WOMEN'S DEMOCRATIC JOURNAL femin

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インタビュー

NGO広告でエコシフトを仕掛ける

マエキタミヤコさん

  • 2009.04.05
  • 聞き手:柏原登希子
  • 撮 影:宇井眞紀子

マエキタミヤコさん

世界はチャーミングに変えられる

 2003年の夏至から「でんきを消して、スローな夜を。」と呼びかけ、05年には664万人が参加する日本最大の静かなエコムーブメントになった「100万人のキャンドルナイト」。
 アメリカのイラク攻撃開始がせまる03年3月3日、「ピースパレードに行ってみない? これ持って。」の誘いと、花や雲が作る「NO WAR」の文字のぬり絵の新聞広告。環境NGOグリーンピースが出したこの広告もあり、参加人数が5万人に。
 多くの芸能人や若者がホワイトバンドを身に着けてアピールした05年の「ほっとけない世界のまずしさキャンペーン」。
 多くの人にとって環境や貧困や平和の問題は「難しくて」「説教くさくて」「禁欲的」だった。そこに誰もが思わずワクワクし、巻き込まれ、気づかぬうちに「知ってしまう」言葉や仕掛けを生み出して、社会をエコな方向にシフトさせてきたのがマエキタさんだ。内容がどんなにシビアで深刻でハードでも、シュプレヒコールでも拳を振り上げるでもない、ユーモアたっぷりの「チャーミングアプローチ」で既成概念を突破し、多くの人を巻き込んできた。

 小さなころから命令されるのが嫌いな、「非暴力不服従」の子。「既成概念を突破するのはむちゃむちゃ楽しい」ことに最初に気づいたのは、中学生の時に親の都合で引っ越したオランダ。当時美術学校の学生が、公共的観点から空き家に住み着いて警察と衝突していたが、議会は学生らに仮の短期居住権を与えたのだ。「そんなのアリ!?」。学生らの運動は「非暴力で美しくてチャーミング」だった。
 バックパッカーだった大学生時代を経て、「自分は人が見てないものを見ている。『伝える』仕事なら」と電通に就職、コピーライターとして働いた。仕事はハードだが、既成概念突破がよしとされ、めちゃめちゃ楽しかった。一人目の子どもを妊娠した時は産休・育休が会社になく、産後1週間で職場へ。授乳もあって寝不足でグラグラ。楽しいからつらくはなかったが、給料はベビーシッター代に消えた。

続きは本誌で...

まえきた みやこ

1963年、東京都生まれ。コピーライター、クリエイティブディレクターとして97年よりNGOの広告に取り組み、2002年に「サステナ」設立。エコ女性誌「エココロ」編集主幹、「フードマイレージ」キャンペーンなども手がける。主著に『エコシフト』(講談社現代新書)など。http://www.sustena.org/
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