2013年12月 のアーカイブ

緊急◆死刑執行抗議集会

2013年12月20日 金曜日

彼らと同じ境遇に育っても自分は犯罪をしないと言えますか?
緊急◆死刑執行抗議集会
12月20日(金曜)午後6時30分開場/午後7時開演
文京区民センター2A
都営三田線「春日駅」そば/地下鉄丸の内線「後楽園駅」

より3分/JR「水道橋駅」より10分

自民党安倍政権・谷垣法務大臣は、12月12日に本年4度目の死刑を執行しました。当初より懸念されていた死刑のベルトコンベアは以前にも増して加速されているかのようです。
今回執行された藤島光雄さん、加賀山領治さんはいずれも不遇な生い立ちを持ち、それを知る人は、同じ境遇に育っても犯罪を犯さないと自信を持って言える人が果たしているのか? と語っています。彼等が犯したとされる「凶悪犯罪」の背景には、貧困や児童虐待の連鎖の問題が見えてきます。
死刑制度について意見を異にする方々にも、この執行の理不尽さ,非情さを理解していただけるような集いになればと思います。どうぞお誘い合わせ御参加下さい。
[入場無料]

死刑廃止国際条約の批准を求めるフォーラム90
〒107-0052 東京都港区赤坂2-14-13 港合同法律事務所気付
TEL.03-3585-2331 FAX.03-3585-2330

抗議声明

2013年12月12日 木曜日

本日(12月12日)、藤島光雄さん(55歳:東京拘置所)、加賀 山領治さん(63歳:大阪拘置所)に死刑が執行されたことに対し、強 く抗議する。

谷垣禎一法務大臣による死刑執行は本年2月の3名、 4月の2名、9月の1名に続き4度目で、執行された人 は8人に上る。1年に4回の執行という頻度を見ても、谷垣 禎一法務大臣は死刑の執行に積極的であり、人の生命を奪うことに何ら
痛痒を感じない大臣であると断じざるを得ない。

藤島光雄さんに関しては、過去に数回再審請求をしており、年明けに 新たな再審請求を準備していた矢先の執行だった。藤島さんは、児童虐 待を受けながら生育した過去があり、養護施設で育った。自らも親に水 の中に沈められて殺害されそうになった経験を持っており、今回の事件 においても、被害者に対して同じ態様で殺人に至ったものであり、幼児 期の経験が事件に大きく影響したことは明らかである。最高裁の弁護人 は、裁判員裁判であれば、こうした生育歴が量刑判断に大きく影響し、 死刑は回避されただろうと主張している。

加賀山領治さんについては、2012年7月24日に最高裁の判決を 受けて死刑が確定したばかりであり、確定後まだ1年4か月しか経過していない中での拙速を極める執行である。一審、二審の裁判も非常に短 く、それぞれ1年にも満たない審理で死刑判決を受けており、事実審理 が十分なされていない可能性が高い。加賀山さんは、本年、大道寺幸子 基金に再審請求の補助金の応募をしており、これから再審請求の準備を しようとしていた。拙速な裁判の上に、再審の機会すら与えられずに死 刑が執行されたことは、明らかに再審請求の権利を奪うものであるとい わざるをえない。

死刑は、国家による殺人であり、殺人を肯定し応報感情を社会に蔓延 させるきわめて有害かつ危険なものである。死刑には犯罪抑止の効果は なく、また、犯罪被害者の救済や社会の平穏にも資するものではない。 また、死刑は人道と民主主義に反する。

日本政府は、国連はじめ国際社会の死刑廃止、死刑執行停止を求める 声に耳を閉ざし続けている。今回の執行も、国会閉会直後を狙ったもの であり、国会において死刑執行に関して質問がなされることがない時期 を選んで行ったことは明らかである。

私たちは、死刑の廃止を願う多くの人たちとともに、また、法務大臣 に処刑された藤島光雄さん、加賀山領治さんに代わり、そして、死刑執 行という苦役を課せられている拘置所の職員に代わり、法務大臣に対 し、強く、強く抗議する。
2013年12月12日
死刑廃止国際条約の批准を求めるフォーラム90