気分はもはや臨戦体制 日本の「空母」と「海軍」

30年前にフィリッピンから完全に撤退した米軍が、再度、フィリッピンの9カ所に基地を設置する計画で、米国がフィリッピン政府と合意したことが2月1日に発表されました。台湾防衛がその主たる目的であると米国は主張しています。かくして、中国・朝鮮を囲い込む臨戦体制の強化が、ますます急速に進められています。

そんな状況の中、海上自衛隊の「護衛艦 いずも」が実際には「空母」化されており、この「いずも」や目下「空母化」が行われている「かが」が、米英両国の太平洋地域での空母戦略にしっかりと組み込まれつつあることが下記のyoutubeではっきりと分かります。この動画を制作した組織は明らかにされていませんが、米国の国防省が何らかの形で関与していることは間違いないと思われます。この動画の中では、「いずも」は最初から「空母」と呼ばれており、海上自衛隊も「海軍」と称されています。「空母」は主として敵地または敵軍攻撃の目的のために、出来るだけ攻撃目標の近くまで接近し、空母から飛び立つ戦闘機や爆撃機で攻撃作戦を展開するための兵器です。このため、「自衛」の目的から外れているというのが従来の自衛隊の解釈でした。形式的にはその解釈をいまだ維持しているため、「空母」という表現は使わず「護衛艦」を使って誤魔化しているわけです。しかし、この動画は、「憲法9条など、どこにあるのか」と言わんばかりです。(この動画の中で自衛隊員が被っている帽子に「航空兵器 いずも」と刺繍されているのが読み取れます。「航空兵器」も笑ってしまうような誤魔化しですね。)

Japanese BILLIONS $ Aircraft Carrier Is Finally Ready For Action!

この動画の日本語版も制作されて公開されていますが、この日本語版ナレーションも「空母」や「海軍」という用語を堂々と使っています.

「日本の100億ドルの空母がついに就航!中国に衝撃」

おそらく、自衛隊もこれまでのように、これからなし崩し的に「護衛艦」という表現も「空母」に変えていくに違いありません。

この数日、米国やカナダ領空に侵入した偵察用気球の撃ち落としがニュースになっています。日本政府は、領空侵犯した外国の航空機に対し、自衛隊法84条に基づいて、正当防衛と緊急避難に限って武器使用ができるとの見解をとってきました。ところが、昨日の新聞報道では、日本政府は「外国の気球などが日本の領空を侵犯した場合を想定し、自衛隊の武器使用基準を緩和する方針を固めた。自衛隊法の解釈を変更し、正当防衛などに該当しなくても、一定の条件を満たせば撃墜できることを明確にする」とのこと。「一定の条件」とは、具体的にどのような状況を指すのでしょうか。これまた、「自衛」の解釈を急速に無意味化しようという日本政府の無節操な企ての一例です。岸田は安倍と同じように「嘘も方便」と考えているようです。政治家としての信念などカケラもないようです。

田中利幸

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