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インタビュー

映画『THEダイエット!』監督

関口 祐加さん

  • 2009.06.15
  • 聞き手:赤石千衣子
  • 撮 影:落合由利子

関口 祐加さん

デブの世界は奥が深い

 大きなピザを食べるシーン。95キロの身体が迫力で画面に揺れる。映像作家、オーストラリア在住28年の関口祐加さんの自らを被写体にしたドキュメンタリーはコミカルに始まる。
 前作でニューギニアの元「慰安婦」の女性たちを撮影したドキュメンタリー監督がダイエット映画?と思ったが、そこはダイエットに関心ある私、面白いに違いないと観に行った。

 太るのはなぜか? 消費カロリーよりも多く食べているからだ。ならば食べる量を減らせばいい。それが簡単ではない。
 定番はジム。ボクシング、走る、サーキットトレーニングを始める。「私、腹筋ゼロ!」と、はあはあ言いながらボクシングに挑戦。さらに大量の野菜を食べ、ダイエット飲料を飲む。
 だが今回はそれだけでは終わらない。肥満の心理を研究する精神科医のセッションを受け、それをカメラの前にさらす。精神科医のジョージ・ブレア=ウェスト博士の質問は…。
 「どんなときに暴食したの?」
 「不幸な結婚生活の時、夫が寝たあと、ピザを食べていた」と告白する関口さん。Lサイズのピザを注文し、呼び鈴を鳴らされないように宅配を外で待ち、外で食べていたのだ。
 映画は関口さんの肉体と、ダイエットのためのあらゆる挑戦、そして美と恋人を得るための努力を貪欲に映像として見せる。美容整形外科医に「お腹エプロン」を脂肪吸引で取る相談に行くところまでも。

 自らが被写体、しかもダイエットをテーマにする映画を撮影しようと思ったのは?
 「実はね、夜、家の外でピザを食べながら、やばいな私、と思ってね。やばいと思いながら、これは映画になるなと思っていたんですよ」
 ドキュメンタリーの映像作家はみんな、いつも頭のここら辺(と頭の右横あたりに手が行って)で冷徹に醒めて考えているのだという。
 「ドキュメンタリーは生身の人間を被写体として撮影する、いい映像を撮ろうと思うともうスケベ心いっぱいでモラルなんか踏み越えて撮ろうとする。それがまたいろいろな問題を生むでしょう。だったら今度は自分自身を被写体にしたら楽かなと。そして、誰もやっていないことなら、自分がやろうと思ったんですね」

続きは本誌で...

せきぐち ゆか

映画監督。『戦場の女たち』のあと『WHEN MRS. HEGARTY COMES TO JAPAN』(1992)を監督。その後結婚・離婚。『夢を壊さないでっ! ゆかの"THEダイエット!"』も出版。本作は7月25日から東京・渋谷アップリンクXで公開。 映画『THE ダイエット!』公式サイトhttp://www.uplink.co.jp/thediet/
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