編集長の辛口時評 2006年8月 から分離

イスラエルの傲慢な誤算がレバノン戦争で極限に達し破局を迎える

2006.08.04(2018.3.28分離)

http://asyura2.com/0601/war83/msg/323.html
辛口時評 060804 イスラエルの傲慢な誤算がレバノン戦争で極限に達し破局を迎える

 昨日、以下の「辛口時評060803」を発した。


アメリカ上層部でのイスラエル批判を増幅する好機
http://www.asyura2.com/0601/holocaust3/msg/351.html
投稿者 木村愛二 日時 2006 年 8 月 03 日 20:58:54

 [中略]
 アメリカ国内でも、急速に、イスラエル批判が高まっている。特に顕著なのは、アメリカの上層部でのイスラエル支援否定論の増大である。
 [後略]


 この状況は急速に進展し、本日は、以下の情報が出現した。


ヒラリー・クリントン米上院議員、一転してラムズフェルド国防長官に辞任要求 [ライブドア・ニュース]
http://www.asyura2.com/0601/war83/msg/311.html
投稿者 white 日時 2006 年 8 月 04 日 18:58:39: QYBiAyr6jr5Ac

□ヒラリー・クリントン米上院議員、一転してラムズフェルド国防長官に辞任要求 [ライブドア・ニュース]

http://news.livedoor.com/webapp/journal/cid__2280724/detail

ヒラリー・クリントン米上院議員、一転してラムズフェルド国防長官に辞任要求

【ライブドア・ニュース 08月04日】- AP通信によると、2008年の有力な大統領候補と見られている米民主党のヒラリー・クリントン上院議員は3日、AP通信とのインタビューの中で、イラク政策の失政を理由に、ラムズフェルド国防長官に辞任を求めた。同議員は「なぜ、(ブッシュ大統領は)手遅れにならないうちに状況を好転させる手を打たないのか。大統領はラムズフェルド長官の辞任という選択肢を受け入れるべきだ」とし、さらに「すでに長官は議会からも国民からも信頼を失っている。長官が退いて、国内外に新たな戦略を打ち出すことができる後任を選ぶ時期に来ている」と厳しく批判した。

 同議員はこれまで、2002年の開戦決議や今年のイラク米軍撤退期限を設定する法案に反対するなどブッシュ政権のイラク政策を支持する姿勢を示してきたことで、党内から非難を受けていた。

 このインタビューの数時間前には、ヒラリー議員は上院軍事委員会の公聴会に出席し、ブッシュ政権のイラク政策を「失策」と断じ、ラムズフェルド長官に対し、「あなたの主導のもと、誤った判断で我が国は被害を被った。現地では、強い抵抗や宗派・民族間対立が起きている」と痛烈に批判したが、これに対し、同長官は、批判は誤りだとして失政を否定した。また、国防総省の報道官は、同議員の批判について、「我々は政治についての話はしない」と述べるにとどめた。【了】


 イスラエルの国内でもオルメルト首相の自画自賛発言を痛烈に批判する社説が出現した。


イスラエルのハーレツ紙が首相の成果発言に苦言、現実との深刻な矛盾を指摘【イスラエルに戦争への疑問が高まっているぞ】
http://www.asyura2.com/0601/war83/msg/304.html
投稿者 gataro 日時 2006 年 8 月 04 日 14:11:15: KbIx4LOvH6Ccw

What about the missiles?と題したハーレツ電子版8月4日付社説はこう指摘する。

48時間の一時的爆撃停止後、引き続く旺盛なカチューシャロケットによるヒズボラの攻撃を述べてハーレツ通信はオルメルト首相の自画自賛発言を痛烈に批判する。
 [後略]


 このような状況を招いた原因は、イスラエルの傲慢による敵の過小評価である。軍事的な失敗は、ただちに政治的な状況を変える。イラク戦争だけでも、手に負えなくなっているアメリカは、イスラエルのレバノン侵略にまで加勢できなくなっているのである。

 以下が、その最新の状況に関する論評である。


イスラエル1967年の電撃作戦の成功の傲慢が今回の苦戦の原因
http://www.asyura2.com/0601/war83/msg/303.html
投稿者 木村愛二 日時 2006 年 8 月 04 日 14:07:14

 1967年のイスラエルのエジプト、シリア、ヨルダンへの電撃作戦は、一週間を経ずして、シナイ半島、ガザ地区、東エルサレム、ゴラン高原の占領に成功した。

 今回は13日掛かって、やっと1つの村の占領である。

 アメリカ独立戦争の時のイギリスと同様に、傲慢、敵の過小評価がある。

 1982年の時のPLOとヒズボラでは、格段に違う。ヒズボラはレバノンの住民そのもので、地元の支援が厚く、訓練され、装備されて、戦いの決意に満ちている。
 [後略]


 戦争では、最新兵器が威力を発揮するが、地上戦では、やはり、兵力が必要不可欠である。その基礎は人口である。

 イラクでは米軍を攻撃してくるゲリラ勢力があり、毎日のように米英軍の兵士が死んでいる。この治安の悪さは北アイルランドの状態に近く、1000人あたり10-20人の兵力が必要だと思われる。イラクの人口は2300万人だから、23万-46万人の兵力が必要だということになる。だが、実際にイラクにいる米英軍の総数は約16万人で、1000人あたり約7人しかいない。

 アメリカの兵役は志願制で、2004年9月30日現在、予備役116.3万人を除くと、約142.6万人。人口は2億8,142万人である。しかし、日本を含めて、世界中に兵力を配置している。

 イスラエルの人口は680万人だが、その内、いわゆるユダヤ人は520万人である。アメリカを頼りにしなければ、中東での長期戦は不可能である。

 レバノンの人口は約380万人であるが、ヒズボラの背後には、シリア、イランの強力な支援がある。

 シリアの人口は約1,800万人、イランの人口は7,000万人である。

 アラブ・イランの人口を合計すると、

 イラン  7,000万人
 イラク  2,300万人
 レバノン  380万人
 シリア  1,800万人
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 1億1,480万人になる。

 この他に、歴戦のパレスチナ人がいる。

 イスラエルの傲慢な誤算が、レバノン戦争で極限に達し、イスラエルとアメリカは、破局を迎えている。