『亜空間通信』387号(2002/10/04) 阿修羅投稿を02.12再録

イラク攻撃控えイスラム教国の梟(ふくろう)マレーシア首相が自衛石油武器論

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『亜空間通信』387号(2002/10/04)
【イラク攻撃控えイスラム教国の梟(ふくろう)マレーシア首相が自衛石油武器論】

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転送、転載、引用、訳出、大歓迎!

 いやはや、これぞ、「予断を許さぬ」状況の極致でもあろうか。

 昨日(2002/10/03)から本日(2002/10/04)に掛けて、『日本経済新聞』に、以下の2つの短い記事が出現した。

 ブッシュ坊やよ、ブレア坊やよ、泣くな、よしよし、じゃなかった。やはり、大人をなめちゃ、あかんのじゃ。泣けば、カラスも騒ぐが、森には知恵者の梟(ふくろう)もいるのじゃ。

『日本経済新聞』(2002.10.03夕)「■私は泥棒ではない」

「反イスラムのヒステリーが広まっている。ほかの国のことだから我々には何ともしようがないが、私は泥棒でもテロリストでもない
 マハティール・マレーシア首相がイスラム教国からの入国者を主な対象に検査を強化した米入管当局を非難(ロイター)


『日本経済新聞』(2002.10.04)「石油を『武器』に■マレーシア首相」

 クアラルンプールからの報道によると、マレーシアのマハティール首相は3日「イスラム諸国が自分たちの利益を守る武器として石油を利用すべきだ」と訴えた。イスラム教関係の会議で述ベた。
 首相は「世界中でイスラム教徒が搾取されている。世界中が必要とし、イスラム教徒が所有する唯一の物が石油だ」としてイスラム諸国、特に右油輸出国機構(OPEC)が内輪もめをせず一致団結すべきだと語つた。(シンガポール=共同)

 以上で引用終わり。

 マレーシアは、電網検索によると、「2000年人口調査の結果、マレーシアの人口は2,327万」とある。

 小国の部類ではあるが、多数派のマレー系の言語、マレー語は、約2億人以上が使用する「マレ-・インドネシア語」に分類されている。

 人口は少ないが商工業が発展し経済的には先進国並のシンガポール、石油・天然ガス資源の豊かなブルネイ、同じく石油資源国で、イスラム教徒の世界最大人口を抱えるインドネシアと、何世紀にもわたる共通の文化圏を形成してきた。イスラム教は、その文化の根幹をなしてきた。

 ブッシュ坊やよ、ブレア坊やよ、イスラム教徒を、なめちゃ、あかんぞよ!

 で、湾岸戦争以前の「石油武器論」の断章を、以下に紹介する。

http://www.jca.apc.org/~altmedka/gulfw-29.html
『湾岸報道に偽りあり/隠された十数年来の米軍事計画に迫る』
第五章:イラク「悪魔化」宣伝の虚実
OPEC結成以来のアメリカの対中東戦略

[中略]

 1971年のOPEC総会は、外国資本の石油会社に対する51%資本参加要求を決議した。翌1972年、イラクは先頭を切って石油国有化に踏み切ったが、メジャーの不買同盟により販路を断たれて困窮した。政権ナンバー2のサダムは国家計画委員会の議長などの立場で、これらの国家計画の先頭に立ち、「イラク石油」を支配する英・米・仏・蘭の4ヵ国資本を相手取り、難局を切り抜けた。世界第5位の埋蔵量といわれるルメイラ油田の開発は、サダムの指揮の下でソ連の協力により、イラク人技術者を養成しながら成功を収めたのである。OPECの資本参加要求は、その後100%に発展する。販路にも石油産出国が進出した。このようなOPECの血みどろの戦いの歴史の中心に、イラクという共和国と、その石油産業の発展に異常ともいえる精力を傾けたサダム・フセインがいたのである。このことの意義が湾岸戦争のマスコミ論評では、ほとんど無視されていたといってよい。イラクとサダム・フセインは、イラン・イラク戦争という特殊な時期を除けば、西側のメジャーにとって最も憎むべき宿敵に他ならなかった。だから、イラン・イラク戦争が終わってしまえば、ただちに「悪魔化」の対象とされ、始末される運命にあったのである。

 1973年には「石油武器論」が登場し、現実に対イスラエル戦略として行使された。第4次中東戦争に当たってOAPEC(アラブ石油輸出機構)は1973年10月17日、

(1)第3次中東戦争による占領地域からのイスラエルの完全撤退、
(2)パレスチナ人の権利回復、

 の2つの要求を掲げて、敵対的なアメリカとオランダへの全面石油禁輸、非友好国への供給制限という「石油戦略」を発動した。これにOPECの大幅な価格引き上げが加わり、「オイル・ショック」という世界を揺るがす事態となった。OPECの主力をなすアラブ諸国が石油価格を武器として操作すれば、国際的な大変動を生み出せることが、衝撃的に示されたのだ。 [後略]

 以上。


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