NewsLetter 6 Cover

CPR News Letter Vol 6

1995年10月

o9月16日(土)午後2時から、明治大学新研究棟第一会議室でロドニー=モーガン氏(刑事法)を招いてセミナー開催

9月12日〜21日の間、一橋大と新潟大の刑事法研究者の招待により、イギリスのブリストル大学法学部教授のロドニー=モーガン氏が来日します。彼は世界的な刑事法学・犯罪学の権威で、東京・新潟で各種のセミナーを予定しています。監獄人権センターでも9月16日(土)午後2時から、明治大学新研究棟第一会議室で、第3回監獄人権セミナー『市民が監視する拘禁施設ーイギリス 市民による留置場巡察制度に学ぶ』を開催します(2ページ)。ぜひ多くのみなさんのご参加をお願いします。(詳細は同封のチラシを参照下さい。)


oシリーズ国際人権判例紹介

シリーズ第1回として、Estrella vs Urguayのケースを海渡雄一さんに紹介していただきました(3ページ)。ウルグアイは73年に軍により議会が廃止され、85年の民政移管まで軍民共同体制という、実質的な軍事政権下にありました。80年当時軍政下にあったラテンアメリカの国と、現在の日本との監獄処遇の類似点に驚かされます。日本でも、選択議定書の一日も早い批准を求めていきましょう。このシリーズは今後随時掲載していきます。


o府中刑務所と横浜刑務所に対する訴訟

府中刑務所在監の受刑者が、看守からの嫌がらせを発端とする、暴行と恣意的な懲罰を受けたことに対し、94年10月に東京地裁に提訴した 国家賠償請求訴訟について、事件の内容と現在までの訴訟の進行状況について、弁護士の福島武司さんから報告していただきます。横浜刑務所での事案と非常に似通っており、このように非常に問題のある「処遇」が全国的に行われている可能性を示唆しているように思われます(4〜5ページ)。
前号で報告していただいた横浜刑務所に対する国家賠償訴訟の続報第一回の保護房収容中に革手錠と金属手錠使用の結果受けた両腕の傷の痕跡と、保護房収容中の医師の診察記録に基づいて作成された諸記録を証拠保全することが実現しました。この経緯と内容について、弁護士の田鎖麻衣子さんからの報告をお届けします(6ページ)。


oこの夏お勧めの本

厳しい猛暑が続いておりますが、みなさんおかわりなくお過ごしでしょうか。被収容者の方は特にお体にお気を付け下さい。夏休み特集ということで読書案内を掲載しました(7ページ)。このジャンル、最近けっこう出ているんです。続編も乞うご期待!


oアメリカの死刑囚の執行停止を求める

アメリカ合衆国ペンシルバニア州でいま、ある死刑囚への執行命令が注目されています(8ページ)。死刑囚の名はムミア・アブ・ジャマル氏。彼に対する執行のゆくえがアメリカ合衆国の死刑制度を左右するという見方まであります。この事件自体、政治的理由による冤罪の疑いが強いものです。「先進国」では数少ない死刑存置国であるアメリカの死刑制度は、同じく死刑存置を維持し続けている日本の死刑制度と大きく関わっています。監獄人権センターとしては、有実/無実にかかわらず、死刑・死刑執行に反対していきたいと思います。