鯨が増え過ぎて生態系を破壊する「反捕鯨」の大嘘(その12)

環境保護運動の育成は「新道徳武装」CIA謀略だった!

(その12)ノルウェ-は米など恐れず鯨を輸出、日本は買うのも恐れる腰抜けか

2001.1

 わがホームページの読者が、下記の『朝日新聞』記事の切抜きを届けてくれた。ノルウェ-が、IWCへの加盟を拒否し、毅然として商業捕鯨を再開していることは、本シリーズ(その4)の末尾に記されている。しかも、日本への輸出の動きがあるというのである。

 ところが、この記事に関する進行状況について、条約の窓口の外務省と輸入を許可する通産省に直撃取材したところ、わが自称「捕鯨再開インターネット督戦隊の指揮官」としては、早くも腰折れか、総崩れか、との疑いを強くする状況なのである。返事の台詞は、実に滑らかで、恐る恐るの広報方針が、徹底していると見受けた。

盥回し政治判断の小田原評定なら背後から撃つぞ!

 それぞれが、実に詳しい条約や手続きの説明をしてくれるのだが、要約すれば、水産庁が踏み切るのなら、通産省も外務省も、それを受けてOKするという主旨である。水産庁の担当者は、記事の存在を知っていたが、まだ、日本の業者から聞いていないと言う。

 おかしな話である。法的には記事の通りで、日本は鯨の商取引を禁止するワシントン条約には加わっていないのだから、「取引しても問題はない」のである。それならば、通産省が許可すれば、それでOKなのではないか。ところが、この3つの役所の担当者に聞くと、輸出入とは関係のない水産庁が、政治判断の責任を負うことになっているのである。いわゆる「3竦み」の政治構造である。水産庁は、一体、全体、どこに相談するのか。

 アングロ・サクソン連合との関係で見ると、ノルウェーは、中世のイングランドに、ノルマン王朝を開いた海賊の末裔である。成り上がり者のヤンキーなど、目じゃない、鼻じゃない。日本の対米従属の実情を承知の上で、馬の鼻先に人参とか、安い鯨肉を、イワシもサンマも値上がりで困っている日本政府の鼻先にぶら下げる政治的な挑発に出たのかもしれない。でも、でも、「ノルウェー国内で鯨肉は1キロあたり30クローネ(約420円)」とあるのは、実に、実に、涎の垂れる話である。日本が商業捕鯨を再開すれば、同じような値段になるに違いない。私が、日本テレビの15万円ほどの安月給で、時には贅沢して昼飯に500円の鯨ステーキを食っていたのは、そんなに昔の話ではない。たったの30年前のことである。ああ、あの、目の前で鯨を、ジュー、ジューと焼く、あの店は、市ヶ谷の坂道にあったっけ。

 私は、このところ、安売りスーパ-で、1グラムが1円より僅かに安いオーストラリアの赤肉を買っていた。本シリーズでは、この牛肉の「断固、断食」作戦の開始を宣言したのだが、それは、オーストラリアが捕鯨に反対するなら、モー、「アッカンベ」の意味である。牛肉全体の拒否ではないのだが、和牛は高いから、モー、久しく買ったことがないので、事実上、モー、すべての牛肉の断食となる。

 安売りスーパ-には、鯨肉の姿すらない。ノルウェーなら鯨肉を1グラムで42銭で買えるのである。ところが、日本では、特殊な店でしか買えず、しかも、風の噂に、1グラムが9円だと聞いた。ノルウェー国内の鯨肉の20倍以上の高値である。

 因みに、私が、武蔵野市の某部長に、「武蔵野市の悪餓鬼市長の面倒までは見切れない。パレスチナ問題もあるし、捕鯨まで考えなきゃならなくなった」と言ったところ、彼は、昨年末、業者の接待で鯨のステーキを食ったと言う。ウヌッ、汚職じゃないか。何グラムだったかは記憶していないが、メニューの値段は2,000円になっていたそうである。

 なお、督戦隊は、あくまでも譬えなのであり、私は、絶対的な非暴力主義なのであるが、本当の軍隊の督戦隊は、卑怯未練な振る舞いに及ぶ部隊や軍人を、場合によっては射殺する権限まで持っているのである。各々方、私は、言論で「撃つ」のですぞ!

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『朝日新聞』(2001.1.17.夕)

鯨肉、ノルウェ-が輸出へ

事実上、日本向け

国際批判拡大の恐れも

【ロンドン16日=共同】ノルウェー政府は16日、商業捕鯨で捕獲した鯨肉の全面的な輸出解禁に踏み切ると発表した。日本企業4社が計約130トンの買い付け契約を済ませたと地元紙が報じており、輸出は事実上、日本向けになるとみられる。

 グレーグツセン漁業相は記者会見で、ことしの鯨の捕獲量を594トンと推定すると、鯨肉約159トンを輸出に回せるとし、「時期は未定だが、政府内部の準備が整い次第(輸出を)始めたい」と述べた。日本人が好む「尾の身」やベーコン用の「脂身」なども輸出対象という。

 ワシントン条約で鯨の商取引は禁止されている。この決定を留保している日本やノルウェーでは取引しても問題はないが、反捕鯨国が批判を強めるのは必至とみられる。

 ノルウェーは1993年に商業捕鯨を再開したが、輸出許可証を発行せず消費は国内向けに限定。漁業関係者は、政策の見直しを求める声を強めていた。

 漁業相は、世界的に鯨は増えているとの調査結果を示し、「自然資源の保護と有効利用を両立させるべきだ」と強調した。

 ノルウェー国内で鯨肉は1キロあたり30クローネ(約420円)。日本では5倍以上の高値が予想され、ノルウェーにとって貴重な外貨獲得源になりそうだ。

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(その13)「ひとを呪わば穴2つ」捕鯨禁止謀略に肩入れ英国発「狂牛病拡大の恐れ」
「反捕鯨」の大嘘の目次
『憎まれ愚痴』62号の目次