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ふぇみんの書評

しゃべって、しゃべって、しゃべクラシー! 憲法・選挙・『虎に翼』

カニクラブ、國本依伸 著

  • しゃべって、しゃべって、しゃべクラシー! 憲法・選挙・『虎に翼』
    • カニクラブ、國本依伸 著
    • タバブックス1700円+10%
    関西在住の同級生の女3人のおしゃべりユニット「カニクラブ」。2024年にNHK朝ドラ「虎に翼」にハマり、「私たちのしんどいあれこれ、全部(憲法)14条で闘えるじゃんって思え」た3人が、ベテランの國本弁護士に憲法の役割や構造、人権規定について学んだ後、参政党の憲法、選挙とその後、参政党を支持する人や政治に興味がない人へのアプローチ、エンタメの役割、自分らしい闘い方・抗い方等について、しゃべくり倒す。  あくまで「私」が出発点。学生時代に創作の行間を読む訓練をした3人が読む参政党憲法の主体は「俺」、そこに書かれていないものをあぶり出す。軽妙なおしゃべりは各自が抱くもやもやの輪郭をくっきりさせ、新たな価値や希望を紡ぎ出す。「おしゃべりがデモクラシー(民主主義)の一番のベース」に深く納得した。  勝手に決められた総選挙はもうすぐだが、周りとおしゃべりしていこう!底なしのエネルギーと学びが得られる一冊。(濁)

    悲しき虎

    ネージュ・シンノ 著 飛幡祐規 訳

    • 悲しき虎
    • ネージュ・シンノ 著 飛幡祐規 訳
    • 新潮社2200円+10%
     作家・翻訳家の著者が幼少期から繰り返された継父によるレイプを語った本書はフランスでベストセラーとなり、数々の賞を受けた。継父はどんな男で何を考えていたのか?訴訟で自白したのはなぜか?著者は『ロリータ』など文学作品も分析しつつ、レイプそして暴力の本質を明らかにしていく。  ほとんどの犯罪者は自分の行為を許容できるように物語を創作するが、レイプ、特に未成年者への性的虐待や近親姦は、絶対的権力を持つ者による支配であり、加害者が性的捕食という攻撃法を選ぶのは、より強力に他者を支配し、服従させられるからだ。「何千何万もの人々と同じく、私はレイプされた。相手を信頼する以外に選択肢がない年齢のときに、愚弄され、裏切られた」。その体験が無に帰さないように、この惨禍が沈黙に守られないために、この本は書かれた。  昨年10月、日本で初めて実名で父のレイプを告発した裁判で、懲役8年の実刑が言い渡された。多くの人に読んでほしい。(雪)

    「九月」を生きた人びと 朝鮮人虐殺の「百年」

    加藤直樹 著

    • 「九月」を生きた人びと 朝鮮人虐殺の「百年」
    • 加藤直樹 著
    • ころから1800円+10%
    『九月、東京の路上で 1923関東大震災ジェノサイドの残響』(ころから)などで、関東大震災時朝鮮人等虐殺の検証と虐殺否定論者批判を続ける著者。本書は自身の講演録や、メディアへの寄稿なども収録し、史・資料を丁寧に読み解き、特にラムザイヤー(ハーバード大教授)の、歴史を歪曲する「朝鮮人虐殺」論文への批判を徹底的に行い、現在の問題につなぐ。  著者自身の様々な体験や、ヘイトデモの現場での抗議行動からの考察は説得力がある。追悼碑撤去を目的とするレイシストに触れ、「追悼」の本質を探る。「会ったこともない死者に手を合わせることこそ、追悼の本質」で、「追悼碑があることで、皆が虐殺犠牲者の前に立って悼む共同の営みができ」「虐殺の記憶を継承し、歴史の教訓を共有することができる」という考えに共感。大震災時、「被災者を助けた人々が一方で朝鮮人に暴力を振るう」など多角的視点をもち、虐殺後の「百年」を問い直す作業の大切さを心に刻んだ。(り)
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     郵便振替:00180-6-196455
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