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インタビュー

女性センターを運営、労働法を研究する

渋谷 典子さん

  • 2010.03.05
  • 聞き手:竹内絢
  • 撮 影:飯田典子

渋谷 典子さん

私たちが必要なものをつくろう

 名古屋市男女平等参画センター「つながれっとNAGOYA」の指定管理者である「NPO法人参画プラネット」。この3月で指定期間が満了になるが、先日の選考で来年度からも管理・運営することが決まった。仕事が増えたため予算も増えた。「参画プラネット」代表理事の渋谷さんは、センターが2003年に産声を上げた時から中心的にかかわってきた。

 センターに勤めるスタッフは20歳から72歳までの女性たち25人。責任者も含めてワークシェアリングだ。スタッフへの聞き取りをし、働き方をカスタマイズする。1人でも多くの女性がかかわることで、その背景をセンター運営に反映させる。企画を集める時も全員から。ダブルワークの人、大学院に通う人、資格取得に励んでマンション管理士などの資格を取った人、社会保険労務士になった人、育児や介護のある人、インターンを終えて残った大学生もいる。
 「女ひとり食っていける給料出してないじゃない」という批判もあるが、「この社会はフルタイムで働くことが当然になっているけど、女性たちがここを起点にしてステップアップしていくインキュベーター(孵化器)のような仕事場にしたかった」と渋谷さん。
 「女性たちはすごく力を持っている。社会はその力を過小評価しているけど、互いを励まし合い、応援し合える関係になると、ものすごく伸びる。それはもう、素晴らしい!」

 渋谷さんは大学を卒業後、就職。23歳で高校時代からの恋人と結婚し、2人の子どもを産んだ。他人から見れば何不自由ない専業主婦だった。
 「夫は企業戦士になり、それを裏切りだと感じた。地域で私も会社の名前で呼ばれたり、自分の稼ぎがないから本が買えなかったり。子どもとの関係も難しくて」
 横浜から広島、名古屋と、夫の転勤のため移動した。37歳の時、広島で出会った友人に名古屋で再会。「面白いところ連れてってあげる」と言われ訪れたのが「ウイン女性企画」だった。
 ウイン女性企画は高橋ますみさんが立ち上げた団体で、「主婦リブ」の中心的存在として知られる。渋谷さんはここで女性学と出会い、育てられた。
 「私自身が変わらないと、子どもとの関係も変わらないと思った。夫とは努力したけど無理だったので、交代してもらいました(笑)」
 つかの間のシングルマザー期間を経て、再婚。「今の夫と子どもとは合宿みたいな感じ。子どもが18歳になるまでは一緒に育てようと約束して」
 ウイン女性企画では「この指とまれ」で委託事業やプロジェクトに取り組み、終われば解散!と、女性たちとゆるやかなつながりでやってきた。

続きは本誌で...

しぶや のりこ

1956年神奈川県生まれ。NPO法人参画プラネット代表理事。名古屋大学大学院法学研究科博士後期課程在籍。編著に『女性たちの大学院』(生活書院)、共著に『トヨティズムを生きる』(せりか書房)など。
NPO法人参画プラネットhttp://sankakudo.net/
つながれっとNAGOYAhttp://www.tsunagalet.city.nagoya.jp/
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