アフリカでは?

アフリカ発の廃絶運動



アフリカの人々によるFGM廃絶運動は、1970年代から1980年代にかけて徐々に活発になってきた。
また、国連機関、各国の国際協力機関、NGOなどの努力もあって、FGMは少しずつ廃絶の方向に進んでいる。1990年代に入ると、法律でFGMを禁止する国も増え、様々な国際会議において「FGMは女性への暴力、健康破壊、人権侵害、女児への悪習である」と繰り返し認識されている。こうした動きに呼応して世界各地で支援の輪が広がり、現在も引き続き国際的支援・協力が強く求められている。


当事国の取り組み



アフリカでは数々のNGOや各国政府、国連機関がFGM廃絶のための努力をしている。1984年には「インター・アフリカン・コミッティ(IAC)―女性と子どもの健康に影響を与える慣習に取り組むアフリカ委員会―」が設立され、28カ国のNGOが参加している。
IACは、正しい情報や知識を人々に伝え、問題を共に話し合うという地域密着の活動に重点を置く。外部からの圧力で一方的にFGMを禁止する法律を定めても、人々が禁止される理由を十分理解しないままではこの慣習は続いてしまうからである。 また、FGMを行なうことで収入を得ている切除者には、保健衛生の専門的知識や技能訓練を提供して別の仕事に就く手助けをしている。こうした訓練を受けた切除者たちはFGMを止めるだけでなく、地域の人々に知識を教え広めるようになっている。


FGMは宗教上の儀式という誤解


特にイスラム圏で多く行なわれていることから、多くの人々がイスラムの儀式であると誤解されているが、実際にはカトリックやプロテスタント、コプトの信者でもFGMを行なっている。また、イスラム圏でも実施している地域と実施していない地域がある。FGMは非常に古い伝統で、宗教が生まれる以前から通過儀礼として行なわれてきた。
こうした宗教にまつわる誤解や、聖典の誤った解釈を正そうと立ち上がっている宗教指導者たちもいる。 IACが1998年7月にガンビアで、宗教指導者と医療関係者を集めて開催したシンポジウムでは「FGMは暴力の一形態であり、宗教とは無関係である」という宣言文が出された。


法律は有効か?


アフリカでは法律によってFGMを禁止している国々もある。ギニア、ガーナ、ブルキナファソ、ジブチ、コートジボアール、エジプト、タンザニア、トーゴ、セネガル、エチオピア、ケニア、モーリタニア、マリ、ニジェール、中央アフリカ共和国、ベニンなど。しかし、法律だけでFGMを廃絶することは難しい。

現地のNGOから聞かれるのは、「なぜ法律が必要なのか」「なぜそのような法律が人々のためになるのか」を知ってもらうことが重要で、そのためには教育キャンペーンが必要だということだ。
また、法律が制定されなくても、教育が行き渡ることでFGM廃絶に成功した地域もある。法律さえ整えればよいというアプローチでは、FGMは地下にもぐってしまい、かえって問題が深刻化する怖れもある。
しかし一方で、「法律によって、FGMを行なえば刑務所に入れられたり、罰金を払うことになると人々が知っていれば怖くてFGMを行なうことは出来なくなる。だから法律は必要だ」という意見もある。ある活動家は「私たちが草の根レベルのキャンペーンを行ない、それを法律が後押ししてくれる形が理想的」と話している。

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