってください。本が売れれば、日本の人たちがこの問題(チェチェン問題)に関心を持っているという意思表示になる』と。よい記事と思ったときは「よかったぞ」という声を上げてくだされば、書く人がどれほど頑張ろうと思うか」

03.Apr 2007 アンナ・ポリトコフスカヤ、世界報道自由賞を受賞
2007 UNESCO/Guillermo Cano World Press Freedom Prize awarded posthumously to Russian reporter Anna Politkovskaya

アンナ・ポリトコフスカヤ

昨年10月に暗殺されたアンナ・ポリトコフスカヤが、ユネスコ(国際連合教育科学文化機関)の世界報道自由賞(2007年)を受賞しました。世界報道自由賞は、職務中に暗殺されたコロンビア人ジャーナリスト、Guillermo Cano氏の功績を称えて1997年に設置されたもの。報道の自由のために貢献した個人や組織に贈られる賞で、ユネスコ加盟国政府やNGOなどの推薦を受けた候補者の中から選ばれます。世界報道自由賞が死後のジャーナリストに贈られるのは今回が初めてということです。私たちはこのことを喜ぶべきなのでしょうか。(邦枝)

[UNESCO.ORG 3/30]

12.Dec 2006 アンナの生まれ故郷での追悼集会
Memorial Gathering for Anna Politkovskaya in Her Hometown

12月12日、ニューヨーク大学とジャーナリスト保護委員会、アメリカペンクラブの共催で、アンナ・ポリトコフスカヤの追悼集会が開かれ、ニューヨーク市立大学人文センターが一杯になった。ジャーナリズムは 命をかける意味があるか? アンナの答えはイエスだった。

「ネイション」の計算では ポリトコフスカヤは1993年から数えてロシアで殺された43番目のジャーナリスト。 プーチン政権の6年間で13人目。2004年にモスクワで殺されたポール・フレブニコフの未亡人は、「夫の夢はロシアが近代的な、自由な国になることだった」と述べた。ポリトコフスカヤも同じことを願っていた。一年前ポリトコフスカヤが 「私がまだ生きていられるなんて奇跡よ」と言っていたことを、未亡人は思い出す。

つづきを読む

11.Dec 2006 ノーヴァヤ・ガゼータ閉鎖!?
Novaya Gazeta Closed!?

10月に暗殺されたアンナ・ポリトコフスカヤ記者の所属していたノーヴァヤ・ガゼータが廃刊の危機に追い込まれているという情報が入ってきました。今すぐ閉鎖されるという可能性はそれほど高くないようですが、ロシアにおけるジャーナリズムの壊滅的な状況を物語る記事だと思います。ぜひお読みください。翻訳してくださったTKさん、ありがとうございました。

「ノーヴァヤガゼータの編集長 ドミートリー・ムラートフ氏はアンナ・ポリトコフスカヤが非業の死をとげたあと、ノーヴァヤを閉鎖しようとした。 そのことを The Wsll Street Journal は報じて、ロシアのこの新聞社とその書き手たちの哀しい運命について語っている・・・」

つづきを読む

23.Nov 2006 アンナを殺したのはプーチンだ!
Alexander Litvinenko at Frontline

アンナを殺したのは、ロシア大統領ウラジーミル・プーチンその人です

リトビネンコ氏が、暗殺未遂事件の約2週間前の10月19日に出演した"frontline"の会見映像を紹介します。プーチン大統領が、アンナ・ポリトコフスカヤの友人を介して彼女を脅迫していたことなどが語られています。リトビネンコ氏は容態が悪化して、現在集中治療室に入院中。回復の見込みは五分五分とする英メディアの報道もあります。リトビネンコ氏とアンナは3年来の友人でもありました。

「ロシアはFSBによる厳格な統制下にあります。アンナのような立場のジャーナリストが、プーチン大統領本人の許可なく抹殺されるということなど、まったくありえません・・・ですから、アンナはプーチンに殺された、それがロシアの知るべき真実です」

Alexander Litvinenko at Frontline [10/19]
会見のおおまかな発言内容はこちら:

07.Nov 2006 NV紙副編集長へのインタビュー
Interview to Novaya Gazeta's vice editor

ポリトコフスカヤ暗殺事件の捜査の状況や、ロシア社会についてのコメント。———殺害事件について、政府と市民社会の反応はいかがでしたか?

ロシアにはつねに二つの社会があります。ひとつはアンナの葬儀に参列した人々の社会。私たちのところには、ロシア全土から哀悼のメッセージが届けられました。ジャーナリストの支援者からメッセージが寄せられたことは言うまでもありません。同僚や私のところには、ここ2週間いつも電話がかかってきます。コメントなどを求められるのですが。葬儀には、ロシアのテレビ局がすべて取材にやってきました。しかし、同時に、ジャーナリストたちは政府からの庇護を受けられることもありませんし、国民の大半は無関心なのです」[10/31 国境なき記者団]

つづきを読む

05.Nov 2006 ノーバヤ・ガゼータに見舞金を届けました
Visit to Novaya Gazeta
















先週、日本のチェチェン関係者がノーバヤ・ガゼータを訪問し、アンナ・ポリトコフスカヤさんの遺族にあてた見舞金を届けました。写真は、そのときに撮影された、彼女のオフィスの様子です。見舞金は、99,751円が集まりました(11月1日現在)。ご協力くださった皆さま、そして手渡してくださったTさん、ありがとうございました。

03.Nov 2006 アンナ・ポリトコフスカヤへの鎮魂歌
Song and video for Anna Politkovskaya

フィンランドのアーティストたちが、アンナへの鎮魂歌を発表しました。YouTubeで公開されていますので、よろしければお聴きください。

http://www.youtube.com/watch?v=Q8xelS8G-SY

フィンランドの街角で彼女の死を悼む人々が掲げるキャンドルの数にも圧倒されます。映像の字幕(英語)の日本語訳はこちら。

http://d.hatena.ne.jp/ootomi/20061103/1162521083#seemore

葬儀当日の情景を収めた「コーカサスの薔薇 アンナ・ポリトコフスカヤ」という映像もあります。

http://www.youtube.com/watch?v=SFtxWdkJ1wo

29.Oct 2006 ロシア軍の腐敗と、チェチェン人強制収容所
Politkovskaya's last reports from Novaya Gazeta

「テロ有罪犯・ススハノフ」アンナ・ポリトコフスカヤの最後の記事のひとつです。チェチェン人の若者たちが続々逮捕され、ロシア各地の強制収容所に送り込まれていきます。朗らかな大学生がいつのまにか「テロリスト」の嫌疑を着せられて・・・。その人々は今牢獄で絶望し、やがては全てを呪いつつ、生き残れば故郷に戻るのでしょう。その時、何が起こるのか。「わたしは彼らの憎悪が恐ろしい。もっと恐ろしいのは 自分と同じ人間に、そういう憎悪を貯めるよう強いる者たちだ。憎悪は必ずあふれ出すのだから」と、彼女は書きます。

つづきを読む

「軍検察庁に誘拐された兵士」今年9月11日の記事です。チェチェンに直接関係する記事ではありませんが、ロシアに残る徴兵制の現実が語られています。最初に将校に殺された兵士ジーマの母親の慟哭。そして、殺害を目撃し、その結果軍に幽閉されたジーマの友人オレグの母のやり場のない思い。ポリトコフスカヤが、どんなものを取材で拾い上げようとしたかがよくわかる短い記事です。

つづきを読む

翻訳してくださったTさんに感謝します。(チェチェンニュース発行人)

20.Oct 2006 チェチェンニュース:アンナ・ポリトコフスカヤ追悼集会のもよう+共謀罪
Tokyo: memorial gathering for Anna Politkovskaya

会場入り口から。満員です

10月12日、東京・文京区で、ロシアで死亡したジャーナリストのアンナ・ポリトコフスカヤさんの追悼集会を開催しました。今回はその模様を紹介します。また、当日の市民声明、集会の資料、弔辞をお送りします。

アンナの追悼のために、もっと落ち着いて情報を集めて、読んでいただきたいとは思うのですが、状況がそれを許してくれないようです。日本の国会では、共謀罪がふたたび強行採決されようとしていて、私たちも警報を鳴らさなければなりません。ロシアでアンナが殺されたことは、言論の自由がすでにないことを象徴してあまりあります。でも、日本もこれからはそう変わらないのではないでしょうか?

そこで、、、またもや長いニュースになってしまうのですが、アンナに関する記事を前半に、そのあと、共謀罪の議事状況についての、海渡雄一弁護士の情勢分析を転載します。最後のURLをクリックすると、衆院法務委員会の最新メンバーリストが出てきます。ぜひ与党側の委員へ、ファックスか電話で要望をしてください。与党側委員のほとんども、共謀罪法案にはかなり迷いがある、という情報があります。声高ではない反対意見が必要なときかもしれません。(大富亮/チェチェンニュース)

つづきを読む

13.Oct 2006 ポリトコフスカヤ関連記事いくつか
Some News about Politkovskaia's Murder

ポリトコフスカヤの暗殺後、国内外でかなり多くの関連記事が紹介されています。以下にいくつか。

アンドレイ・バビーツキ、「ポリトコフスカヤはチェチェン報道のせいで暗殺された」 http://d.hatena.ne.jp/ootomi/20061013

TUP速報639号「勇気あるジャーナリストの死」 http://groups.yahoo.co.jp/group/TUP-Bulletin/message/691

TUP速報638号「アンナ・ポリトコフスカヤ暗殺事件に関するIFJ声明」 http://groups.yahoo.co.jp/group/TUP-Bulletin/message/690

*TUP・・・戦争と平和に関する翻訳記事を配信するメーリングリスト。

ロシア語のわかる方は、ポリトコフスカヤの勤めていたノーヴァヤ・ガゼータの最新情報をぜひご覧ください。12日の記事には、これまで黙殺されてきたポリトコフスカヤのニュースがテレビで解禁になったことや、プーチンやカディロフのコメント、ポリトコフスカヤ最後の未完成の記事についての情報があります。彼女の葬儀の列席者の中には、誰が来ているかをチェックする監視役もいたそうです。

10.Oct 2006 私たちの時代のスターリン
Kadyrov Is a Stalin of Our Times

——(拷問や誘拐といった)事件は、ごく一部の人に降りかかる特殊な出来事だという人もいますが?

「それらを『特殊』な出来事だと言ってしまえるのは、被害者が私たちの愛する人—息子や兄弟、夫—ではないからです・・・それがごく一部の人に降りかかるものだからといって、その悲惨さが薄れるはずはありません。当事者にとって、『一部』などという割合には何の意味もないのですから」

カディロフは、私たちの時代のスターリンです。チェチェンの人々にとって、これは紛れもない真実です」

チェチェン親ロシア政権のボス、ラムザン・カディロフの誕生日に行われた、ラジオ・リバティ最後のアンナ・ポリトコフスカヤへのインタビュー。カディロフが、ロシアやチェチェンの一般市民を誘拐・拷問・殺害し、彼らがあたかも戦闘中に死亡した戦闘員であるかのように見せかけていることや、彼女自身がそうした事件についての裁判の証人になっていることなどが述べられています。

つづきを読む

09.Oct 2006 何がポリトコフスカヤを殺したか?
killing Anna: Chechennews

陰謀の結果、彼女は命を落とした。そういう言い方は嫌なのだが、資金と政治権力を背景に地下で作られた暗殺が、私くらいの人間に見通せたらそれは陰謀とはいえないけれど、陰謀は彼女の遺体がエレベーターを血の海にしているのが発見された時に、確かに地上に現れた。もう変えることのできない事実として。

つづきを読む

07.Oct 2006 アンナ・ポリトコフスカヤが暗殺された!
Anna Politokovskaya found dead in Moscow

チェチェン戦争を追ってきたロシア人のジャーナリスト、アンナ・ポリトコフスカヤが、モスクワで暗殺されました。自宅の集合住宅のエレベーターで銃殺された遺体が発見されたそうです。命日となった10月7日はプーチン大統領の誕生日でもあります。なんて悪趣味なプレゼントだろう・・・!

つづきを読む

2005.06.20 新刊「プーチニズム 報道されないロシアの現実」

 

 「政治の冬、再来———」人権よりも国家イデオロギー、対話よりも絶対服従。プーチン主義がロシアを覆いつくす。『チェチェンやめられない戦争』の著者が、ロシア国内の現状を世界に訴える。日本で2冊目のアンナ・ポリトコフスカヤの著書。ロシアの軍隊では中隊単位で兵士が脱走し、劇場占拠事件の被害者たちは、なぜモスクワ市を相手取って訴訟を起こしたのか、プーチン再選の裏では何が起きていたのか。通常の報道では決して聞こえてこないロシアの現実を、一市民の視線で報告する一冊。

12.21.21:15 オオカミはわたしが子どもたちのために乳を搾ってやっているのをみて、自動小銃を向けた

 「精神科の医者はきてくれましたか?」
 「いいえ。精神科からは全く連絡がありません」
 マリーナは新しいランドセルと一緒に届けられた手紙を見せてくれる。 サンクトペテルブルグの小学生たちからアーシクにあてた人道支援。 誰もがアーシクはいなくなったことを知っているのに、こんなものが? 14歳の女の子イルーシャからの手紙「あの恐ろしい日を耐え抜いたあなたはすばらしい!」 そして、文通しましょう、とある・・・
 悲劇はチェチェンだけではない。北オセチアでは何が続いているのか。 本文へ