WOMEN'S DEMOCRATIC JOURNAL femin

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インタビュー

Don't kill の思いをサックスで奏でる

Swing MASAさん

  • 2009.03.15
  • 聞き手:じょうづかさえこ
  • 撮 影:落合由利子

Swing MASAさん

女自身によるウイメンズジャズバンドを

 MASAがサックスで奏でる「Don't kill(殺すな)」を久しぶりに聴いた。以前にも増して、強さと優しさを併せ持つ深い響きに心を打たれた。

 大阪で暮らしていたMASAが、サックスを抱えて一人ニューヨークへと旅立ったのは、1987年。28歳の時だった。
 「私ってホンマに寂しがりなんですよ。渡米のきっかけもレズビアンの恋人との大失恋。10キロもやせた。いまよりしんどいことはないだろうとアメリカ行くの、決めたんです」
 本場のジャズを浴びるほど聴きたいと飛び込んだニューヨーク。しかし、友人たちからのカンパもすぐに底をつく。家賃も払えず、ホームレス寸前のボロボロの生活。
 こらえきれないほどの寂しさと不安と貧困の中で、カウンセリングを受け始める。
 「自分というものを徹底的に見つめる初めての作業でした。自分に興味を持つほど面白いことはないですね」。自分がこけるパターンを知り、自分をハンドリングしていく方法を獲得していく中で、「プロのジャズプレーヤーになる」という自己実現の光が見えてきたという。
 30歳過ぎからニューヨークの大学に行き直しジャズを学んだ。

 小学生時代、太っていたMASAは、「ブタ! ブタ!」といじめられ、一人閉じこもって図書館の本を完読する少女だった。そんなMASAに、ファイトバック(反撃)のきっかけを与えたのは、5、6年の担任教師。「児童会会長に立候補しないか?」との誘いに、ダメモトで立候補したMASAは、学校始まって以来の選挙運動を展開。下級生の圧倒的な支持を集めて当選した。
 「ウーマンリブの影響もあったと思うんですよ。当選した役員4人は全員女子でしたから」
 同じころ姉の影響で、小林多喜二を描いた映画を見て、子ども心に「民衆を押さえつけ、虐殺までする権力」の存在を胸に刻んだ。
 サックスとの出合いは、中学校の吹奏楽部。コンクールで賞をもらうような学校で、朝、昼、晩と練習に明け暮れた。「公立高校は私立より学費が安いから、公立に受かったら、頑張った褒美にサックスを買って」と父親にかけ合った。そのとき父親に買ってもらったサックスを今も吹き続けている。

続きは本誌で...

スイング マサ

中学校の吹奏楽部でサックスを吹き始める。ウーマンリブの影響を受け、自立したプロのジャズサックス奏者を目指す。1987年渡米。ニューヨークのハーレム 在住。http://www.swingmasa.com
【 新聞代 】(送料込み)
 1カ月750円、3カ月2,250円
 6カ月4,500円、1年9,000円
【 振込先 】
 郵便振替:00180-6-196455
 加入者名:婦人民主クラブ
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