電子手紙の送信日付け順・注釈付き一般公開文書館 2001年4月

テロ論争で「異議申し立ての犯罪化」など「理屈と膏薬は何処にでも貼り付く」の

送信日時 : 2001年 4月 25日 水曜日 11:38 AM

件名 :[pmn 14509] Re:「サイバーテロ」から書き込みまで

 以下の「伊達 純」さんとは、ユーゴ侵略戦争(メディアばかりか、ほとんどの政治組織も「空爆」ぐらいの表現でごまかしましたが)への抗議運動で何度か、御会いします。人柄も知っています。ですから、悪意で、「内野さん」の主張を非難する積もりではないと思います。

From: "Date Jun"
Organization: Peace Link >
Date: Wed, 25 Apr 2001 10:26:28 +0900
Subject: [pmn 14507] 今回の「サイバーテロ」云々のやりとりで思うこと(その3)
 伊達 純です。

 あるいは、政府機関や企業が何か問題を起こして、自然発生的にアクセスが集中したためにシステムがダウンしたとします。政府の気にいらない人物がアクセスを呼びかけたというような「でっち上げ」が行われることも十分に考えられます。
 このように考えてみると、教科書問題に関して韓国の人々が行ったインターネットを通した抗議行動のことを「サイバーテロ」としている内野さんは、「抗議そのもの認めない訳ではない」と言ってはいますが、結局は「抗議そのものを認めない」と言っているに等しいことになるのではないでしょうか?
 「異議申し立ての犯罪化は許すべきではない」と私も考えます。

 私は、こういう縺れた論争に際しては、「異議申し立ての犯罪化」などという、一見もっともらしい造語をするような子供の口喧嘩っぽい自己正当化のまやかしを、直ちに見破ります。その事件の細部の調査をすると同時に、人類史に遡る長い経験、そこから生まれた教訓の原理に、立ち返って考えることにしています。

 なお、この件に関しては、どなたかが、「手段のために目的を選ばす」という主旨の意表を突く批判を述べておられましたが、珍しいことではありません。何が手段で、何が目的なのかは、時折、というよりも、いつも、いつも、見失われるものです。一番簡単な検証法は、「目的」とされているものが、ほとんど、自己主張、自己正当化のための本能的な行為の擬態ではなかろうかと、疑って掛かることです。

 今は、とりあえず、ほとんどの方がご存じの原水爆反対運動の教訓を、引き合いに出します。いわゆる社会主義国が原爆を持ち始めたら、もともとは反米運動として始まった運動は、混乱し、果ては分裂、衰退にまで至りました。

 その時、日本共産党は慌てて、社会主義国の原爆は「破邪の剣」だとまで言い出し、その後、この発言の事実に頬かむりしています。しかし、当時の機関紙『赤旗』の記事は、ジョージ・オーウェルの『1984年』の世界とは違って、そこらじゅうに残っていますから、否認はできません。密かに、というよりは公然と、原水爆運動の主導権を狙っていた日本社会党は、得たりや応と、「いかなる国の原爆にも反対」、一応は正しい見解を発表しましたが、社会党の末裔が今、自衛隊容認論にまで堕落していることを見ても、単なる主導権争いのための立論にすぎなかったことは明白です。

 ともかく、その時点では、社共両党ともに、参勤交代の御本山だった社会主義国、つまりは「正しい」主張をしている組織についても、原爆は「反対」が、まともな主張として認められたのです。

 今回、実に面白いことは、1960年安保闘争の時期に、日本共産党の中央委員会と対立して、日本共産主義者同盟(ブント)を結成し、「敗北」宣言で四分五裂した連中の末裔の末裔で、日本社会党などの日本共産党とは相容れないはず党派の行動部隊の流れを組む雑誌などの常連が、日本の教科書はけしからんから、という根拠に基づいて、あれを「テロ」と呼ぶのはけしからん、と言っていることです。

 こういう状態を、昔の人は、「理屈と膏薬は、何処にでも貼り付く」と言いました。私は、南北朝鮮の皆さんが、怒りの示し方として、ある程度のことをするのは、先に電子手紙で送った元関東軍軍曹、元山俊美さんが、中国の戦場の現地で中学生に「馬鹿野郎」と罵られて、「当然の叫び」と認めたのと同様に、理解します。しかし、素直に理解できない日本人が多い現状を考えれば、むしろ、率直に、そんな抗議の仕方では損をするよ、と忠告するのが、一番良いと思います。

 で、最後は、役所の掲示板への書き込みですが、私も地元、武蔵野市で、市役所の電網宝庫、いや、電網嘘八百の存在を確認し、市が電子手紙を受け付けているのを知っていますが、そんな場所は、まったく相手にしません。正々堂々、市役所の前で、巨大携帯電子拡声器、単1乾電池10本使用、を使って演説をし、手製の個人新聞を、市役所の上から下まで、約700枚、撒きます。中身の水準も重要です。これが、横綱相撲の極意なのです。こすっからい小股すくいや、蹴たぐり戦法は、子供の喧嘩です。嘗められるばかりです。


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