杉花粉症は “外交 行政 産業” 環境公害だ!(その22)

編集長の毒針:緊急課題!

杉花粉被害放置政策に猛然反撃の独立反乱!
“杉林焼き払い放火作戦”開始宣言!

杉花粉症恐怖の予報が的中で不機嫌なり

2001.1

随時追加「編集長日記風」木村愛二の生活と意見より転載
2000.10.25(水) 来年のことを言うと鬼が笑うのだが杉花粉症恐怖の予報が的中で不機嫌なり

 以下のごとく、今春の「杉花粉症は行政=産業公害だ!」シリーズの継続になるが、秋の季節物でもあるで、まずは、この「日記風」で発表する。

「元から絶とう」不勉強な杉花粉症「根治療法」新聞記事

 またぞろ、「杉花粉症」に関する不勉強で不愉快なデタラメ記事が、目に付くようになった。

 わがホームページの読者からも切抜きが届く。理由は簡単である。科学技術庁などの予算にたかる御用組織が、抜本対策を覆い隠したまま、予測のみを発表したからである。

唯一の希望は近畿地方の杉花粉「悲惨」が4倍になる可能性

『朝日新聞』(2000.10.21)「来春の花粉/全国で多め/記録的猛暑の影響」「気象協会は昨年までの天候と花粉量の関係をもとに……試算……。東北、関東、中部、中国、四国、九州では平年の1.5~3倍、近畿は1.5~4倍になるとみている」。唯一の希望は、今春は関東よりも花粉の飛散(悲惨)が少なかった近畿地方が4倍になる可能性である。おお、ガメツイ近畿の同志諸君、決起せよ!

 上記のように、気象協会の試算は「天候と花粉量の関係」による机上のシミュレ-ションだが、東京都は毎年、近隣の杉林に入って雄花を数える作業をしている。東京都の衛生局環境保健課の担当者に聞くと、作業の実施予定は11月だそうである。これでさらに予測の材料が増える。雄花の数が増えれば、来春には花粉が増える。当然、雄花は、ドッサリ付いているはずである。冬の積雪が少なければ、枝折れが減り、さらに効果が上がる。そして、冬来たりなば、春遠からじ。春風よ、心あらば伝えてよ、ああ、あの恐怖の季節が到来する。

 私は、すでに今年の5月、「2001年の恐怖の予報」を発表した。今年の夏が暑くなる長期予報があったからである。その通りだった。いや、上記の朝日新聞記事のごとく、予想以上の記録的な猛暑だった。普通のことなら予想が当たると嬉しいものだが、極めて不機嫌になっている。さらに、これも予想通り、国からも東京都からも、雄花が付かないように杉の枝打ちをした気配は伝わってこない。私は、このシリーズの前回、(その21)「主犯を匿った学閥が花粉飛散予測の首魁という皮肉」の結論部分で、「枝打ち」の試算、全国でも国家予算1,428億円、東京都なら僅か132億円、1桁違っても1兆円と記した。安いものだが、これで解決してしまうと、儲け損なう業界が巨大だから、予算が付くわけがないのだ!

一回の治療費総額が5,090円、国保の掛け金が全部でいくら?

 しかも、さらに不機嫌になることには、本日、耳鼻科に行かざるを得ない状態になった。杉ではなくてブタクサの季節とか、稲とか、諸説あるが、自宅の冬物を出した時に吸ったハウスダストが原因だとすると、損害賠償を求める相手がない。町の耳鼻科医では精密検査は不可能。どうせ治療法は同じ。掛かり付けだから、何も聞かずに、お鼻にシュシュシュ、はい、あちらでとなる。ネブライザーなどと、カタカナ語で呼ぶ自動噴霧器の箱の前の丸い背無し椅子にチョコンと座り、黒ボタンを押すと、ガラス容器の中の液体状の薬が気体になって、シューン、シューンと、お鼻の穴に吹き込まれる。終わるとすぐに受付の女性から、「木村さん、今日は1,527円です。お薬は食後に2錠飲んで下さい」と優しい声で薬袋を手渡される。消費税のヤラズブッタクリ開始以降、1円玉と5円玉の復活と相成り、安物皮財布が膨れて、痛みの激しいこと。探ると丁度、27円あった。千円札を2枚添えて出し、500円玉のお釣り。財布からチャラチャラ、サラサラ、はい、おさらば、また、ちょっとジャラの、お戻りとなった。国民健康保険は30%自己負担だから、逆算すると治療費と薬代の総額は、5,090円になる。習慣で領収書はくれない。請求しにくい。

 しかも、私の場合、国民保険の掛け金は人並みで、治療を要する病気は鼻アレルギーだけなのだから、一回の料金だけで考えるわけにはいかない。儲かるのは誰だ?

薬九層倍、医は算術、鼻糞丸めて万金丹、それを呑む奴ぁアンポンタン

 以上、クドクド記したのは、杉花粉などのアレルギー源の氾濫が、ある種の商売の源になっていることを、悲しい実体験で裏打ちし、だからこそ、根絶への政策が実現しないのだということを、何としてでも、何度でも、強調したいがためである。そのためにこそ、「主犯を匿った学閥が花粉飛散予測の首魁という皮肉」が生じているのである。

 さて、上記の『朝日新聞』記事と同日、私が宅配を受けている唯一の日刊紙、『日本経済新聞』(2000.10.21)「プラスワン」欄にも、「元から絶とう/杉花粉症/まずアレルギー源特定/体質改善へ免疫療法」と題する記事が載った。見出しを見ただけで、ゾーッとしたが、やはり、予測通りの「思い込み」、「はじめに結論ありき」の「優等生」記事だった。

 私は、すでに本シリーズでも簡略に記したように、鼻アレルギーが直接のきっかけという特種な不当解雇事件の当事者だった。杉花粉症などが一般に知られる以前だったので、組合員の理解を得るためもあって、治療に専念する必要があった。そこで、免疫療法と称される治療を、注射方式、塗り薬方式、2種類も受けた経験者、または被害者なのである。どちらも効かなかった。面白いことに、上記の『日本経済新聞』記事を逆に読むと、私が被害者になった当時と、免疫療法の治療効果の水準に変化はない。写真まで載っている「東京・練馬の小山耳鼻咽喉科医院の小山副院長」は、以下のように語ったらしい。

「免疫療法は根治療法に近い。これで50~60%の患者が根治に近づく」

 つまり、逆に読むと、残りの40~50%の患者は、根治に近づきさえしないのである。念のために、一回30円の104番で練馬の小山耳鼻咽喉科医院の電話を聞いて、「取材」を申し入れたが、インターネット総合誌などは相手にしないらしくて、受付の女性の声で、簡単に「治療中」と門前払いになった。患者が門前に市を成しているだろうのか、儲かっているようである。大阪弁で「儲かりまっか」と挨拶すべきだったのかもしれない。

つまみの電話取材で薬九層倍のスポンサーにゴマスリ記事

 私が、この春の本シリーズ記事で紹介し、電話取材までした斉藤洋三医師の談話も載っている。この種の記事は新聞社の名前で電話一本、30分ぐらい聞いた話の内から、都合の良い部分だけを使うのが常識である。

「1964年にスギ花粉症を報告した神尾記念病院(東京・千代田)の斉藤洋三顧問は、「『スギ花粉症は予測のもとにきちんと対応できる病気になった』と強調する」

 となっているが、この部分だけを評価すれば、まあ、それはそうなのである。私が昨年、酷い症状になったのは、予測を小耳に挟みながらも事態を甘く見て、マスクを、ほんのちょっと使っただけだったからである。2月初頭から、外出時には防塵眼鏡、マスクを二重、ガーゼを濡らして二重、それだけ完全防備すれば、発症は防げる。万が一、防備に失敗しても、抗ヒスタミン剤と抗生物質の投与で、悪化を防せげる。

 しかし、しかし、お金も掛かるし、苦しいし、しかも、赤ん坊も、犬も、罹患するのでございますよ。優等生の科学部記者、様、様は、赤ん坊にも、犬にも、アレルギー源の「血液検査」をし、「約2週間前から抗アレルギー剤」を用い、などなどを、お勧めになるのですか。さぞや、商業新聞の必須の資金源、大手広告主の製薬会社、様、様が、お喜びになることでしょう。

 斉藤洋三にも、医者の限界がある。しかし、本シリーズで紹介した著書を読めば、杉の存在が問題だと考えていることが分かるはずだ。だが、電話一本取材の「はじめに結論ありき」記者たちは、専門書どころか、教養書も読まない習慣なのである。どうせ、短い記事しか載らないのが、新聞の宿命なのだから、苦労する気にはならないのである。

 折りしも、『日本経済新聞』連載記事「教育を問う/第1部/日本が沈む」(3)「プロが危ない/もの考えぬ“受験王”」(2000.2.25)の冒頭に、聞き慣れた話が載った。

「『有罪と無罪。どちらで書きましょうか』。関東地方のある地裁。新任の判事補の質問に指導係のベテラン判事はがくぜんとした。[中略]結論を聞き、それに合わせて判決文を作ろうとする。『自分の仕事がわかっているのだろうか』と判事は不安にかられる」

 私は、しかし、この「ベテラン判事」の方が、「なんぼ」かを知りたい衝動に駆られる。これまでの日本の裁判官のほとんどが、同じように、「はじめに結論ありき」の権力追随の判決文を書き殴ってきたのである。後輩は、先輩の背中を見て育つのである。

以上で(その22)終わり。(その23)に続く。


(その23) またもや杉花粉が飛散する悲惨な季節になりました
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